管理人: 2008年11月アーカイブ

 我が家の子供に季節の変わり目というか、「何月から何月までが春で、夏で、秋で、冬なの」と聞かれたことがある。
 常々、疑問に思っていたことなので、「父ちゃんにもはっきりわからいなー、寒くなったら冬だし、暖かくなってきてサクラが咲いたら春かなー。夏は梅雨明けからだろうし、秋は2学期が始まったらじゃない」と不得要領な答えとなってしまう。

 そして最近では秋田の渡辺夫妻(賢さん、なべ婦人)からハタハタがくると「冬なんだな」と思うようになってきた。
 だから我が家の姫にも「ハタハタが秋田から来ると冬だぞ」と教えることに決めている。

 毎年、師走になると秋田ならではの三五八漬けとなったハタハタが送られてくる。
 荷物をあけて、ハタハタ三五八漬けを手に取ると麹の香りとともに、東北の中でも、もっとも東北らしい秋田の冬の厳しさの予感を感じたりする。
 そして大急ぎで焼くのだけど、このやや塩辛さと、麹の甘い香りに、無為に過ごした一年の悔悟の念が浮かんでくる。
 秋田からくるハタハタには「しみじみ自分の時を取り戻す」そんな力など感じてしまうのだ。

 さて今年、秋田からハタハタが届いたのは師走前の十一月二十七日だった。
 ボクが自宅に帰り着くと、姫が「父ちゃん荷物が届いているよ」と持ってきたので、押っ取り刀でガムテープをはがす。
 なかから出てきたのがパンパンに腹膨らませた、ぴかぴかのハタハタなのである。
 とにかく大急ぎで振り塩をする。
 お湯が沸いている、熱燗を用意して、串打ちして煉瓦に乗っかっているハタハタの焼き上がりを待つ。
 強火の遠火でじわじわと焼くのだけど、この余熱で部屋まで暖かくなってくる。
 鍋には昆布が沈んでおり、沸騰する直前にとりだして酒と塩で味を調える。
 塩焼きを食べながら、きれいなきれいなハタハタを鍋に沈めて、これが“湯あげ”という料理法だ。
 この食べ方は1980年代後半に、秋田市内にある市民市場と日本海に魅せられて二度立て続けに行った。
 そのとき市民市場で魚屋のオヤジさんに教えてもらったもの。
 このオヤジさんにはいろいろ秋田の魚のことなど教えてもらったものだ。
 オヤジさんがボクに声をかけてきたきっかけが、薄暗い店頭に置かれた大振りのハタハタ一尾が千円以上であり、つい驚きの声を出したからだった。
 秋田県でのハタハタの不漁は、2001年まで続くのだ。
 それまではトロ箱いっぱい幾らというほどに安かったものが、一転超高級魚と成り変わっていたのだ。

 塩焼きが香ばしく焼き上がった。
 二つ折りにすると成熟のすすんだ“ぶりこ”が飛び出してくる。

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塩焼きは熱い内に手づかみで食べねばならぬ

 これをアチチといいながら食べたのは姫だった。
 ハタハタの卵巣は未成熟のものの方がこくがある。
 しかし成熟したものの方が甘味が強いのではないか?
 姫ならずともほっくりした“ぶりこ”は魅力的だし、どんどんハタハタを焼き、焼き上がっては食べるのだけどとまらない。
 檀一雄の文章に、太宰治が田舎(青森県)から送られてきたハタハタの干物を焼いては野性的に平らげていくという文章があった。
 塩焼(干物でも)を食べるたびに、この文章を思い出すのだけど、思わず箸を捨て、手づかみで食らってしまうハタハタにはそんな野生を蘇らせる濃厚な旨味が存在する。
 さて、食べるのに忙しくて晩酌のアテとはならない塩焼きに続いて、次なる“湯あげ”を今度は静かに楽しむ。

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 この料理、昆布だしに酒と塩で味付けしてあるわけで、ハタハタを汁ごとすくい取って、汁の中で崩しながら食べるもの。
 ハタハタの真味と、だしのうまさを一緒に堪能できる。

 仕事が立て込んでいるために二杯だけと決めていた冷や酒が三杯となってしまった。
 そして、しょっつる(塩汁)鍋、しょうゆ漬けなどハタハタは二日ともたず総て食べ尽くしてしまったのだ。

 秋田の賢さん、なべ婦人、毎年のことながら、まことにまことにありがとうございました。
 寒さと、忙しさの師走、お身体にお気をつけ下さい。

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小きんきの唐揚げ

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 市場で歩いていたとき、顔見知りのオバチャンから「この魚の本名教えてよ」ときた。
「市場では“キンキ”だけど標準和名ってのがあって、キチジっていうんだけどね」
「なに? その“ひょ”っての」
「“ひょ”ってのは図鑑にのっている名前ってこと」
「だから本名教えろっていってるのに、バカだねアンタは」
 このような“七十”に手が届きそうなオバチャンに、変な固有名詞を使った自分が愚かに思えて、
「だから“キンキ”でいいんだっての」
「わたしゃね、その“キンキ”ってのを聞きたかったわけ。アンタはめんどくさいわね」
 そこにもう一尾のオバチャンが来て、ボクがいかに要領の悪い説明をしたかということで二人して朗らかに笑うのである。

 というわけで、今回は福島県もしくは宮城県からきた底曳網ものの小キンキ、じゃなくて小キチジ。
 こいつを小蕪とたき(ボクは関西系なので“煮る”ではない)、太郎の要望に応えて唐揚げにする。

 小型のキチジはウロコを取り、ワタを取り去る。
 このとき肝だけは捨てないこと。
 ていねいに水洗いして、これまたよーくよーく水分を切っておく。
 まずは最初に小蕪とたくのだけど、唐揚げようはザルに上げて、ラップしないで冷蔵庫へ。

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この大きさからして小町蕪じゃないだろうかな。漬物にしても煮物に使ってもうまい。これをキチジと合わせると、最高なのである。


 煮物を堪能したら、揚げ物にかかる。
 片栗粉をまぶすのだけど、このとき目にたっぷり押し込むようにする。
 こうすると目がはじけないで済むんじゃないかと思うのだけど、なかなかうまくいかない。
 最初は低温でじっくり揚げ、一度取り出す。
 二度目に油に放り込むときが怖い。
 とにかくはねる。
 それを我慢して高温でかりっと揚げる。

 ここで書いて置きたいのだけど、ビスケットを作るとき油分(ショートニング)を加えるとサクサクする。
 同じように魚でも脂が多いとサクサクするのだ。
 これは多分、揚げると筋肉のなかのコラーゲンというか、熱で液体化して、冷えるとまた固まるタンパク質をつなぎ止める物質が、小さな小さな空洞を無数に作るためだ。
 キチジの場合、このコラーゲン(脂も)が多いのに加えて筋肉中に均質に含まれているのではないか?
 だから余計にサクサクする。
 そしてそのサクサクはとくにコラーゲンの多い皮近くであって、骨であって、ちゃんと中付近の筋肉は繊維質で甘味がある。

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 唐揚げを作ると、人気が集中するわけで、いきなり皿上が皆無となり、ボクなども急がないと、一尾たりとも口に入らないことになりかねない。
 現代社会に置いて好まれるのは、微妙なしみじみした旨味ではなく、このようにわかりやすい香ばしさとか脂っこさとかなのだというのが、我が家庭でもまざまざと見えてくる。

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 さて『以ば昇』に戻る。
 タクシーはデパートなどを見ながら賑やかな大通りから路地に入る。
 周りは夜を思わせる飲食店が並んでいて、雑居ビルが林立する。
 そこ雑居ビルに挟まれるように古めかしい木造の店があって、これが『以ば昇』であった。
 暖簾の中がうかがい知れない。
 ひとりで入って大丈夫なのか心配になって、降りるときにタクシーの運転手さんに、「ひとりで入るの恐い感じですね」ときく。
「いやいや地元の人でも気軽に行く店ですから、大丈夫です。それより早う入らんと席がなくなります」
 このときまだ正午には間があった。

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 暖簾をくぐると右手に帳場というのか、人がいて、通路が奥に続く。
 その通路の右手に椅子席。
 いかにも「仲居(特にこの表現を使う)」さんという女性がボクを奥に、左右に座敷があって、そまた奥の座敷に上がる。
 薄暗い座敷で、明かり取りの障子に照明が余計に暗さを演出しているかのようだ。
 そこには塗り物の座卓があり、楊枝や山椒と、「御献立」がある。

 目差すもの「櫃まぶし」(2200円)をお願いしてぽつねんと間を持てあます。

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 この時間に絶えられなくなってビールを追加。
 猛暑のなかを汗みずくになって歩き回って、このビールがうますぎる。
 待つこと10分ほどして「櫃まぶし」がやってくる。
 「櫃まぶし」とは当たり前だけど“櫃に入っている”、“うな重構造の上に刻んだウナギの蒲焼きがのっている”、“ウナギは地焼き(蒸さない)”、“海苔が散らしてある”というのが基本であるらしい。
 そして「仲居さん」から説明を受ける。
「最初の一ぱい目は、このままで、二はい目は薬味(ねぎとワサビ)をのせて、三ばい目はお茶漬けで食べてください」

 ここで、今度は『以ば昇』の基本的な情報を書いておく。
 参考文献は『月刊 サライ』1992年3月5日号。
 創業は明治41年。
 何代か前の木村市三郎が「櫃まぶし」を終戦後に考案した。
 【その当時、ウナギの養殖は始まったばかり、養殖天然などウナギの質にバラツキがあった】
 【このばらついたウナギを使わないと商売にならないと判断して、蒲焼きにして刻んでしまうというのを考案した】
 これを「名古屋名物にまでしたのが次代の木村次郎」。
 たぶん工夫とは薬味であったり、茶漬けにしたりする、ということだろう。

 『以ば昇』の蒲焼きは頭を落として、長いまま5本ほどを串に刺し、焼く。
 途中蒸しの工程がない地焼きで、蒲焼きの場合は1本を4、5等分に切るのだけど、「櫃まぶし」はもっと細かく刻んでしまう。

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 そのまま茶碗によそおった一ぱい目は香ばしくて、やや甘めのタレなので濃厚なうまさとなっている。
 薬味を加えた二はい目は、この濃厚さを適度に中和してくれる。
 疲れていなければ、間違いなく、そのままの方がうまかったろうけど、今回は薬味ありの方がよかった。
 ただねぎの存在には疑問を感じる。
 ねぎとウナギの蒲焼きの相性、よくないように思うのだけれど。
 むしろワサビがたっぷりと欲しい。
 とどめのお茶漬けだけど、面白い味わいである。
 甘いタレにウナギの脂、そこにねぎとワサビをのせて、煎茶をそそぐ。
 さらさらとウナギの蒲焼きのお吸い物とご飯をかき込んでいる。
 ウナギの蒲焼きでお茶漬けとはうまいものなのだな、という発見がある。
 しかもお茶漬けには地焼きの方がいいに違いない。
 2200円の「櫃まぶし」、思った以上にうまいものであった。
 この値段は安いだろう。

 値段のほどよさも名古屋というところ、名古屋人の優れているところ、美点であると思う。
 ボクは近年名古屋に夢中なのである。

 「櫃まぶし」を食べたら、多少元気がもどってきた。
 もう少し名古屋を歩いてみることに決めたのだ。
 
2008年7月10日
愛知県名古屋市中区錦3-13-22
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 午前6時過ぎからの市場巡り、名古屋の旅は歩いて歩いて、歩き疲れた。
 睡眠時間は2時間ほどだろうか、名古屋中央市場、柳橋市場、そして大須の公設市場を見て11時を回っている、。
 この間、ほとんど歩きっぱなし、とてもこれ以上は歩く気力もなく、大須からタクシーに乗る。

 タクシーを拾うまで熱田にある「蓬莱」に行くべきか栄にある『以ば昇』に行くべきか決めかねていた。
 今回の旅は名古屋ならではの食を求めるというのが目的なので、その締めくくりがウナギ。
 名古屋でウナギと言えば「櫃まぶし」となる。
 タクシーにのった道の側、距離からして、栄に向かう。
 このタクシーの運転手さんが親切で、話好きだった。
「『以ば昇』は、昔からあそこにありまして、子供の頃、(店の前、もしくはあたりで)煙が出てるでしょ、その前で匂いを嗅ぐのがすきでしたねー。それにちょっと贅沢というと、ウナギでしたね」
「櫃まぶしですね」
「いやー、蒲焼きでしたね」

 ここで愛知県尾張地方の話をしておきたい。
 名古屋から木曾川三川周辺はこの国有数の水郷地帯であって、湿地のなかに河川、水路などが縦横に流れていたのだ。
 これが幾多の災害をもたらしたでであろうし、巧みな土木技術を生み出してもいる。
 戦国武将が尾張地方からあまた出たのは、流域で発達した流通・経済であり、この土木技術による。
 さて、ここで食べられていたものは、当然伊勢湾の海の幸もあるだろうけど、それ以上に淡水魚、汽水域の魚貝類だろう。
 尾張地方で食べられている淡水魚は多種多様で、ナマズ、コイ、フナ、タナゴ類、モツゴ、オイカワ、ウグイ、タニシ、イシガイ科の二枚貝、シジミなど数え上げたらきりがなくなる。
 当然、ウナギは淡水・汽水域での魚貝類ではもっとも美味なもの。
 “淡水魚を食べる食文化を持つ地域にウナギ屋が多い”と思えるのだけど、いかがだろう。
 ここでウナギ料理の歴史にも触れたいところだが、簡単に。
 江戸時代最大の幹線道路であった東海道に近い名古屋は、当然ウナギ料理の改良にも先取的であったはずだ。
 特に注目されるのが「ウナギを割くようになった(開くように)」時期。
 もともとウナギはぶつ切りにして串に刺して、そのまま焼いていた。
 それを割く(開く)というのは革新的な技術だったのだ。
 これがどこで開発されたのか、またいつ始まったことなのか、などまだまだ研究の余地はある。
 また様々な説があることも銘記すべきだ。
 ただ漠然とだが「ウナギを割く」というのは江戸時代なかば、また醤油と味醂で甘辛いタレを作ったのも、そのころではないかと思っている。
 ウナギを食べる文化を持っていたこと、幹線道路に近いことで、名古屋は早々とそれを取り入れたに違いない。

 それが証拠にウナギを割く包丁には東京、名古屋、京都、大阪で4種類あるということも挙げられる。
 東京は荒川(現隅田川)から東が古くは水郷地帯であった。
 京都は鴨川があり、琵琶湖が近い。
 大阪は淀川・大和川水系の扇状地帯にあり、ここの湿地がひろがる水郷地帯であった。
 そして尾張地方がある。
●02へ続く。

2008年7月10日
愛知県名古屋市中区錦3-13-22
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 イボダイは多くの地域で「しず」、「しす」などと呼ばれる。
 関東では「えぼだい」。
 これは東京などでは「疣(いぼ)」のことを「えぼ」と発音したため。
 頭にある黒い斑紋が目立ち、粘液が出るのでこの名がある。
 べたべたして地味だが人気の高い魚。

 我が家では本種を季節感なく買ってしまう。
 秋が来て、春から夏にかけてさんざん食べていたのに、手に取ると、これが久しぶりである。
 産地は愛媛県らしいが、すでに箱もパーチもない。
 今回のイボダイは恐ろしく鮮度がいい。
 これはこの国の季節が進み、気温が下がり、冬が到来したこのの証拠である。

 我が故郷徳島県では、これを酢締めにする。
 酢締めにして姿寿司などに作るのだけど、今回は単純に塩焼きとした。
 魚を買い求めると、なぜか頭に浮かぶ料理があって、そこに一定の法則があるわけではない。
 ようするに私の欲求するところが塩焼きというだけだ。

 イボダイは午前中に振り塩をしてしまう。
 そのまま夕方になり、表面の水分をぬぐい取り、強火の遠火で焼き上げる。
 塩焼きとはまことに単純な料理であって、しかも和食の最たるものなので、香辛料は皆無。
 脇に大根おろしを添えて、後は手づかみで食べる。

 そのため塩焼きを食らう間は盃が動かない。

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 東京都多摩地区に多いもの。
 それは農協の直売所と、農家の直売所。
 要するに、まだまだ農家が残っている地域なのだ。
 その日収穫したばかりの野菜が手に入るわけで、お金がなくったって季節感あふれる豊かな食生活が送れる。
 子だくさんの我が家にはありがたい限りなのだ。

 さて、11月になって増えてきたのが大根に白菜。
 急激に冷え込んできた朝、農協には白菜が大根が山のようにつまれている。
 白菜を漬物用に一つ、そして大根を選ぶ。
 残念ながら、今のところ源助も三浦も八王子ならではの高倉大根も見られない。
 でも青首の耐病総太大根だって味はいいのである。

 これを買い求めて、ちょうど買ったばかりのスルメイカ(1ぱい200円)と大ざっぱに煮あげる。
 スルメイカはワタだけ取り去り、墨や汚れを出来るだけきれいに洗う。
 適当に切って置いて、大根は半月切り。
 生米と一緒に下ゆでする。
 ゆで時間はほんの4、5分程度だ。
 冷水にさらして、よく水気を拭き取る。
 煮汁は酒、醤油、砂糖、水。
 煮立ったところに材料を残部放り込む。
 後は終始強火であっという間にたきあげる。

 天には海老名の海老さんにいただいた色づきはじめたばかりの柚。
 なんだか冬到来を思わせる甘辛いおかずとなる。

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むきどんこ発見!

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 福島県相馬市原釜漁港の水揚げを見ている。
 そこにグニュグニュしたオタマジャクシの化け物のような魚がいっぱい揚がっているのだけど、これがクサウオである。
 原釜など福島では「みずどんこ」なんて呼ぶ。
 さて、水揚げされたクサウオは美人揃いの原釜の娘さんたち(?)にいきなり頭を切り落とされて、エイ! ヤ! と皮を引き剥かれる。
 そしてトラックに乗せられて関東にまで運ばれるのだ。

 クサウオの盛期はまさに今。
 コヤツを八王子総合卸売センター『高野水産』にて発見!

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築地土曜会12月6日は場内東卸会館で行います。
今回から懇談会だけの参加も募集します。
詳しいことは掲示板でお知らせします。
当日東卸会館は朝9時から入ることが出来ます。
参加したい方は掲示板に参加表明をしてください。
会場には100名ほど収容可能です。
軽食を食べる、簡単な調理もできます。

築地でお買い物掲示板
http://csi.or.tv/tsukiji/kb/rb.cgi

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東卸会館は築地場内、豊ちゃんや吉野屋のある棟と、場内食堂の並ぶ建物の中間地点にあります。画像中央が東卸会館

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 東京から金沢へはどのような経路があるんだろう。
 鉄道で行くべきか、バスなのか。
 東京都西部ということで考えると、明らかにバスの方が便利なのがわかる。
 我が隣町、八王子から深夜バスに乗り込むと、翌14日朝6時には金沢に着いてしまう。
 バスは圏央道、関越自動車道、北陸道を通る。
 13日の深夜八王子からバスに乗る。
 疲れがたまりにたまっているので熟睡して、頭がぼんやりしたまま金沢の駅前に到着する。
 この金沢の駅が無味乾燥でデザイン的に品性を欠くもの。
 この頃の建築家の程度の低さに思わず唖然とする。
 降りたのは、金沢駅東口。
 ここから金沢を観光するのに、この造りはないだろう。
「金沢駅を作った野郎は能なし、大バカ野郎のろくでなしだ」
 なんて叫びながら、西口に回ると、もっとくだらないオブジェが迎えてくれる。
 このようなオブジェを造るなんて、もう脳みそゼロだろうね。
 それを造らせる行政もヒドイね、まともに仕事をやっているとは思えない。

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この無味乾燥な品のないオブジェ、明らかに粗大ゴミでしかない。加うるに人に優しくない西口の構造。これをつくった人間の愚かしさと、くだらなさに驚愕する。恥を知るべし!

 さて、ここでヤマトシジミさんと待ち合わせて、金沢中央卸売市場に向かう。
 金沢駅から割り勘でタクシーに乗り、ほんの5分ほどで市場に着く。
 610円を支払い。「金沢のタクシーは安いですね」なんていうと、「この値段はいちばん高いんです」とのことだ。

 午前6時15分の金沢中央卸売市場は活気がみなぎっていた。
 煌々と明るい場内に入ると、そこはまだ青果の棟であった。
 市場は正門から左が青果、右が水産となっている。
 この振り分けは日本全国多くの市場で共通だ。
 その青果仲卸に“加賀野菜”の暖簾。

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 加賀野菜というと金時草、蓮根、加賀太きゅうり、それから源助大根に「つるまめ(フジマメ)」などが思い浮かぶ。
 隣は塩干の店で「ふぐの卵のぬか漬け」、変わった色合いの蒲鉾、イカの墨造りなどが並ぶ。

 水産棟に入ると、すぐに目に飛び込んできたのが「香箱がに(雌ズワイガニ)」の山。

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 当たり前だけど雄がにもたっぷり並ぶ。
 当然、石川、富山、福井、鳥取などの国産。
 そこに紋別(北海道紋別市)のズワイガニの山があるのがこれまた面白い。
 「紋別」=「ロシア産」なのである。

 そしてお目当ての島根県隠岐のエッチュウバイが、これまたそこにもここにもある。
 仲卸で聞くと、隠岐のエッチュウバイは、間違いなく最高級品だという。

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島根県隠岐のエッチュウバイの山。

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宮崎県延岡市北浦の「北浦灘あじ」。河野さんに見せてあげたい

 場内を一回りしてから、荷受け2社である「石川中央魚市」、「ウロコ水産」に挨拶に出向く。
 さて市場での朝ご飯は関連棟「そばうどん」と暖簾がさがる店。
 この店の名前がどこにも書いていない。

金沢中央卸売市場
http://www.kanazawa-market.or.jp/Homepage/
ウロコ水産
http://www.urokosuisan.co.jp/
石川中央魚市
http://www.kanazawa-market.or.jp/Homepage/
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カキ目ナミマガシワ科を改訂
ナミマガシワのページを改訂
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/namimagasiwa.html
シマナミマガシワモドキのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/simanamimamodoki.html

サケ目サケ科ゴギのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/sake/amemasu/gogi.html

掲載種 1994


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 市場にくる「しったか」には2種類ある。
 日本海側のオオコシダカガンガラと、太平洋側のバテイラである。
 オオコシダカガンガラはバテイラの亜種とされるが、2種の形は大きく違っている。
 すっきりして背の低いのがバテイラで、背が高く全体にゴツゴツしているのがオオコシダカガンガラ。

 今回のものは産地不明。
 仲卸は「外房だろ」なんて曖昧な返事をする。
「そんなわけないだろ」
 さて、もしもボクが料理屋のオヤジで2種を見つけて、同じ値段だったら、どっちを選ぶか?
 これが決まっているのだ。
 味は同じなんだけど、オオコシダカガンガラは選ばない。
 なぜなら身が取り出せない、取り出しづらいからだ。

 きっとゆで方、煮つけ方にコツがあるのだろうけど、まだ会得していない。
 さて、今回も苦労しながら、食べたけど、なかなかうまかった。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、オオコシダカガンガラへ
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 市場には、その土地ならではの食べ物が見つかる。
 最近、地方に行っても、急速にその土地ならではの食い物、個人商店が消滅していく。
 それこそハンバーガー屋、牛丼屋、カフェ、居酒屋チェーンなどは、まるでガン細胞のようではないか。
 こんなものは今すぐ全部消えてしまってもなんの問題もない。
 ばかりではなく自然保護の立場からも消えてしまって+ではあるが-ではない。

 さて、久しぶりに訪れた金沢近江町は大きく変貌していた。
 なんだか、徐々に野性味というか、北陸の市場ならではのよさがなくなって行きつつあるように思える。
 とくに、市場の半分に立つ、汚らしいビルはなんだね。
 金沢で驚くのは、本来美しい街並みをたもっていたはずなのに、醜い建造物がブツブツ吹き出物のように立っていること。
 金沢駅西口など、まともな人類ではとても作れないに違いないウルトラろくでもないオブジェが立ち、また生き物としての人間にまことに使いづらいものとなっている。
 そして近江町もかよ、といいたい。

 いかん、怒りが先に立つ。
 閑話休題。
 まあ無粋な建物が出来つつあるが、やはり近江町市場は魅力いっぱいだ。
 今回見つけたものは昔ならではの水魚(ノロゲンゲ)、まぐろ(マカジキ)、がんど(ブリ)、梅貝(エッチュウバイ)に香箱蟹(こうばこがに ズワイガニのメス)、甘えび(ホッコクアカエビ)。
 フグの子のぬか漬け、かぶらずし、大根ずしに、ドジョウの蒲焼き。
 野菜ではレンコンに加賀太きゅうりに、金時草。
 白菜があるのもいいではないか。

 近江町市場を歩きながらお土産として買ったのは梅貝、まぐろ(マカジキ)、能登のマガキ、めぎす(ニギス)のすりみである。
 能登七尾湾のマガキは関東にはまったく入荷してこない。
 めぎすのすり身も珍しい。

 すり身は卵、ヤマトイモ、ネギ、塩で熱湯に落として団子にする。
 能登のマガキは大根おろしで汚れと臭みを落とす。
 大きさの関係から生食用を買い求めたので、生で味見。
 やはり日本海のマガキは味がいい。
 加うるに天然のキノコ。
 「霜起こし」、「ちたけ」はともにイグチ科であるように思えるのだけど、種名はわからない。
 これに春菊、豆腐、海老名の海老さんにいただいた柚で鍋にする。
 汁は昆布だしに酒塩。
 鍋の味付けは単純である方がいい。

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 まずは鍋に「めぎすの団子」を放り込み。
 ニギスの骨は軟らかく、これをそのまますり身にしているので、だしが出る。
 そこにマガキを入れて、適度に熱を通して食べる。
 後はどうでも好きにしろ!
 豆腐に春菊、キノコを放り込んで、どんどん食べていく。

 鍋の時には、多少飲み過ぎても翌日に残らない。
 だから『加賀の月 純米吟醸』四合瓶をあけてしまった。

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 小ムツ、中ムツが市場に並んでいる。
 その中ムツがなかなかいいのだ。
 産地はどこなのだろう?
 担当者に聞くけど、もう少ししたら電話するからといって結局わからずじまい。
 でも、この荷の形は千葉県産なのではないか。
 鮮度がいいだけに値段もキロ当たり1800円(卸値)で、お高い。
 このムツを三本ほど買い込んで、1尾は握りに、1尾は塩焼きに、1尾は刺身にする。
 さて、どの料理がいちばんうまかったのか、というと塩焼きなのだ。

 塩焼きは水洗いをして、身に包丁目を入れ、振り塩。
 1時間ほど置いて、魚焼き網に煉瓦を乗せて、串打ちしたムツを強火の遠火で焼き上げる。
 料理にコツというほどのコツはないのだけど、食べるなら焼きたてに限る。

 ムツの身はやや柔らかい。
 焼いてもフカフカしている。
 これをひと思いに半割にして、手づかみでほおばる。
 アツツツながら、うまままま、うまいので無言になって、我ながら動物的な面つきになっていそうで恐いくらいだ。
 この絹を思わせるような繊維のほぐれ感。
 そこに浮き上がってくる旨味と甘味。
 適度な塩味が皮目に張り付いていて、これがまたよろしいな。

 あまりに勢い込んでむさぼり食うので、酒をあおる間がない。
 ということで塩焼きは酒の肴としてはダメだな。

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 魚のすり身にカレーや唐辛子、そしてかなりはっきりした甘辛い味付けをしたものを、コロッケ、もしくはメンチカツのように揚げた物。
 この類似品が日本各地にある。
 これぞ練り製品のB級食ともいえそうなもので、ほとんど総てが1950年代から60年代に誕生している。

 さて、この誕生のきっかけが大正時代、戦前から開発されてきた魚肉ハム、魚肉ソーセージだ。
 魚肉ソーセージが大手水産会社によって大量生産されるようになったのが1950年代末のこと。
 これが全国津々浦々に流通するようになり、各地の練りもの業に大打撃を与える。
 そして魚肉ソーセージに対抗すべく開発されたのが、練り物B級食品たちなのだ。

 大分県の「ぎょろっけ」は中でも知名度が高い。
 これは庶民の惣菜の代表格である、「ころっけ」に「魚」をかぶせたネーミングにおうところ大であろう。
 津久見市では揚げたての「ぎょろっけ」は手頃な大きさから惣菜というよりもおやつなんだという。
 この「ぎょろっけ」に興味津々、一度はためてみたいと思い、なかなか果たせなかった。
 きっとその内、津久見に行くこともあるだろうと考えたのが間違いだ。
 今回は思い切って宅配していただく。

 宅配用「ぎょろっけ」には揚げているものと、揚げていないものがある。
 どっちがいいのかわからなかったので両方お願いする。

 翌日届いたのが、なかなか可愛らしい箱入りの「ぎょろっけ」。
 まずは揚げてあるものを電子レンジで1分ほど温めて食べてみる。
 大きさは子供でも一口で食べられそうなサイズ。
 我が家の姫がパクリとやって「父ちゃん辛い」という。
 たしかに最初に来るのが揚がったパン粉の香ばしさで、すぐに唐辛子のピリっというのがくる。
 我が姫にはちょっと辛すぎる。
 また練り製品である中身には玉ねぎやニンジンなどが入っていて、メンチカツにも通じるところがある。
 ボクとしてはこのピリっとした辛さがとてもいい。
 生を揚げたてで楽しんでも、「すでに揚げてあるもの」とそんなに違いはない。
 これは津久見市に行って揚げたてを、新聞紙なんかにくるんで食べる、そんな庶民的な味である。

太田商店
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 サンマに飽いたら、ちょっと一工夫する。
 持ち帰って生醤油と味醂(やや濃厚なタイプ。例えば三河本味醂など)に半日漬け込む。
 肝を裏ごしして使ってもいいけど、サンマに飽きたと言うことは、このようなわけ知り顔の料理がイヤだということなのだ。

 サンマと言えば「肝が大切」なんて一直線なバカな思い込みは今回は敢えてさけたい。
 ときどき「サンマ、肝」、「サンマ、肝」なんて、単純極まりないことにこだわるヤカラがいるが、幼稚だ。
 早く小学生くらいに成長すべしと思う。

 この漬け込んだサンマをじりじり弱火で焼き上げる。
 サンマの青魚らしい旨味と、醤油・味醂のアミノ酸、香りが相まってうまい肴になる。

 さてボクは山椒が大好きだ。
 だから焼き上がったら半割にして山椒をたっぷりと振って食らう。
 これには能登半島の宗玄なんて合うんじゃなかろうか?
 金沢への旅を控えて思うのだ。

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高千穂の空

 午後にミツイ水産に戻り、こんどは伊東吉成社長に高千穂を案内して頂く。
 高千穂は遠く、延岡から1時間半ほど。
 わけいってもわけいっても青い山というか、わけいれない深い山である。
 ここで高千穂を代表する三つの神社をお詣りする。

 我ながら、滅多に神社仏閣に詣らないので、この機会を利用して家内安全健康であることのほかに「来年こそは落ち着いた年でありますように」と祈願する。
 無理かな?

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伊東吉成ミツイ水産社長、江嶋力ヘンリーブロス社長。遠く見えるのは阿蘇山

 延岡に戻ったのが、午後4時過ぎ。
 宮崎空港には7時には行っておきたい。
 なんと特急にちりんに後5分というところで日向市駅から飛び乗り、午後7時前に宮崎空港の着く。

 帰りのジェット機の揺れたこと、また羽田着も遅れて、深夜0時前に帰宅する。

ミツイ水産
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延岡市浦城漁港

 延岡市内(宮崎県)から20分ほどで浦代湾、浦城漁港の到着する。
 港には焚き火にあたっている老人がひとりだけ。
 そのうちに人が集まりはじめて6時半には出船。
 定置網漁と、水揚げを見学する。
 チダイ、せだい(ヘダイ)、サワラ、ハマトビウオ、タチウオ。
 それに様々な魚たち。
 興奮して、さめやらぬ楽しい時間だった。

 浦代から、延岡市内に引き返して、延岡魚市場を見学する。
 延岡魚市場は鉄骨にトタンを打ち付けた古めかしい造りだけど、外見からして、とても懐かしい。

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 なかではすでに競りが行われていて、そこにあった魚貝類が素晴らしかったのだ。
「満月だから少ないね」
 競り場にいた人たちが嘆いたいたものの、「延岡の人がうらやましく」思うほど。
 市場横のバスのうどん屋(そばもある)『はりまや』で朝ご飯。

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日向市細島漁港

 それから、門川町土々呂漁港、日向市細島漁港を見て回る。

 宮崎北部の魚貝類は「北浦灘あじ」が有名ではあるが、その後が思い浮かばない。
 そんなボクにも宮崎の魅力的な魚貝類が銘記された。

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 延岡市から北に行くほど、民家もまばらになる。
 左右に山が迫り、海辺にでると狭い湾が切れ込んできている。
 そこに北浦市振の港があった。
 待ち受けてくれたのが河野昌雄さんである。
 日に焼けた精悍な顔、がっしりした力強い体つきをしている。

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 ちょうど「灘あじ」の出荷準備が行われていて、見学。
 宮崎の漁業のこと、「灘あじ」のことなど1時間以上話をして延岡に引き返す。

 途中、道の駅「北浦」、そして市内のスーパー「むしか」に立ち寄る。
 道の駅「北浦」は時間が遅くて、なにも見るべきものがなく。
 むしろスーパー「むしか」の水産物の品揃え、そして安さにビックリする。

 午後6時前。
 市内のホテルにてしばし休憩。
 午後7時過ぎには市内にある「匠」という懐石料理店に案内して頂く。
 なかなか見事な料理であったが、延岡らしさは微塵もない。
 もっと延岡の食材の勉強をすべきと思う。
 その後、ホテルに帰り着いて、しばしカクテルなどを飲みながら懇談。
 午後11時過ぎには寝てしまう。

 さて翌朝、4時過ぎに起きる。
 本日(11日)は、定置網見学から始まる。

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 朝7時半の飛行機に乗るために、まだ暗い夜道を歩く。
 中央線各駅停車で浜松町、そして羽田第二ターミナルビル。
 迎えてくれたのはヘンリーブロスの代表、江嶋力さん。
 今回はオブザーバーとして延岡市に向かう。
 強いジェット気流で宮崎航空までは2時間弱もかかる。
 今年、何度目の空の旅だろう。
 ボクが乗るジェット機は毎回やけに揺れる。
 たどり着いた宮崎空港で、まず目に飛び込んできたのが県知事のポスターである。
 宮崎はこの顔だらけだった。

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 ジェット機が遅れたので、宮崎空港液までダッシュ。
 したものの、走るまでもなく特急「にちりん」の出発時刻には15分以上間があった。
 そのときケータイがなる。
 相手は島根のマジマジ君。
「あのですね。灘あじって知ってますよね。それを実際に作った人が河野さんというんです。会ってみませんか」
 実を言うと、この時点ではまったく本日の予定を知らない。
「会う時間があるかな、会えたら会うからね」
 ほどなく赤い車両が滑り込んできた。
 南延岡までは1時間少々。
 「にちりん」は真っ赤な車体で、派手派手しいものの車内はかなりポンコツである。
 宮崎市、日向市などを過ぎていきながら、ときどき日向灘が見え隠れする。
 いくつもの魅力的な川を超えて、たどり着いた南延岡。
 迎えてくれたのが『ミツイ水産』の石井潤一郎さん。
 石井さんには10日、11日の二日間お世話になりっぱなしだった。

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石井さんに連れて行っていただいた延岡市街を見下ろす山の展望台から

 さて、南延岡駅からほどなく、たどり着いたのが市内松原町にある「ミツイ水産」。
 ここで江嶋さんは、伊東吉成社長と、商談に入る。
 ボクは一様オブザーバーとして臨席したが、ただじゃまをしていただけのように思う。
 市内の可愛らしいフレンチの店「マルシェ」で昼食をご馳走になり、石井さんの運転で北浦を目差す。
 延岡市は県最北の地。
 なかでも北浦は宮崎県の北のどん詰まりにある。
 途中、浦城という港を見学。
 そこに河野さんからケータイが入る。
「豊城を出て、信号を見たら電話してきてください」
 その信号がなかなか現れない。

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 葉物野菜でもっとも美味なるものが葉唐辛子だろう。
 これほどうまいものはどこにもない。
 唐辛子といっても種類が多く。
 考えてみたらタカノツメがうまいのか、甘長唐辛子がうまいのかわからないのだけど、今回のは辛さからして前者であるに違いない。
 これを醤油、砂糖、酒で甘辛く煮る。
 タカノツメの葉には季節が進むほど、実が混ざってくる。
 当然佃煮だって、辛くなる。
 10月の葉唐辛子は名残のものだろう。
 その佃煮の辛さは、子供が間違って口に入れて泣くだすほどだ。

 さて、秋深まり、魚屋に今年出始めのヤリイカが見られるようになってきた。
 まだ胴長20センチ足らず。
 ちょっと前までは子ヤリと呼ばれていたのが、そろそろヤリイカらしくなってきた代物だ。
 これを耳、ゲソ、目の回り、胴と、総て刺身にする。
 いわゆる糸造りというもの。

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 これをボウルに入れて生醤油少々、おろし生姜で混ぜ合わせる。
 今回は海老名の海老さんにいただいたユズを風味づけに使ったが、ネギ、青じそなど薬味はお好み次第。
 これを炊きたてのご飯にのせて食らうのだ。

 そこに登場するのが葉唐辛子。
 ご飯、ヤリイカの上に葉唐辛子の佃煮を添わせて、口に放り込む。
 ヤリイカは甘味が少なく、むしろさっぱりした清々しい味わいだ。
 ご飯と合わせるとややもの足りない。
 そこの葉唐辛子の佃煮が加わって、その辛さも手伝って絶妙の味わいを形成する。
 ときどきヤリイカの刺身を葉唐辛子の佃煮で和えて食べたりもするけど、これもいい味なんである。

 お父さんの慌ただしい、お昼ご飯にこれほどふさわしい料理もないであろう。
 ヤリイカ丼をかき込み、辛さに口をヒーヒー言わせながら、いざ外出なのだ。

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明日から宮崎県です

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明日10日、明後日11日は宮崎県延岡市に行きます。
延岡にはかけ回しの底曳網があり、珍しい魚貝類も多々見られそうです。
できるだけ街も見てきたいと思います。
なにか宮崎に関する情報がありましたらお教え下さい。


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 ホタテガイは海が荒れて魚貝類があまりないとき、いうなれば困ったときに活躍することが多い。
 例えば、これを単に刺身にする。
 軽くバターでソテーする。
 グラタンにして、フライにして、炊き込みご飯に使い、煮染めにして、中華いためにしたり、また鍋物にも使う。
 さて、そこで思案するのがヒモの使い方だ。
 ヒモと呼ばれるのは二枚貝ならでは外套膜の縁にあたる部分で、ここに点々と黒い斑紋があるが、ここで光を感じている。
 人間でいうところの目にあたることになる。
 ヒレヒレしたきしめんのような形のヒモだが、貝殻を作ったりとホタテにとっては重要な器官なのだ。

 でも食べるときはちょっとじゃまな存在でもある。
 例えば、ホタテの刺身を作る。
 そんなときヒモが余ったら、これも別盛りで刺身にする。

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 作り方は非常に、とても、最高に簡単。
 我が家の子供に作らせてみる。
 簡単に洗ったヒモをすり鉢に入れる。
 そこに塩を加えて、モミモミするのだ。
 クチュクチュする内に、ヒモは真っ白になる。
 塩やヌルを洗い落として、水分を切ると刺身の出来上がりだ。

 これはボクの、ボクだけのための一品だ。
 スダチと生醤油をほんの少し垂らして、コップ酒2杯ほどのアテなんである。

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募集は10日以降。
12月6日(土曜日)早朝7時半から築地で土曜会を行います。
築地場内を見学、買い物をして、その後懇談会を行います。
詳しくは、
http://csi.or.tv/tsukiji/kb/rb.cgi


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カメノテに混ざって入荷してきた。
ムラサキインコは磯などに行くともっとも普通の二枚貝で、一見「ムールガイ(ムラサキイガイ)」を思わせる。
各地で食用になっているのだけど、なかなか市場で見る機会がない。

今回のものは京都府舞鶴産。

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 なぜなら次に来た一品でまるで電車道で押し出された力士の如く圧倒されたからだ。
 それが「ベニガニの煮つけ」である。
 考えてみると静岡県沼津市戸田の漁師料理でもエビの煮つけは当たり前。
 甲殻類の煮つけのうまさはわかっているはずなのに、ベニズワイに応用しようとは思い至らなかった。

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 たぶん甘辛い煮汁の中で、ベニズワイの旨味が染み出し、また身に染みこみしながら出来上がったのだろうけど、やや水っぽいベニズワイの弱点を逆手にとってあまりある。
「カニを煮つけるなんて思いもしませんでした」
「そうですか、ベニガニは煮つけると最高ですよ」
 ウエカツ氏が島根生まれであること、釣りの話などがでて、なんとも楽しい宴となった。

 常々思うに、各地で産品を使った料理が作られている。
 その多くが大きく的を外している。
 下手な小細工ばかりしてむしろ素材の持ち味を失わせている。
 料理は工夫するのではなく素材の特性を見極めるべきなのだ、という基本中の基本がわかっていない。
 この『ベニガニ産品開発有志の会』でやっていることは素直にベニガニのうまさ、よさがわかっている。
 そして無駄がなく、的のど真ん中を射ている。

 唯一気になったのが大根のあく抜きが充分でなかったところだが、そんなことはどうでもいい。
 手をべたべたにして、ベニガニをむさぼり食うのだけど、幾ら食っても飽きが来ない。
 ところがこれがまだ序盤戦でしかなかった。
 その後に続いたのがベニガニの素揚げ。

 粗挽きの黒コショウがピリピリして、また違うベニガニのうまさを思い知る。
 このうまさを例えるに、だれが食べても間違いなく「クセになる味」としておこう。

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 さて、その次は中華風だけど、これはやや平凡。
 それなりにうまいことはうまいけど、真打ちの後に二つ目が出てきたような感じがする。
 鍋に火がついた、煮立ってきたらベニガニの甲羅下の身が放り込まれる。
 これがなんとだし代わり。
 そこにベニガニの足と野菜が入って、これもまた凄い味わいなのだ。

 さて、ボクの息の根は、この後の雑炊で止まったと言っていい。
 だしにした甲羅下の身、またゆでガニの残り、味噌を集めて、総て鍋に放り込む。

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 このぞうすいの味だけど、言葉になるわけがない。
 カニの旨味甘味を凝縮したもの、この一椀の中身はいったいなんなんだろう。

 さて、宴も終わり近くに、たぶん、美佐さんと思われる艶やかな女性が現れた。
 このひとときがまたよろしい。
 ウエカツ氏が美佐さんにほめられて、照れているのが絵になる。
 最後に『味処 美佐』はベニガニだけではなく「松葉がに(ズワイガニ)」、季節の魚貝類も楽しめる。
 境港は美味の宝庫だと確信したのだ。

 今回はウエカツ氏に乾杯してしまった。
 このベニガニ料理は「松葉がに」と比べてなんら遜色がないばかりか、味の多彩さでは、数段勝ちをおさめている。

 これではぼうずコンニャクの立つ瀬がない。
 ここいらで島根と鳥取に提案。
 二県とも美味の宝庫である。
 境港で妖怪うまいもん大戦争をやらかそうではないか?
 審判長は目玉のオヤジ、行事は鬼太郎。
 勝った県が境港をもらえる。
 毎年行うので「今年境港は島根県だね」とか「やっと鳥取に境港が帰ってきた」なんて話題になる。
 バカなことを考えるとウエカツ氏よりも上の、ぼうずコンニャクなのだ。

●ウエカツ水産総本舗
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味処 美佐  鳥取県境港市京町6


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「境港に面白い人がいるんです。ぼうずコンニャクさんに会ってもらおうと思いまして」
 やや太りすぎであるヤマトシジミさんに言われて、境港のとある事務所をおとずれた。
 そこにいたのが凶暴なヒマワリのような顔をした男なのだ。
 よく見るとヒマワリのガクに思えたのが顔中を回る髭であって、おつむにはゴワゴワした髪の毛がおっ立っている。
 これが誰あろう、ウエカツ氏なのであった。
 ウエカツ氏は役人にするのがもったいないような、自由で行動的な人物であると見た。
 事務所で水産物を巡る話で適度に闘い、その場を市内にある『味処 美佐』に移す。

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 ここでウエカツ氏と『ベニガニ産品開発有志の会』が作り上げたベニズワイガニ料理を味わうのだ。
 境港ではベニズワイガニと呼ばず「紅がに」と呼ぶ。
 確かにズワイガニを赤くしたという意味合いよりも「紅色の美しいカニ」と言った方がうまそうではないか?

 さて、この境港の路地裏にある『味処 美佐』が、まことに鄙には希な落ち着いた雰囲気の店であった。

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 店に入るとまずはカウンター席がある。
 このカウンターの造りがよろしい。
 なかで料理する板前さんの控えめな対応も優れている。
 そして奥へ。
 約六畳ほどの座敷席、真ん中に鍋が、そして前菜とゆでたカニがある。
 まずは生ビールで乾杯して、ゆでガニを食べる。
 これがまことに旨味の濃い、味わい深いものなのだけど、ウエカツ氏によるとズワイとベニズワイのハイブリット、しかもかなり老成した個体だという。
 ずらりと並んだ足を見ても、個体差のためか色合いが違っている。

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 前菜がまた素晴らしい。
 カニの爪は一度熱湯でふり、すぐに氷水に落としたものだろう。
 これがとても甘い。
 マアジのなます風がうまい。
 ここでウエカツ氏の目がキラリと光ったように思ったのだが、圧倒されていくボクを「まだまだ驚くのは早いぞよ」と言っているようだ。

●ウエカツ水産総本舗
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『味処 美佐』 鳥取県境港市京町6


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 その昔「ばい」といえばバイのことだった。
 それなのに沿岸域の破壊や有機スズのせいで激減。
 最近では「ばい」と言えばエゾバイや灯台つぶ(ヒモマキバイグループ)、白ばい(エッチュウバイ)に取って代わられている。
 基本的に小振りの巻き貝は、関東では最初から脇役でしかない。
 例えば関東での「突き出し」の役目。
 突き出しは、まずはとりあえず出す小料理だ。
 前菜の隅に置かれたりもする。
 それでも料理屋にはなくてはならないもので、小振りの巻き貝の存在感・価値は高いのである。
 「ばい」の本家本元であるバイの影が薄くなったのはなにも量的な理由だけではない。
 それによって値が上がりすぎたこともあるが、煮方が難しいのだ。

 まずは水、しょうゆ、酒を合わせておく。
 基本的に味醂は硬くする作用があるので使わない。
 ここに適当にあらったバイを放り込む。
 そしてコトコトと10分ほども煮てしまう。
 生煮えの巻き貝ほどまずいものはない。
 一度、味見してみる。
 煮方が足りないと硬い。
 だからまたコトコトたく。

 しっかり煮た方が軟らかい。
 これを楊枝でとりだしては、日本酒のアテにするのだけど、久しぶりに食べたバイがことのほかうまい。
 身自体に甘味があり、ワタの味が濃厚である。
 このような巻き貝の煮つけは子供にも人気がある。
 高いので少な目に買ったバイはあっというまになくなってしまうのだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、バイ
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フグ目フグ科サバフグ属を改訂
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センニンフグを削除、カイユウセンニンフグに改める
カイユウセンニンフグのページへ
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掲載種 1992


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 築地場内の『大音』さんで野締めながら大振りでうまそうなカワハギを見つける。
 この店のよさは店のせまいことからもいいものを、選んで仕入れてきている点だ。
 どの魚をとっても、それなりに満足のいくものばかり。

 カワハギは秋になるとぐっとうまくなる。
 そういえば「餅はぎ(もちはぎ)」なんて呼ばれることがある。
 これはどうやら、秋になるとぐんと値段が上がることから、漁師さんの餅代の元になるためではないだろうか。

 秋の日は釣瓶落とし。
 寒くなってきていて、これは鍋だななんて、皮をはぐ。
 頭の角(第一背鰭棘)の前を包丁でまさかりのように叩き切り、この切れ目をぐっと前後に引きちぎる。
 するとワタは破れることなくきれいに飛び出してくるし、肝もきれいに露出する。
 残念ながら肝はやや崩れてきている。
 細心の注意をはらって肝をとりだす。
 頭は半割にして鰓を取り去り、目玉をとる。
 ここで気が変わり、「煮つけにしようか」と生姜を出してくる。
 魚を料理するときには、こんな気まぐれがよく起こる。
 これを熱湯をかけて冷水にいれる。
 ザルに上げて水気を切っておく。
 煮汁は味醂少々、酒、ほんの少し砂糖、しょうゆ、調味料と同量の水。
 カワハギの肝と身は煮立ったところに放り込む。
 途端にカワハギの身がプチプチっと割れる。
 これは鮮度がいい証拠だ。

 後は中火、やや強火で一気に煮あげていく。
 コトコト弱火にしてはだめだ。
 落としぶたを煮汁が持ち上げる程度に火加減する。

 待つこと暫しで皮剥の煮つけは出来上がる。
 あとはむさぼり食うのだけど、へたに箸で上品になんて思ってはいけない。
 煮汁の甘さよりも、カワハギの身の旨味をともなった甘さが、口の中に広がるのだけど、それを、味わって、その余韻をしみじみ感じていてはいけない。
 うまいカワハギの煮つけは、立て続けに一気食いする。
 残った煮汁で作る骨湯もまたうまし。

 さて、ボクはと言えば、こんな理想的な食い方をしているわけではない。
 片手に『多摩自慢 本醸造』を持っているわけで、口をしょうゆだらけに汚す姫達を見ながら、ボチボチ煮つけをつまんでいるのだ。
 煮汁の中に肝を見つけてはつまむ。
 この肝のうまさをなんに例えるべきか思い浮かばない。

 冷や酒をそそぎながら、ふとそろそろぬる燗にかえようかなんて、丹波・清水美和雄さんのとっくりを出してくる。
 この丹波立杭焼きであたためた酒がうまいのである。
 肌寒くなって、また立杭の集芸館に行ってみたくなる。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カワハギへ
http://www.zukan-bouz.com/fygu/kawahagi/kawahagi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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集芸館
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