鍋図鑑: 2008年11月アーカイブ

 市場には、その土地ならではの食べ物が見つかる。
 最近、地方に行っても、急速にその土地ならではの食い物、個人商店が消滅していく。
 それこそハンバーガー屋、牛丼屋、カフェ、居酒屋チェーンなどは、まるでガン細胞のようではないか。
 こんなものは今すぐ全部消えてしまってもなんの問題もない。
 ばかりではなく自然保護の立場からも消えてしまって+ではあるが-ではない。

 さて、久しぶりに訪れた金沢近江町は大きく変貌していた。
 なんだか、徐々に野性味というか、北陸の市場ならではのよさがなくなって行きつつあるように思える。
 とくに、市場の半分に立つ、汚らしいビルはなんだね。
 金沢で驚くのは、本来美しい街並みをたもっていたはずなのに、醜い建造物がブツブツ吹き出物のように立っていること。
 金沢駅西口など、まともな人類ではとても作れないに違いないウルトラろくでもないオブジェが立ち、また生き物としての人間にまことに使いづらいものとなっている。
 そして近江町もかよ、といいたい。

 いかん、怒りが先に立つ。
 閑話休題。
 まあ無粋な建物が出来つつあるが、やはり近江町市場は魅力いっぱいだ。
 今回見つけたものは昔ならではの水魚(ノロゲンゲ)、まぐろ(マカジキ)、がんど(ブリ)、梅貝(エッチュウバイ)に香箱蟹(こうばこがに ズワイガニのメス)、甘えび(ホッコクアカエビ)。
 フグの子のぬか漬け、かぶらずし、大根ずしに、ドジョウの蒲焼き。
 野菜ではレンコンに加賀太きゅうりに、金時草。
 白菜があるのもいいではないか。

 近江町市場を歩きながらお土産として買ったのは梅貝、まぐろ(マカジキ)、能登のマガキ、めぎす(ニギス)のすりみである。
 能登七尾湾のマガキは関東にはまったく入荷してこない。
 めぎすのすり身も珍しい。

 すり身は卵、ヤマトイモ、ネギ、塩で熱湯に落として団子にする。
 能登のマガキは大根おろしで汚れと臭みを落とす。
 大きさの関係から生食用を買い求めたので、生で味見。
 やはり日本海のマガキは味がいい。
 加うるに天然のキノコ。
 「霜起こし」、「ちたけ」はともにイグチ科であるように思えるのだけど、種名はわからない。
 これに春菊、豆腐、海老名の海老さんにいただいた柚で鍋にする。
 汁は昆布だしに酒塩。
 鍋の味付けは単純である方がいい。

kaganabe081010.jpg
●クリックすると拡大

 まずは鍋に「めぎすの団子」を放り込み。
 ニギスの骨は軟らかく、これをそのまますり身にしているので、だしが出る。
 そこにマガキを入れて、適度に熱を通して食べる。
 後はどうでも好きにしろ!
 豆腐に春菊、キノコを放り込んで、どんどん食べていく。

 鍋の時には、多少飲み過ぎても翌日に残らない。
 だから『加賀の月 純米吟醸』四合瓶をあけてしまった。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ニギスへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/nigisu/nigisu.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/magaki.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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