2007年3月24日アーカイブ

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 ホタルジャコは浅い磯場などに棲息する小魚である。名の「蛍」とは腹側に発光器をもって光るからである。ダイビングはしないが、磯場などに潜り、このパールピンクの魚が発光している様はさぞ美しいだろう。それだけでも海に潜る人がうらやましい。

 このホタルジャコは四国愛媛県などでは「ぶり網」でもって漁獲対象となっている。この「ぶり」というのは網につく「ぶり木」という浮木のことであって、当たり前だが魚のブリではない。他には底引き網でもホタルジャコをとっている。その水揚げされた総てのホタルジャコと草草の小魚が、愛媛名物じゃこ天となる。
「どうしてじゃこ天の材料はホタルジャコがいいんでしょう」宇和島の薬師神かまぼこさんに聞くと、「潰して(すり身にして)いちばん旨味の出る魚だから」なのだという。

 これはだいたい伊豆半島以南に生息していて、漁獲対象となっているのは愛媛県八幡浜から愛南町まで、他の地域では明らかに雑魚である。でもどの地域でも漁師さんなどに言わせると、「小魚のなかじゃいちばんうまいんです」と定評がある。驚いたのはそろそろ500種になろうかという我が「寿司図鑑」のなかでも出色の寿司ネタのひとつであった。

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ホタルジャコの下ごしらえはいたって簡単。鰓と胸びれを人差し指と親指でつまみとるだけ。小アジなども同じ要領でいい

 それを和歌山県有田市辰ヶ浜からの魚々ちゃん便に見つけて久しぶりに「小魚の唐揚げ」を作る。このホタルジャコの唐揚げがうまいのだ。
 水洗いしてウロコや汚れを取り去る。鰓ぶたを開いて鰓と胸びれを指で挟んでちぎり取る。こうするとズルズルと内臓もとれてしまう。これで唐揚げ用の下ごしらえはお仕舞いだ。1匹あたり2,3秒しかかからない。あとは片栗粉をまぶして揚げるだけ。弱火から中火でゆっくり、そして最後に強火で揚げる。
 また我が家は子だくさんなので、家族のためにポテトを一緒に揚げることがある。言うなればフィッシュアンドチップスである。今回はジャガイモをかいていたので小魚だけとなっているが我が家の定番料理である。
 揚がったら紙の上などにのせて塩コショウして出来上がりだ。
 これから暖かくなってくると夕べに小魚の唐揚げとビールがいちばんいい。

薬師神かまぼこ
http://www.yakushijin.jp/
魚々ちゃんさかなやは近日開店
http://www.zukan-bouz.com/zkan/toto/index.html
市場魚貝類図鑑のホタルジャコ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/suzukika/hotarujako.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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