管理人: 2008年1月アーカイブ

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 最近気になってしかたがないのが、タルタルソースを誰が最初に作ったのか? という歴史。
 肉をタタール風に生で叩いてなんらかの味つけをして食べるタルタルステーキ。その関連でタルタルソースが出来上がったというのは、あり得ない気がする。だいたいタルタルステーキと生の牛肉は合わないように思える(違うかな?)。
 予想では国内の誰か、例えば洋食屋さんなどが作ってみて、それが生肉の細かく叩いたものよりも、フライだとか、サラダなどに合うことがわかる。ということでいろんな料理にマヨネーズベースの調味料として使われ始めたのだと考えている。

 本来タルタルソースというのはピクルスや玉ねぎを刻み自家製するもの。ところが最近は忙しくて、市販のものに頼りっきりとなっている。その市販のタルタルソースがうまいのである。

 これをボイルしたアカザエビ、レタスとともに軽くトーストした薄切りパンに挟む。
 これほど簡単な料理はなく、要するにアカザエビを使えばなんでも高級に美しく見えるし、驚くほどうまいというのを見て欲しかったのである。

 アカザエビのサンドイッチはうまいぞ!

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 一般に「つぶ」とされている巻き貝は、複雑でごちゃごちゃしている。水産物の初心者がもっとも心悩ませる、得体の知れない貝だろうね。
 整理すると「つぶ」のほとんど総てはエゾバイ科の巻き貝であり、大きく分けると2属になる。【大型で刺身などになるのをエゾボラ属】、【日本海などで“白ばい”と呼ばれるエチュウバイ、北海道の“いそつぶ”であるエゾバイなどのエゾバイ属】。「つぶ」と呼ばれる巻き貝の多くは、この2属に含まれるのだ。

 そこに例外があって、これまた少なくはない。そのひとつがナガバイとヒメナガバイのナガバイ属。これが底引き網の漁期であるために福島県原釜などからの入荷が続いている。そして“真つぶ(エゾボラ)”がキロ当たり2000円前後もするときに、キロ当たり1000円前後で買えるのである。
 ナガバイ属2種を見分けるのは難しく、やっとページ上に検索の項目をもうけることができた。ただし問題なのは2種を分けても、結局のところ味は変わらないと言うことだ。産地である福島県原釜などでもまったく両種を区別しない。ともに「巻きばい」とされている。

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巻き貝の刺身で、特にエゾバイ科のとき、貝殻を悪なんて愚かなことは止めた方がいい。出すのは簡単である

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足の筋肉の根元にある唾液腺にはテトラミンはなく、そのまま食べてもいい。(注/テトラミンは皆無というワケじゃない)

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これが下ごしらえを終わったところ。ワタの部分はゆでて氷水で。身の部分は塩もしくは、なにも使わずに、とにかくとくもんで滑りをとる

 このところの“真つぶ”の高騰から、久しぶりにヒメナガバイを刺身にして酒の肴とした。
 これが予想外にうまい。ヒメナガバイとはこんなにうまかったんだろうか、と改めて感動する。
 高価な“真つぶ(エゾボラ)”と比べてどこが違うか? というと、やや柔らかいのだ。それでも甘味も旨味も存分にある。
“真つぶ(エゾボラ)”の値段が高いのはコリコリした独特の食感のせいだろう。でも硬くコリコリした食感が好きという人と、柔らかいのが好きという人に、貝の刺身の好みというのは分かれるだろう。とすると「程良いコリコリ感があるヒメナガバイ、ナガバイのファンだわ」と言う人も多いはずだ。

 これを「奥播磨」の本醸造で流し込んでも、「いい肴であるな」としみじみ感じるのだ。酒を飲み込んだあとに貝の甘味と、酒の甘さが渾然と混ざり合い、直ぐに消えていく。

 さて、福島県での底引き網の巻き貝は想像以上に安い。味わいからすると安すぎる。
 このうまい貝を、もっと高く売れるように努力すべきではないのだろうか? 水産に関わる人よ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ヒメナガバイ
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ナガバイ
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 ボクがもっともうまいと思うポテトサラダは肉屋なんかで売っている、やや酸味がちな、ジャガイモのジャリほろしたもの。
 築地2丁目で見つけた『築地畜産』という肉屋のものなど、うれしいくらいにボク好みだった。

 ところが、このボク好みが子供達に受けない。街歩きのとき、「これは」と思う肉屋のポテトサラダに、いつもいつも「ダメダメ」と拒否反応をしめす。
 それでは子供達が好きなポテサラはいかなるものか? というと「クリーミー」に練り上げて作り上げるもの。
 作り方はいたって簡単至極。男爵系のデンプン質の高いジャガイモを適当に切り、ゆでる。八部どおり火が通ったらゆで汁を捨て、牛乳(本当は生クリームの方がいい)を入れて、あとはゆるりと練り上げる。味つけはゆで汁に塩、そして練り上げるときに塩コショウして整える。
 クリーミーに練り揚がったら、豪華にニチロの紅鮭缶詰(ぜいたくだね)とか、軽くゆでて、ほぐしたホタテ貝柱なんかを加える。また当然ハムなんてのも最高にいい。
 今回のにはオオズワイガニの足3本分に、甲羅下の身少々。ポテトの間に白い短い糸のように見えるのがオオズワイの身。これが多いほどうまいというのは紛れもない事実である。

 食卓に出すと、あっという間に6等分。これが我が家のボク以外の分け前なのであり、お父さんは数に入っていないという例の一つ。

 だいたい最近では朝方にすらお父さんにはチャンネル権がない。
「父ちゃんは7時のニュースのお姉さんが可愛いくて好きなんだけどね。見せてよ」
 お願いすると、姫が
「嫌だ、ぺーーーー」
 とほざく。
 その憎たらしいことは名状しがたい。
 もう二度とクリーミーポテサラは作ってやらねーぞ。

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 熊本県天草市志柿町で定置網を営まれている永野公介さんから、たっぷりのシマフグを頂いた。
 遠く届いた当日は、鍋でいただき、また焼ふぐにして堪能する。
 残ったシマフグはあれこれ悩んだ末に、干物にしたのである。
 永野さんが言われるには、天草志柿では「(シマフグのことを)“さばふぐ“といいますね。水っぽいので安いんです」とのこと。当地の漁師さんなどは鍋にしたり、煮つけにしたりはするものの刺身には向かないのだという。たしかに卸してみると、淡白ではあるが旨味に欠ける。それで干物にしてみようと思い立ったのだ。

 今回はシマフグを三枚に卸して、骨のない方は唐揚げやムニエルに、干物には骨のある方を使った。
 味つけは塩と味醂。
 これを二日間かけてやや強めに干し上げた。ちょうど2日目は初雪となり、シマフグの身が真っ白な多摩丘陵を前にして凍えているように思えた。

 このやや乾き加減のシマフグの干物が、深夜に帰り着いてのひと時の酒に、素晴らしい肴となった。

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 酒は島根県安来市の『月山 純米吟醸』である。この我が家とも縁のある安来の酒の美味であった事とも相まって、ささくれだった気分をシマフグの干物が和らげてくれたのであった。

 永野公介さん、ありがとうございました。

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 市場で、この時期通り過ぎようとして、通り過ぎることの出来ないほど魅力のある魚、それがアカガレイだ。この場合のアカガレイに「大きめの」という但し書きをつけ加えておく。

 さて先週のこと。八王子魚市場で北海道様似産のアカガレイを見つけた。それがなんとも見事なもので、量ってみると1キロ上ばかり。当然「高いだろうね」と聞いてみると、「1500円ですから普通でしょ」と言う。実際に支払を済ませて、持ったところがずしりと重い。

 さて五十路になってしまって、最近では服にも、持ち物総てに感心をなくしてしまい(もともと薄い)、そう言えばクルマにも執着はなく、住処には元来興味すらない。後は●●●と、このような見事な食材がドキドキするくらい好きだなー、と改めて考える。

 その見事なアカガレイを持ち帰り、撮影を済ませて、水洗いする。
 頭の方から、何等分にすべきか、指二本を当てて、なんどもなんども考えて大振りに切った頭を除いて5切れとする。腹にはぎっしりと真子が詰まっている。
 アカガレイを料理するときに、最大の急所はこの切り方にありと言っても過言ではない。
 ボクの場合、人差し指と、中指の二本分にする。これにはワケがあり、振り塩は切り口からする、次に裏表、そして焼くときも切り口から強火で焼き、またずーっと強火で裏表も焼く。すなわち四方から焼くので、角材状になるように心がけているのだ。へたに幅広く切ると、それこそ真子を焼くのではなく、蒸す、もしくは煮るようになってしまう。

 さてどうして頭の部分だけ、大きく切るのか、それはこの部分の真子は大きく広がっている上に、肝心要の肝が居座っているためだ。
 頭部を切るときには、いかに真子、肝を傷つけないようにするかが、これまたアカガレイを料理するときの急所なんだなー。

 切り身にした部分は塩焼き、頭部は煮つけにしないといけない。
 煮つけにすると、目の回り、頬などいちばんうまい筋肉があまさず食せる。
(注/この「しょくす」という口語体の使い方が気に掛かって仕方がない。使うとどうにも奥歯に何かが挟まったような嫌な思いになるのだ。「しょくす」に一家言あるかたはお教え願いたい)
 また肝を食らうと、それこそ愛のキューピッドにずどんと心臓を打ち抜かれたような衝撃を憶える。それほどにうまい。この感動は食べてしまったボクだけの秘密の小箱のようなもの。そして甘味のある真子。

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見よ! この美しい真子

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 5切れの塩焼きは、翌夕食で全部食べてしまう。食卓に出すと、一瞬にして消え去るほどの美味とは、これなんだなー。まごまごしているとヒレの香ばしさだけ、もじもじと食うことになる。我が、姫はずるがしこいことに真子をいっぱい集めて、ご飯にまぶしつけて食っているが、これもいい。
 晩酌を傾けながら「うますぎるものは肴とはなり難し」だと思う。(海老名の海老さん、素晴らしい炭をいただき、ありがとう、之介)

 アカガレイは塩焼き、煮つけがもっともその真味を表現できる料理法であると思っている。実は刺身もなかなかうまいのだけど、関東では「ずば抜けた鮮度のもの」が見つけられない。

 〆として一言つけ加える。
 本来庶民的であったアカガレイが、一切れ原価で300円(飲食店では尾の部分は使えないだろうから、5切れ340円。たぶん料理すると一人前1000円を超えることになる)もするという現実である。
 この値上がりは、底引きなどでとりすぎたことにもよるだろうけど、もっと根元的なこと、沿岸部、岸辺の破壊によることが大きいだろう。国内での自然破壊というのは、先ず間違いなく、必要だからするのではなく、一部の人間の利益のためだけにされているもの。アカガレイ一切れを食べても、もっともっと自然保護を訴えていかねばならぬのだ、と思う。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アカガレイ
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 今週初めに買い求めたノロゲンゲは富山県産であるという。箱に書かれていた魚名は「どぎ」。
「どぎ」というのは富山県から鳥取県、ひょっとしたら島根県にいたる地域での多すぎるノロゲンゲの呼び名のひとつだ。他には「げぎょ」、「げんげ」、「げんぎょ」、「水魚」、「すがよ」なんて、挙げていったらきりがなくなる。
「げぎょ」、「げんげ」などは「下級な」と言う意味合い。「すがよ」は秋田県での“氷”を“すが”というのから来ているのだろう。透明な寒天質の部分を氷に見立てたもの。ところが「どぎ」に関して辞書などで調べても、まったく調べる手だてがない。こういった由来不明の言語を渋澤敬三などは一次的魚名と定義していたのではないだろうか?

 ノロゲンゲなどのスズキ目ゲンゲ亜目ゲンゲ科の特徴は、身体全体がぬるぬる柔らかいこと。身体はスズキ目であるのに一見かなり進化の低い魚のように思えるのは、この脆弱なつくりと細長い体形にある。またゲンゲの多くは深海魚であり、ノロゲンゲはこれまた深海を底曳く網でズワイガニなどとともにあがる。

 これを初めて見たのは、かなり昔のことで金沢市近江町市場だったと思う。暖冬で気温の上がった日に、市場の片隅に無造作に置かれていた。“初めて見た魚は、とにかく買って食べてみる”が信条なのだけど、触っただけでぬるぬるして、なんだか生臭そうな魚であると思って買わなかった。初めて買ったのも近江町市場であり、そこでどう呼ばれていたのか、メモを残していなかったのが痛恨のいたりだ。

 これを中一日かけて持ち帰ったものの、買った店で教わったとおりに作った汁はまことに生臭くて、以来恐れをなして、ノロゲンゲだけには近づかないようにしていた。
 その敬遠していたものの本当の味わいを知ったのは新潟県上越市片岡鮮魚店から送ってもらって、食べてからのこと。
 わかったことはノロゲンゲは鮮度が落ちやすく、また古くなったら使い物にならない、ということ。

 20年以上も前に教わったやり方は「醤油味のお吸い物くらいの汁の中に、ただ切っていれる」というもの。
 ここで肝心なのは切り身は「汁」に入れるということ。すなわち吸い物として出来上がったものにノロゲンゲを入れるのであり、水に切り身の旨味を放出しながら、すなわち「汁を作る段階」で切り身を入れるのではない、のだ。
 普通、お吸い物というのはかつお節と昆布でだしを仕立てる。この「だしをとる」必要はまったくない。
 私流(わたくしりゅう)の作り方は昆布をさしいれて、水を煮立てる。ここに酒、塩、薄口醤油で味つけする。このときの加減は「飲んでうまいな」という塩分濃度。そこに生のノロゲンゲの切り身を、肝とともに放り込むのだ。出てきたアクはよくすくい取る。
 生臭みが気になるなら生姜の絞り汁をたらす。もしくは七味唐辛子、コショウを用意する。ボクはコショウを使うのが好きだ。

 汁に放り込んだ、ノロゲンゲの切り身は一瞬にしてモヤモヤした、寒天質の衣をクルリとまとう。よくアクをとって澄んだ汁は意外なほど旨味がある。そして汁とともにすすりこむように食べる身は、モワっと頼りなく柔らかすぎるゼリー状で、なかに、これまた頼りない白身がくるまれている。ここで歯に当たるのは中骨だけだ。この身自体がうまいのか否かは今のところ、なんど食べても判然としない。

 冬の日の、寒い寒い駅からの道を帰り着いて。「どき」の汁をすすると、驚くほど身体が暖まる。まるで懐炉を胃の腑に忍ばせたような具合になる。
 この不思議な体験は食べたものにしかわからぬだろう。
 寒さ身にしみる候である。一度お試しのほどを。

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 市場で安いマサバを見つけたら、とにかくいろいろ料理をしてみる。なかでも絶対に外せないのが船場汁である。
 料理名にある「船場」とは大阪市内の地名。今ではビジネス街としてビルが林立して、東京でいうところの大手町のような雰囲気がある。それがその昔、大店の並ぶ町で、その中核にあったのが道修町。そこで番頭どんと丁稚どんの世界があったわけ。そんなつましい(けち)で始末に励む御店で食べられていたのが、それこそマサバを骨まで利用するという船場汁だ。
 謂われはせこいものだが、味わいは決して貧相ではない。それこそ味わい深さという意味合いでは「豪華絢爛」であるように思われる。ほんまにうまいものであるし、どこかしら滋味豊か、身体が癒される。

 作り方は簡単。サバの中骨を一塩して、ひと晩くらい寝かせて、適当に切り、軽く湯通しする。この水分を丁寧に拭き取る。
 これを水に浸して、差し昆布(昆布の切れ端を入れる)して火にかける。本来はこれだけで味わい深い出しがとれるのだけど、今回の中骨二匹分で足りないので、少しだけかつお節出しを加えた。
 あるていど煮えてきたら、アクを丁寧に取り、軽くゆでた大根を加える。
 味つけは酒と塩のみ。青味を加えてもいいけど、ボクなど大根とマサバだけで充分だと思っている。

 これは酒を飲んだ後にぜひとも頂きたいもののひとつ。なぜだか知らないが肝の臓あたりの重苦しさがとれてしまう。

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 昨日、今年初めてノロゲンゲを見た。初ノロゲンゲは富山県産(この日本海という荷の箱だめだな。むしろ産地を乱している)。とうぜん魚の名も「どぎ」。
 本種は日本海側でズワイガニ、つぶなどの漁で揚がるもので、その昔はまったくの雑魚だった。それがこのところ人気が出てきて、関東でも知る人ぞ知るといったものになっている。

 ノロゲンゲはスズキ目ゲンゲ亜目ゲンゲ科の魚で、この仲間ではシロゲンゲ、カンテンゲンゲも食用になり、流通している。
 ともに水っぽく、ヌルッとしている変な魚だが、食べてみるとうまい。
 今年は「げんげ」を食べてみてはいかがだろう? そろそろ「げんげ」のシーズン到来である。

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 マサバ料理の頂点に立つものは何か? これは簡単ですね。「さば塩」以外に考えられない。
 サバの塩焼きなんてどこでも食べられるだろう、と思っている人は、お魚を見る目がない。もしくは観察力に劣る。
 最近面白いものでファミリーレストラン(「ファミリーレストラン」と言ったら、娘に「それ何?」と聞かれた「ファミレス」が正しいらしい)、コンビニなどでも「サバ関連」の料理(商品)をしばしば見かける。でもそのサバの文様を見てもらいたい。そこにはくっきりと縞模様が出ている。
 昨日の昼下がり、コンビニ(am-pm)に「サケのお握り(ボクは関西語圏なので「おむすび」ではない)」を探していたら、一個も残っていない。仕方なくしめ鯖のお寿司というのがあって買ったら、ここにもくっきりと縞模様。この「サバ」というのがノルウェーなどから入されているタイセイヨウサバである。(このコンビニの材料の表示は単に塩サバだった。am-pmももっとこの辺を考えなければダメだぞ)
 実を言うと、近年では国産のマサバを使った料理(商品)はますます値上がりしていて、なかなかスーパーなどでも見つからない。

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マサバ料理一夜目。しめ鯖、サバのいり焼き、塩サバはビニール袋で密閉

 だから「サバ塩」は自家製するに限る。
 やり方は簡単至極、だれでも作れるもの。サバを三枚に卸して、中骨を外して、塩焼き加減で振り塩。このとき一緒に中骨にも塩をすて、後々船場汁にする。
 これをビニール袋に入れて密封、一夜おいてから焼くだけだ。

 朝ご飯用にサバ塩を焼く。我が家ではいたって普通の魚焼きに、もう二枚ほど焼き網(お餅を焼くもの)を重ねて強火で焼く。ときに焼き網を三枚重ねて火加減しながら、ほんの数分でサバ塩は焼き上がるのだ。
 脂ののったサバは自らの油で、その表面を唐揚げにするごとく揚げ、そして身の中ほどには旨味を含んだ水分を閉じこめる。

 これは焼き上げたら一気に、間髪入れずに食べるに限る。だから酒の肴というよりは、ご飯のおかずの方がサバ塩の偉大さをより感じられることになる。
 何しろマサバの旨味は膨大であって、焼くことで最大限に引き出される。
 微かな渋み、これが甘味と旨味をより引き出す媒体となり、繊維質の練り絹のような身の食感自体が心地よい。ましてや揚げた如く、香ばしい皮といったら、忠実に例えるべき言葉がない。
 ここで書いておかなければいけないことは、この季節、マサバの「脂ののり具合」はやや低下してきていることだ。だから値段も下がってきている。それでも「こんなにうまいのか」と驚愕させられるほどにマサバは偉大だ。

 朝ご飯に二枚のサバ塩、他にいろいろ料理が並んでいても、消え去るのは一瞬でしかない。ポテトサラダが寂しそうだし、奮発した千枚漬けも「そう言えばあったなー」なんて存在感が薄い。納豆君などは、それこそ「出さなければよかった」なんて、可愛そうじゃないか。ボクがサバ塩で困るのは一極集中型朝ご飯になることだけなのだ。

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 島根県の漁村などで作られている言うなれば漁師料理。実を言うと、これを初めて知ったのは関西テレビ(サンテレビだったかも。ボクが子供の頃の徳島県での8チャンネル)で見たことに始まる。小学校から異常に料理を作るのが好きだったので、このような「優れているな」という料理は忘れない。

 画面には漁師さん数人とタレントさんらしき人物がいる。鍋は普通のもので、水を張っており、酒と砂糖と醤油をドボドボと入れて、野菜とマサバ、カワハギなどを放り込み豪快に食べている。これがうまそうだった。

 島根には大人になってから何度か行ったのだが、なかなかこの「いり焼き」には出合えない。
 新鮮な魚を醤油味で煮るだけなので、どこにでもありそうだけど、これは飲食店で食べるようなものではないらしい。
 さて、漁師さんなどの作り方は、やや醤油辛い汁で魚と野菜を煮るだけというもの。東京に住んでいて、このやり方で作っても、魚の鮮度のせいかもわからないけど、ぜんぜんうまくない。
 そんなときに思い出すのが大阪などでの「鱧が出ると泉州玉ねぎが出る」という“鱧すき”という料理。要するに、すき焼きの下地でハモと玉ねぎをたき(ボクの言語は少なからず関西系)ながら食べるのだ。
 ようするに「家庭で作るすき焼きを魚に置き換えた」だけの料理。このハモをマサバやサワラなどの背の青い魚にすると、これが非常にうまいのである。

 まず汁を作る。これは水6、酒1、味醂1、醤油1、砂糖少々。これを醤油の塩分濃度や、食べるときに子供がいるかどうかなどでどんどん変化させていく。
 マサバは三枚に卸して血合い骨を抜き、皮付きのままそぎ切りにする。コツは出来るだけ脂があって鮮度のいいマサバを選ぶことだ。玉ねぎは輪切りでも、なんでもいい。好きなように切る。酒の肴に一人鍋とするなら、あまり大きく切らない方がいい。
 いちばん単純な材料はマサバと玉ねぎだが、ここに白菜などの野菜類、キノコ、豆腐などなにを加えてもいい。玉ねぎだけは外せないと考えて欲しい。

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 鍋に汁を張り、まずは玉ねぎを入れて、それにマサバを乗せるようにする。後は箸でつつきながら自分好みの煮え加減で食べるだけ。
 マサバの身に新しい旨さを発見できるはずだ。
 ここで肝心なのは玉ねぎはあまり早く食べないことだ。マサバを食べた後の、この甘辛い、魚の旨味を吸った玉ねぎが、どえりゃーうめーのだから。我が家の太郎は、これで三杯飯が食えると豪語しながら、四杯飯を食う。

 さて、本場島根の「いり焼き」とはどんなものだろう。島根の旅の日程も決まり、楽しみだなー。


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 八王子総合卸売センター『総市』は普段は卸しに徹しており、なかなか一般客が寄りつけない雰囲気を持っている。それが土曜日にはガラリと様相を変える。
 それこそ店一杯に広げられた魚を、どんどん安くバーゲンするのだ。なにしろもともと大口相手の店であるから価格は信じられないほど安い。またそんなに大衆魚ばかりではなく、ときに高級魚というものが混ざっているからうれしいね。

 この日も特売の目玉は宮城県からのマサバ、2本で380円というもの。これがなかなか侮れないものなのだが、そのとなりに断然上を行くものが置かれている。同じく宮城県の金華鯖の8本入りである。
「ミノルちゃん(総市鮮魚部部長)、こっちは高いだろう」
 念を押すと、
「キロ(あたり)500円だぞ」
 5キロばんで8本だから一本500グラム強だろう。実際に支払ったのが600円と少し。1本なんと300円ほどにしかならない。ちなみに冬になると途端にマサバの脂ののりが落ちてくる。だから見た目はちょっとの差でも開いてみると大きいことがある。

 これを『総市』で三枚に卸して持ち帰る。
 自宅のまな板にのせまして、いろいろ考えて挙げ句に、まずはしめ鯖、塩鯖、船場汁、鯖のいり焼きをつくる。

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一番上のしめ鯖は魚屋で三枚に卸すとともに作り始め、帰り着くや酢でしめてしまう。
中骨と、真ん中に一本の包丁目を入れたのは振り塩。ひとばん寝かせて、船場汁と塩鯖
一番下は皮付きでそぎ切りにして、島根県の郷土料理「サバのいり焼き」にする

 これだけ作ると、それこそ3日ほどはマサバ料理が楽しめる。
 さて、当日は『総市』で振り塩して、持ち帰るや酢につけてしめ鯖だけは夕方までには完成している。それでしめ鯖の話は割愛する。

 このマサバ2本がいったいどんな味覚となって、食卓を賑わすのか、これからマサバ話三題の始まりなのだ。

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 ニベ科の魚達はボクにとって最近の注目株である。
 例えば関東で「石持」と呼ばれているシログチだが、これがどうにも苦手な魚だった。ところが一塩して軽く干し、ゴマ油で焼くという韓国風の食べ方をし始めたら、俄然ボクの中での存在が大きくなってきた。また駿河湾などでよく見られるクログチも外見の地味さ加減からは想像できない、美しい白身、うまさなのだ。

 そんなニベ科でももっとも古くから「うまいな」と感じていたのがオオニベである。ニベ科で養殖が行われているのはフウセイと本種のみ。ニベの仲間というと小魚と思っている関東の人間には“養殖する”というのがぴんとこないだろう。ところがオオニベは2メートル近くになる巨大魚なのだ。

 オオニベは天然養殖ともにあまり入荷の多いモノではない。そのせいだろうか、八王子の寿司屋、魚屋などにも「これなあに?」とよく質問が寄せられる。「前に教えたでしょう」と言ってもどうやら外見の地味さ加減からか、なかなか憶えられない魚の一つである模様。
 当然、目立たないんだから値段は安い。今回のは3キロほどで1本が2500円ほどにしかならない。このお安い魚を下ろして食べてみると、その真価を思い知ることになる。しかも我が家は子だくさんなので、こんなに助かる魚もないであろう。

 よいこらしょっ、と持ち帰り、三枚に卸す。実際に下ろしてみると思った以上に鮮度がいい。当日はカルパッチョと刺身(この血合いが美しい)で楽しんで、あとは切り身にして塩コショウして冷凍保存する。これを時にはムニエルにフライにと使っていく。

 オオニベで真っ先に作るのがムニエルだ。
 塩コショウはしてあるので、小麦粉をつけて、たっぷりの澄ましバターで中火で焼き上げる。こんな簡単な料理はない、と思うのだけど毎回出来にバラツキがでる。表面はかっりっと中は柔らかく、オオニベの白身で繊維質の身がフォワっとほぐれて、ジュがほんの少し浮き上がってくるのがベスト。でも絶対にこうはならないのだ。ひょっとしたらムニエルというのはフレンチの中でももっとも難易度の高い料理かもしれないと思う。

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 面白いのは主食にパンを用意していても、「ご飯がいい」という子供がいることだ。皿にたまったほんの少量のバターに醤油を垂らして、ご飯にのせてワッシわっしとかき込んでいる。ボクが酒の肴とするときにも少量の醤油をたらすのだが、どうやらバターと醤油は相性がいいようなのだ。

 さて、もう一つの定番がフライである。フライの定義は門外漢からは難しい。この辺は今年の課題となる。
 我が家でオオニベを使うとき、しかもちょっとしゃれた感じにしたいときにはアングレーズ(卵、牛乳、油を混ぜた)を作り、ここに少量の粉チーズを入れる。今回のはヤギのチーズ(jasminさんありがとう)を粉にした。あとはパン粉をつけて、やや大目にフライパンに入れたオリーブオイルの中で焼き上げるように揚げる。
 揚がったら自家製の乾燥セロリとヤギのチーズを上から薄くスライスしながらのせた。

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 残念ながら、これは酒の肴にはならず、むしろ朝食を希にパンとするときにつくるもの。
 タルタルソースをかけてもいいが、できればそのままで、もしくはたんにレモンくらいをふり食べて欲しい。

 お父さんもたまには「家族に媚びた料理を作らなければ、孤立しかねない」という危惧を感じて、作る料理なのであった。

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 標準和名のオオズワイガニというのは国内ではとれない。総て輸入物だ。
 これなどタラバガニに対してアブラガニが国内ではとれないのと似ている。
 オオズワイガニは市場で見ている限り、季節を問わず入荷してくる。例えば夏にも秋にも、そして冬にも。ただしその期間は短く年間を通してみるとズワイガニよりも遙かに少ない入荷量しかないだろう。

 ボクの場合、とても国産・日本海のズワイガニに手は出ない。なにしろ1匹が1万円前後というのは雲の上の食べ物ではないか? ということで普段食べるのはロシア産のもの。もしくはメスガニ。
 そしてロシア産のズワイガニとロシア産のオオズワイガニが並んでいたら、間違いなくオオズワイガニを選ぶ。
 大きいし、値段も安いし、希少価値もある。例えば小振りのズワイガニよりもオオズワイガニの方が絶対にうまいと思う。

 そんなロシア産オオズワイガニを久しぶりに見つけて躊躇なく買い求める。
 それを蒸し上げて、出来上がったばかりのものを夕飯に食べる。
 甘さも、そのミソのうまさも、我々庶民にとって国産のズワイガニと値段ほどの違いはあるのだろうか。

 国の無策で諸式の値上がり、また高速運賃の大幅値上げ(これなど極悪非道の行いだ)を控えている時期に、これほど庶民に優しいカニもあるまいに。

 さて、これほどお買い得なオオズワイガニであるが、市場ではもっぱら「バルダイ」という名で売られている。これは種名であるラテン語をそのまま使ったもの。素直と言えば素直だけど、結局市場ではズワイガニとしてしか売りようがない。また売り手にはズワイガニとオオズワイガニの違いはわからないだろう。
 でも立派な割にお安い「ズワイガニ」を見つけたら、ぜひ買ってみるべきだ。それはオオズワイである可能性が大きいし、食べても満足のいくものである。

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さて、本日は『つり丸』のコラムを書き、
たつき仕事をこなし、
画像を整理し、寿司図鑑用の撮影し、大忙し。
あんまりまともにブログもかけないようなので、クイズ風に。
沼津魚市場で欲しかったのに手に入れられなかった魚貝類。
これらの種類がわかれば学者級。

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 沼津魚市場の地物競り場が生まれ変わって、不思議でわけのわからん名前「イーノ」になった。もっとまともな名前はなかったのか、この国の言語が益々好きになっているボクには理解不能だ。
 だいたい、この「イーノ」というのはギリシャ神話からとったものだというが、沼津とギリシャのどこに接点があるのか、最近、この国の政治や、このような施設を作る人の感覚が幼児化してきているのが気になるな。

 さて、午前3時過ぎに沼津に着き、ちょっと前まで底引きの競り場だった部分を通り越して、「イーノ」に入る。入るときに浅い水槽を通り、手を洗う。午前3時半近くの競り場はまだひっそりとして、いちばん端っこの活けと、底引きに人の気配がする。

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 底引き網の選別の場所に来ると、志下トロの雰囲気がちょっと変である。というかとても近寄りがたい、おっかないのである。太共丸の奥さんが「大変なのよ」と、これが朝のご挨拶。大成丸の女性達は、「邪魔だから下りてくるな」と初っぱなからけんか腰だ。仕方なく遠くから見ていると、通りかかった人が「近寄らない方がいいよ」と声をかけてくる。
 戸田の底引きが到着してくる。こちらの方もどこか動きがぎこちない。そのわけは一目見ればわかるものである。狭いのだ。
 底引きの選別している人に言わせると実質的には「前の半分だね」とのこと。
 この「イーノ」を設計した会社がどのようなコンセプトで作ったのかは、だいたい理解できる。昨今の衛生面での配慮が前面に出ているし、これは将来のことを鑑みるに仕方のないこと。でもこの会社は、現場を見ないで建物をマニュアル通りに作ってしまったのだ。明らかに、ここでどんな作業が行われている、行われるのかを一度も見ているはずがない。はっきり言っていろんなところに無理がある。この建物を設計した会社は実際に使っている人たちからは不愉快な対象になってしまっている。

 さて、志下の選別はまったく見ることが出来ない。主に戸田の船を見て歩く。
 9月、10月はそれこそ1船あたり大きなバケツが7個も8個も、ときに10個もあり、それこそ選別の手伝いまで大集合して大変な騒ぎとなる。それが今日は水揚げが少なく静かである。静かであるけど労働量は建物のせいで倍になってしまっている。選別の主体になっている人たちの年齢は若くて50歳代だが、中心としているのは60歳、70歳台だろう。そこに立ちはだかるのが高い段差だ。そして狭すぎる選別場所。たぶん何も見ないで設計した人間は充分にスペースをとっていると思っているんだろうけど、それは作業の流れをまったく見ていないためだ。もしくはよほど不漁の日に一度くらいは来ているのか?
 仲買の一人が志下の場所に来て、「9月の解禁だったら死人が出てるだら」と言って去っていった。
 作業場が狭いのは大きなシャッターを閉めているためだと思い、戸田の解放されている方の後ろに回る。ところが決して通路側にせり出せないのがすぐにわかる。
 日ノ出丸、光徳丸、清正丸、招徳丸、福徳丸ときて戸田の場所でも作業の滞りが目立つようになってきている。招徳丸の、ご夫婦は老齢のためかこの高い段差を超えられない。間違いなく上がり下りが出来ない。

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 選別を見ているとき接岸している定置の船がエンジンをかけた。すると選別の場所に大量の排気ガスが流れ込んできた。ボクは疲れがたまっているせいなのか、この濃度の排気ガスの中では気分が悪くなる。
 菊貞・山丁菊地利雄さんが通りかかったので、「排気ガス入らないように出来ないのですかね?」と聞いてみる。
「あれ見てください。(イーノの競り場とは反対側の一番高いところに)換気扇が並んでるでしょ。だからこっちからの排気ガスが全部場内に入ってくるんですよ。排気ガスが入ってきたら息を止めてください」
「そんなことしたら死にますよ」

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 底引きから巻き網の選別場にくる。こちらは比較的うまく選別が行われている。これが選別台があるからだ。選別台の落とし口を競り場に持ってくれば段差が気にならない。
 やはり新しい建物というのは落ち着かないものだ。既に並んでいる八丈島などの魚貝類を見て回る。たくさんのサヨリやタチウオはいつもの如く。明るいので撮影は楽になった。その画像がきれいである。

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 さて、「イーノ」の第一印象は決していいものではない。あえて言うと設計があまりにも計算され尽くしていて、遊びがなく、ゆとりがない。このような低級な設計は“現場を調べない、見ない出作り上げる、今時の傾向”とも言えそうだ。これが築地の移転先の豊洲にも受け継がれると思うと薄ら寒い気すらする。

 沼津魚市場便りはまだまだ続く。


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さて、明日も残念ながら自宅でいます。
と言うことで朝方は、八王子で市場巡りをしています。
午前7時過ぎくらいから9時過ぎくらいまで、
八王子総合卸売センター、八王子綜合卸売協同組合で
いますのでおいでください。
ボクを見つけたい人は、八王子総合卸売センター『市場寿司 たか』
八王子総合卸売センター『さくら』(中華料理屋)
『土谷食品』(ちくわぶなど製造)、『高野水産』、
八王子綜合卸売協同組合『マル幸水産』クマゴロウなどにお聞き下さい。
八王子土曜会は「会」と銘打っていますけど、
気軽な市場歩きです。
参加はまったくの自由、そして無料。
市場を一緒にタラタラ歩きましょう。

八王子の市場に関しては
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 沼津から帰り着いてから、そこで得た魚貝類を撮影、食べてみる、寿司に握ってもらう。
 翌日は鹿児島県南さつま市笠沙の伊東さんから魚貝類。
 15日、16日で撮影した画像が1000枚を超えてしまって、身動きがとれない。
 しかもこんな時に限ってクロアジモドキ、イトウオニヒラアジなど初めて見る種がたくさんある。
 さて、何を言いたいかというと、メールなどの返信が出来なくて、
「ごめんなさい」
 なのである。

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このなかで3種類ほどの魚貝類の名をわかる人は達人です

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 ちょっと悔しいので、ここに記しておく。
 先週の八王子綜合卸売協同組合『やまぎし』に神奈川県横須賀市佐島から首折れのマサバが入荷してきていた。発泡の箱の横に「シメサバ」と書かれてあって、小振りであるが、まことにうまそうなマサバ。一本300グラムくらいあって、280円だから、キロ当たりになおすと900円ほどだろう。マサバの値段の下がっている時期だから、小振りにしてはいい値段をつけて健闘している。

 この時期の相模湾のマサバは小振りでもまことにうまい。脂がのっている。
 店頭を行き来して悩みに悩んだ。既に八王子総合卸売センター『高野水産』で6キロ近い魚を買い込んでいる。しかも遠方からとどくものもある。

 結局五十路オヤジの良識が働き、諦めてしまった。でも悔しいねー。

しんさんの『佐島のさかな達』
http://members.jcom.home.ne.jp/shin-sajimakou/


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 年末年始は体調を崩してしまって、つくづく年齢というものの恐さを感じた。この風邪でもなく、胃が痛いでもなく、なんだか気だるいというときに、体が欲している食い物があることに気がついた。それがヨーグルトであったり、納豆だったり、野菜や果物であったり。
 そこにこのじゃこ天も入っていたには意外であった。ボクにとって、じゃこ天というのは酒の肴であって、食事とはやや隔たりのあるもの。ついつい焼いて、適当に切り、ネギ味噌を乗せて食うとか、しょうが醤油でとか、とにかく酒とともにあったものなのだ。

 これは偶然なのだけど、年末に煮染めをつくった。鰹節・昆布で一番だし、二番だしをとって少しあまったのだ。この二番だしで夕方にみそ汁にしたとき、どうにもひと味足りない。それで、じゃこ天を薄く切り、ネギとともに具にしてみたのだ。
 じゃこ天入りのみそ汁は明らかに鰹昆布だしに、まったりして優しい旨味を加えてくれている。我が家では春夏秋冬、朝はみそ汁ご飯が基本なので年明けてのみそ汁には毎日じゃこ天となった。
 関東で暮らしていると、練り物から濃厚な旨味が出るなんて想像も出来ない。この旨味たっぷりの、じゃこ天は宇和島周辺の小魚(ホタルジャコ)などが醸し出すものだ。また地元の小魚にこだわって、じゃこ天を作っている『薬師神かまぼこ』さんの努力の賜でもある。

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家族がこぞって大好きな『薬師神かまぼこ』の揚げ巻き。これは切って出すと瞬時になくなる

 毎年のように、じゃこ天などを送っていただき感謝すると同時に、今回は『薬師神かまぼこ』さんに救われた気がした。
 さて、カレンダーを見ると1月も半ばになろうとしている。ようやく体長は万全になりつつある。

薬師神かまぼこ
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 冬になると食べたいなと思う魚のひとつが「八角」だ。
 さて、「八角」と漢字で書くわけは、これが「越前がに」と同様に“ある生き物のオスのみをさす言葉”であるためだ。その名をトクビレというのだが、こちらの方はむしろ知る人ぞすくない。
 大まかに説明するとカサゴの仲間となり、そのなかのトクビレ科の魚だ。トクビレ科の魚で食用とされるものは少なく、ボクが見てきた限りでは本種とサブロウくらいのものだ。また全国的に流通するものはトクビレだけだろう。

 トクビレは年間をとおして少ないながら入荷してくる。しかし、本来の旬は秋から春までかも知れない。晩秋、メスオス混ざったものが入荷してくる。小振りで、脂が少なく、メスは卵を抱えている。これがトクビレの走りの時期だ。そして年末には「八角」、すなわちトクビレのオスの入荷が始まり、春の終わりにはまとまって入荷することがある。しかしこの時期すでに旬は過ぎてしまっているように感じる。
 産地はほとんどが北海道。発泡に互い違いに並んだ細長い黒い棒は、一見異様な光景だ。これがオスで大きければキロ当たり2000円、3000円する。頭も尾の方も食べるには煩わしく、魚としては歩留まりが悪い。それでこの値段と言うことは、実質的には1.5倍して考えないといけないだろう。

 さて、今年の「八角始め」は師走で、それ以来八王子では大振りのものを見ていない。「八角」はできるだけ大きい方がうまいのだが、なかなか新年明けて見事な「八角」に出合えない。

 その師走の「八角」は素晴らしいものであった。
 刺身にして室温で溶け出すのではないかと言うほどに脂で白濁しており、その脂が甘く、まったりしている。その脂の甘味の後に来るのはしっかりしたうまみである。また半身は単に塩焼きにしてみたのだが、こちらの方も中骨を外したその下にあるのは液化した脂とコラーゲン、そしてねっとりと繊維を感じる白身である。
 この大量に身に混在する脂は意外なことに上品で後味がいい。食べた後にまさに口福感を感じさせるもの。来週、築地に行く予定があるのだが、なんとか1本買ってこよう。

 寒い時期になってくると、不思議なことにカツオのような酸味のある味わいよりも、この甘味に惹かれる。例えば、「きんき(キチジ)」、アカムツなどもそうだろう。
 最近では寒い時期には自分の欲求に忠実に、このまったりした甘味を食べるように決めてしまっている。どうやらその方が体には優しいようでもある。

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 沼津魚市場でコクチフサカサゴを買い込んだら、オマケにタマガンゾウビラメがついてきた。
 発泡に並んだのを見ると、抱卵しているのが4尾、オスが一尾。
 静岡県沼津魚市場でもっとも魚に詳しい『佐政水産』の青木さん曰く、
「干物にしたらうまいでしょうね」

 と言うことで、持ち帰ったら直ぐに頭を落とし、振り塩。
 これをビニール袋に密閉して、一夜寝かせる。
 翌日は曇り空ではあるが、そよそよと乾いた風が吹く。

 仕事をこなしながら、乾き具合を確かめ、また確かめていると、夕暮れ時にはうまい具合に干し上がる。
 これを一枚ずつ焼いては食べ、焼いては手づかみで食らう。
 飛騨焜炉で焼いていると、脂が落ちて煙が上がる。

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 これを「あちち」と手に持って、身をむしると、身離れがよく、口に入れると揚げたような香ばしさがある。脂が甘く、ちょっと渋くて、これが非常に濃厚だし、一筋の卵巣のほくほくして甘いこと。

 家族で5枚は少ない。「父ちゃんもうないの?」と太郎が言う。
「ほいよ」っと一匹だけ混ざっていたメイタガレイを追加して焼く。
 福井県などの名物に「若狭がれい」という干物がある。これは現在ヤナギムシガレイが原料となっている。しかし本来の「若狭がれい」はメイタガレイで作っていたのだとか。それがとれなくなってヤナギムシガレイに代わったのだ。
「それほどうまいカレイなんだ」と話したのだが、「さっきのカレイの方が断然うまい」と姫が言う。しかも猫の太郎もメイタガレイには見向きもしないのだ。
 しかたなくお父さん一人がメイタガレイを食べることになり、「確かにタマガンゾウビラメには負けているな」と得心したのだ。

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 さて、ボクの毎日は魚尽くし、そして、ときどきカツ丼などを挟んではまた魚。

 そんな今年のバカ買い始めは、八王子総合卸売センター『高野水産』で和歌山県串本市『出口水産』からきたアイブリとテンジクイサキ。香川県さぬき市志度『丸千』のオオニベ。そして『丸幸水産』からのシマフグ(撮影後あらためて毒の除去をお願いする)。全部でなんと6キロもある。

 魚自体の撮影すること2時間。身色、刺身の撮影に1時間ほど。
 実際に刺身を食べてメモをとる。

 これで午後は仕事に出かけ。
 夜には銀座の寿司屋でいっぱいおごっていただき。(ごちそうして頂いた方に感謝)
 終電間際に中央線各駅停車で帰宅。

 服を脱ぎ散らかして、風呂にどぼんすると家族が放り込んだ変な臭いがする入浴剤に気分が悪くなる。
 パソコンをつけて、メールチェック。返信しなければいけないメールが多々ある。酔っぱらっているので返信は持ち越し。
 それよりも朝方撮影した画像の整理が緊急を要しているので、とにかくバックアップをとり、画像の整理。
 布団にもぐり込んだのが、4時半である。
 今朝は少々疲れ気味。でも市場に行かなくては!

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 久しぶりの築地である。しかも新年早々、築地場内巡りと「築地で“つきじろうする”」のが目的という豪華版。
 さて、場内でのここまでのことは、はしょりまして、場内食堂棟の「かとう」の前に来たら、今回の“築地で外食の案内人”つきじろうさんが店内を睨んで仁王立ちしている。そして新年の挨拶もしないまま、店内に。そこで食べたものは別の機会に書くが、恐ろしい皿数が並んだことだけは明記したい。
 ちなみにボクの場合、いつもは場内に入る前には軽く麺類とか、場内売店でパンと牛乳とかで腹を少々落ち着かせるだけにしている。

 かなり食べ過ぎの感があって、歩く足取りが思い。ただでさえ体が重いのに大丈夫だろうか?
 場内に入る前に「ドライアイスを買い込みますので、ちょっと氷屋に寄ります」と言うと、つきじろうさん「私も寄りたいところがあります」と言うやいなやかけだして、食堂棟『センリ軒』でカツサンドを買い込んでくる。

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この店でトーストとコーヒーという朝ご飯も魅力的だ。

「歩くとき何か食べないとダメなんです」
 つきじろうさん、カツサンドを食べながら茶屋を抜け、ターレ(ターレットトラック)や人をヒョイヒョイと避けていく。凄い!
 この方意外に運動神経が優れている。しかも場内に入り、振り返るとカツサンドはすっかり消えてしまっている。魔法のようだ。

 残念ながら場内は荷が少なく面白いものはほとんどなかった。ここで気になったのが、白ばいである。山口県から大量に入荷してきている。対するに島根県は皆無なのだ。
 マダラ、本あんこう(キアンコウ)は素晴らしいものがある。値段の方も、新年なのであまり高くはない。マダラのオス、キロ当たり1800円というのがあり、3キロ程度である。やや小振りなのだが、これは買ってもいい。また場内に1本だけ、バラメヌケを見つける。でも2キロほどの大きさで、キロ当たり4400円には手が出ない。

『中里』という仲卸で「山口県産」と書かれた白ばいがある。しかし中に混ざっているのはやや北方系のエゾボラモドキ、しかもツバイが混ざっている。横から見ると産地は新潟である。この間10秒も立ち止まっていない。しかも店員さんにことわっているにも関わらず、店長らしき人に「どれくらい買うの」と、不快な口調で追い払われる。

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大きいのがエゾボラモドキ、ツバイがひとつ画面下に、後はエッチュウバイもしくはカガバイの若い貝

 この店は一般客には優しくない模様だ。ちなみにそのときツバイの混ざり具合によっては「ある程度、買ってもいい」と思っていたのだ。なんだか新年から不愉快な場内巡りとなってしまった。

 この日、場内は人が少なく、やや低調だった。だいたい荷が少なすぎる。仲卸半分を見回ったところで荷受けに入り、ちょっと雑談。その雑談、つきじろうさんには退屈だったかも知れない。

 場内を大物競り場方面からはいるが、やはり面白いものが見つけられない。唯一、生け簀にセミエビを生かしている店があるが、何度見ても探しているコブセミエビはいない。

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総て大型のセミエビ

 また真冬なのに野間池(なんと鹿児島県南さつま市笠沙)からのボラ子を見る。でもそんなにモノはよくない。

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 こんなものを見ると、ヒモマキバイさん達が秋に恵洋丸さんから買い求めたのが、いかに正解であったかがわかる。

 途中、『イリヤマ斎藤』を探すが迷う。そこで鮟鱇さん(この方、場内の店舗に関しては本当に詳しい。しかもボクのように方向音痴ではない)に『富士恭』の位置を教えてもらって、なんとか史郎さんの元に辿り着く。
 相変わらず、史郎さんはリーゼントでピシっと決めている。

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「これに変わりました」

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 史郎さんがハンドルを持っているのが“エレトラック”。市場名物でもあるターレ(ターレットトラック)であるが排気ガスが健康に及ぼす影響が問題になっている。そこで電動化が進んでいるのだ。

 さて、『イリヤマ斎藤』に行くと「小笠原の魚は来ていない」という、そこで『大音』に回る。

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 店先の魚が粒ぞろい、上物が揃っていて思わず買ってしまいたくなる。残念ながら、昼から仕事なのである。『大音』さんにはお年賀のタオルをいただいて、場内を出る。

 ボクの場内巡りは、土曜会などのときは一般受けする形をとっているが、一人っきりのときには非常にマニアックなものだろう。そんな場内歩きについてきた、つきじろうさん、少々退屈ではなかったか、不安。

 場内食堂棟『大和寿司』には行列が出来ている。でもいつもよりは少ないように思える。海幸橋に向かわないで、駐車場方面から長崎県漁連直売所に。

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壁は少々すすけているが、店頭の魚は素晴らしいし、入江さん他、みなさん元気そう。「明けましておめでとうございます」。言い忘れた新年の挨拶をここに!

 新年明けましておめでたいはずではあるが、店内にはいると年末の火災跡が壁を黒くして残っている。でもケースの中は魅力的なモノがいっぱい。新年明けで荷の揃わない場内よりも、今回は明らかに長崎県漁連の方が勝っている。
 天然カンパチ、ヒラマサ、平鰺(カイワリ)、ひげだら(ヨロイイタチウオ)、アヤメカサゴ、カサゴ、ウッカリカサゴ、ウスバハギ、カワハギ、ウマヅラハギ、マハタ、コモンハタ。
 そんなとき入江さんが「オオグチイシチビキ」であると取って置いてもらった魚がハチビキであることがわかる。さて今回の築地行は魚に関しては“つき”に見放されている。気を取り直して割安であるコモンハタを2500円で購入。
 ここに今回の築地市場巡りは終わる。
 さて、時刻は11時を回っている。そろそろ「築地で“つきじろうする”」第二段といきますかね、つきじろうさん。

ターレットトラックに関しては朝霞製作所
http://www.marusen.co.jp/know/knowledge.htm
『千代田水産』のページで
http://www.marusen.co.jp/know/knowledge.htm


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明日はやや遅めの午前8時過ぎに築地に行きます。
長崎県漁連にオオグチイシチビキを受け取りに行くのですけど、
火災後の状況も見てきたいと思います。
またひょっとしたら、つきじろうさんと
「冬は築地で朝ごはん」をするかも知れません。


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 沼津の『カネマル笹市』とのつきあいも、そろそろ3年目となる。せっかく定期的に通いはじめたのだから、沼津という土地柄のこともいろいろ調べたくなった。そこで避けて通れないのが、この地が「鰺の開き生産量日本一」だということ。
 ボクとしては、なんとかして鰺の開きの製造工程、歴史などを調べる端緒を得たかった。そこでじっくり半日ほども見学させてくれたのが『カネマル笹市』である。

 海辺の町で干物作りが盛んである。これは一見当たり前だけど、最近では「海に近い」から干物産業が出来上がるという方程式はなりたたない。いちばん大切なのは流通面での優位だ。沼津は九州からくるトラック、鉄道がここで一時停車するところだった。また消費地である関東に近い。もともとかつお節やしらす加工のノウハウがあったこともあって、いつの間にか干物屋が群雄割拠することになった。

『カネマル笹市』でのマアジの加工はいたって昔ながらの手作業だ。大きな机に向かい合い、黙々と正確にアジを開いていく。あとは塩水に浸して、乾燥させる。ここでいちばん問題になるのがマアジの確保だ。国産でいちばん優れた干物用マアジはどこでとれるか、それが長崎県壱岐、対馬、山口県、島根県あたり。
「よく関アジなんていいますけど、干物原料には向きません。値段もあるけど、意外に太平洋側のアジはうまくない」
 二代目は自ら長崎、山陰などに出向き、原料を仕入れる。
 冷凍されたマアジだけど、国産にこだわっているのが『カネマル笹市』だ。「この国産か? 大西洋産か?」というのはボクにはまだまだ理解できないところだが、多少高くなっても国産でなければならない、というこだわりが『カネマル笹市親子』のマアジの開きを食べるとわかるように思える。
 たくさんの干物屋がある沼津、その中心である志下の地で、3代つづく干物会社を経営するには、「何か特別なもの」がなくてはならないわけで、『カネマル笹市』の場合、いいものを少量、家内工業的なシステムで作ることで、それを達成していることになる。

『カネマル笹市』製造のマアジ開きを焼き、また食らうと、しみじみうまいと感動できる。なにしろ大西洋(輸入)のアジにはない上品な脂がほどよい甘味を感じさせてくれる。きめ細かな繊維質の身には背の青い魚の持つ旨味がたっぷり入っている。
 皿に残るものはほんの少しの皮と頭、中骨だけとなった。これを熱く温めた片口に寄せ集めて熱湯をそそぐ。この骨湯を飲んだら、よりマアジの開きの実力を感じるはず。

 五十路を超えてから、思わぬ壁にぶち当たっている。それは体の不調であったり、精神的な行き詰まり感であったり。そこで今まであまり考えたことのない「健康維持」という言語が日夜ボクの脳みそから去らない。そしてマアジの開きの骨湯を飲むとき浮かんでくる「癒し感」にほんの小さなものだが救いを感じている。徐々に進むボクの体内での機能(臓器)不全を間違いなく遅らせている。

カネマル笹市
http://www.kanemarusasaichi.co.jp/index.html
マアジの開きの工程などについて
http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/dokuhon/kakumokuji/kanemaru.html


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カサゴ目を改訂
カジカ科ヨコスジカジカ属ヨコスジカジカとしていたものを
ナメヨコスジカジカ訂正
http://www.zukan-bouz.com/kasago/kajika/sonota/nameyokosujikajika.html
フサカサゴ科メバル属の一部を改訂
サンコウメヌケを同定不十分として削除
ゴマソイのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/kasago/mebaru02/gomasoi.html

新腹足目エゾバイ科エゾボラ属を改訂
ウスムラサキエゾボラのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/usumurasaki.html
ドウナガエゾボラのページを作成
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ウネエゾボラのページを作成
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掲載種 1971


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 元日は朝は家族とともに。八頭、金時人参、くわい、蓮根、昆布の煮染め。漉し餡栗の甘煮、ロースハム、セロリの漬物(市販品)以上お重。干しサクラエビ入りお雑煮(サクラエビ)、薬師神かまぼこのじゃこ天(ホタルジャコなど)、白菜の漬け物、お餅、静岡県安良里『魚武水産』の潮かつおのチャーハン、スパゲッティ。

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潮かつおのチャーハンは我が家の定番料理となっている

 家族が実家に行き。以後一人っきり。
 お昼。潮がつお(カツオ)でお茶漬け。
 夕食は。お重の残り、メバチマグロのブツ、なかずみ(酢漬け コノシロ)、インドオキアジの若狭焼き、焼きじゃこ天。
 酒は三千盛搾りたて純米。
●食べた魚貝類の種7種。

 2日は朝方5時半に起きる。7時になって空腹を感じて、お重の残り、潮かつおのお茶漬け。
 正午にお餅。対馬産の青海苔(ヒトエグサ)。
 夕食は飛騨焜炉で、コバンヒメジ、メアジの開きを焼きながら食べる。冷凍してあったヒラソウダのたたき、かなずみの酢漬け。白菜の漬け物、ハヤトウリの酢漬け。

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昨年源七で買ったなかずみ(コノシロ)もこれで最後

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若潮さんからの荷物にあったコバンヒメジを一夜干し。皮目の香りが最高だった

 酒は三千盛搾りたて純米。
●食べた魚貝類の種6種。今年食べた魚貝類の合計10種

 3日。
 朝6時に起きる。8時過ぎにお餅、大根おろし。
 昼にもお餅、大根おろし、白菜の漬け物。
 家族が帰宅。
 夕食はカレー。大人はテンジクアジのムニエル、沼津カネマル笹市の鰺の開き(マアジ)、メバチマグロのブツ、ヒラソウダのはらも。漬物いろいろ。
 酒は群馬泉本醸造。
 昨年買い求めたたぶんシマフグの乾燥ヒレを使い王禄本醸造で「ひれ酒」。
●食べた魚貝類の種5種。今年食べた魚貝類の合計12種(シマフグはいれない)

 4日。
 朝4時半に起きる。
 7時に朝ご飯。カネマル笹市の鰺開き、源七の若だんなにもらったメバチマグロの頬肉の煮つけ、スパゲッティ、鶏肉の甘辛焼き、ご飯、薬師神かまぼこのじゃこ天入りみそ汁。
 昼。お餅。我が家のお餅は白餅、粟、タカキビ、草餅。
 夕食。
 冷凍して置いたヒラソウダのたたき、これも冷凍のベニテグリ、ニギスの天ぷら、ヒラソウダのはらも、薬師神かまぼこの揚げ巻き蒲鉾二本。
 酒は群馬泉本醸造。
●食べた魚貝類の種5種。今年食べた魚貝類の合計14種

 5日。
 朝食は八王子総合卸売センター『さくら』で味噌タンメン。同店でヒモマキバイさん自家製のローストビーフをほんの少し食べるが、これは絶品だった。『カワベ』のコマちゃんの仕入れてきた上州牛が凄いのか、ヒモマキバイさんの腕がいいのか? どっちだろうね。

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 お昼はお餅。
 夕食はメバチマグロの腹身でいり焼き風「葱鮪」、自家製にろぎ(オキヒイラギ)、養殖鯛の幽庵焼き(マダイ)。子供達はスパゲティ、焼きそば、ポテトサラダ。
 酒は群馬泉本醸造。土曜会の川さんにもらった徳島県三好市池田町『中和商店』の「山笑」。池田にこんなうまい酒があるなんて知らなかった。
●食べた魚貝類の種3種。今年食べた魚貝類の合計16種

 こんな日記をつけて魚貝類の種類を足していくのは無理である。これが結論。


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 寒くなると見違えるようにうまくなる魚は多々ある。なかでも買うたびにその真価を知るといった魚が「寒鯛」である。だいたいこの「寒鯛」という名自体“寒い時期が旬である”ことから来た名前に他ならない。
 ちなみに標準和名はコブダイ。あまりに簡明直截すぎる。

 冬が旬だけあって、寒くなると大分県などからよく入荷してくる。この国の沿岸域、磯回りなどに普通に見られる魚で、とれる量自体は少ないので、実際に食べたことのある人は多いとは思われない。
 だいたい市場に来る料理人と言われる人も、「寒鯛」には見向きもしないのだ。それでだろう、イシダイがキロ当たり5000円しているときに、「寒鯛」はキロ当たり800円ほどなんてことがある。
「寒鯛」は大きくなる魚で3キロ、5キロなんてものが市場にも並んでいる。でもこの大きさではとても一般家庭では扱いきれない。ボクなどが狙うのは2キロ弱。なんと2007年暮れに500グラムの石鯛2500円の半値が2キロの「寒鯛」であった。

 これを持ち帰り、水洗い。大きな頭部を落とし、梨割りにして干物に。身は刺身にして、そして寿司ネタとして楽しむ。これが思った以上にうまい。

 残りの中骨、半身で鍋に仕立てる。
 残念ながら磯魚は大方暖かい時期にはまずい。それがどうしてなのか、冬になると美味に変わるのである。ベラ科の魚には皮目に独特の風味がある。これが旬の時期にはまことに好ましい。また「寒鯛」の大方の旨味も皮と皮下に集中するのだが、冬ともなると身にも脂がある程度混ざって存在するようだ。

 鍋の汁は昆布と塩酒のみ。ここに湯引きした「寒鯛」の中骨と刺身にした片身の皮、腹骨を沈ませる。この骨にこびりついた身がなかなか味わい深い。皮は奪い合いとなる。ことこととたく間に汁に充分の旨味成分を放出する。
 そして皮付きの身であるが、このねっとりした皮と身の旨味をどう表現したらいいのだろう。マダラのちりなどではとても見いだせない濃厚で妖艶な旨味。これは暑い時期に手当たり次第に甲殻類だとか貝だとかを飽食して、冬に向けてため込んだ賜といったところか。
 一切れ一切れが口の中で火傷のように旨味を貼り付ける。それこそ2キロの「寒鯛」半分があっという間に消え去る。

 魚の出しでたっぷり食べた野菜、豆腐も食べ尽くし、さて鍋のなかはスッカラカンの空っぽである。最後に仕立てた雑炊もよかった。

 片づけをしながら、つらつら思うに、2キロ弱の「寒鯛」というと女なのか男なのか? ベラ科の魚なので、ある程度成長するとみな男に性転換する。この姿形を見るに男女どちらであるか微妙である。これはボクの思い込みではあるが、「寒鯛」は女として脂ののりきった性転換直前がいちばんうまい。そして男になったらやや大味になる。それほど大型の「寒鯛」を飽食したわけではないので、断言はできないのだが、これは間違いないのではないか? 今宵は年増「寒鯛」の色香に迷ったということだ。

 さて、昨今のテレビ番組や雑誌での鍋特集をみるとマンネリ化が著しい。「かにすき」、「たらちり」、「ふぐちり」、そろそろこの人気鍋にも飽きがくる頃だろう。鍋世界にも新しいスターの登場が待ち望まれているわけで、そこに「寒鯛」登場なんていいと思うなー。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、コブダイへ
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 太田さんは上野原周辺でトラックの行商をしている。
 これは山梨県上野原出身の八王子市並木町の魚茂、茂じいさん(82歳 残念ながら昨年身罷られた)に聞いた話。今では都心への通勤圏となっている上野原というのは山深い土地であって、そのせいか昔から行商がさかんに行われていた。その昔は天秤棒を担いで、急峻な坂道を上り下り、それこそ一日がかりで水産物を売り歩く商人がたくさんいたのである。その商う食料品には山梨ならではの「塩鱒」があり、塩いか、クジラなども売られていただろう。

 さて、太田さんはトラック行商人としては若手である。八王子総合卸売センターにて、大型トラックに大量の食料品を積み込むのが週に3回ほど見られる。その種類の多さには驚愕させられる。野菜、果物、パン、インスタント食品、麺類、豆腐納豆、水産加工品多々。一見、平凡な品揃えのなかにも山梨に残る、古くからの食文化を垣間見ることがある。だから太田さんを見かけると声をかける、話を聞く。

 さて、2007年も終わりに近づきつつあるとき、太田さんが「忘れた、忘れた」といいながら八王子総合卸売センター『フレッシュフード福泉』に駆け込んできた。その忘れ物は暮れから正月にかけてなくてはならないものだという。
「まったく、桜海老(干したサクラエビ、もしくは小エビ類)を忘れたら大変なんだよ」
「太田さん、どうして桜海老を買い込むわけ」
「ウチのあたりじゃ、吸い物に桜海老を入れるんだよね」
「それって昔から、そうだったわけ」
「そうだね。吸い物には桜海老ってみんな言うね。オレが仕事を始めたときから暮れになると必ず桜海老を仕入れてる」

 サクラエビと山梨というと、静岡県沼津との関わりが浮かんでくる。沼津からは古くから駿河湾の魚貝類が送られていたという歴史がある。また沼津魚市場が仕入れ元という山梨県の魚屋はまだ少なくないのである。
 駿河湾でのサクラエビ漁が始まったのが1894(明治27)年のこと。この新しい水産物の売り先としては、関わりの深い山梨はもっとも初期からの地であるはずだ。とすれば正月料理にサクラエビが使われていても、ごく自然の成り行きであろう。

 さて、これはボクの魚貝類メモそのまま。毎日こうやってメモし、資料として保存しているのだ。

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 築地場内には、“ここにしかない”という専門店がある。それが天ぷら種を専門に扱う仲卸だ。
 シロギス、マハゼ、ウロハゼ、ギンポ、「めごち」各種、マアナゴに小柱(バカガイの貝柱)、クルマエビにクマエビにシバエビ、その他エビ多種。年間を通じてみるとその多彩さが光っている。そんな築地場内天ぷら種屋でも絶対に見つけられないもの、それがベニテグリである。

 天ぷら種で「めごち」というのは、決して一種類の魚をさすわけではない。スズキ目ネズッポ亜目ネズッポ科に属する魚の総称である。そして江戸前の「めごち」というと、前海である東京湾のせいぜい10メートル〜20メートルの浅い海であがっていた小魚のひとつだ(今では東京湾であがる「めごち」も少なくなっている)。
 対するに今回の主役ベニテグリが棲むのは深海である。深い海底に棲むネズッポ科というと、ベニテグリとヨメゴチの2種。しかもある程度まとまって上がるのはベニテグリだけという変わり種でもある。
 国内でも指折りの深海底引き網の基地、戸田の船に乗り込む。ソコダラやハシキンメに混ざって150〜200メートルの深海から上がってくるベニテグリの美しさはまるで宝石のように見える。
 残念ながら、これが魚貝類の中でも価値あるものだと知る人は少なく、沼津魚市場の競り人でも狙う人は少ない。だから狙う人がかち合わない限り値段もそれほど高くないわけで、きっと狙い通りに競り落としたらさぞやうれしいはずである。
 今回のものは沼津魚市場の競り人、『菊貞・山丁』菊地利雄さんから送って頂いたもの。菊地さんもベニテグリの味を知る少数派である。

 新しいものなら刺身にしてもいい。また昆布締めもうまいのだ。でもやはり、ベニテグリも「めごち」であることには違いがない。やはり天ぷらにするのが一番うまい。
 からっと揚げたベニテグリの天ぷらはまことに美しい。江戸前の「めごち」が黒く灰色であるのに対して華やかにさえ感じる。また身の味わいはホクホクと甘味があって、しかも上品である。面白いのは赤い皮目からアマダイなどと同じような香りがすることだ。この香りがベニテグリの味の価値をより高めている。

 美しくて、味が上品で、というと「めごち」でも最上級ではないか、そう思えてくる。でもこれがちょっと違うのである。ネズミゴチなど「めごち」が、なぜ天ぷら種として優秀なのか? それは油で揚げたときに独特の風味があるためだ。ベニテグリの味わいにそれほど強い個性はない。
 とすれば、とれる量の少なさもあって、天ぷら種でも“かわり種”であり、やはり定番とはならないだろう。もしもボクが天ぷら屋の職人であったとする。ベニテグリは、毎日欲しい種ではなく、ときどき仕入れるほどのものだと感じる。例えば週に一度。この“かわり種”のひとつとしてベニテグリは大きな価値を持つ。客として天ぷら屋のカウンターに座ったとき、いつもの種に赤い「めごち」が来たらうれしいはずだ。
「貝柱とまき(クルマエビ)、めごちにきす(シロギス)、穴子、墨いか(コウイカ)」、あとは野菜があればいい、そんな天ぷら屋は面白みがない。天ぷらという料理はいかようにも“遊び”が取り入れられる。
 ベニテグリを知る仲買は今のところほとんどいないだろう。産地の沼津、愛知県三河、三重県尾鷲でも、築地(中央)まで送って意味があるものか、わかっていないのではないかと思われる。こんな産地でも中央でも知名度の低い魚を、狙い目だと思える人はいないのだろうかねー?

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 昨年来なんども読み返しているのが「馬琴一家の江戸暮らし」(高牧實 中公新書)。そこに「鯔開き」というのが出てくる。
 嘉永元年(1848年 ペリー来航の数年前)のこと「風来猫(迷い猫)が飛び込んできた。妊娠していて子猫を4匹生み、知り合いにそれぞれ譲り渡す」。その仔猫と一緒に添えて送られたのが、かつお節、鯔開きなどだ。
 江戸時代、ボラは高級魚で祝祭などに使われていた。これが昭和初期まで続いていたのは「沖の百万町歩で養殖が行われていた」ことでもわかる。参考/『青べか物語』(山本周五郎)他
 当然、冷蔵法などない江戸時代だから、とったら加工する。その加工法のひとつが開き干しであったわけだ。

 ボラは刺身にしても、煮ても焼いてもうまい。その上、廉価だ。唯一問題となってくるのが海底の泥を食って有機質を漉しとって食べているので、環境によっては身に臭みを持つこと。最近では内湾の表面的な汚れが解消されつつあるのか、このような臭いボラは少なくなっている。

 さて年末に見つけたのが銚子産のボラ。値段はキロあたり500円と格安だ。買い求めたのは八王子総合卸売センター『総市』であって、勝手知ったる道具類を借りて、開く。
 開いたら、振り塩をして元通りに身をとじてビニール袋にいれて密封する。

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ビニールをグルグルと巻いて、ガムテープでとめる

 このまま寝かすこと一日、天日にて二日干す。
 12月の寒い風を受けて、よーく干し上がったものを、そのまま冷蔵庫で2日ほど密閉して保存。
 その後、もう一度半日干し、冷凍する。

 冷凍庫からとりだし、これを正月の肴とする。家族は実家に行っており、まことに静かな元日である。

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 鯔開きを飛騨焜炉に乗せると、すぐにジュウジュウと脂かしたたり落ちる。これをコンロ乗せたまま、少しずつ食らう。
 熟成が利いているのか、微かな渋みがあり、そこにアミノ酸からくる深い旨味が舌を押し下げる。

 合わせますのは島根県の銘酒「王禄 本醸造」の熱燗。このような旨味成分の多い干物には、燗あがりする酒でなければならぬのだ。

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 さて、流通する魚のことを調べはじめて20年以上になる。月日の経つのは早いもの。徐々に我がデータベースも充実してきている。また驚いたことに2000種を超える画像を持ちながら、まだ見ていない、画像を持っていない魚貝類のなんと多いことか。
 そんななかでも調べ始めた当初、20年以上も前に手に入れて、それ以来一度も見ていない魚がゴマソイである。当然、我がデータベースには画像がない。

 それは1986年の晩秋、常磐での初めてのヒラメ釣りだった。船の席取り(これが大方の釣果を左右する)などがわからずに艫(とも)から2番目の席になった。舳先にいくほど人が多く、これはしまったなと後悔した。きっと船の流しからすると舳先が有利なのだろう。
 この心配は、現実のものとなった。艫にはまったく当たりがこない。それでも艫のお隣には2匹のヒラメがきて、最後の流しで上がったのがゴマソイだった。
「初めて来たんだよね。坊主はかわいそうだね。オレは毎日来てるからあげるよ」
 席に着いた当初から、いろいろ世間話や当地の釣りのことをお聞きしていたので、気の毒に思ったのだろう。ヒラメをバケツにいれてくれる。
 でも初めて見たゴマソイが気に掛かる。こんなことお願いするのも変だなと思いながら、ゴマソイをいただいて帰ったのだ。でもそのとき、こんな珍しい魚だとも思わず、撮影しないまま食べてしまった。これが大失敗であることは数年して気が付いた。築地でも、また地方を旅しても一向にゴマソイを見つけられないのだ。

 このゴマソイはいったいどこでとれるのか、それがなかなか難しい。生息域も検索図鑑では曖昧だし、最近では唯一信頼できるのが『遊遊さかな大図鑑』(この図鑑は優れているのだ)のみ。
 千葉県から北、北海道までというボクがぼんやり考えた地域、気仙沼で精密でわかりやすい釣り魚図鑑を作成しているのがMakoさんである。気仙沼の水産関係にいることもあって、前々からゴマソイのことをお願いしていた、それが2007年暮れに生きているまま届いたのだ。
 このうれしいことは文字では表現できないほどである。残念ながら鰓ぶたのあたりにキズがある。それでも長年探し求めたものが年末に来るという幸運は、新年に繋がるものと思える。本当にうれしい。

 さてさて、今年は探し求めている魚貝類の空白がどれくらい埋まるものだろう。
 例えば“サブロウはいるがシロウはまだ”。“ニシキエビは手に入れたがゴシキエビがない”。ムツゴロウ、カラフトシシャモ、オヒョウ、オショロコマ、イトウ。オホーツク海、沖縄の、琵琶湖の、有明海の生き物たち、海草類、まだまだ埋める空白のなんと多いことか。最近ではボクの生きている内に図鑑の完成を見る可能性が非常に低いのだとわかってきた。
 あとは完全な形に出来うる限り近づける努力をするしかない。

 年末は慌ただしく、憂鬱な日々であった。そんなときに喜びがあったとしたら、各地からのうまいもの、そして初めて見る魚貝類だった。送って頂いた方々には感謝のしようがない。ありがとうございました。
 そしてMakoさんにもう一度「ありがとうございました」。

MakoさんのAngler's-Marketへ
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 年末のテレビ番組、水産物ではやはりマグロばかりだったようだ。それほどにこの国の人はマグロが好きなんだろうか? と疑問に思う。そう言えば築地場内でもマグロ屋というのはいかにも偉そうに感じて近寄りがたい。
 市場の一般営業は昨日30日で終了、自主営業だけだった。そこでもマグロは主役となっており、売り場には客が並んでいる。
「どれがいいかしらね」
 お年寄りが、様々な形のメバチマグロの冷凍ブロックを手に取り、売り手に聞いている。
「これは脂があるけど、スジっぽいからね。これなんかどう、スジはないし、染みもないでしょ」
 残り少ないブロックはどんどん値が下がっていく。当然最後まで残っているものは筋の多い部分となるが、値が下がり、また下がりで、
「ええい、最後だから4つで千円、7つで1500円だよ」
 最後になると、マグロ屋もいい加減である。

 そのスジっぽいところがボクにとっての狙い目。実はマグロでいちばんうまいのがスジだと思っているからだ。もちろん生で食べるわけにはいかない。これを「葱鮪鍋(ねぎま鍋)」にするのが目的だ。
 暮れの慌ただしくなる前に買った冷凍マグロのブロックがある。
「尾ビレに近くて筋っぽいけど味はいいよ」
 八王子魚市場のムッシュに聞いて買い求めたもの。確かに脂はのっているものの、筋が多く、平造りの刺身にできるのは三分の一ほどだろう。

 江戸時代、魚の保存方法と言ったら水をかけるくらいが関の山。当然、マグロだって刺身で食べられるのはとれた日か、翌日までだろう。しかも医療の発達しない時代に食あたりでもしたら大変である。
 だからマグロも刺身ではなく、煮る、焼く、そして汁にするのがほとんどであったろう。そのマグロを使った汁が「葱鮪汁」。これを座敷にコンロを持ち込んで「葱鮪鍋」となる。
(注/鍋という形式は以外に新しいのではないか? 明治期、大正期くらいまでは特種なものだった。例えば一般家庭で鍋物が普及するのは昭和になって、ガスの利用が始まってからだろう)

 マグロの筋肉に走っているのがスジである。これは内筋周膜(筋肉を包む)とか腱であり、主にコラーゲンから出来ている。対するに刺身などにする部分はタンパク質の集まりだ。コラーゲンは熱を通すと軟らかくなり、タンパク質は硬くなる。当然、煮る料理にはコラーゲンとタンパク質の比率が重要となる。だから「ねぎ鮪鍋」に欠かせないのがスジっぽいブロックであるのがわかっていただけただろう。
 刺身にする部分に多いのがタンパク質だと書いたが、脂がのっていると筋肉内にコラーゲンも多いことになる。だから「なぎま鍋」だって大トロを使うと最高にうまい。お金が余っている方達はぜひ「大トロのねぎま鍋」もやっていただきたいものだ。我が家には「そんなの関係ない」けれど。

 さて、「ねぎ鍋」に欠かせないのが白ネギである。農業の世界では一本ネギなんて呼ぶ。これは脇芽を出さないネギの品種で、高く高く土を盛り上げて軟化栽培をしたもの。この最高峰が「下仁田ネギ」だろう。八王子総合卸売センター『土谷食品』のオヤジさんに「下仁田ネギ」をたっぷりいただいている。
 本日はネギとメバチマグロだけで「ねぎま鍋」にしたいと家人に話すと、「おいしかったので使ってしまったわ」なんて残り少ない袋をベランダから持ってきた。なんと痛恨の至り、あと3本しか残っていない。

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 仕方なく小松菜、ニンジン、シイタケも加えて鍋の具は揃った。
 汁は醤油1、味醂1、ほんの少しの鰹昆布だし、水。鍋にかつお節出しをたくさん使うのはやめたい。できるだけ控えめに、マグロから染み出してくる旨味を大切にしたい。味醂、醤油の量は好みで加減してほしい。
 またすき焼きの地で「いり焼き風」にするのも絶品だと思う。でも酒をやるにはせわしない。ゆったりしたいなら醤油味の吸い物よりほんの少し塩辛い地でマグロを煮て、汁に搦めながらマグロとネギを楽しんで欲しい。

 このトロトロ煮えてきたマグロのかたまりを汁と一緒にくらう。スジがゼラチン状になっていて甘く、そして身がほどよくほどける、その旨味が、五十路のみにはうれしい。
 合わせるのは島根県安来市「月山」の特別純米。この適度に冷えた辛口が極楽気分にしてくれる。

 ぼんやり、テレビを見ていると芸人さんが海に潜って魚を銛で突いている。ボクはアイポットでブラームスのピアノ協奏曲一番を聞いているので、いったいこの芸人さん達が何をやっているのか全然わからない。でもその突いた魚がフエフキダイの仲間だというのわかる。でも種が判然としない。「アミフエフキかなー?」なんて思いながら、眠くなってくる。午後、府中大國玉神社そばの『ほてい家』でやった昼酒がきいてきたのだ。

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「初春」に想う

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初詣の人々を待ち受ける。大國玉神社参道

 俳句の季語などを考えてみると、春夏秋冬というのは難しい。厳密に4つに区分けできないのだ。冬にも春があり、春にも夏があり、冬がある。これが自然だ。当たり前のことをいうようだが、我々の生きている世界はデジタルではなくアナログだなと思う。永遠に割り切れないのだ。
 現在、正月に使う言語である「初春」は例えば「初夏(はつなつ)」、「初秋(はつあき)」とはまったく意味が違っている。その昔、旧暦(今年は2月初めかな?)では「初春」とは間違いなく寒ゆるむの意味合いがあり。「初」という意味合い「兆し」が感じられたのだ。その言語を太陽暦の現在の正月にも使うというのは、非常に無理がある。
 現在の正月である太陽暦の1月1日は江戸時代には阿蘭陀正月と呼ばれていて、長崎出島で暮らす異人達だけの風習であった。これが明治になり、この国も太陽暦に変わる。それでも太陰暦の正月文化を捨てないで、平気で継承してきたがために「初春」なんていう言葉を使うが、厳寒の初日の出を迎えると、まことにおかしなものだ。太陽暦の正月はまさに冬本番といえるだろう。

 こんな曖昧なことを受け入れるそんな懐の広さが、この国に生きる人たちの良さでもあるし、悪徳を生む元凶かもしれない。その悪徳が吹き出したのが、昨年であるかのようにいわれるが、ボクからするとかなり昔からむき出しになっていたように思える。水俣病しかり、諫早湾干拓、各新幹線(これは地方都市の破壊だ。地方文化の破壊は自然破壊と同義)、自然破壊、道路公団、国土交通省、厚生省、防衛(省)この国の支配者の悪徳を挙げたら切りがない。
 新年2008年にもこの悪徳は続きそうに思える。例えば、市場魚貝類図鑑の世界でいえば、その基本的な魚貝類をとっている水域、漁業が瀕死の状況にある。漁港に若い人がほとんどいない。漁業で暮らしていけない。釣り漁がますます衰退し網漁だけになりつつある、とる漁業から自然に負荷の大きい養殖業に替わりつつある。また海辺では無駄な護岸や、役人や企業の利権だけのために破壊された内湾のためにどんどん魚種が減り、また絶滅の危険にさらされている。

 これを止めることが出来るのは、ボク達しかいないのだけど、可能だろうか? 難しい? 例えばボクが好きな言葉「リベラル」からすると自分自身も平静に、現実的に素直に物事をみるのが好きだ。そのまっすぐな状態をボク自信が通していきたい。でも他人のそんな素直さを束縛する気にもなれない。やはりボクがやれるのは緩やかな活動だけだと思うのだ。
 だから食べ物を通して自然保護に繋げるしかない。食べ物(食料)を地球規模で鑑みる。アフリカなどで飢えている子供達の映像に切なくて切なくて息苦しいほどの憤りを感じる。自分自身の「普段」を変えなくてはと思う。
 養殖、遺伝子組み換え、有機農法など、まっすぐな目でとらえていく。今年から「食べる」にエネルギー消費の概念を組み込みたい。なぜ、水豊かな国にあって、水を輸入する必要があるのか? これは我々の不徳だろう。官僚が行いつつある自然破壊、町殺しを見逃さないで、しっかり反対していく。

 ボクは、この国の政治・行政に翻弄される一市民だ。その一市民としてのボクが、今年政治に望むのは土木業からの脱却だろう。地方を旅していると、大きな家に住み豊かな人々は間違いなく土木業に従事している。そこから見ると、生産業、商工業(地方の商店街)のなんとみすぼらしいことか。地方に生きる豊かな人々が、地方にお金を落とすかというと、まったくそんな可能性はない。いち早く土木業から流通、生産業に国の予算配分を移していかないと、この国は破綻する。道路特定財源は今すぐ廃止しないといけない。政府・地方公共団体が持っている無駄(独立行政法人・天下り)も今すぐ総て廃止・禁止にするべきだ。もっと国自体が効率化を図る必要がある。
 それから、それから、ボクの国に対する強い要望は環境省・林野庁・国土交通省を廃止すること。そして新たに自然環境省と通産省を設立することだ。自然環境省には山、川、海すべてを監視し、土木、工事などの必要性を調査させる。動物学(者)や生物学(者)の科学的な目を省に取り込む。そして自然全体の管理をさせる。また省自体には絶対に土木などの事業には関わらせず、土木庁がそれを行う。例えば河川の護岸が高く、そして自然破壊に繋がっているのは、本当は安全のためではない。山が荒廃しているためである。山谷の自然を食い物にして森を荒廃させている悪徳なヤカラを排除するのだ。また自然破壊だけで生きている人々を別の業種に移行させる。

 大きな、ため息に近い文章でとりとめがなくなったので、これぐらいで溜まっているデータ整理を始めるとしよう。さて本当の「初春」は来るのだろうか?
 とりあえず、明けましておめでとうなのだ。


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