水産会社、加工品図鑑: 2008年10月アーカイブ

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 島根県浜田市は大きな港を持ち、また石見地方ならではの古典芸能を保持している歴史の町でもある。
 この町は当然のごとく水産加工の盛んなところで、カレイの干物生産量では日本一ではないかとも記憶する。
 港に入港してくるのは巻き網船、底曳網などで、多種多様な魚貝類が大量に水揚げされるのだけど、中でも浜田市民の大好物であるのがマトウダイだ。
 マトウダイは浜田市では「馬頭(ばとう)」と呼ぶ。
 「的鯛」は側面にある大きな斑点からくる漢字で、「馬頭」はそのユーモラスな顔つきからきている。
 ボクはどちらかというと、「馬頭」の方が好き。
 フランス語ではサン・ピエール。
 聖人ピエールという意味合いだけど、きっとこのひと馬面だったに違いない。

 さてこの浜田市民が、いや島根県人が大好きなマトウダイを、フライに加工したのが『大磯』。
 市内にある、それこそ元気いっぱいの食品加工会社だ。
 ボクなど部外者からみたら、輸入魚を使っても採算がとれそうにないフライ材料に、それ自体、なかなか値の張るマトウダイを使ったらさぞや「儲からないだろうな」と心配してしまう。

 そんな心配も食ってみると解消する。
 マトウダイというのは一定の大きさのものが揚がるわけではない。
 それで「いそまる本舗(大磯)」のもてんでんばらばらだ。
 これを見て感激するのは魚をよく知る人だけだろう。
 なぜなら、これこそ前浜の魚(地魚)を使っている証拠だからだ。

 さて、とにかく揚げてみる。
 フライなんだから、当然おいしい。
 さくっと揚がったのに魚のジュ(エキス)が飛び出してきて、これがまったく生臭くなく、旨味がほんのり浮かんでくる。
 うまいうまいとたっぷり揚げたマトウダイのフライをすぐに平らげてしまったけど、フライというのは本来そんな料理なのだ。

 さて、パンに挟んで食べていた太郎が、「もうないの。パンが余ったんだけど」と文句を言う。
 ご飯を食べていた姫も、「もっと欲しいよ」ときた。
 仕方なく的鯛のフライ、追加だーい!

いそまる本舗
http://www.rakuten.ne.jp/gold/isomaru/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マトウダイへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/matoudai/matou.html


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 築地、太田市場から八王子に来たクロホシフエダイについていたラベルが素敵だった。
 ネットで調べても、「江川水産」のことはよくわからなかった。
 しかし、このわかりやすいラベルは面白いし、目に付く。
 これはひとつの理想的なラベルだろう。
 クロホシフエダイを関東まで送り出すというのも見事だ。
 鹿児島の『江川水産』がんばれ!

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


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