2011年11月アーカイブ

12月3日土曜日午前8時半より
東京都大田市場で土曜会を行います。
参加者を募集しています。
今回のテーマは「明石浦と小田原の魚」です。
東京ではまずお目にかかれない
「明石鯛」も試食できます。

それぞれの産地から大田市場、大都魚類に送っていただき。
同市場内の仲卸で一次的な処理をお願いし、
それぞれの魚を味わっていただきます。


8時半から9時半まで、大田市場の見学と仲卸での買い物。
その後、大田区のキッチンつきの会場に移動。
お魚勉強会、試食会を行います。
詳細は掲示板に。
参加希望者の方は申し込みフォームへ。

魚貝を食べよう! 掲示板へ

兵庫県明石浦のホームページ

小田原魚市場のホームページ
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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湖北木之本、余呉(滋賀県長浜市)では発見がいっぱいあった。
そのひとつが同じく湖北長浜で最近人気の「焼きさば素麺」である。
長浜名物とは知っていたが、当然湖北全域で作られているものだろう。
そう予想して、実はあまり気にもとめていなかった。
なぜなら「焼きさば」というものは滋賀県、京都にとっての
近海(ちかつうみ)若狭だけにあるものではないからだ。
山陰、新潟などたぶん調べると日本全国にあるはず。
またここでは「さば」としたがタイ類、アジ類、カレイ類など
もっともっと水揚げ地で焼かれ四十物として出回る魚種は多いはずだ。

例えば兵庫県香住で焼かれているニギス。
島根県隠岐には焼いたサバを甘辛くたき(西日本なので)、
そばつゆに使う。
などなど我がデータベースにあるものだけでもかなりの量になる。

長浜の街にはちらほらと「焼きさば素麺」の文字があった。
食べてみるべきか悩んだ末にのれんをくぐるのをやめてしまう。
なぜならそこにあるものが、
家庭料理である基本形そのままとは思えないからだ。

自分で作ってみる気になったのは長浜よりもずっと北、
山間部にある下余呉の
「さばずし(なまなれずし)」で有名な
魚政の女将さんに作り方を教えてもらったからだ。

作り方は簡単。
焼きさばを適当に切り、酒、砂糖、しょうゆで甘辛く煮つけて、
焼きさばを取りだし、煮汁で固ゆでにした素麺を温め、つゆにからめる。
『つくってみよう滋賀の味』(滋賀の食文化研究会編 サンライズ出版)では
みりんも使うことになっているが、この方が焼き鯖の煮崩れを防げるように思える。

焼きさばは滋賀県のスーパーでは一店舗しか見かけなかった。
時期があるのかも知れない。
今回のものは鳥取県米子市の『丸綜』というメーカーのもの。
大津市琵琶湖大橋西詰めにあるIZUMIYAというスーパーで買い求めた。
この焼きさばの滋賀県での流通もちゃんと調べてみなければならない。

さて焼きさばを甘辛く煮て、焼きさばを取りだし、
煮汁を漉す、これに固ゆでにした素麺を絡めるだけなので
焼く30分くらいで作れる。
それにしては大皿に盛ると豪勢に見える。
しかも甘辛い煮汁を絡めた素麺が非常に美味。
煮た焼きさばの骨を除き、甘辛い身と素麺と煮汁をからめて
食べると、また非常に美味である。
簡単至極な料理でありながら、実にうまい、
というのが郷土料理の基本である、ということを実感する。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マサバへ
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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11月9日の日記風

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昨日やっと仕事の重複がひとつだけ解消する。
だからちょっとだけのんびりした気分で都心に出る。
新宿西口のヨドバシカメラで12〜60ミリズームレンズを買う。
97000円上で痛い出費となる。
1本目は一度落としたことがあり、入退院3回であえなく引退。
我が家では14〜35ミリ、50ミリマクロ、E-5二台を使っており、
12〜60ミリは旅行用だ。
明日は沼津へ、来週は琵琶湖へ行くつもりなので、
購入は致し方ない。
ただ最近、オリンパスのカメラの能力に疑問を感じており、
ニコンに替えるべきか悩んでいる。
なので、この1本を買うことには余計に痛みを感じる。

青山一丁目で打ち合わせ、
その後、べにやさんに寄ろうと思って横断歩道を渡りかけて、
水曜日定休に気がつく。
そのまま赤坂まで歩き、打ち合わせをもう一本。
また歩いて青山一丁目に戻り大江戸線で新宿へ。

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地下街にある『うなぎ双葉』でうな丼(2615円)。
味は平凡だとしておこう。
だいたい食べたくて食べるウナギではなく、
そのような気分でおいしいと感じる可能性は非常に非常に希。
その点からすると銀座の竹葉亭はすごいんじゃないかな。
京王、小田急の魚売り場を見て、
タマガンゾウビラメの干もの、刺身の妻を買う。

八王子行きの準特急に乗ると、
隣に脚を開いて座るバカ男、
目の前には無心にお菓子を食べている若い女性。
気持ち悪いので、席を移る。
駅から我が家までの雑木林が色づいてきている。
肌寒の歩道は色づく木の葉のなかでほの明るいのだ。

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自宅に帰る着くと、ほとんど仕事をしていないのに、
この時点でへとへとになっている。
自宅でメールの返信などいろいろ。
近所のタイヤ店でタイヤとオイル交換(55000円也)。
1時間ほどかかるというので駅前イトーヨーカドー内の本屋へ。
まったく水産に関係のない文庫本を13冊7726円分買う。
文庫本の前に立つと、すぐに10冊前後カゴに放り込んでしまう。
ついつい小説を読んでしまう=行き詰まっている、
ということなので個人的には非常事態宣言。

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本日、出費を考えて用意した20万円がほとんど底をつく。
非常に収入の少ない月なので、懐に空っ風が吹く。

車で帰る途中、栗山秀樹が監督になったというニュースが。
どこの球団の監督になったのか聞き落としたが、
ボクの勝手な意見ではあるが、この人、
まったく勝てる顔をしていない。

帰宅後、ハマチのみそ汁の撮影。
本日の撮影はこれにて終了。
撮影枚数100枚以下は久しぶり。
後は、できるだけ画像の整理、データベースの更新。 
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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モンガニのみそ汁

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今回の徳島行は仏事のため。
不眠不休の日々の、しかも苦手な車での帰郷。
着いたその日のたいへんなこと、せわしないこと甚だしく、
夜、徳島市のホテルに避難したときには
すーっと意識が消えて、まだ宵の口だというのに、
そのままベッドにダウンしてしまった。

翌日目覚めたら爽快だった。
時計を見るとまだ午前6時過ぎ。
沖洲にある中央市場に向かう。
不思議なもので市場に一歩入ると、
浮き浮きして、いい気持ちになるのだから不思議だ。
いつもの坂東商店で乾物を買い、
競り場を回って榎本兵さんにお願いしてモンガニを買う。

モンガニとはジャノメガザミのこと。
今期はガザミよりもモンガニの方が多いようだ。
ガザミと比べると安いカニではあるが、
榎本兵さんでの、キロあたり450円は安すぎる。
徳島中央市場恐るべし、と格安感に喜んでいいのか、
漁師さんのことを考えて悲しんでいいのかわからない。

持ち帰ってほとんどを塩ゆでにして、
ガザミ類ならではの上品なおいしさをあらためて満喫し、
朝ご飯用にみそ汁を作る。
「作る」と書いたが、ただただぶつ切りにして、
鍋に放り込み、水からたき(煮て)、
みそを溶くだけである。
このような「料理しない料理」が魚貝類にはもっとも適している。
ちょっと一手間、出来上がりにショウガの絞り汁を数滴落とす。

ジャノメガザミの濃厚な旨みが、
汁全体にしみ出して、濃厚。
非常に味わい深いみそ汁となっており、
カニの香り、カニならではの甘みが横溢している。
やや多めの麦みそを溶き入れて塩っ辛い汁にして、
炊きたてのご飯を用意した。
面白いもので、カニはみそ汁にするとおかずになるのだ。
ちなみにボクは生粋の徳島県人なので
最後に残った飯粒をかき落とすために、みそ汁を注いで、
ここにぎゅっとスダチを搾り入れる。
これがなんとも名状しがたい味なのだよ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ジャノメガザミへ
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