魚貝類発見記の最近のブログ記事

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八王子綜合卸売組合『マルコウ』に長崎県からウミヒゴイ類がやってきていて。
一見して2種類なのはわかったが、3種類の可能性、4種類の可能性を感じて、荷を抱え込んで熱中する。
3種類に違いない。
でも気になるものがあって4個体買ってくる。
1尾700グラムなので3キロ近い重さだ。
クマゴロウがまけてくれても、1500円以上(キロ500円)となる。

ヒメジの仲間はうまい。
うまいけど、こんなにはいらない。
鹿児島大学の本村教授に見てもらったオキナヒメジを参照しながら同定する。
結局ウミヒゴイ、オキナヒメジ、ホウライヒメジの3種と結論が出るが、まだまだこの属の混沌は続きそうだ。
魚類検索の改訂を早めてほしいな。

撮影、過去の資料を見て、同定、整理する。
これで3時間が消えてなくなる。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ウミヒゴイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/himeji/umihigoi.html
オキナヒメジ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/himeji/okinahimeji.html
ホウライヒメジ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/himeji/houraihimeji.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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築地場内『片岡』という店にポツンとヌマガレイがあった。
締めているところを見ると活けものらしい。
「これおいくらですか?」
「どれだい。ああ、これか。二百円でいいよ」
ポンポンと小気味よく袋に入れてくれて、ほいときた。
まことに『片岡』さんには感謝。
ヌマガレイは北海道なんかではありふれたものだけど、関東にくることはあまりない。

ヌマガレイは別名「カワガレイ」。
川と沼とつくのは淡水域まで上ってしまうカレイだからだ。
目の神経を二度も交差させて、ヒラメのように目が左、カレイなのに川でとれるなんて変わり者だね。

活けものらしいので、刺身に、唐揚げにして食べて、久しぶりにヌマガレイの味をチェックした。
そんなにうまいもんじゃないけど、上品と言えば上品なカレイだ。
ようするに旨味に乏しい。
刺身よりも唐揚げの方がうまかた。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ヌマガレイへ
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei02/numagarei.html
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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北海道稚内から荷がくることは非常に少ない。
稀にやってくると発見多々。
稚内の業者さんと知り合いになりたいとかねがね思っている。
でも業者名が「口へんに行」。
読めない。
残念だな!

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今回の巻貝はたぶんウネエゾボラがうれしい発見。
カラフトエゾボラにチジミエゾボラで3種。
フジイロエゾボラを探しているので、空振りではないがかすった感じ。

なんとかオホーツクのエゾバイ類、巻貝などを手に入れたい日々なのであった。

市場魚貝類図鑑のカラフトエゾボラへ
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市場魚貝類図鑑のチヂミエゾボラへ
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先月行ってきたばかりの北海道白老虎杖浜、宮森水産からトクビレの雄雌混じりがやってきた。
これが大小混じりで、しかも全体に見ると小さめなので安い。
しかも鮮度が抜群にいい。
これを東京都大田市場大都魚類に送ったのが、宮森水産の武田さんだ。
出荷している模様を見学しているので、関東に届いた荷を目の当たりにすると、ついつい買ってしまう。

雄雌4本買い求めて、お昼ご飯に子まぶり、肝和えにして食べた。
トクビレはやっぱり小さくてもうまい。

さて、ここで「八角とトクビレの雌」という表現をさせてもらった。
実を言うと「八角」とは雄だけの呼び名で、雌は別物だという人がいる。
関東ではこのように混じりで来ると総て「八角」となる。
ボクが考えるに、雌を「八角」といってもいいんじゃないかな?
おいしいんだから。

さて、子まぶり、肝和えは非常にうまかった。
肝和えにはからしを合わせたが、これが大正解だった。
ご飯に合うのだ。

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子まぶり、肝和え
1 トクビレを三枚に下ろす。ウロコは取れないし、取らない。ただ三枚に大名おろし。
2 肝と卵巣を取り出し、卵はから煎り、肝はゆでてすり鉢でみりん、しょうゆと合わせておく。
3 やや細長く切った身を、卵、肝しょうゆと和える。

市場魚貝類図鑑のトクビレへ
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オキメダイ騒動記

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 ことは火曜日にさかのぼる。
 ちょうど島根県水産アドバイザーの仕事で築地にいたのだ。
 そんなとき気仙沼のmakoさんからケータイ。
「ぼうずコンニャクさんお久しぶりです。今日90センチくらいのボウズコンニャクがとれたんですけど」
 これは問い合わせであって、ボクにその巨大ボウズコンニャクを頂けるという話ではない。
 でも、そのとき、こみ入った話をしている最中で、しかも明らかに、その魚はオキメダイではないか? と思い、頭にドカーンと花火が散ったような衝撃とともに「オキメダイ欲しい」というのがキラキラ光って心のなかで明滅する。
「makoさん、お願いします、それください」
 思わず言ってしまったのだ。
 実はその得体の知れない魚は気仙沼魚市場に置かれている。
 結局makoさんが交渉してもらい受けてくれた。
 そして東京へ。

 今週の月火水はホテル泊も含めて、睡眠時間を総て合わせて足し算しても10時間以下だろう。
 しかも東奔西走、歩く走る、そして仕事で立てこもる、会議で発言する、斡旋する、問い合わせるなど、息苦しいまでの日々だった。

 荷物は佐川急便で送られてきた。
 我が家族がたまたま不在であった。そのため営業所まで持ち帰ってもらう。
 その営業所が八王子のハズレにあって遠いのだ。

 木曜日は午前3時前に起きる。
 なんと昨日が雑誌『つり丸』の原稿締切。
 まだ原稿は半分しか書いていないのだ。
 午前4時過ぎに一応書き終わり、車で営業所まで。
 喉がカラカラに乾いている。コンビニエンスストアに立ち寄る時間が惜しい。
 しかも受け取った荷物が想像以上に重い、大きい。
 午前6時前にやっと自宅に持ち帰る。
 7時過ぎまで原稿の校正、書き直し、書き直し。
 7時過ぎから、魚の同定、検索。
 やはりオキメダイであることが判明する。
 昨日来、各地の博物館などに問い合わせて「オキメダイはそれほど珍しくはない。ただし北でとれたのなら貴重な事例だ。大きさも1メートルを超えなければ標本としてもどうしても確保したいものではない」ということを知人のみの問い合わせで確認済み。

 8時過ぎ、自宅で撮影を試みるが大きすぎて無理。
 八王子総合卸売センター『市場寿司 たか』店の前で撮影する。
 その後、重さなどを量って、たかさんにさばいてもらう。
 当然、すしネタにしてみる。

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たかさん、12キロのオキメダイと格闘す

 さて、5時前に受け取って、検索、撮影、重さを量り、下ろして、寿司図鑑撮影、帰宅がなんと正午前。
 全身画像だけ画像整理して時計を見たら1時を過ぎていた。

 1時半大急ぎで外出。
 本日は都心での出稼ぎはそんなにきつくない。

 夜9時前に帰宅。
 シャワーを浴びて、なんと10時前にダウン。
 今週は疲れ果てたのだ。

 気仙沼のmakoさんには改めて感謝いたします。

宮城県気仙沼市makoさんのAnglers-market
http://www7a.biglobe.ne.jp/~Fish-Fish/index.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、オキメダイへ
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ナガメバル騒動記

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 生物にも「珍しい度」というのがある。
 それこそ深海にしかいない珍妙奇怪な魚とか、南極海にいかないと見つからないものとか。
 いろいろあるけど、とにかく探そうにも探せない。
 例えば、国内ではまだ数個体しか見つかっていないともなると、「珍しい度」がもの凄く高いということだろう。
 さて時間を金曜日にもどそう。
 北海道紋別市(オホーツク海に面している)の『まるとみ渡辺水産』さんから、
「一見メバルっぽいんですけど、漁師も港の人間も誰も見たことのない魚がとれまして、送りましたので種名がわかりましたら教えてください」
 との話が飛び込んできた。
 このとき、なんとなくナガメバルではないか、と思ったのだ。
 理由がなくもない。
 先週、アカガヤが入荷してきており、当然、魚類検索をひらくことになる。メバル類の検索過程でいつも真っ先に目に飛び込んでくるのがナガメバルなのだ。
 この魚がまことに正体不明。
 どうにも情報が手に入らない、という代物なのだ。
 魚に興味がある人なら、解説を読んだだけで、非常に珍しいに違いないとピンとくるはず。

 そして日曜日の午後、やってきたのがまさにナガメバルだった。
 たぶん国内では2個体目、もしくは3個体目だろう。
 珍しいからといって珍妙な姿をしているわけではない。
 平凡過ぎるほど平凡な姿だ。
 ここで「珍魚、必ずしも珍妙ではない」という格言を残しておきたい。
 ここでいつもなら魚類学の専門家に食べてもいいか、問い合わせるのだけど、検索はいたって簡単だった。
 珍しさよりも、味を確かめて見たいというのを優先することにする。

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 少量の刺身、塩焼き、これが非常に美味だった。
 魚類学者のみなさん、ナガメバルはもう一切れしか残っていません、悪しからず。

2009年6月21日
まるとみ渡辺水産
http://marutomi-kani.com/
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アカガヤ発見!

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 地味なんだけど珍しい魚というのがある。
 珍しいにもいろいろあり、それこそ年に数尾くらいしか入荷してこないとか、手に取ったら過去数個体しか見つかっていない、というのもある。
 アカガヤも関東の市場では珍しいのだけど、たぶん北海道などでは雑魚のたぐい。
 「ときどきまとまってとれるので、そんなときだけ出荷してみよう」、産地では、このような存在なのだろう。
 しかも困ったことに、地元の人にも、この雑魚がなんだかわからない。
 標準和名(図鑑などに掲載される)はもとより、日常的な呼び名すら曖昧だったり。
 出荷するときにも似たような魚の名前をつけてだす。
 今回は根室からきたもので、箱には「柳の舞」とある。
 標準和名のヤナギノマイとは似ていることは似ているが別物。
 でも市場関係者で何人が「別物だ」と気づいただろう。

 アカガヤは抱卵しており、体長20センチ弱と形が揃っている。
 仲卸で1箱1500円(キロあたり300円)というのも安すぎる。
 安すぎる原因は体が柔らかく、鮮度がイマイチなのもあるが、やっぱり正体がわからないからだろう。

 ともかく久しぶりにアカガヤ発見!
 買い求めてきて、丸揚げにして食べたら、子供達が大喜びだった。

2009年6月18日
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「流らみ」発見!

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 本日の市場は寂しかった。
 なんにもなかった、がっかりだ。空しく帰ろうかと思ったら、そこにあったのが「ながらみ」。
 漢字で書くと、どうなるのだろう。
 タイトルはボクの想像による。

 愛知県産で、やや小振り。
 そのせいか、キロ当たり800円と安い。
 これを一握り、100円分買ってくる。
 仲買のお姉さんが「けちな買い方するなよ」と言ったのを聞かぬ振り。

 持ち帰って、片口を用意して、「ながらみ」を放り込み、熱湯をそそぐ。
 3分から5分待って、出来上がりだ。
 「ながらみ」で用意するものはお湯だけ。

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 そう言えば、静岡県島田市在住の級友は「昔はこいつがおやつだったんだ」といって食べ方を教えてくれたっけ。
 お湯は捨てないで、楊枝で身を取り出してついている砂をここで洗う。
 そう言えば「ながらみ」はこの熱湯をそそぐだけというのがいちばんうまい。
 身に甘みがあって、食感があり、ワタがまたすこぶるつきに美味なのだ。

 さて、言い忘れていたが、「ながらみ」とはダンベイキサゴ、もしくはキサゴのこと。
 今回のものはダンベイキサゴであった。

2009年3月31日
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 八王子綜合卸売協同組合『マル幸』の前を歩いていたら、「それなーに?」とクマゴロウ。
 なんだなんだ、とのぞき込んだらアラスカメヌケだった。
 クマゴロウに説明するに、
「アラスカメヌケっていうんだけど、一般的には赤魚(アカウオ)だね。そら、粕漬けとかになっているやつ」
「わかるわかる」
「わかってないだろ。これうまいんだぞ」
 うまそうなので1本500円で購入。
 今回のものは青森県八戸産『宇部商店』から来た荷である。

 アラスカメヌケはとても味のいい魚なのだ。
 多く脂ものっているし、身質はウスメバルにも似ている。

 宮城県以北に生息するのだけど、このところの円高で輸入水産物が多くなり、加工原料の値段も落ちてきている。
 普通、粕漬けや切り身加工されるアラスカメヌケも鮮魚出荷して、なんとか漁価を上げようとしているのだろう。
 こんなところにも世相が現れている。

2008年3月10日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アラスカメヌケへ
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福島県原釜(相馬市)産。八王子総合卸売センター『高野水産』

 福島県相馬市は県最北の地、そこから南へいわき市までの漁港では盛んに底曳網が行われている。
 その水揚げされる魚貝類で特徴的なもの。
 これがあると福島なんだ、と思わせるのがネジヌキバイ、ネジボラだ。
 両種非常に似ている。
 知り合いのすし屋なんぞに、「どうしてこれが2種類なんだ」となんども聞かれて、なんど教えても覚えられないようだ。
 味は両種ともに同じ。
 使う側も2種類だと思っていない。
 実を言うととっている漁師さんたちだって「巻きばい」の尖ったヤツ1種類だと考えているのだ。
 さて、この2種類の違いがわかるだろうか?
 わかんねーだろうな?

ネジヌキバイへ
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ネジボラへ
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