山口県宇部市『魚かつ』さんにスズキを送っていただいた。
すばらしいとしかいいようのないもので、下ろしているとぐいぐいと魚が包丁をこばむような、いやいやするような。
ようするにまだ筋肉が生きているものだった。
土曜日の朝の競りで、夕方我が家に着く航空便で送られてくる。
宇部のスズキは素晴らしい。
洗い、刺身ともにずばぬけて美味。
名状しがたく、うまい、なんて言語が消え去ってしまう。
そしてもっとうまいものがあって、それが内臓であって、これを島根県東部中海、宍道湖周辺で作られている「煮なます」にする。
種子島で手作りされている、独特の大根けん突きが久しぶりに大活躍。
大根、ネギ、スズキの内臓で甘酸っぱく煮上げたなますの味わいに、なんと洗い、刺身以上に驚嘆す。
愕然とす、なのである。
山口県のスズキ、島根県の食の知恵に我ながら改めて頭をたれる。
而して、スズキのはらわたはうまい。
微かに苦みがあるのがなんとも言えず。
胃袋、腸のほどよく柔らかく、脂がふわふわのっており、それはまた地味豊かでいい。
飲んではいけない、日本酒をついつい飲んでしまうくらいにうまかった。
それでまた強烈しごくな肩こりに悩まされつつ。あまりのうまさにキーボードを打つ。
スズキの煮なますの作り方
1 内臓は食べたエサや、胆嚢、血液などを取り去り、熱湯をかけて臭みを取る。大根はけん突きでつく。
鹿児島県種子島で作られている独特の大根けん突き。表面がざらざらしたけんが作れる
2 鍋に大根、酒、砂糖、はらわたを入れて、火をつける。
3 ほどよく味がなじんだら、しょうゆ、ネギを加えて火をとめてできあがり。
山口県宇部市『魚かつ』
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、スズキへ
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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