2010年2月アーカイブ

turuarame1.jpg

青森県大間から日本海にかけてとれる昆布の仲間にツルアラメがある。
ちょっと硬めで、微かに渋みがあるけど、味はとてもいい。
これを昆布だしでやや濃いめに加工したのが、『ヤマヨ』のパック。

そのまま食べると、ちょっと味が濃すぎるが、ご飯に合わせると、ビックリするほどうまい。
本来、未利用の海藻が、食べるとまことにうまい、ということが多くの方々にわかっていただけそうだ。
このような加工品は大々的に応援する。

ヤマヨ
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ツルアラメへ




ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
mentaihaka11.jpg

2月13日、福岡中央魚市場に行ってきた。
市場にある大和水産、和田さんに帰り際にお土産にいただいたもの。
和田さん曰く、
「これがいちばんうまいとは言えませんが」
そんなことはないだろう、とは思ったが、そのブツは想像を遙かに超えてうまかったのだ。

これまで食べてきた辛子明太子は何だったのだろう。
「福岡に行ってきたよ」なんてよくお土産にいただく、有名店のものではない。
初めて聞いた会社名で、きっと福岡市でしか売っていないのではなかろうか?
辛いのがダメな姫が、夢中になってくらいつく。
一箱くらい2,3日でなくなりそう。

だいたい味が、そんじょそこらの辛子明太子とまったく違っている。
食べると、微かに甘いというか、ふわっと舌に広がる調味料の旨さがある。
そして豊かな豊かな卵巣ならではの、味わい。
辛子明太子は長浜に限る、と思わざるおえない、そんな気分なのだ。

福岡市 大和水産
●器は、青山一丁目 べにや



ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/


(右)一番だし。色が濃く、香りが高い。(左)二番だし。色合いも香も旨みも控えめ

鰹節と昆布でとっただしのこと。
節には各種あるが、ここでは鰹節に限定する。
また血合いのあるなしなど、削り節にも種類がある。
一般家庭では手頃な血合いありをおすすめする。
一番だしと、二番だしがあるが、ぜひとも一度に両方を作ることをすすめる。
一番だしは香りが高く、どのような料理にも向いている。
二番出しは香りが薄く、旨みも弱いが、素材の味わいを壊さない。
根菜類などを煮る場合に活躍する。

作り方
1 一番だし。水1リットルに昆布15グラム〜20グラム(日高昆布で15センチ〜20センチ)を水に入れて、弱火でゆっくり温める。沸騰する直前に昆布を取り出す。

dasi01.jpg

2 一番だし。沸騰したら差し水(温度を下げるために少量の水を入れる)し、鰹節20グラム〜30グラムを加え、10秒〜15秒ことことわかす。

dasi02.jpg

3  火をとめて、鰹節をこす。

4 二番だし。こした鰹節、昆布をもどし、1リットルの水を加える。これをコトコト、10分〜15分ほど煮出す。ここに10グラム弱の鰹節を足し、一煮立ちさせて、火を止める。

dasi3.jpg

5 こして、一番だし、二番出しの完成






ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

我がサイトでは日本中の伝統的な加工品を探しては、撮影し、食べて見ている。

そのなかでも毎日のように利用しているのに、元の形をとらえていなかったのが節類。

このたび、たくさんのサンプルにてご協力いただきまして、ありがとうございます。

確かにこれだけの素材を使うということは、本物に違いなく、我が家でも買い求めて試してみたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

ぼうずコンニャク

マエカワテイスト様


マエカワテイスト



ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
yakihotate111.jpg

よく旅番組などで見かけるもの。
ささっと貝柱を切り、そのまま焼き始める。
タレントが「とれたてはうまいですね」なんて食べている、その状態が問題なのだ。
貝を開けたのはいいが、問題のウロ(中腸腺)がそのままだ。
こいつだけは取り除くべきでしょう。
ホタテガイの場合、ここでカドミウムなどの重金属を濃縮するのだ。

yakihotate222.jpg
黒っぽい部分が中腸腺で、手で簡単に取れる

後は単純、強火で焼くだけ。
我が家では煮切りミリンと醤油半々の汁をかけて、また香りを出すほどに焼いて、これで熱いうちに食べればいいのだ。
焼きホタテガイは簡単な料理である。



ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
2月16日〜17日、大阪でシーフードショーが行われます。
島根県も出展していますので、お立ち寄りください。。
ぼうずコンニャクは16日に参加します。

シーフードショー 大阪
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
kagokakidai111.jpg

築地場内『ヤマセ村清』にはいつ行っても発見がある。
そして今回は大発見。
神奈川県小田原市にある『牧屋』が作ったカゴカキダイの干物が店の前にあったのだ。
こんなものが欲しかったのだ。
カゴカキダイは水産の世界では単なる雑魚。
でも味はマダイをもしのぐ。

寒い時期が旬だからまずいはずはない。
買ってきて焼き始めたら、すぐに脂でジュウージュウーいいはじめた。
熱い内に食べたものだからたまらない。
うますぎるのである。

kagokakidai2222.jpg

味見のはずが思わず缶ビールをあける。
幸せな味わいである。
濃厚な味、旨みなのにクセがなく後味がいい。
もっと買ってくればよかったのだ。

牧屋 小田原市早川1-5-12

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カゴカキダイへ




ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

お刺身が余ったら

0
dykedukanei11.jpg

刺身があまったら、和風なら醤油をまぶしておこう。
洋風にするならニンニクとオイルがいい。
今回はメバチマグロのぶつが余った。
これを和風に、少量のニンニク、そして少量のみりんと醤油にまぶす。

翌日の朝ご飯に白ネギを加えてだす。
これをご飯にのせると立派な漬け丼になる。
うまいんだ、これが。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、メバチマグロへ



ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
iwagaki1111.jpg

毎年決まり事でもあるかのように、イワガキの初物食いは伊勢湾産。
三重県津市から南、多気郡から伊勢市にまたがる地域でとれたものだ。
この地域では年間の漁のスケジュールから、まだ厳冬期だというのにイワガキをとるようだ。
そしてどっさりと関東に入荷してくる。
そのせいだろう、ボクには2月の水産物といったら伊勢湾のイワガキが浮かんでくる。

また厳冬期なのに伊勢湾産のイワガキがうまいのだ。
身はふっくらとして、貝殻の割りに豊満なのである。
イワガキ独特の渋みもほどよく、濃厚な旨みにむせかえるようだ。

古くからのイワガキ産地である千葉県銚子の海士は、漁に疲れるとイワガキを食べるという。
疲れもなにも、ジェットコースターに乗っているようにめまぐるしい日々に息切れを感じている今日この頃。
イワガキ2個がまことに身体にしみ通る。

三重県多気郡明和町産 大淀貝類流通センターより

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、イワガキへ



ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

魅惑のデベラ

0
debera111.jpg

デベラを漢字にすると「手平」だ。
瀬戸内海いったいでタマガンゾウビラメの干物(上干)をさしている言葉で、面白いのは鮮魚の呼び名はいろいろ。
産地は瀬戸内海全体に広がるが、もっとも名高いのが広島県、そして尾道のものだ。

タマガンゾウビラメは瀬戸内海のあちこちで干物に加工されているが、実は雑魚のたぐいと思い込んでいる地域の方が多い。
このような小魚を加工する技術は非常に貴重なものなのである。
和歌山県では、そのものズバリで「干鰈(ヒガレ)」。
比較的浅い海域で底曳網でまとまってとれる。

これを素早く海風にあてて干す。
できるだけ速やかに、鮮度のいい状態で干し上げるから、いいものができるようである。
デビラには、いいものと粗悪なものの差が大きい。

今回のものは広島市のデパートで見つけたもの。
たぶん尾道で作られたものだろう、なんて反り返った姿から思い買い求めた。
実は、デベラには目がないのだ。

トントンと木槌でよくよくたたき、香ばしくあぶる。
熱い内に身を骨から引っぺがし、柑橘醤油などをつけつけ食べる。
二杯酢というのもいいし、ポン酢、三杯酢、出し醤油でもいい。
これがビールに合う、
川本三郎さんの『荷風と東京』を読んでいるところ。
ビール好きで有名でいらっしゃるのでお教えしたいくらいだ。

香ばしいなかに、微かに渋みがあって、あまりたくさんは食べられない。
この難点があるから日本酒にも合う。
本日もトントンとやろうではないか!

デベラの食べ方
1 まな板か、分厚い板などに乗せて木槌で執拗にたたく。

debbera222.jpg

2 香ばしくあぶる。あぶりながら、骨と身の離れ具合を見るといい。
生醤油、柑橘類と醤油、二杯酢、三杯酢などをつけながら食べる。

柿原商店
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、タマガンゾウビラメへ





ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

ハチビキの干物

0
hatibiki111.jpg

静岡県沼津市からハチビキの開きが入荷してきた。
残念ながら産地はわかるが、生産者が不明だ。
ハチビキは決して珍しいわけではないが、そんなに安定してとれる魚でもない。
だから製品化しても在庫として持っていて、意味のあるようなものだろうか?
このへんが難しい。
マアジの干物なら、黙っていても売れる。
でも干物の定番から外れると、なかなかそんなに簡単にはいかない。

それをおして、ハチビキの干物を作った加工業者は偉い。
だいたい、ハチビキの開きがこんなにうまいとは思わなかった。
脂があって、味わい深く、しみじみいい肴となったのである。

ボクの思うに干物も多彩でいろいろ選べる方がいい。
知らない初めて食べる魚を楽しんでいただきたいものだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ハチビキへ



ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
aburatuno111.jpg

青森県ではきっとアブラツノザメの棒ざめを作る最盛期なのだろう。
関東の端っこ八王子にもピンポン玉くらいの卵が入荷してきた。

aburatuno222.jpg

この卵はどのように料理するのか?
八王子総合卸売組合『マルコウ』のクマゴロウも食べ方を知らないという。
ボクの記憶の中に、鶏の卵と同じような食べ方をテレビでやっていたような。

帰宅して、試しにオムレツにする。
プニュっとした黄身だけの卵の袋を破いて、ほんの少しの牛乳と塩、コショウを加える。
あとは簡単。

サメだから生臭くないか?
ノー。
まったく鶏の卵の卵黄のようで、むしろ旨みがある。
ケチャップやタルタルソースを乗せてもいい。

1月30日の我が新年会ではチヂミにしてみた。
これはオムレツよりももっとうまい。

アブラツノザメの卵に関しては、田向商店に
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アブラツノザメへ





ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

冬のガザミ

0
gazami11.jpg

瀬戸内海は豊かだな。
沖からまんがんの船(万鍬漁 底曳網)が帰ってくるのを待つ。
宇部市にある小さな港なのだけど、コチ、ヒラメ、イシガレイ、メイタガレイ、アカガイ、サトウガイ、スダレガイ、ミミイカなどが生きている状体で水揚げされる。
漁師さんが頭を落とし。皮を剥いたコチの透明な筋肉がまだ震えている。

そして冬の主役はガザミ(ワタリガニ)の雌だ。
ガザミは海水の中で紫の、青の色素を吐き出しているように見える。
「うまそうだな」。
宇部にある魚屋「魚かつ」さんに旅の途中で買って帰れないのを「残念だ」とため息混じりに話す。
あんまりうまそうなので、ゆでたガザミの雌を送ってもらうことにした。

数日して届いたガザミをあまりに美しいので撮影。
甲羅を取り、身を二つ割りにする。
中からこぼれ落ちてきたのが大量の真子なのである。
橙色のどこか宝石を思わせる真子。
このようなときには、いきなりかぶりつく方がいい。

このうまさは名状しがたい。
うまいカニは「うまい」という言葉も出なくなるのである。
クール便できたガザミはほんの少し、蒸し器で温めてた。
これでゆでたての味に近づけるのだけど、超弩級のうまさに圧倒される。

春待ち遠しい候ではあるが、ガザミを食べていると冬を惜しむ気持ちが高まってくる。
このうまいガザミを送っていただいた「魚かつ」さんに感謝するとともに、もう一度宇部に行きたくなってしまう。
けだし宇部は遠いな。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

月別 アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、2010年2月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年1月です。

次のアーカイブは2010年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。