2009年9月アーカイブ

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いろいろ買い物をして市場から帰ってくる。
食料品を冷蔵庫にしまっていたら、カイワリが一尾入っているのだ。
そこに紙切れがあって、「あげる」の文字。
赤いクレヨンで書かれているところから高野水産の社長の仕業らしい。
三枚に下ろして、ペーパータオルにくるみ冷蔵庫へ。

深夜帰宅して、岐阜の名酒「三千盛」をいっぱい。
アテはカイワリの刺身となる。

こいつがうまい。
小さな魚なのにトロと脂がのっていて甘い、そしてうまい。
大好きな「三千盛」とカイワリの刺身とは、なんとも贅沢な。
ついつい杯を重ねてしまったのだ。

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サワガニを初めて食べたのは東京に出てきてからだ。
学生時代に友と近所の居酒屋で品書きにみつけて、珍しいので注文する。
目の前のカウンターの反対側でジャーという揚げ物の音がする。
「これ生きているんですよ」
見せてくれたのが生きているサワガニ。

今から30年前には平凡な居酒屋の定番料理だったわけだ。
こんなもの田舎の谷にでも入れば、どこにでもいる。
しかも徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)では、食べているという話を聞いたことがない。
ヒゲガニ(モクズガニ)は食べ物だが、サワガニは幼児が戯れるものだった。

さて、関東の市場ではサワガニが普通に見られる。
重さで考えるとなかなか高価だけど、どちらかというと珍味とでも言えそうなもので、珍しさを演出するもの。
考えてみるに安いんじゃないだろうか?
赤飯などを売るときに使うプラスティックの透明パック入りで200円〜350円前後。
ほとんど総てが養殖もの。
今回の都城のものには「天然」とあったのでついつい買ってしまった。

出荷者は都城市『祝田淡水業』という。
あの県知事の顔がないのが清々しい。
ボクはこのようなほどよさが好きなのだ。

sawagani092.jpg
県知事の顔つきのサワガニ。これはやりすぎ

天然とあるけど味は変わらない。
生きてるまま素揚げにする。
できるだけ、きれいに揚げようと思うのだけど、なかなかうまくいかない。
この香ばしさだけの、サワガニ料理がビールにはあう。
うまいとか、甘いとかではなく、香ばしいだけだけど。

さて、関東の市場ではサワガニだって売られているのだよ。

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土曜のこと

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帰宅すると、すでに土曜日だった。
なかなか寝つかれずに、やっと2時半過ぎにダウン。
なんとなく目覚めると6時であった。
慌ただしく、1時間ほどが過ぎて、市場に向かう。

sakura0920.jpg

お腹がすいていたために、とにかく中華『さくら』で餃子、つけそば、白いご飯、漬け物たっぷり。
食い過ぎだ。

ここに海老さん登場。
たっぷり柚をもらう。
何気なく話し込んでいて、海老さんが長いことイギリスで暮らしていたことを知る。
だから午後の紅茶なのだ。
カッコいい!

『マルコウ』に淡路のマアジ。
とてもきれいだ。
ついつい撮影。
三重県からキチヌが入荷してきて、これは美品だと思って買う。
かすべもある。
真かすべだろうか? 水かすべだろうか?
函館産だろうけど見てもわからない。

tutiya09010.jpg

土屋食品ではちくわ麩作りで大忙し。
「ちくわぶってのは小麦粉こねるだけじゃ作れねーんだよ」

『高野水産』の店頭は人だかりがしている。
社長が走りよってきて、「今日のはつけなくていいから」といってまな板の前に消える。
また走りよってきて、「ヤリイカ持って行ってよ」。
どうしたの? なんかいいことあったのかな?
ヤリイカ、ムール貝(ムラサキイガイ)、サザエをいただき、市場を後にする。

帰宅して奥播磨の冷や酒を一杯飲んでダウン。
1時間ほど眠る。

shiya09.jpg

午後からキチヌなどの撮影。
画像の整理、チュウゴクモクズガニの資料を読む。

夕食は新ヤリイカとキチヌ、サザエの刺身。
キチヌで湯豆腐。
カワベのコマちゃんおすすめのトントロ。
むかご酢みそ和え、ポテトフライ。

食後、だらだら時間を過ごしてしまう。
チュウゴクモクズガニのページ改訂、画像整理。
なんと10時にダウン。

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kitinu09.jpg

キチヌが標準和名(図鑑などにのる)で、比較的一般的に使われる呼び名がキビレ。
語呂を考えるとキビレの方が好きだな。
母音に「い」が二つ並んではいけないと思う。
キチヌはタイの仲間だが「タイ=赤い」というイメージから外れる。
黒いタイなのだ。
このあたりもタイという言葉って難しいね。

まあ、どうでもいいか?
三重県から入会(いろんな魚が混ざって一箱となる)でキチヌがやってきた。
1キロ以上あるもので、まことに見事というしかない。
こいつを鍋物、刺身にする。

鍋にするためにまずは片身をこんがりと焼く。
準主役が豆腐なので、だしが濃厚にならぬように、アラは使わない。
こちらは明日のみそ汁にでもするとして、とにかくこんがりと焼いておく。
だしは昆布に日本酒と塩。

これでゆでたムラサキイガイ(ムールガイ)、べかな(山東菜のあまり大きく育たない品種)、春菊、豆腐。
ムラサキイガイは高野水産の頂き物。
鍋物に貝類が少しでも入ると、味がぐんとよくなる。

関東ではこの手の鍋を押し並べて湯豆腐という。
関西ではちりだろうか?
とにかくだしがあっさりして淡白である必要がある。

さて、昆布だしで温めた焼いたキチヌがうまいのである。
生臭身がなく、焼いた香ばしさが生きていて、しかも口に入れてほろっと崩れる。
ポン酢でもいいのだけど、なんといっても柑橘類と醤油をその場で合わせて食べるのがいい。

本日の酒は兵庫県姫路市の「奥播磨」。
知らなかったねー、こんなにクイクイ飲める酒だとは。

1 昆布を水に浸しておく。弱火で煮だして、昆布を出す。そこに日本酒と塩で味加減。
2 三枚に下ろしたキチヌを素焼きにする。他の具材を用意する。
3 鍋に具材を入れながら温まったら食べていく。
柑橘類に醤油、もしくはポン酢、生醤油などなんでもいい。とにかく好きな味で食べる。

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北海道、本州、四国、九州と日本全国の浅い沿岸域に生息する、小魚である。
標準和名(図鑑などに掲載される名)、その地方での呼び名、などどれでもいいので、この魚だけは知っていなければならない。
いかにこの小魚が重要であるかといえば、生まれてすぐに人類の食べ物となり、育つごとに、いろんな加工品になり、大きくなると「イワシ七度洗えば鯛の味」なんて、刺身のうまいことを勝手にほめたたえられる。

しかも人類だけでなくあらゆる水産動物のエサとなり。
島根県島根半島辺りのマアジ、スズキなどの脂ののり具合は、本種の発生具合で決まるともいわれている。

しらす、五万米、煮干し、目刺し、頬刺し、胡麻漬けなどの加工品がある。
瀬戸内海、とくに広島では小いわしの刺身、加賀では塩炒りなどの名物料理がある。

この魚がこの国の食に与えてくれるふくらみ、豊かさは量り知れない。
カタクチイワシは最低限知っておくべき100の魚の内、もっとも重要な魚だ。

今回は石川県金沢周辺で食べられる、塩炒り。
カタクチイワシをもっとも堪能できる料理だ。

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作り方
1 カタクチイワシの頭とワタを取り、水洗い。水分をよく切る。
2 鍋にやや強めの塩水をわかし、イワシを入れてゆで、余分な湯を捨てて水分を飛ばすように炒る。
3 皿に盛り、酢を適量張り、大根おろし、柑橘類(個人的に好きなのだ)を添える。
ここにしょうゆを合わせて大根おろしにからめながら食べる。

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今週は休み明け2日で大変だった。
休み中もほとんどの時間をパソコンと向かっていて、外出らしい外出は一日だけだった。
市場も連休中なのでなにもなかったなー。

その唯一の外出が太郎を連れてのお茶の水。
学校があったこともあり、ボクのお茶の水暦は30年を超える。
黒沢楽器でトロンボーンを見て、下倉楽器でマーチンD-45を見て、ため息が出て、太郎の楽譜を買って、小川町に下る。
カワセ楽器で、ボクから太郎に譲り渡したヤマハFG700のリペアの予算を尋ねた。
思ったよりも安くて一安心。

お昼ご飯はキッチン南海でカツカレーにしよう!
たどり着いたら休みだった。
カレーにこだわってボンディに行ったら、行列ができている。
ランチョンもダメで、共栄堂で久しぶりにポークカレー、太郎はチキンカレー。

そのまま青山一丁目に出て『べにや』さんで太郎の茶碗を買う。
良太さんが小鹿田焼の説明をていねいにしてくれる。
民芸の意味、柳宗悦のことなど、いろいろ聞いたけど、太郎わかったかな?
君もそろそろ白樺派の小説でも読んでみたらいいのにな。

そして本日は農文協と朝から打ち合わせ。
5時前に起きて、ページ改訂。
画像の整理をしていて、待ち合わせ場所には遅れてしまった。
Mさん、申し訳ない。
帰宅が0時過ぎ。
思ったよりも早い帰宅だけど、疲れたな。

明日は八王子綜合卸売センター『さくら』で餃子を食べよう。
いつものことだけど深夜まで起きていると腹が減るのだ。
明日の朝はぜひとも、うまいものを食いたいなんて思う。
海老さんのように、朝は午後の紅茶だけしか飲まない、なんてことになると、寂しすぎるよな。

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八王子綜合卸売センター『高野水産』の社長にシバエビをもらった。
この日は一日忙しく、秋だというのに大汗をかきかき帰ってきた。
目の前にあるシバエビを、「どうするかな?」と考えて、いちばん簡単な唐揚げにしてしまう。
そういえばエビの唐揚げは、料理屋さんが嫌う料理ナンバーワンだ。
なぜならば揚げ油がダメになるから。
我が家もエビの唐揚げはめったにやらない。

でもうまいビールのためだと、さっさと小麦粉をまぶしつけて油に放り込む。
シバエビがサラサラしてきたら油を切って振り塩をして出来上がり。
コショウはお好みで。
我が家はお子様天国なので軽く振っただけでもブーイングがおこる。

シバエビの唐揚げで本日は本物のビール。
北海道限定のサッポロクラシックというやつだけど、ビールの味のわからないボクでもうまいと思うな。

作り方
1 シバエビに小麦粉をまぶす。少し置く。
2 やや低めの温度で揚げていき、最後に高温にする。
3 揚げ上がったら、振り塩。

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カナガシラの味

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kanagasira09.jpg

最近千葉県から水氷(塩水に氷が入っている)で入合がくる。
これが鮮度もいいし、値段も安いのだ。
安いのは漁師さんの思惑からして申し訳ないのだけど、非常に魅力的だ。
今回のカナガシラなども、水氷の方が鮮度的にいいように思える。

気になったので、一本抜いて刺身にしてみる。
これが食感もあり、鮮度抜群、しかもカナガシラ自体に脂がのってきているようでうまい。
とりあえず1本と考えたのが間違いであった。

やはりカナガシラはうまい。
その昔は「君魚」、「殿様魚」などと呼ばれていたらしい。
要するに上品な白身で味がいいので、とれたら城の殿様にまずは献上する。
そんな魚だったわけで、祝儀に使われた例もある。
この魚、もっと高くていい。

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欲しかったサケビクニンが室蘭魚市場からやってきた。
白老の宮森水産、伊藤さんからだ。
改めてその変な姿にビックリする。
がんばって食べてみると予想よりは、うまかった。
鮮度のいいイトヒキダラとともに、伊藤さんありがとう!

宮森水産 北海道白老郡 白老町字虎杖浜 116
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スズメダイを「お仙(おせん)」もしくは「お仙殺し(おせんごろし)」と呼ぶ地域がある。
今回撮影用に分けていただいた妻鹿漁港でも「おせん」だったのだ。
なぜお仙さんは死んだのか?
だいたいお仙はいつ頃の人で、どこに住んでいたのか?
生業は、結婚していたのか?
子供はいたのか?

こんなことを考えながら撮影をし、あぶってかもを作る。
背ごしにもする。
今回のスズメダイはやせている。
どうやら産卵後らしくて旬ではない模様だ。

suzumedai090.jpg

背ごしにしても脂がない。
まあ薄く切り、氷で締めて皿に盛る。
韓国酢みそ(コチュジャンと酢)で食べると、なかなかいける。
脂がないけれど、ちゃんと旨味があり、脊椎骨はこりとして、噛み切れないけど、この食感も悪くはないのだ。

suzumedai091.jpg

翌日にはできあがった「あぶってかも」を焼いて食べる。
これも決してまずくはない。
ただ初夏のようにジュウジューと脂が滴り落ちることもなく、非常にさっぱりしている。
さて、やせていたせいか、やたらに骨が気にかかる。
そしてついに鋭い痛みが舌に走る。
思ったよりも太くて先の鋭い骨が、舌に刺さっている。

確かにこれだけ硬い骨なら、お仙さんの喉に刺さって、死に至らしめてもおかしくはないな。
舌に一度刺さってもひるむことなく、あぶってかもを食べ尽くしてしまった。
そしてお仙殺しの意味を深く理解できたのだ。

背ごし作り方
1 鱗を取り去り、頭を落し、ワタを抜き、鰭を切り取り、軽く水洗い。
2 頭の方から横方向に薄くスライスしていく。
3 これを氷水に冷やして、水気を切る。
4 コチュジャンに酢を合わせる。好みでごま油を加える。

あぶってかもの作り方
1 鱗を取り、ワタを抜く。鱗もワタもそのままでもいい。
2 振り塩をする。(好みで)
3 半日以上寝かせる。
4 乾かしても、そのままでもよく。焼いて食べる。

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suikuti09.jpg

磯遊びは楽しい。
ボクなどもっとも興奮するのが磯に出たときだろう。
思わず我を忘れて、息苦しくなる。
磯にひそむものが膨大にある。
実は磯遊びの経験をつむほど、磯の生き物の多彩さが見えてきて、そして何度も何度も圧倒されて、そのうち気持ちよくなる。

さて、その膨大な生き物にはカニやエビといったわかりやすいものから、プラスティックの破片に見えるもの。
色付きの泡(あぶく)のようなものや、岩と見分けのつかないもの。
非生物と生物の区別すら難しいものがいっくらでも存在するのだ。
そのひとつがオオヘビガイだ。

磯の岩場に管状のくねくねしたものがある。
楊枝ほどの太さから、子供の箸くらいのもの。
その楊枝くらいのものを、何かで壊してみる。
中から出てくるのはミミズのような生き物だ。
これは環形動物といって確かにミミズの仲間ともいえる。
そして子供の箸くらいのを壊すと、なかなか出て来ないけど生き物らしい存在を見る。
壊さないで潮の満ちてくるのを待とう。
なかからカタツムリの頭のようなものが、ゆらゆらとヒモ状の唾液のようなものを出す。
これが巻貝の仲間なんてわかる人はいないだろうね。
今回の主役のオオヘビガイなのである。

実は伊豆半島なので夜釣りをする。
真夜中に釣りどまり(釣れない時間)がくる。
そんなときにみそ汁を作るのだが、コッヘルに放り込むのは海藻(ワカメなど)、磯の巻貝(ニシキウズガイ類)やカメノテ、そしてこのオオヘビガイなどである。
このみそ汁がうまいのだけど、ゆでて軟体(中身)を食べてみようなんて考えたことがなかった。

それを今回オオヘビガイを送ってくれた、日美丸さんの棲む広島県倉橋島では食べているのだという。
倉橋島での呼び名が「吸い口」。
長い管状なので軟体部分がなかなか出て来ない。
管の反対側を壊して、空気が通じるようにして、片側から吸い出して食べる。
それで「吸い口」と呼ばれるのだという。

面白そうなので、酒蒸しにして、吸い出してみる。
これが思ったよりも難しい。
でも思案することもない。
楊枝でつつきだすと、それほど面倒でもなく出てくる。
この軟体がなかなうまいのだ。
思ったよりもたっぷりだし、管状のなかから出てくる汁とすすると、甘みがあって、旨味が強くて、磯の香りがある。
こんな食べ方、知りませんでした。

まことに日美丸さんには感謝!

広島県倉橋島、日美丸へ
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meita090.jpg

西高東低、やっぱり関西以西の方が魚を知っているな、と感じることがある。
グジ(アカアマダイ)、そしてメイタガレイ、アコウ(キジハタ)などなど。
特に強く関東の低さを思い知るのがメイタガレイ。
メイタガレイほどうまいカレイもいないんじゃないか? と思うが、関東ではこれが手に入らない。

姫路中央市場『浜野商店』で、思わず買ってしまったのが、活けのメイタガレイ。
今高いんですよ、と言われて、なんとキロあたり4000円近い。
小振りでも1500円くらいになる。
ただこの掌より少し大きいくらいのが肉厚なのだ。

すぐに締めてもらって宅配便で送ってもらう。
締め方のうまさか、翌日の時点で、また身は生きている。
久しぶりのメイタガレイの刺身を堪能する。

メイタガレイの味にはほんの少しクセがある。
クセというよりも、旨味と言い換えてもいい。
しこっとした活け魚の食感に、やはりメイタガレイは西に限るななんて思うのだ。

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yakigiri09.jpg

石川県から「白ソイ」というのがやってきた。
どうやら、これはタヌキメバルらしい。
北海道南部では「マゾイ」といわれるものだ。
ソイ類ではもっとも味がよいとされている。

比較的鮮度がいいので、できるだけ生で食べたい。
そこで久しぶりに焼き切りにする。
三枚に下ろして皮目を焼くのだ。
これを柑橘類と塩、もしくは柚コショウで食べる。

柑橘類は大分県産のカボス。
柚コショウは宮崎県米良のもの。
ぴりっと辛い焼き切りがうまい。
やはりフサカサゴ科(カサゴ)の魚は皮下に味がある。

酸味、辛み、二通りの味わいを楽しみながら、ぼんやりと酒を飲む。
一日ほとんどの時間をパソコンの前で暮らしている。
疲労感でもなく、むしろいらだちのような何かが身体にたまっている。
これを辛口の日本酒でほぐしていく。

作り方
1 タヌキメバルは三枚に下ろして、血合い骨を抜く。
2 皮目をあぶって冷水に落す。
3 水分をよく拭き取って、そぎ切りにする。

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aigo09.jpg

卵巣白子にうまいもの、まずいものがある。
もっといろいろ考えてみると、本体の方も美味なら卵巣白子も美味なるもの。
本体はうまいのに卵巣白子のまずいもの。
卵巣白子はうまいのに本体のまずいもの。
さてアイゴはどっちなのか?

夏が産卵期で、どうやら島根県浜田市あたりではまとまってとれるらしい。
それなのに市場に卵巣白子はあっても本体を見ない。
どうやら、本体はどっかに捨てられる、もしくは飼料などになってしまっている模様なのだ。
卵巣と白子をあえて抜き取って食べるくらいだから、さぞやうまいのだろう。

これを浜田の仲買い市場で買い求めてくる。
普通に煮て食べてみて、これが美味。
しかも卵巣としては特筆すべき味わいだ。
ほろほろと甘く、クセがなく、端正な舌触り。
白子だって、思った以上に滑らかで旨味が強い。

9月の浜田では、そろそろアイゴの季節も終了を向かえているようだ。
もしくは卵巣白子も冷凍ものかも知れない。
でも十分にうまいのだから、またひとつ夏の味覚を知ったことになる。

作り方
1 アイゴの卵巣、白子は適当に切り、湯通し。
2 鍋にみりん、酒、砂糖、醤油、水、生姜の千切りを入れて、アイゴの卵巣白子を入れる。
3 火をつけて沸騰したら、中火で煮上げていく。

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産卵期が終わったものと思えるのに、アカシタビラメの入荷が続いている。
安いのでついつい買ってしまう。
買い求めたら、頭にあたりに包丁目を入れて一気に皮をむく。
子供にも手伝わせる。
ウシノシタ科の魚はとにかく皮をむく。

塩こしょうして、ラップして保存。
献立に悩んだら、取り出してはムニエルにする。
粉をつけてこんがり焼くだけだから簡単だ。
バターをたっぷり使った方が受けがいい。

ちょっと甘いようなバターの香り、アカシタビラメの回りの鰭部分がまたやたらに香ばしい。
骨離れがいいのもフレンチで好まれる理由かもしれないな。
ただし、お父さんの酒のアテにはなりません。

作り方
1 アカシタビラメは頭に包丁目を入れて、皮を持って後方にひっぱる。皮は簡単にとれる。

akasitabirame0909.jpg

2 内蔵はキッチンバサミを使って鰓とともに取り去る。
3 塩コショウ、少しおいて小麦粉をまぶす。これを多めのオリーブオイルで焼く。
4 フライパンから魚を取り出し、保温。余分な油を捨て、たっぷりのバター、甘口のモーゼルワイン少量を加えてデグレッセする。ここで塩コショウして味を整える。
5 ここにレモンを数滴落して、皿に入れて、保温しておいたシタビラメをのせる。シタビラメの上には完熟したビーマンをのせた。

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土曜日の朝、一緒に築地場内でお買い物をして、中央区の厨房を借りて下ごしらえする。
この場内、厨房で私が案内、下ごしらえの助言をいたします。
気楽で楽しい会ににたいと思います。
参加希望者は下記のページを読み、参加申し込みフォームで申し込んでください。
http://csi.or.tv/tsukiji/doyoukai.html


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サンマに脂がのってきた。
いちばんうまい時期かもしれない。
なのになぜか、魅力を感じない。
1週間に一度だって食べたいと思わなくなった。
さんざん食べて食べ飽きてしまったらしい。
8月のあの感動はどこに行ったのやら。
そこで酢で脂を殺してしまうことにする。

買い求めてきて、三枚に下ろす。
この時点で既に失敗を犯していたのに気づかなかった。
塩をして半日、酢でしめて半日。
この出来上がり、とても見れたものではない。
皮目がボロボロ。

これを聞いた『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんが大笑い。
「サンマだってアジとおんなしよ」
そうだ、当たり前だ。
毎年こんな失敗をしている。

今度は腹開きにして塩をして、約一日かけてサンマの酢締めの出来上がり。
詳しくは作り方を見てもらうとして、サンマの酢締めは三枚におろしてはいけません。
マアジでもそうなのだけど、皮が酢に長く触れるとぼろぼろになってしまう。
これを防ぐために開いて酢につけるときに皮と皮を合わせるのだ。

皮目もきれいなサンマの酢締めでいっぱい。
今回は澤乃井「大辛口」。
近所にこんなコストパフォーマンスの高い酒がある。
多摩人の誇りだ。

サンマは酢でしめた分、あっさりして、とろっとした脂はやや遅れて感じる。
これなら食べ飽きることもない。

作り方
1 サンマを腹開き。

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2 べた塩をして半日。水洗いして少量の砂糖、昆布を刺した酢に半日。このとき皮目を合わせて身の方を外側にして酢に漬け込む。これがコツである。

sannma09093.jpg

3 しまったら酢を切っておく。

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okina09.jpg

八王子綜合卸売組合『マルコウ』に長崎県からウミヒゴイ類がやってきていて。
一見して2種類なのはわかったが、3種類の可能性、4種類の可能性を感じて、荷を抱え込んで熱中する。
3種類に違いない。
でも気になるものがあって4個体買ってくる。
1尾700グラムなので3キロ近い重さだ。
クマゴロウがまけてくれても、1500円以上(キロ500円)となる。

ヒメジの仲間はうまい。
うまいけど、こんなにはいらない。
鹿児島大学の本村教授に見てもらったオキナヒメジを参照しながら同定する。
結局ウミヒゴイ、オキナヒメジ、ホウライヒメジの3種と結論が出るが、まだまだこの属の混沌は続きそうだ。
魚類検索の改訂を早めてほしいな。

撮影、過去の資料を見て、同定、整理する。
これで3時間が消えてなくなる。

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オキナヒメジ
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ホウライヒメジ
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wakasagi09.jpg

秋田県から小さなワカサギがいっぱい入荷してきた。
たぶん八郎湖からきたものだろう。
豊富な魚貝類に恵まれた八郎潟もほとんど干拓されて、今では見る影もない。
それでもゴリ(ジュズカケハゼ)やワカサギの入荷を見る。

小さいので値段が安い。
この大きさだからこそできる料理もあるのにもったいない。
漁師さんにももうしわけない。
かるく片掌にのるくらい買ってくる。
これで200円くらい。

持ち帰って三つ葉と合わせて、かき揚げにする。
揚げたてを子供と競争しながら食べる。
香ばしいなかに、ちゃんとワカサギのほろ苦さと旨味が感じられる。

ボクは水割り、子供たちは伯太番茶で乾杯なのだ。

材料
ワカサギ、天ぷら粉(最近のものは非常によくできている)、三つ葉、揚げ油

作り方
1 ワカサギを塩水で簡単に洗う。よく水気を切っておく。
2 天ぷら粉をまぶす。
3 天ぷらの生地をつくる。水、天ぷら粉、冷水。
4 まぶしたワカサギに、地を加えて、スプーンですくいながら短時間でこんがり揚げていく。

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近所にすむ、ねずみふぐさんから「SOCKEYA SALMON」の薫製(スモーク)をいただいた。
カナダからのお土産だ。
「カナダへ行っていた」、かなりかっこいいな。
「島根に行っていた」とは大きな差を感じる。
そういえばかなり昔「カナダからの手紙」(1978)というヒット曲があった。
これなどカナダだからいいのであって、島根では「しまねらない」。

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「SOCKEYA SALMON」とはベニザケのことでアメリカ、カナダではもっとも高級なものだ。
色合いがいいし、味もいい。
これを食卓に粒辛子といっしょにだすと一瞬でなくなりそうだ。
少々取り分けて、夕餉のアテとする。

さて取り分けた数切れをどうするか?
ここでいきなり参考文献『小津安二郎の食卓』(貴田庄 筑摩文庫)を取り出す。
これはまさに名著。
ボクのような特殊な目的で読んでいても、ついつい引き込まれて楽しんでしまう。
小津安二郎に「お茶漬けの味」(ボクはこの映画大好きなのだ)という映画がある。
この何度見ても名作としかいいようのない映画から、小津安二郎好みのお茶漬けを紹介しているくだりがある。
そこにスモークサーモン(サケの薫製)のお茶漬けというのが出てくる。

薄い薫製を金網の上で焼く。
これをご飯の上にのせて、すぐにお茶をそそいで食べるというもの。
小津安二郎は徴兵時代にもサケの薫製を差し入れしてもらっていた、というくらいだから、本当にこれが好きだったのだろう。

sokeya090.jpg

さて、予め断っておくべきは、小津安二郎のサケの薫製は皮つき。
かなり本格的にいぶしたものらしい。
今回のものはソフト(生)なもので厳密には別物だろう。
金網の上でピンク色の身が割れて、まだところどころに生の部分が残る状態まで焼く。
あとは濃いめのお茶をかけて、かき込むのみ。

これが意外にうまいのである。
生に近いスモークは塩分濃度が低く、ややもの足りないのだが、いぶした香りがなんとも好ましい。
これはまったく新しい味の発見となった。
近所の、ねずみふぐさんに感謝。

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surumeika.jpg

落語でいう小話をおひとつ。
秋の夜長の、深夜となりまして。
ちょっと酒の肴が欲しいなんてことになりまして。

冷蔵庫にありましたものが、スルメイカの胴半分、倉橋島日美丸さんにいただきました麦みそ、海老名の海老さんにこれまたいただきましたる柚。
疲れて帰りましたもので、シャワー前に、1分と経たない間にアテを作りたい。
スルメイカをとんとんと切り、ささっと炒りつけて、出来上がり。
酒は本醸造を冷凍庫で冷やして、シャワーを浴びる。

お湯をあびた火照りを冷ましながら朝刊を読みまする。
八ツ場ダム、いろいろ揉めていますな。
地域のこれまでの経緯はいろいろあれど、古里をまったく無意味にダム湖に沈める。
こんな状況に追い込んだこれまでの政府はダメでしょう。
ダムを作る余地のない他の地域はどないするの。
このつまらない自然破壊に、福祉もこれからの世代へのあてがいも総て犠牲にしてしまう。
ダムを作る条件を満たした地域のわがままで、国内の多くの人を不幸にしたらあきません。
政権を失った自民党って、ものすごく大きな犠牲にもかかわらず、窒素をかばった水俣病の頃からなんら成長していない、怖いですね。
恐れ、おののきますね。
このダム計画で不幸になった人たちに篤い手当をしても、国民のひとりとしてゆるせます。
でも最低限、無駄なダムでも公共事業でも無理強いした方たちには、お詫びの言葉が欲しい。

さてダウンするまでのひととき、桂米朝の落語話などを読みながら青磁の碗にいっぱいの酒を飲む。
炒りましたるスルメイカに柚をたっぷり搾り、麦みそをからめからめ食べる。
秋らしく、ひとり酒盛りで酒二合。
外からは切れ切れにコオロギの声。
今年は急速に秋が来てますね。
五十路男の寂しいときなんです。
かんてきで燗つけて、くれるひとの欲しい今日この頃でありまする。

作り方
1 スルメイカの胴の部分を縦に適当に切る。
2 テフロンフライパンでから煎り。
3 火がとおったらみりんをかけ回して火をとめる。

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久しぶりにウツボをいただいた。
たたきとか、唐揚げとかで食べて、下ろしているときにみつけたオマケの真子を甘く煮付けた。
ウツボの真子を食べるのは初めてなのだけど、あれれ、クセもなく真子自体に甘みがあってうまいではないか。

真子の味わいは、いろいろ調べなくてはいけないと思っているのだが、大発見。
盛夏に産卵期があたるのだというのも、改めて知ったことだ。
このほろほろと甘みのある真子が、酒の肴にご飯のともとして美味だ。

作り方
1 真子を湯びきする。適当に切って湯びきしてもいい。
2 鍋に酒、砂糖、しょうゆ、生姜の千切りを入れ、真子を加えて火をつける
3 落としぶたをして、わき上がってきたら、全体に煮汁が行き渡るように中火で煮上げる。

8月27日
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マアジは魚類中でもっとも愛されているのではないか、市場に、スーパーなどになくてはならない存在だし、ない日はまずはない。
小さくても大きくてもうまい、というのがその特徴だし、同じ150グラムのが高値では800円も900円もして、方や数十円なんてことがある。
しかも面白いのは高いものはそれなりにうまい、当たり前だが、安くても値段を超えてうまい。
特に安いのが掌以下の小アジ。
1キロ2、3百円ということもざらだ。

これをせっせと三枚に下ろしてエスカベッシュにしてみる。
これはスペイン料理でマリネーの一種。
油で揚げてから酢に漬け込む。
和の世界にも南蛮漬けというのがあるが、これなどもともとはエスカベッシュがお手本なのかも知れぬ。

さて、エスカベッシュは我が家では保存食だ。
夕方に揚げて、漬け込んで、翌日の夕食に食べる。
野菜もたくさん入っているのでサラダだと考えて献立に組み込んでもいい。

酒は辛口の吟醸酒、白ワイン、ビール。
熱燗だけはだめだ。

材料
小アジ10尾ほど
野菜(ピーマン、ニンジン、玉ねぎ、ニンニク、ローリエの葉1枚)
白ワインビネガー
白ワイン
オリーブオイル
揚げ油
塩コショウ

作り方
1 マアジを三枚に下ろして腹骨を取る。
2 マリナード液を作る。玉ねぎ、ニンジン、セロリなど油と合わせて香りの出る野菜をやや太めの千切りにしてオリーブオイルで炒める。ここに白ワイン、白ワインビネガー、ローリエ1枚を加えて一煮立ち。アルコールと酢の角がとれたら火をとめる。

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3 マアジに塩コショウ、小麦粉をまぶしてかりっと揚げる。
4 バットに揚げたマアジを並べて、マリナード液をかけまわす。一昼夜寝かせて出来上がる。

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土曜日は普段通りに市場へ。
姫路で遊びすぎたせいで身体がだるい。
これが疲れているためか、風邪のせいかはわからない。
島根の「酢いか」などをいつもの仲間に配る。
こんなときモニターになってくれる、それがありがたい。

八王子農協で野菜、スーパーで飲み物を買って、帰宅。
そのままダウン。
ものすごく眠い。
眠いのに咳が出る。

午後、姫路から荷物が届き、撮影。
キジハタ、メイタガレイ、スズメダイ。
スズメダイに苦戦する。

夕食はスズメダイの背ごし韓国酢みそ、島根から着いたアイゴの卵巣の煮つけ、マダイの皮霜造り、湯豆腐、青山蒲鉾店の「地伝酒玉子巻」、島根県高津川漁協の鮎みそ、うどん。
アイゴの卵はうまい。

日曜日は5時半に起きる。
身体がバリバリに硬く、肩がいたい。
咳が出る。
朝ご飯はバナナ一本。
野菜ジュースと緑茶。

島根の旅の画像をすべて整理。
10時過ぎにダウン。
目覚めたら3時。
非常に体調悪し。
夕方コンビニで野菜ジュース、ヨーグルト、ファンタグレープ。
飲み物をグイグイ飲んだら体調が回復してくる。

夕食は焼き穴子、青山蒲鉾店「野焼き」、ネズミフグさんにいただいたスモークサーモン、鶏の唐揚げ、湯豆腐、うどん、野菜多々。
8時前にダウン。
眠くて仕方がない。
これって風邪の症状なのか?

本日はなんと6過ぎに起きる。
起きられない、寝坊してしまう。
朝ご飯は野焼きの残り、豚の生姜焼き、鮎みそ、温かいそーめん。

8時に外出。
10時に東日本橋のアーズへ。
ここで市場魚貝類図鑑の今後のデザインなどを話す。
なんとなく先々が明るくなってきた。

都営浅草線で人形町に出て、昼時なので初めての店でラーメン。
これがうまかったのだ。
『せい家』といったはずだけど忘れた。
風邪気味なのでニンニクをいっぱい入れる。
半蔵門線で三越前。
「しまね館」に立ち寄るがめぼしいものなし。
手前に奈良のアンテナショップができていて、柿の葉ずしと醤油。

日本橋に出て、マルゼンで文庫本数冊。
東京駅始発で帰宅する。
帰宅は3時過ぎ。
そのままダウン。

夕食は青山蒲鉾の天ぷら、コノシロの酢締め、チキン南蛮、あぶってかも。

アーズ
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市内にひっそりとしたたたずまいを見せているのが、『青山蒲鉾店』だ。
この店構えからも大量生産多売を拒否している、というのがわかるはず。
がんこに昔ならではの「野焼き」を守り伝えている。

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さて、今回は比較的新しい製品「地伝酒玉子巻」のこと。
グチやエソなどの高級すり身と卵を合わせて焼き上げている。
切ってそのまま食べて、かなり痛烈にうまいと思った、ところまではこの老舗の野焼きと同じなのだ。
それ以上に、思わぬ拾い物というか発見をしてしまった。

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温めて食べると、非常に美味なのだ。
土曜日の夕食、食卓の中央に湯豆腐。
昆布だしに、豆腐がゆらゆら揺れる。
風邪気味なので、冷たいのを嫌って、「地伝酒玉子巻」を一切れ落して、温めてみた。
すると、冷たいものよりも、より白身魚の上品な旨味と、卵の香りが立ち上がる。

京都、大阪などで「うどんすき」を注文すると湯葉などが添えられている。
湯葉よりももっと嫌味がない、しかも旨味のある、しかも温かさを強く感じさせる素材。
「地伝酒玉子巻」はかなりの高級品で、わさび醤油でシンプルに食べるべきだ、と思いながらもついつい鍋に落として、柚を香りつけに楽しむ。
風邪気味の疲れ果てた身に優しい味なのだ。

さて、今回のものは『青山蒲鉾店』さんにいただいたもの。
へそ曲がりなので、頂き物は素直にとりあげないのだけれど、その禁を破って、感動をお伝えする。

青山蒲鉾店 島根県松江市中原町88
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姫路に来たのは、いわば身体休めのためだ。
このまま帰宅しても、今時のお父さんが自宅でゆっくり休めるものではない。
間違いなくいえることは、我が家は父親にとっていたたまれない空間なのだ。

島根での3日間は大変だった。
県内でいるかぎり仕事が頭から離れない。
例えば、体を使って疲れるのはわかりやすいが、頭が悲鳴を上げているのはだれもわかってもらえないだろう。
島根県の仕事はやりがいがあるが、疲労に疲労を重ねてしまう。
その内、島根の仕事を総括してみるつもりだから、ここでは深く掘り下げない。

ということで、山陽電気鉄道妻鹿の駅からの話に戻る。
私鉄にしては立派な電車が来た。
しかも思ったよりも乗客がいる。
朝はラッシュなのだという。
妻鹿から姫路までは10分ほどだろう。
姫路駅は姫路山陽百貨店の中にあって、これは大阪の阪急に似ている。

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時刻はまだ正午前だ。
姫路中央市場で大食いしたのに、たっぷり歩いたせいか、空腹感を感じる。
駅前商店街にある『あさひや食堂』で、おかずをいろいろとってお昼ご飯。
そういえば姫路に多いものが“大衆食堂”ではないか。
このあたり、遠藤哲夫さんにもお教えしたいものだ。

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その後地下にもぐってお土産(お弁当)を買い込み、12時44分、のぞみに飛び乗る。
さて、のぞみの手洗いに立って、気づいたこと。
顔が赤いのだ。
咳も出ている。
車内で咳をすると、振り向く人がいる。
できるだけ咳をこらえて、品川に着いたときにほっとしたために、大いに咳き込む。
まさかと思うけどインフルエンザじゃないよな?

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ここからはメモで書いているので、リアルタイムではないけど、連続性を維持したいので、このまま。

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入港してきた船にはふたりの漁師さん。
岸壁から青いコンテナーを受け取って、水揚げが始まる。
魚はほとんど総てが生け簀。
ようするに活け魚中心の水揚げだ。
瀬戸内海では普通の光景だが、目の前が漁場ということの素晴らしさを感じざる終えない。
また水揚げされる魚は小振りだが、実にうまいというのも特筆すべきことだろう。

まずはマアジが生きている状態でコンテナーに移される。
やや黄色みがかった体色で、うまそうだ。
クロメバル(メバル3種のいずれか)、アカメバル(カサゴ)、アコウ(キジハタ)、チヌ(クロダイ)、マダイ、バリ(アイゴ)、イボダイ、メダイ、グチ(シログチ)、ハモ、アカベラ(キュウセン雌)、アカシタビラメ。
なんといってもメバル、カサゴが多い。
ワタリガニ(ガザミ)、小太(サルエビ)、シャコ。
ハリイカ(コウイカ)も生きている。
そして圧巻がタコ(マダコ)。
生きているままに、コンテナーに移されるのだけど、あっちに逃げ、こっちに潜り込み、大変だー。

seriojisan09.jpg
市場でいろいろ教えていただいた方。お名前を聞き忘れた。ありがとうございました

魚は一度水槽におさめられて、もう一度浅いプラスティックのトレイに移して行く。
このときスズメダイが選別されて、どうするんだろう、と思ったら「こんなもんいらん」というのでいただいてくる。
スズメダイのいい画像がない、ということもあるが、「こんなうまいものを捨てるのもったいない」ということもある。

seri091.jpg

水揚げを見ていたら、魚谷商店さんが来て、いろいろ話をする。
姫路の仲卸が素晴らしいのは、陸送もの以上に地物が豊かであるせいだな、なんて思う。
水揚げ場にベルトコンベアーが渡され、手前に段のある競り場、反対側に事務の女性が座っている。

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魚が生きている状態で、コンベアーを移動して、あっという間に競りが終了する。
流れていく魚がうまそうで、うまそうで。
この光景を見てしまったら、誰だってまた姫路に来たくなる。

seri092.jpg

帰りは魚谷さんが妻鹿の駅まで送ってくださる。
魚谷商店の主力がアナゴ(マアナゴ)であること。
今日はアナゴを競りにきたのになかったこと。
日曜日に開かれる「とれとれ昼市」のこと。
いろいろお聞きできてよかった。
魚谷さんには感謝の致しようがない。
ありがとうございました。

妻鹿駅のホームで待つほどもなく姫路行きの普通電車がやってきた。

魚谷商店
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坊勢漁協協同組合
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駅はなんの変哲もない。
南に向かって歩くと松原神社の前に出る。
とてもきれいな社で、掃除をしている人たちが数人。
神社の裏側から入ったようで、門を出ると、右手に野球の観客席のミニ版といったものがある。
通りかかった人に聞くと、「屋台の見物用です」とのこと
ここの秋の大祭が、俗に灘のけんか祭という。
姫路では、この旧松原村以外でも秋祭の期間中に食べるのが「このしろのすし」、よって漢字が「魚へんに祭」となったわけだ。

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駅からとぼとぼと歩くのだが、暑くもなく、寒くもない。
心地よい。
ついつい鼻歌がこぼれてくる。
今回は「さらば涙と言おう」。
歌っていて、考えてみるにあの「おれは男だ!」というのはちっともいいドラマじゃなかった気がしてくる。
なのに人気があったのは、この歌の力もありそうだ。
だいたい主役の彼、今ではいかがわしさや、汚れたイメージがあり、マスコミの怖さを知る。

大きな鎖を作っている工場に行き当たる。
銀色の鎖がたぶんメッキ液からからからっと出てくる。
そして突然林になり、面白そうなので入ってみると行き止まりだった。

ほどなく“妻鹿水産加工場”の大きな建物が見えてきて、その隣が妻鹿漁港だった。
『とれとれ直売所 坊勢漁協』とある。
これは瀬戸内海に浮かぶ、家島、坊勢島(ぼうぜしま)の直売所という意味なのだろう。
直売所は水揚げ前で閑散としている。
ハモ、アイゴ、ヒゲソリダイ、マダイの小さいものなどが泳いでいる水槽。
坊勢島特産イワガキ、アサリ。
イカナゴのくぎ煮などが魅力的だ。
岡山日生とはひと味違った魅力がある。

港の先に、大きな煙突が並び、たぶん石油コンビナートだろう。
この光景は瀬戸内海の典型的なものだ。
港の水面が小さく見える。

水揚げ場には人影まばらだ。
「水揚げはまだなんですか」
「今日は島の船が別の用があって、あまり入りません。すけないんです(少ないんです)」
この用事というのが佐用町を襲った水害で流れ出したゴミを片付けているためとわかる。
奥播磨の町は電車から見ただけでも魅力的だった。
あの町並みは大丈夫なんだろうか?

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沖合から一隻の小さな漁船が近づいてきた。
天気もよく、無風。
その水揚げやいかに。

魚谷商店
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焼き穴子の店で「このへんにご飯食べられるとこありませんか」と聞いて、
「あのな、そこのエレベーター乗って二回に行きなはってな、この建物の真ん中あたりにあります」
二階に上がると、屋上駐車場だった。
その端っこに食堂、ミルクホールなどが並ぶ。
いちばん南側にあった『やまもと食堂』に入る。

yamamoto09.jpg

いろいろ皿に盛ったおかずが並んでいる。
「いらっしゃいませ、なんでも言ってくださいね。並んでるおかずはとってくれたらええんです」
ポテトサラダ、メイタの煮つけ、奴にイカゲソの天ぷら卵焼きつきを選ぶ。
これにご飯大盛り、肉吸。
肉吸はやや甘めのうどんつゆに牛肉で「吸い物」にしたものだった。
これを一気食い。

yamamoto0909000.jpg

元気が出てきたぞ。
7時半過ぎにホテルに戻り、熱いシャワーをあびる。
午前9時半、また手柄駅に向かう。
山陽電気鉄道に飛び乗り、白浜の宮駅に。

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朝、5時にケータイの目覚ましで起きる。
いつもはこんなことはない。
やや不調だ。
お茶を飲み、手柄(てがら)にある姫路中央市場に向かう。
気温は20度前後、晴天、快適、気分爽快となってくる。
民家の庭にオリーブの木がある。
水路にはカワニナ。

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市場までは約10分ほど、山陽電鉄の手柄駅に隣接している。
手柄駅構内の時計を見ると5時40分となっている。
思った以上に大きな市場で北側が青果、南側が水産になっている。

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仲卸の店頭にイヌノシタ、アコウ(キジハタ)、クロメバル(メバル)、アカメバル(カサゴ)、メイタガレイ。
明らかにしめたばかりのマダイがトロ箱に並び、シャコが生きている。
小太(サルエビ)、シラサエビ(ヨシエビ)、足赤(クマエビ)、クルマエビ、アカエビとクルマエビ科のエビが豊富だ。
マアジは地物らしいし、タチウオだって、チヌ(クロダイ)もキビレ(キチヌ)も産地は姫路周辺に違いない。
ガザミ、イシガニともに生きている。
きっとこの辺りでは生きているカニしか食べないのではないか。
とにかく見ただけでわくわくしてくる。

tegarajounai09.jpg

関西の魚市場の特徴がマグロ屋の少ないところだろう。
ざっとみて2、3軒か。

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塩干の店がまたなかなか楽しい。
干しエビを見つけてよく見るとサルエビ。
サンマの開きは明石で加工したもの。
これぞ「明石やさんま」だね。

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店頭でコノシロを三枚に下ろしている店がある。
魚谷商店という。
今回姫路に立ち寄った目的がコノシロ。
秋になると、このあたりでは盛んにコノシロが作られる。
市内松原神社は別名「このしろ祭」というらしい。

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コノシロの話を聞き、開いたもの、活け締めのマダイを買う。
隣の浜野商店で、小太(サルエビ)、アコウ(キジハタ)、メイタガレイ。
撮影したいからというと、浜野商店さん、親切に梱包していただく。
焼き穴子専門店を見つけて、これも買い込む。
姫路中央市場は面白い。

魚谷商店
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正午過ぎ、ヤマトシジミさんと、船津のトンカツ屋さんへ。
ボクはヒレカツ、ヤマトシジミさんはロースカツ。
ヤマトシジミさんはご飯をおかわり。
とんかつ『たていし』という店だが、造りも好ましいし、またとんかつの味がなかなかだ。
みそ汁が、しじみだったらなーと思う。

14時発やくもで岡山へ、伯備線はずーっと山の中。
左右に振り子のように揺れる車両の乗り心地は、何度乗っても嫌なものだ。
非常に疲れているのに眠れない。
新見を過ぎたとき、すばらしい川を見る。
この川で魚を追ってみたいものだ。

岡山で、こだま大阪行きに乗り換える。
ほんの三十分ほどで姫路へ。
姫路は休息用に泊まるもの。
しかも中央市場があり、瀬戸内海には漁港がある。

南口から10分弱歩いてホテルへ。
到着後時間を見ると5時過ぎなのだった。
シャワーを浴びる。
浜田からときおり咳が出るようになっている。
かすかに喉が痛い。
そういえば、浜田でも松江でも咳している人が多かった。

6時過ぎに街へ出る。

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姫路駅を北に抜けて、駅前町の食堂で姫路おでん、カツオのたたき、鶏肝の甘煮で、生ビールと熱燗。
姫路城はライトアップされている。

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駅前スーパーで水などを買い込んで帰ってくる。
姫路は二度目だけど、まだ駅は工事中。
8時台にはホテルへ帰り着く。
ここフローラルインなかなかいい。
熱い湯船につかり、早々とダウン。

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朝方5時過ぎまで寝てしまう。
ホテルの居心地非常に悪い。
最上階で洗濯。
お茶をいっぱい飲んで、7時にチェックアウト。

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まささんが向かえにきて、松江魚市場へ。
魚市場のみなさんに挨拶をして、魚を見て回る。
定置網、磯もの、恵曇などの干物など思ったよりも見るべきもの多し。
魚市場前『つりきち』でラーメン。

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ヒラメ、キダイ、マダイ、アカムツ、ハマチ(ブリ)、カマスサワラ、サワラ、シイラ、ニギス、ガンギエイ2種。

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コシダカガンガラ、オオコシダカガンガラ、クロアワビ、サザエ。
秋を感じさせるコシナガをここでも見た。

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金太郎(ヒメジ)の見事な干物があった。
欲しくなったが売れたばかりだという。

さて、松江と言えば『宍道湖七珍』といわれる。
魚市場を見るたびに、冗談ではないといいたい。
これほどにたくさんの日本海の魚貝類があるのだ。
日本海を味わいたければ松江に来るのだ。

ヤマトシジミさんと8時過ぎに県庁へ。
まささんは当分山陰だという。
県庁水産科で挨拶。
ルーさん、元気そうだ。

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晴天で県庁から見える松江城が美しい。
これがボクにとって唯一の観光的時間。

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会議は11過ぎまで。
これで島根県の仕事は無事に終了する。
考えて見ると、とても3日ではこなしようのない量の会議と、会合であった。
我ながら限界かなと思う?

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夜の松江に。
駅前から松江県庁前に着いたら、夕闇迫る頃。
おでん『有楽』にたどり着くと、闇が沈んでいた。
9月初旬だというのに立ち上る湯気がありがたい。

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やまとしじみさんと、入店。
その湯気のなかから大根を基本にいろいろ。

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生ビールがうまい。
まもなく、マサさんが到着。
おでんいろいろ。
春菊がうまい。

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大きな大根、さといも、天ぷら(薩摩揚げ)。
べら(キュウセンとアカササノハベラ)の煮つけ、シバエビの辛煮、出西しょうが、名物コロッケ。
生ビールから、隠岐の高正宗。

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9時過ぎまで歓談、飲酒、飽食。
ヤマトシジミさんは松江城方面に消える。
ボクとまささんはホテルへ。

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港までは、北さんに送ってもらう。
早朝からもうしわけない。

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ヤマトシジミさん、トーボさん、北さんと魚を見て回る。
浜田港には底曵き2隻。

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hamada0909.jpg

マアナゴ、マトウダイ、ヤナギムシガレイ、ムシガレイ、メイタガレイ、アカムツ、ニギス、メダイ、カナガシラ、キアンコウ(アンコウ)、ヨロイイタチウオ(ヒゲダラ)、トラハゼ(クラカケトラギス)、キダイ、チダイ、マダイ、シロサバフグ、ウマヅラハギ。
ブドウイカ、ウスベニコウイカ、ウチワエビ。
沿岸漁ではヒラマサ、ツバス(ブリ)、ウスメバル、カサゴ、アカミズ(キジハタ)、サザエ、クロアワビ。
底曵網でとれる魚貝類は多彩だが、沿岸魚が少なかった。

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午前7時前、MESAMASHIで朝ご飯。
このライトバン食堂はなんど食べてもうまい。
ちなみに今回は肉うどんとおでん。

仲買人市場を見て回る。
やはり魚が少ない。
秋の魚であるコシナガ(マグロ)があって、欲しいなと思うものの、旅は続く。
残念だがあきらめる。
アイゴの白子、真子を買う。

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午前7時半より、水産技術センターで会議の前打ち合わせ。
午前8時半、浜田水産事務所。
9時から会議。
浜田水産事務所、トーボさん、ヒゲナス2さん、島根美人さん、まじまじくん、などいつものメンバーで正午まで会議。

正午、紺屋町の「はなみずき」で1人前520円のお弁当を食べる。
水産加工業者「シーライフ」がやっている店なのだけど、うまい。


午後から出雲地区、岩見地区の加工業者、鮮魚店、漁業者などと会議。
終了は午後2時半。
3時10分特急にて松江に向かう。
非常に疲れる会議。
このような会議は2度目、自分以外にはできないものである。
しかも負担は大きい。

会議が終わって、振り仰げば雲一つない晴天。
特急出雲から見える日本海がきれいだ。
出雲平野では稲の収穫が始まっている。
右手には神西湖。
松江着4時50分。
やはり浜田・松江間は遠い。

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朝4時前に起きて会議の準備。
昨日来の考えをまとめておく。
経済的な効果と、文化的な面を融合させる必要がある。
意外に面倒な会議が朝からある。

しかし久しぶりの浜田市は水産加工品の宝庫といえそうだ。
本日の日程は朝5時からの浜田漁港水揚げの見学。
考えてみると昨日の居酒屋からして議題の話で喧々諤々だったわけで、浜田着以降隙間がない。

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広島駅着は9時50分。
駅中で菱正宗ワンカップ、カキ倶楽部という名のカキの薫製を買う。
広島駅はなんといっても南口が賑やかで、北口は寂しいね。
10時20分に、島根県浜田市浜田駅行のバスに乗り込む。
島根県西武への交通機関は、広島からバスというのがいちばん便利だ。
バスの中でワンカップ。
高速道を走るバスはずーっと山の中。

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島根に近づくにしたがって石州瓦の民家が増える。
道ばたには萩の花、すすきの穂が風に揺れている。
稲は収穫間近であるよう。
田のあたりだけ、黄金色に明るいのだ。

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島根県浜田市には正午、12時半に到着。
ヤマトシジミさんと合流して、浜田水産事務所に。
高津川漁協の田中さんとあって、会議。
ヒゲナス2さん、いっちゃん、ヤマトシジミさんに、浜田美人一人。
田中さんと高津川のアユの加工品を食べてみる。

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しんしび(干物)がうますぎて、うなってしまう。
酢イカの『佐々木商店』、『おまんずし』とまわり、気がついたら6時を回っている。
一日が長いのか、短ないのか、わからない日だった。

ホテルに帰り、シャワーを浴びる。
そしてすぐに町に繰り出す。
島根水産科、水産技術センターなどと焼き鳥の「花みち」。
焼き鳥もうまいが、酒も、魚もうまかった。


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午前4時前、自宅を出る。涼しい。
昨日は2時半にダウン、3時過ぎに起床という、ほとんどゼロ睡眠での旅立ちとなる。
4時前といえば、まだ夜。アオマツムシの声がほとんどしない。
気温が低いせいだろう。
豊田駅始発4時28分各駅停車東京駅行に乗車。東京駅着は5時半。

のぞみ1号博多行にのる。東京駅で買いもともめた幕の内弁当で朝ご飯。
今回はMac持参。品川駅からぼんやりと文字を打つ。
電車に乗っていると事務的なことをできないたちなのだ。
さて、幕の内弁当に一切れのかまぼこが入っていた。
最近、幕の内弁当にかまぼこの関係が気になっている。
だから幕の内弁当を食べているような気がする。

例えば、現在のようなかまぼこが出来上がったのは昭和になってからではないか?
船に動力がつき、底引きなどでシログチやイトヨリなどが大量にとれるようになった。
当然、徐々に陸送することになり、例えば小田原に三重や、関西、遠く長崎などの魚がやってきる。
冷蔵技術はまだ未発達で、しかも運送に時間がかかったわけで、すり身に臭いがあった。
だから水さらしという工程ができたのだろう。
この水で洗うことで水溶性のタンパク質が流れアクトミオシンだけが残る。
ここに小田原かまぼこ独特の「足(弾力)」が生まれた。
すなわち、現在のような足のあるかまぼこは本来の、かまぼこではない。

もっと気になるのは、幕の内弁当は江戸時代、たぶん歌舞伎見物の一様式が確立して出来上がった頃のものだろう。
江戸三座の華やかしき頃、例えば1800年前後とか。
その当時の幕の内弁当は文字の通り、観劇のときに食べる豪華な弁当であって、現在のようなものではなかった。
かまぼこの存在から勝手に、現在の形押ししたご飯、たくさんのおかず、そのなかに必ず練り物一種というのは昭和になってから作られたものだと考えるのだ。

くだらないことを考えているうちに、のぞみは長いトンネルに入る。
東京駅を出るときには薄雲あれど快晴に近い空模様が、静岡を過ぎると、どんよりと曇ってきた。
そろそろ眠らなければ。


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明日から島根です

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明日(8日)、浜田市。
あさって(9日)浜田市で港の見学、会議など。
9日には松江に、松江でうま酒でもやり、翌10には朝から会議。
10日の予定次第では寄り道して、金曜日に帰宅したいと思っています。
かなりぎゅうぎゅう詰めの日程ですけど、
魚貝類をいろいろ調べてきたいと思います。
時間があれば、うまい調味料、酒、加工品などいっぱい買えるといいなと思っています。


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アカマンボウを知ってますか?
「マンボウ」とついていますが、マンボウの仲間じゃない。
沖合にいて、マグロなんかと一緒にいる変な、まんまるな魚なのだ。
こいつがマグロと一緒にとれる。
ものすごく派手な魚で、見ているとファンキーな気分になる。
まるで子供が描いたような魚なのだよね。

三崎、焼津などマグロの基地に多い魚で、関東でも切り身でよく見られる。
でも魚の種類までわかる人は皆無だろうな。
一般には「萬鯛(まんだい)」と呼ばれることの方が多い。

市場でも、「マンダイ」というとわかるが、アカマンボウじゃだれも知らないというものだ。
さて、本来は煮付けなんかになっていた。
フライも定番だ。
腹の部分なら刺身でもいける。

でもお昼ご飯なのでフライにする。
ウスターソースをたっぷり、その上、タルタルソースをまぶしつけてご飯にのせる。
これがなかなかいいのである。
市販の白身のフライは冷凍魚が多い。
種類もわからないし、もっとフライにこだわろうよ。
生から揚げたフライはほんまにうまいのだ。

ご飯にも合うし、こりゃたまりませんな。
昼ご飯を控えめにしたいメタボなオヤジは避けて通りたい、アカマンボウのフライなのだ。

作り方
1 切り身で売られていることが多い。大き過ぎるのなら適宜に切る。これに塩コショウ。
2 小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
フライを作るのって簡単なのだ。

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日記を付けるのは嫌いじゃない。
簡潔に文章を書くのがへたくそなので、勉強にもなる。
その日記が書けない今日この頃だ。
虫の集く(この新たらしいマックだと、すだくが出てこないどうしてだ?)季節で、コオロギ、カネタタキ、頭上ではアオマツムシがやかましい。
どん底に近い金欠状態なので、一週間ひっそりと暮らす。
画像の撮影も一日2種類ほど。
とにかく自宅にある資料類を読み直すのに集中する。

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今週、ヤマトカマス、汐っ子(カンパチ)の入荷が増えてきた。
八百屋にあるスイカがなぜか悲し、その先にナシ、早稲みかん、里芋(土垂)と中国産マツタケ。
こんなところに秋を感じる。

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そして土曜日。
7時半に市場に着くなり、中華『さくら』でレバニラ炒め。
ニラ多め、お茶は濃くね、と謹んでお願いする。
「今日は海老さん来ないよ」というと、
「あれ、海老さん。ご病気なの?」
心配そうに聞くので、「かなり重症らしいよ」と言っておく。

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8時半くらいに、『高野水産』が到着。
この時期うまいものがてんこもりだ。
ただしマサバが人気あり過ぎなのか見当たらない。
ほんまにマサバがうますぎる秋なのだ。
マイワシ、ヤマトカマス、マガレイ、アカシタビラメにアオダイ。
アカヤガラはトラックから下ろされる前にだれかが持って行った。

さてボクの隣にはムスシャモさん、舞茸取りに行けなかったイチロウさん。
目移りし過ぎで、右往左往。
とりあえずはサンマだけははずせない。
太鼓のオヤジが、サンマを探している。
元本郷『鮨忠』さん、横山町『鮨忠』さん、スーパーイシカワさんといつものメンバーの動向を見ながら、魚を探す。

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矢口商店のジャングルは楽し

買ったのは汐っ子(カンパチの若魚)、サンマ、フクトコブシ、オニカサゴ、サケ白子、新ヤリイカ。
イチロウさんが毛抜きを買いたいというので矢口商店に案内する。
コマちゃんところで焼豚、カルビ。
帰途、大和田農協で野菜。

帰宅後、部屋にこもる。
途中カンパチとオニカサゴを撮影。
夕食は新ヤリイカの煮もの、ゲソとワカメミョウガの酢の物、カンパチとサンマの刺身、茶豆。
子供たちにはカルビ。
酒は一ノ蔵無鑑査辛口。
このような安くてうまい酒の存在がありがたい。

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金欠に泣いている日々なので、お昼ご飯を外食というのは避けたいな、と思う。
しかも時間に追われていて、例えば、残りご飯も、買い置きの麺類もない。
じゃあどうするか? というとボクはお好み焼きを作る。

ごそごそと冷蔵庫を探す。
スルメイカのゲソ、エンペラが出てくる。
キャベツはあるし、卵もある。
小麦粉もあるので、完璧だ。

作ろうと思ってから、フライパンに生地を流し込むのに3分とかからない。
ゆっくりふっくら焼き上げたいので、生地を流し込んで、1分足らず(数十秒かも)で返す。
返してから出かける準備をする。

焼き上がるまで、だいたい15分くらい。
オヤジにも出かける準備は煩わしいくらいにある。
だいたい服だって着替えるわけで、食べる時間も節約節約。

焼き上がったら、ウスターソースをかけ、注濃ソースをかけ、青のり、イワシの粉を振る。
ウスターソースと、中濃ソースをかけるのは我が家ではボクだけ。
家族は徳島の地お好み焼きソース『加賀屋』の甘口だ。
しかも驚くことに太郎などはこの上からマヨネーズをどばっとやる。
ボクはお好み焼きにマヨネーズは嫌だね。
基本的にソースが大好きなのだ。
そういえば四国ではソースを多用する。
幼なじみで漬け物にソースというヤツがいる。
でも不思議だとは思わなかった。
天ぷらにもソースだ。
四国って変かな?

青のりはボクが子供の頃からある円錐形の不思議な瓶に入っているもの。
記憶は定かではないが、たぶん40年くらい前から、この瓶を見ているように思える。
「青のり」というとこの瓶が浮かんでくる。
瓶の赤いキャップが今はプラスティックなのだけど、昔はゴムだった気がする。
改めて裏側を見ると江東区猿江の「カメセ水産」のものだ。
四国で見たのも同じ会社のものなのだろうか?
それとも青のりは、この瓶に入れる別の理由があるのだろうか?

イワシ粉は正式には「削りぶし粉末」というらしい。
静岡市清水の「まるげん」という会社。
最近有名になった静岡県のおでんに欠かせないのがこの粉末。
静岡市内かまぼこ屋さんで目について買ったもの。

さくっとしたお好み焼きを一気に食べる。
ちなみにお好み焼きを食べるときには、お茶ではなく、水でなければいけない。
これは徳島県では常識だ。
お好み焼きは適度に腹持ちがよく、しかも多種類の食品が一度期に食べられる。
健康にもいいのだよ、食べ過ぎなければ。

作り方
1 薄力粉を水でとく。このときマヨネーズを加えるとさくっとする。この生地はよくかき回しておく。
2 キャベツは細かくざく切り、ネギ少々、スルメイカは小さく切る。
3 生地の上に、具、卵をのせて、焼く直前にかき回す。かき回してから焼くまでが最短時間でなければならない。またかき回し方は空気を入れ込むように同じ方向から、できるだけ回数少なくかき回す。
4 フライパンに油をしき、生地を入れたら、やや強火。フライパンの面に接している部分が微かに凝固したら、エイヤっと返す。この時間はできうる限り短い方がいい。
5 弱火にして、じっくり焼き上げる。
●注/これはフライパンでのやり方。鉄板や電気調理器の場合は焼き方だけが違ってくる。

まるげん 静岡県静岡市 清水区蒲原 中 302-7
カメセ水産
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このところ千葉県、三重県などからカタクチイワシがたっぷり入荷してきている。
3キロくらい入っていて、なんと千円もしない。
がんばって当座の総菜作りに励んでいる。
その定番的なものが生姜煮だ。

口にいれるとホロホロと崩れて柔らかい。
そこまで煮てしまうのが、当座煮というものだろう。
念のために書いておくと「当座」というのは「しばらくの間」という意味合い。
調理用語としては保存食とまではいかないが、一週間くらいは保つ料理という意味合いだろう。

夕ご飯前の昼下がりに、カタクチイワシを酢水で半時間くらいことこととたき始めて、ちょうど夕方には、煮上がっている。
これはご飯にも酒の肴でもよいもので、皿盛りにして、口の中に入れてはホロホロ。
甘みがあって、ホックリしていて、そこはかとなくイワシの旨味があって。
冷やの辛口酒にもってこいの肴だ。

酒の後には少し冷えてしまった飯の上にのせて、熱い番茶をそそぐと、これがうまい茶漬けで、格好の〆となる。

作り方
1 鍋にクッキングシートを敷き、カタクチイワシを並べていく。
2 酢と水を注ぎ。ことことと半時間。この汁は捨てる。
3 ここに水、酒、砂糖、生姜のせん切りをイワシの二倍嵩になるくらいの分量入れて、またことことと煮る。
4 煮汁がひたひたになったら醤油を加える。
5 煮詰まってきたら味見して、加減して、ほとんど汁がなくなったら出来上がり。

カタクチイワシの栄養
EPAの含有量が多く。
カルシウム、鉄分、ビタミン類も豊富。

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1週間に二回も三回も作るのがヒジキの炒め煮。
ヒジキと油揚げ、野菜というのが我が家の定番だけど、たまには竹輪や天ぷらと一緒に炒め煮にする。
今回は『薬師神かまぼこ」の身てんぷら。
上質の白身で作ってあるので、ついついそのままムシャムシャと酒の肴になる。

それじゃ、あっけないので、刻んで、料理にも使う。
冷蔵庫にある野菜と合わせて、ヒジキと煮る。
世の中でヒジキほど便利な食品はない。
「作りましょう」と思ってから、実際に炒め煮するまで20分とかからない。
サラサラとボウルにヒジキを放り込んで水を加えて戻す。
このサラサラに子供たちが反応する。
我が家の子供でヒジキが嫌いは、ひとりもいない。
作って一食で残った試しもない。
それほどにヒジキは人気者なのだ。

ヒジキが主役だから、脇役となる身てんぷらだが、たぶん原料は近海のグチ(ニベ科の魚)、イトヨリ、ハモなどだろう。
白身魚で作った天ぷら(関東では薩摩揚げ)だ。
天ぷら自体もうまいが、いいだしが出る。

さて、ヒジキの炒め煮は酒の肴なのか、おかずなのか?
やっぱりおかずかな。
酒とは相性よしとはいいかねる。
いっぱいやりながらつまむと、ついつい「ご飯があればな」と思うほど。

だから、酒の後のご飯一膳。
おかずはヒジキ炒め煮。
ヒジキには味があるのかないのか、表にしゃしゃり出るようなこともなく。
そこに微かに磯の香りがあって、後は甘辛い味付けが来る。
身てんぷら、インゲン、ニンジンなどの味の方がむしろ感じられるのだけど、やっぱりいちばん要なのはヒジキかな。

作り方
1 ヒジキを半時間ほど水につけてもどす。急ぐときにはぬるま湯で。
2 もどしたヒジキを軽く洗う。
3 フライパンに少量の油(いちばんいいのは太白ごま油)で熱して、ヒジキ、インゲン、ニンジンと身てんぷらを入れて炒める。
4 砂糖、酢、酒を加えて炒める。醤油を控えめに入れる。
5 調味料が煮詰まって、野菜に火が通っていなければ水、もしくは昆布だしを加える。カツオ節だしは使わない。くどくなる。
6 煮汁が少なくなって野菜に火が通ってきたら味見。醤油、砂糖で加減を整えて出来上がり。
●注/総菜は料理屋の料理ではない。複雑化してはいけない。

ヒジキの栄養
カルシウム、鉄分に富み。
貧血や骨粗鬆症を防ぐ。
海藻に含まれる多糖類は人間には消化されず、ほとんど0カロリー、繊維質が多いこともあり、ダイエットにも有効だろう。

薬師神かまぼこ
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お願い

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私への連絡は

以下のメールアドレスへください。
ブログ上でのやりとりは避けたいと思います。
また水産物のアドバイスなどを受けたい方も以下へ。

zkan@zukan-bouz.com


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見事なマイワシの丸干しがあった。
買わずにいられません。
値段を聞くとひどく安い。
「なぜ?」と思って見た裏面には「産地千葉県」とある。

千葉の業者の作ったものだが、どうみてもカリフォルニアから輸入したものだろう。
体側の文様が違うではないか?
しかも値段が「輸入もの」らしい安い値段なのだから、買う側は戸惑うよな。
こんなことを市場で話していたら、「そんなこと気になるのはお前だけだ」なんて近所の居酒屋オヤジから言われた。

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千葉県産は水揚げ値段からしても、ひもの原料としては高いだろう。でも一般人には千葉県産でもアメリカ産でもいいんじゃないかな?

ちなみにボクとしては北米大陸南部太平洋域でとれるマイワシはうまいと思っている。
年間漁獲高が10万トンを切って、マイワシは最盛期400万トンの40分の1しかとれていない。
加工原料として、1円以下の数字に右往左往しなければならない加工業者さんは大変だろうな?
でも、この偽装はだめだ。
戸惑いながらも買ってしまい、お昼ご飯に焼いて食べたらうまい。

これが適正表示なら、業者さんに賞賛を述べたいところだが、できませんな。
残念だ!

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巻貝の形は多様だ。
普通巻貝らしい巻貝であるアッキガイ科にアワビモドキがあり、これなどお椀を伏せたような格好をしている。
「磯のアワビの片思い」のアワビも巻貝には思えない。
そして極め付きがカサガイの仲間だろう。
まったく巻くのをやめて、すんなり陣笠の形になってしまっている。

さて、この奇妙なカサガイ、どこにいるかというと、海辺に出ると、どこにでも見つかる。
岸壁、磯など、波打ち際に出るとまずカサガイが目に入る。
そのどれもが食用なのだが、意外に知られていない。
まあ資源的には人気が出ても致し方ないだろう。
なかでもマツバガイは大きくなる。

松葉貝というのは、筋状の松の葉の文様があるからだが、彩りといい、大きいことからも、ついつい食べてしまいたくなる?
この貝との出合いが衝撃的だった。
千葉県外房の防波堤でクロダイ釣りをやっていて、底潮のとき近所のオバアサンが張り付いたマツバガイを取りにきていた。
「どれどうやって食べるんですか?」
と聞いたら、いきなり貝殻から外して、食えというのだ。
ワタを海水で洗ったものだろうが、完全ではなく生臭かった。
よく洗えばいいのだ、とわかるのはかなり先のこと。
みそ汁のうまさをまずは知って、夜釣りのときによく作ったものだ。

さて、倉橋島ではいかなる食べ方をするんだろう?
聞こうとして、忙しすぎて、聞けなかった。
だから最初に戻れ。
と刺身にしてみる。
貝殻から外してワタをとり、塩をまぶしてぬめりをもみだす。

これをコリコリと噛み締める。
塩とスダチで、これが非常にうまい。
そんなにたくさん食べたいものでもないが、磯のほどよい香り、甘みもある。

辛口の本醸造を片手に、倉橋島の磯は面白いだろうなと思う。
日美丸さんが、忙しいなかマツバガイをひっぺがしてくれているのが、目に浮かぶようだ。

日美丸
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日美丸さんに送っていただいた、麦みそが香ばしい香りで、味もいい。
麦みそがくると作りたくなるのが、なめろう。
千葉県の郷土料理だが、魚とみそと香辛野菜を合わせて、包丁でとんとんとたたいたもの。
ついでに、これをハンバーグのようにまとめて焼くと、さんが焼きとなる。
あっさりした麦みそで作るとうまいのだ。

タチウオを三枚に下ろして、細かく切り。
トントントン。
後で、さんが焼きを作るので多めに作った。

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麦みそで作ったので、みその香りが高く、タチウオなのでアジよりもあっさりしている。
ミョウガをたっぷり使ったもので、独特の渋みがあるのもいい。

久しぶりにウイスキーのハイボールで、食後のいっぱい。
そのアテがタチウオのなめろうなのだ。

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翌日の朝ご飯に作ったのが、さんが焼き。
この二度楽しめるのが、なめろうのいいところだ。
さて、今度はマアジに倉橋島のみそを合わせてみよう。

河尾成明 広島県呉市倉橋島室尾
日美丸
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めずらしく、イボダイで作った「えぼ鯛開き」を見つけて買い込む。
我が家では、だれもが「えぼだいの干物」が好きなのだ。
しかもイボダイで作ったものは非常に少ない。
最近ではチリや大西洋でとれた近縁種ばかりが目立つ。

少々言語がこんがらがってきた。
イボダイは標準和名で「エボダイ」というのは東京周辺での方言というか呼び名なのだ。
ここで問題なのは加工品にしたときの「疣(いぼ)」なのだね。
どうにも汚らしい。
幕末、下田に来たハリスが「唐人お吉」のモデルになった女性に、疣や吹き出物があるのを嫌って暇を出す、なんてエピソードがある。
まあ、「疣」でいいイメージを抱く人なんかいないのだよね。

さて、じゃあ「エボダイ」の「えぼ」は何かというと、これまた「疣」なんだから困る。
田中茂穂が東京の市場を研究をかねて歩いていたとき、東京では「いぼ」の「い」が発音できなくて、「え」になっていた。
江戸っ子はハヒフヘホはサシスセソになるのはわかるが、「い」もダメだったのだろうか?
この辺、研究の余地あり。

とにかく「いぼ」も「えぼ」も疣のことで、わからなければいいのだ、という典型だな。
このイボダイがなかなか美味であった。
朝ご飯に塩加減のちょうどいい「えぼ鯛開き」というのも理想的な情景だろう。

ちなみにイボダイの産地は中国。
海域は東シナ海だ。
作ったのがボクが昔、磯釣りで通った、鴨川市浜荻の会社なんだから、流通の発達ってすごい。
昔、以西底引き網船が盛んに漁を行っていたところ。
今、東シナ海の現状はどうなっているんだろう。

長谷屋商店
http://haseyasyouten.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、イボダイへ
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