2009年3月アーカイブ

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 岡山県日生名物にカキを作った「カキおこ」というのがある。
 「おこ」というのがお好み焼きのことで、ようするにマ「ガキ」入りの「おこ」のみ焼きのことだ。
 日生でこの言葉を聞いてからなんでも「おこ」をつけることになる。
 これがとてもよろしい。
 「豚おこ」、「イカおこ」、「ちりめんおこ」、「生サクラエビおこ」なんてね。
 我が姫など「父ちゃん、“おこ”作ってよ」なんていう。

 さて春休みなので子供達が朝寝坊し放題。
 ボクが市場から帰ってくる10時過ぎにやっと起き出して、「腹減った」なんて開口一番。
 こんなときはまずは冷凍庫をのぞく。
 イカの糸作り、エビの剥き身、冷凍アサリ。
 本日は姫達の好物、エビといきますかね。
 エビはエビでも駿河湾の深海にすむ本エビ(ヒゲナガエビ)。
 そんじょそこいらで食べられる代物じゃないよ。
 まるで寅さんになった気分で口上を述べまする。

 まずは小麦粉に少量のマヨネーズを混ぜ、少々の塩を加えて一定方向にかき混ぜる。
 そこに「本エビ」、キャベツ、芹、卵一個を入れてかき混ぜる。
 混ざったらもう一個卵を入れて、こんどはざっくりと大ざっぱに黄身と白身がそのままというほどに混ぜる。
 あとはじっくり焼くだけ。
 お好み焼きのうまい作り方のコツは、水溶きの小麦粉はまず作りおく、具と小麦粉は焼く直前に一定方向に空気をくるむように混ぜる。
 加えるに、そこにざっくり混ざりきらない卵をプラスするのがいい。

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 焼き上がったら高知県四万十川産スジアオノリを振り、一丁上がり。
 ほんの10分ほどで姫は「食べたよ」。
 おいおい4分の1くらいしか食べていない。
 しかし汚いなと思って残りを食べていたら、「ない、ない」、「どこにもない」。
 残り4分の3のどこにもエビが見あたらない。

2009年3月22日
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「千葉のカツオだよ、安いよ」
 総市のサブちゃんが古くさいこと言って客寄せしている。
 あまり売れないらしく、ボクをつかまえて「1本(4分の1)もってってくれよ」なんて言うので、素直に600円で買う。

 たぶん勝浦あたりであがったものだろう。
 まだ脂はのっていない。
 代わりに鮮度はいいのが取り得といったところだ。

 これを素直にたたきにする。
 まず味醂のアルコールをとばす(煮きる)。
 ここに昨年の柚、醤油を加えて加減する。
 カツオは皮付きのまま直火であぶり、氷水で一瞬あら熱をとり、平作りに。
 薬味は万能ネギ、そこにすり下ろしたショウガとニンニクをそえる。

 秋のカツオのように脂もないし、濃厚な旨味にもかける。
 そのかわり爽やかな酸味に、シコっとした食感。
 カツオの若々しい味わいに、桜はまだ三分咲き。
 春なのに、底冷えした夕べで酒はぬる燗にする。

2008年3月28日
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 大阪にくると探すものがあって、昆布巻きもそのひとつ。
 国内の文化圏に関西と関東という対比が存在する。
 これに蝦夷(北海道)、日本海、東北などもあり、当然、四国、九州なども文化圏といえそうだが、関西関東ほどにくっきり二分するものではない。
 関西にあって、関東にないものを探していて、行き当たったものが昆布巻きなのだ。
 昆布自体が西高東低のもの。
 蝦夷(北海道)に多く産するもので、これが日本海側を回り、瀬戸内海を経て、難波の地まで送られていた。
 大阪は昆布文化の中心地であったのだ。
 当然、昆布を使った料理も多く、なかでも昆布巻きは庶民の暮らしにまで深く根ざしていたもの。

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 だからだろう。
 大阪の街を歩いていて、惣菜を売る店には必ず昆布巻きがある。
 今回の城東市場歩きでも、ちゃんとお総菜屋さんには昆布巻き。
 なんだか感激して、買い込んで来た。
 市場内、餅菓子屋さん隣の総菜店なれども店名を失念。
 名はしらねども、このニシンの昆布巻きがうまかったのだ。
 甘すぎず、あっさりして、それなのにご飯にもあう。

 大阪の街歩きにには昆布巻きがつきものなのだ。
 さて、こんど大阪にいったらどこで昆布巻きを買うべきか。

城東市場 大阪府大阪市城東区今福西1の10の1
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 静岡県沼津の底引きには様々な珍魚がはいる。
 また底引きならではの食用魚も多く、そのなかに「ノドクロ(チゴダラ)」がある。
 チゴダラはタラの仲間(タラ目)で、北にいくと、そっくりな「ドンコ(エゾイソアイナメ)」がいる。
 見た目はナマズに似ており、赤褐色でついている鰭がやけに小さい。
 身体は肥満していて、ぶよぶよしているのも特徴だろう。
 なかなか味のいい魚で、知る人ぞ知る。
 好きになったら、とことん、というそんな魚なのである。

 その「ノドクロ(チゴダラ)」の脇に選別されて、てんてんと捨てられているのがナガチゴダラである。
 明らかに「ノドクロ」よりも色が淡い。
 体つきがほっそりしてる。
 もっとも特徴的なのが醜悪な顔つきである。
 よく見ると妖怪を思わせるような不気味な雰囲気を漂わせている。

 捨てているのだから、まずいのだろうと、思っていたら、これが意外というか、思いがけずうまいのだ。
 なにより、身に脂がのっている(底曳網のシーズンには)、肝が美味。

 料理法は持ち帰ったら、まず開く、肝を取り置いて、軽く振り塩。
 開いたところに肝をもどしてもう一度、身を閉じる。
 一日置いて、ジワジワ焼くのだ。
 ビックリしたのはジュウジュウと身から脂がにじみ出てくる。
 まるで表面は唐揚げ状態ではないか。

 焼き上がったのが、またものすごくいい香り。
 身をほぐしながら、肝と和えながら食べるのだけど、これは絶品としかいいようがない。
 ナガチゴダラがいつもいつもうまいわけじゃないけど、3月24日に食べた肝入りの焼き物は素晴らしいの一語。
 仕事の立て込んでいたときで酒抜きだったのが返す返すも残念。
 人生って、うまくいかないものですなー。

2009年3月22日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ナガチゴダラへ
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ぼうずコンニャクです。
年4回行っている築地案内・築地買い物案内を開催します。
築地で魚を見る。
築地を見学する。
買い物をする。
そのあと中央区の厨房施設に移動して魚のお勉強会、昼食、懇談会、買った魚の処理をします。
参加には施設利用費用など1000円前後必要になります。
魚の種類や旬、また築地に興味のある方はどしどし参加してください。
築地土曜会は朝7時半より、お魚懇談会は朝10時過ぎから午後までやっています。
開催日は4月4日です。
参加に当たっての注意事項、参加表明などは掲示板にて。

築地土曜会の連絡などは掲示板へ
http://csi.or.tv/tsukiji/kb/rb.cgi
参加申し込みフォーム
http://csi.or.tv/mail/doyoukai.html


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3月26日の食日記

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 「ノリカとジンナイ」、姫の朝一番の会話がこれである。
 実はボクも姫と同じ時間、7時半に目覚めて、あわただしく朝ご飯の支度中の会話だ。
 なんのことやら、実はよくわからない。
 ノリカは知っているが、実はジンナイは知らない。
 なにしろテレビを見ないのだから、タレントのことを知っているわけがない。
 ご飯、アサリのみそ汁、あみの佃煮、生卵、四万十のスジアオノリ。

 8時半には姫とそそくさと市場へ。
 市場中回っても、面白いものは皆無。
 高野水産の店員さんが高知県産のマアジの中からクロシビカマスを見つけて、くれる。
 マル幸に寄ったら、クマゴロウが、
「今日大変だったんだぜ、川崎が吹雪でさ。八王子に帰ったらもっと降ってるかと思ったら、こっちは降ってないの」
 さて、このとき八王子は晴天、ほんまかいな?

 帰宅は10時過ぎ。クロシビカマスの撮影、画像の整理、タラバエビ科の改訂をかねて甲殻類全般のフォーマットを固めていく。
 午前午後、連絡事項、ケータイ電話の着信多し、まとまったことがなにもできない。

 昼ご飯は竹輪の磯部揚げ、煮豚、ナガチゴダラのわた焼き、ボクはアサリのみそ汁のぶっかけ飯、姫は勝手にご飯だけ食べて、逃げていった。

 午後1時に都心へ。
 都心で深夜まで。
 暗い暗い中央高速を帰ってくる。
 はっきり言って、一人っきりになると鬱状態がひどくなる。
 その上、NHK「ラジオ深夜便」で人はどこで死ぬか、なんてやっている。
 ますます落ち込む。

 深夜1時、シャワーを浴びていると、猫の太郎がドアをカシャカシャいわせる。
 五月蠅いので水をかけてやると喜ぶ。
 そろそろダウンするか? な。

2009年3月26日
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 ある日、回転寿司で甘エビをとります。
 なんと2かんで136円なり。
「これはなんですか?」
 というとホッコクアカエビ、もしくはホンホッコクアカエビなんですね。
 タラバエビ科のエビで前者はたぶんロシア産。
 国内でもとれるけど高いので回転寿司で1皿136円は無理。
 後者はアイスランドなどから冷凍輸入されたもの。

 タラバエビ科にはほかにも「ブドウエビ(ヒゴロモエビ)」、「ボタンエビ(トヤマエビ)」、ボタンエビ(標準和名の)、モロトゲアカエビなんて高級エビが目白押し。
 そこに今回登場するのが静岡県沼津周辺では「甘エビ」と呼ばれている、これもタラバエビ科のジンケンエビ。
 基本的にタラバエビ科総てが殻が軟らかくて、もろいのだけれど、なかでももっとも軟らかくてつぶれやすい小さなエビ。
 体長はホッコクアカエビやホンホッコクアカエビ、すなわち回転寿司やスーパーに売られている甘エビと同じくらい。
 色合いはもっと淡くて、赤身が弱い。
 崩れやすいので、産地で食べるのが最良という代物だ。
 一生懸命気をつかっても、なかなか鮮度がたもてない。

 さて、日曜日に沼津で買い込んだ「甘エビ(ジンケンエビ)」を東名をひと走り、帰宅してすぐにペーパータオルに並べておく。
 食べる直前に殻を剥いて、あとは食べるだけ。
 ジンケンエビはできるだけ、早く簡単に水洗いして汚れを落とし、紙などに並べておくのがいい。

 さて、味わいは「甘エビ」だから甘い。
 甘くて、そこに淡い旨味がくるのだけど、後味がもの足りないくらいに思える。
 だからもうひとつ、もうひとつと食べるのがいい。

 ジンケンエビを食べていて、幸福だなと思うのは、「沼津に行かないと食べられないもの」を食べている実感からくるのだろう。
 幸せだな! 駿河湾の「甘エビ」をまた口に放り込む。

2009年3月22日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ジンケンエビへ
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 20日は絶好調だった。改訂も進み、画像の整理も進み、頼まれた仕事もこなせた。
 さて、土曜日は4時前に起きる。マダイの改訂を改めてすすめる。どうにもうまくいかない。
 7時過ぎに姫が起きてきて、市場へ。
 『さくら』でみそタンメン、姫は中華そば。
 月末でもないのに市場には荷がほとんどない。どうしたんだ?
 『高野水産』で撮影用にサラガイ、サンプルでオニアサリ。
 八王子市大和田の農協「ふれあい市場」で新鮮な野菜、卵を買う。

 帰宅後、とにかくマダイの改訂。やはりうまくいかない。
 画像の整理、撮影、依頼された仕事。
 いつの間にか午後2時を回っていて、明日は午前1時過ぎから沼津なのでゆっくり本でも読むか、と思っていたら突然部屋の灯りが消える。
 近所のスーパーまで蛍光灯を買いに。蛍光灯を替えるのが、これほど面倒だとは思わなかった。
 脚立が必要だななんて思って、やっと終わったら、結局灯りはつかない。
 器具自体の故障らしい。この時点で少々疲れてきた。新しい照明器具を買って取り付けたら、もう5時前なのだ。

 夕食はタイショウエビ(冷凍)のフライ、サラガイの酒蒸し、島根県浜田市『ハマショク』の小のどくろ(アカムツ)の干物、水菜とレタス、トマトのサラダ。
 食後、画像の保存、依頼された仕事、マダイの改訂の続き。
 11時半にダウン。

 翌22日は1時に目覚める。久しぶりの沼津で用意に手間取り、1時45分に出発。途中橋本(相模原市)の先で暴走族(?)に出くわす。路上を騒音たてながらくるぐる回り、その周辺のパトカーがうろうろ。警察の無気力さが目につくイヤな光景だ。このような「甘えで路上迷惑に走る行為」に対して、ヨッパライ運転以上の刑を課すべきだと思うね。

 沼津には3時半前に到着。まささんはすでに来ていた。
 イーノに入って、まず山丁・菊貞菊地利雄さんに札をいただき、まささんともども場内を見て回る。
 まず目に飛び込んで来たのがロウソクチビキ。ボクがどうしても欲しいもの。決して珍しいものではなく、ただ単によい画像がないだけ。
 志下の底引きには「赤エビ(ツノナガチヒロエビ)」、「しまえび(ヒカリチヒロエビ)」が多く、あとは「かさご(ユメカサゴ)」。「あぶらごそ(ヒウチダイ)」も少ないながら目に付く。なぜか「ごそ(ハシキンメ)」がない。
 ギス、「ひげだら(ヨロイイタチウオ)」、「あんこう(キアンコウ)」、アンコウ、ミギガレイ、ムシガレイ、ニギス、「目光(アオメエソ)」。
 アオメエソの口のなかからキチジ属の魚、これは後にヒメキチジであることがわかる。
 生け簀では大きなババガレイ、タカアシガニ、フサカサゴ、イズカサゴ、イシダイ、コショウダイ、カワハギ。
 フサカサゴの中に見たことのない魚がいて、ほとんど揚がりかけている。これを山丁さんにお願いして落としてもらったら、思った以上に珍しいドクウロコイボダイであった。

 午前、4時過ぎに会の仲間が集まってきた。いろいろ説明するが、どうにも競り場の歩き方ではない。後の山丁さんより苦言を呈せられたが、ようするに「魚にばかり目がいきすぎている」せいだ。
 佐政水産の青木修一さんにいろいろ注文して、7時前に「たか嶋」で朝ずし。このとき大方が沼津では珍しい深海魚や地魚を堪能できると思っていたようだ。残念ながら沼津に地魚にこだわる店を知らない。これが沼津の最大の欠点だろう。もしも地魚を食べようと思っても、せいぜい「でんでん(オオメハタ)」、ニギスの天ぷら、目光の刺身くらい。
 いやいやオオコシオリエビのみそ汁食べたことがありますよ、なんてこともあるが、それはまさにめったにないことなのだ。沼津の課題は底曳網の魚の再評価だろうね。

 さて、『たか嶋』に入ってはじめて、会のメンバーが15人も揃っているのがわかる。佐政水産で買った魚を分けたりしていると、いつの間にか11時前。
 近所のねずみふぐさんをお乗せして、我が次郎君は一路、沼津市内の和菓子屋へ、ここでお土産を買い。1時半には帰宅する。

 6時過ぎまで持ち帰った生き物の整理、撮影。このときなんだか頭のあたりがずきずきしているような気がする。
 夕食は「甘えび(ジンケンエビ)」、アオリイカの刺身、「かさご(ユメカサゴ)」の皮霜造り、ゆでたアカザエビ、豚のショウガ焼き、素麺。

 食後、撮影、同定にかかり、午後11時過ぎにダウン。

 翌23日は午前4時過ぎに起きる。
 6時半まで撮影、画像整理。あきらかに身体に異変。
 朝ご飯(ボクは食べていない)をはさんで撮影。
 8時半に市場へ。『市場寿司 たか』でテナガダコ、ヤワラボウズイカ、ドクウロコイボダイ、チゴダラ、そしてカナガシラの握りを撮影する。
 ドクウロコイボダイは思ったよりも美味。

 9時半に帰宅。なんだかぼんやりするので熱を計ると、8度弱。風邪かもしれない。11時まで画像の整理、撮影。都心に出る。6時過ぎまでよしなしごと。
 銀座「おかりや」に向かって歩いていると、向こうから銀座に似合わないオヤジ二人がやってくる。武内立爾さん、まささんの二人。
 東京駅まで出て「中華食堂」で半時間ほど食事。このとき食べているものの味がなんだか変。ふたりと別れて、中央線のホームに上がると電車が中途半端なところで止まっている。それなのになんのアナウンスもない。ホームでの会話で人身事故がまさに目の前で起こったばかりなのを知る。このあたりJRはどこまでいってもダメな会社だ。丸の内中央口まで行っても、中央線運転中止のアナウンスも、表示もないものだからどんどん中央線ホームに向かう人。はやりJRはバカだな。改札口でスイカをクリアしてもらいたかったのに拒否される。「振り替え乗車券」というのをくれたが、これだと京王線で普通に帰るよりも余計にかかってしまうのだ。
 なんと10時を大きく回って豊田駅に着く。額から汗が落ちてくる。暑くもないのに汗が出てきて、腹まで痛くて痛くて。帰宅は11時。シャワーを浴びて眠ろうとするが眠れない。結局眠気がするまで同定、画像の整理、保存。

 そのまま24日になる。
 家族に米がないといわれて市場に買い出し、雑用あり。『さくら』で肉少な目、海老抜き、中華飯を食べる。全部ではないが食べられた、が味がしない。
 帰宅は10時。11時に都心に、変な汗、けだるさ、腹痛は続く。午後6時半までよしなしごと。帰途途中三鷹駅でおにぎり1個とサラダを買い、8時前に帰宅。シャワーを浴びて、おにぎりを食べてダウン。

 ぐっすり眠った後、気が付いたら25日の朝6時だった。腹痛は微かだが続き、体温37度ほど。明らかに回復に向かっている。

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3月20日の食日記

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 深夜といった方がいいのかな。
 4時前に目覚める。
 最近本を読む気になれず、資料ばかり手に取っている。
 ネットでアヤボラの毒について検索。
 衛生研究所のデータでもテトラミン以外はまだ未知の物質となっている。
 朝方7時半までフジツガイ科を改訂。
 アヤボラ、カブトアヤボラ、ボウシュウボラ、ナンカイボラの改訂をする。
 パジャマにフリースを羽織って近所のコンビニへ。
 空の高いところは青く晴れていて、低く黒い雲がかかる。
 寒くも暑くもない。
 ソメイヨシノのつぼみが膨らんでいて、いくつか割れて、咲き始めている。
 これって一分咲きとでもいうのだろうか?
 コンビニでクロワッサンに野菜ジュースを買う。

 帰宅して市場のカレンダーを見るともなく見て、さて今日はなぜ休みなんだろうと考える。
 お彼岸というのと春分の日が結びつかない。
 午前11時過ぎまで画像の整理、保存、寿司図鑑、お魚三昧日記、エトセトラエトセトラ。

 太郎と姫達にピラフを作ってやり、スニーカーを買いに近所のアウトレット(太郎曰く)に出かける。
 太郎のがナイキで5800円、ボクのがニューバランスで4000円弱。
 個人的にはナイキのロゴマークを見るといつも下品だなと思い、まだ一度も買っていない。
 でも子供にそんなことを言っても始まらない。
 だいたいスニーカーなんて言葉は何時の頃から使い始めたのだろう。
 子供の頃は単に運動靴とか、中学生になるとバッシュ(バスケットシューズ)とか言ったけ?
 このスニーカー周辺のアメリカ的な色合いが大嫌いなんだなと再認識する。

 ボクはそのままスーパーに寄り道。
 分葱(分枝するタイプのネギ)、偽ビール3本。
 魚売場に丸のままのホウボウを見つける。
 そういえば、「東京のスーパーでは丸の魚が見られない」なんて嘘つきなオバチャンがいたっけ。
 そんなわけがない。
 多摩地区のスーパーで見る限り、思った以上の魚種が置いてある。
 甲殻類だって、冷凍物をはじめ生のサクラエビ、シバエビは珍しくもない。
 新宿、世田谷、武蔵野市、最近のスーパー歩きでは、どこだって丸の魚が見られるのだ。
 嘘をついてでも「食育、食育」なんてほざいている下品さって、たえられないな。
 農林水産省、厚生省、文部科学省、もっと現実を見てから「食育」を考えるべきではないのかね。
 帰り道、ソメイヨシノの並木道。
 半日なのに一分咲きから、二分咲きの状態になっている。

 午後1時半、築地の『本家 佃茂』で買った貝柱の佃煮でお茶漬け。
 これがなかなかイケルと思いながらも、ホタテガイというのは佃煮には向いていないのではないか? と考える。

 午後6時までホタルイカ、イイダコの改訂。
 軟体類の改訂カ所の膨大さに息苦しい気分に陥る。
 
 夕食はメバチマグロのコチュジャン(韓国広場で買った)・サンチュ、鶏腿肉の焼き鶏風、タイセイヨウサバの棒ずし、クロダイのポワレ、冷たいソーメン、武内立爾さんのご母堂が作られたイカナゴの釘煮。

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サバの棒ずしはあっという間に作れるので便利極まりない。我が家では「困ったときのサバの棒ずし」と言う言葉がある

 『本家 佃茂』の貝柱の佃煮と食べ比べて、イカナゴの方が遙かに上。
 だいたい瀬戸内海のイカナゴの釘煮には春を感じる。
 ようするに佃煮は小魚とか前浜でとれる貝、小エビなどを材料にするからいいのだともしみじみ思うのだ。
 武内家のみなさん、ありがとう。

 姫達は7時からドラえもんを見ている。
 ボクはヤマトシジミさんに頂いた「簸上正宗」を飲む。
 8時過ぎ熱い風呂につかって、9時前にはダウン。

3月20日
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 ボクはそれほど甲殻類好きというわけじゃない。
 あえていうと面倒なのでカニなんて、ときどき煩わしいと思う。
 エビ、カニに目の色を変える人が不思議でならない。
 さて、ここではエビの話なんだけど、そんなボクにだって、これを見つけると買わないではいられない、そんなエビがあって、その最たるものがイバラモエビだ。

 食用のエビを見てみると、クルマエビ科、タラバエビ科、イセエビ科などに食用種が多いのがわかるだろう。
 逆にモエビ科には主要な食用種はほとんどない。
 なかで唯一目立つ存在なのがイバラモエビなのだ。
 その唯一無二のイバラモエビがまさしく食べているとき、エビの中で王様なんじゃないだろうかと、思わせるほどにうまい。
 このように食べているとき、「比類なし」と思わせてくれるエビは4、5種ほどではないだろうか?

 なによりイバラモエビで特徴的なのが、生でも焼いても、「すごい」ところだろう。
 好みからすると、ずばり「焼くべきだ」と思うのだけど、生も食べないのも悔しい。
 だからイバラモエビを見つけたらたっぷり買うしかない。
 問題は値段だ。
 築地場内にイバラモエビを必ず置いてある店があって『丸半佃寅』という。
 エビ専門店である『丸半佃寅』では平均するとキロ当たり4000円前後ではないだろうか。
 この店の前を通るとき、「今日も“オニエビ(イバラモエビ)”があるな」と思いながら、ときどき値段を聞いてみる。
 この日の値段が3500円であるので、200グラム強買って800円とだった。

 これを刺身で楽しむ。
 我が家では頭を焼いてつけ合わせにする。
 面白いのが姫などは頭ばかり食べる。
 それを太郎が見とがめて、ケンカとなる。
 刺身だって取り合いになるほど甘く、しかもプリっと食感がいい。
 しかし、焼いた頭のみそのなんと甘いことか。
 このほんの少ししか重量のない、みそのどこに、これほど重量級の旨味があるんだろう。
 不思議に感じると同時に驚愕する。

 イバラモエビだけは、食べるとすぐに、またイバラモエビを食べたくなる。

2009年3月7日
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 忙しさは火曜日から加速する。
 やや朝寝坊の7時前に起きる。
 平凡な豚のショウガ焼き、漬物、めかぶ(ワカメの成長点)とろろ、ご飯とみそ汁の朝ご飯。
 改訂の簡単な校正をして市場へ。

 八王子総合卸売センター『高野水産』にさぬき市から見事なクロダイ。
 あんまり見事なので1本購入。
 八王子綜合卸売協同組合『マル幸』を通りかかると、クマゴロウから「これなあに?」。
 根室からの荷で中身はアヤボラ。
 見本に5、6個いただく。
 クマゴロウありがとう。
 『清水保商店』で見事なタイセイヨウサバの一塩600円(卸値)を見つけて買う。

 帰宅後クロダイとアヤボラの撮影。
 11時半には都心へ。
 中央線吉祥寺から井の頭線に乗り換えて渋谷に出る。
 普通電車の乗り込むと混んでいて、井の頭公園駅でたくさんの人が降りる。
 なにかあるんだろうか?
 渋谷で乗り替え、人と会い、神保町に出る。
 午後4時前、都営地下鉄で新宿に出て大久保まで歩く。
 この大久保までの道が非常に水っぽい地帯。
 ちなみにこの雰囲気あんまり好きじゃないんだな。
 大久保の『韓国広場』でキグチ(?)、と「ミドドク(エボヤ)」、アサリの塩辛を買う。

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 大久保駅に向かう道すがら魚屋(『魚芳』)を見つけてしめさばを購入。
 この店、清潔で親切で安い。
 大久保駅前で襲い昼ご飯とウーロンハイ1杯。

 夕食は、ちぬ飯(クロダイの炊き込みご飯)、アヤボラ煮つけ、刺身、チキンフライ、サラダ、素麺入りお吸い物。
 ボクは日本酒2杯。

 ぼんやり酒を飲んでいたら9時前に眠くなりダウン。
 午前3時に起きる。
 クロソイのページに不具合を見つける。
 18日は『つり丸』の締切なので原稿を送り、画像の整理、保存。
 気が付くと7時前。
 朝ご飯は簡単にベーコンエッグ、タイセイヨウサバを焼き、おろぬき大根の漬物、ご飯と春菊のみそ汁。

 8時半に市場に。
 『高野水産』で生ほたる(ホタルイカ)を400円で購入。
 これを『市場寿司 たか』で握りに。
 たかさんにクマゴロウのところに「変わった貝があったけど握りにしないの?」と聞かれて大急ぎで『マル幸』へ。
 アヤボラは全然売れていない。
 これを数個貝殻から出し、唾液腺を取りだしてもみ洗い。
 すしにして撮影。

 正午都心へ。
 午後4時半まで神保町。
 5時半、新富町の銀座キャピタルホテルに島根県県職員の方達とチェックイン。
 翌日の打合せ。
 6時過ぎに有楽町に移動して『おかりや』で武内立爾作陶展。

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 土曜会のメンバーも集まって、またまたキャピタルホテルに戻り、ここで武内立爾歓迎会。
 ここでボクがメンバーならびに島根県職員方々に多大な誤解を受けているのに気が付く。
 どう考えても私、我が儘でも貪欲な人格でもない。

 翌19日は朝4時起床。
 島根県での築地視察。
 途中、「つきじろうする」
 9時半にホテルに戻り、少し休息のちまた築地へ。
 11時半に大都魚類食堂でお昼ご飯。
 尻高鰤さん、ごちそうさま。
 東市で会議、銀鱗会と会議。
 午後2時すぎに神保町。
 夕方に帰宅。

 疲れが出て午後9時にダウン。

3月17日から19日
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 アヤボラは茨城県から北の海域から入荷してくる毛だらけの巻き貝。
 北海道ではキヌカツギバイとともに「毛つぶ」と呼ばれている。

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「毛をわけてくれよ!」と言っても無理だぞ

 面白いのはアヤボラの生息域より南にカブトアヤボラというそっくりさんもいて、中国などで毛を抜き、脱色して真っ白にしてオードブルなどにも活躍している。
 両種とも味は変わらず、同様に決して捨てたものじゃない。

 ただ問題点があって、唾液腺が渋酸っぱくて、オマケにテトラミンもしくは別の毒素があるようなのだ。
 だからとにかく殻から取りだして唾液腺を取り去る。
 よく洗う。
 ワタの部分はうまいので、捨てない方がいい。
 そうしないとほとんど食べるところがない。

 これを煮るか、刺身にする。
 料理するのがちょっと面倒なのが難点。

 まあ食べるとそこそこ味がいいので、貝殻でも愛でながら、食べるのも一興だ。

2009年3月17日
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 八王子総合卸売センター『高野水産』の水槽に小振りのイセエビがいっぱい泳いでいる。
 イセエビはなんといっても生きていないと値がつかない。
 だから取り扱いも慎重だ。
 でもときどき成仏してしまうやつがいて、これがお安く売られている。
 そんなのが5匹。
 社長が「何本か持っていきなよ」というのでちょうど200グラムのを選ぶ。
 なぜ、こいつを選んだかというとまだ微かに動いていたからだ。

 帰宅後すぐにゆでる。
 約3分ほどだろうか、岡上げして、冷めたら殻から身を取りだしておく。
 そのまま冷蔵庫で待機。

 何を作るんだろう?
 ここまでの工程を変だと思った人は偉い。
 現在ではもうめったに作らないであろう、幻のエビフライを作ろうとしているのだ。
 日本橋『たいめいけん』の創業者・茂出木心護は、洋食黎明期の様々な事柄を文章で残している。
 特にエビフライに関して面白いことが載っている。
 1974年初版の『たいめいけんよもやま噺』(旺文社文庫)に“昔のエビフライ”は豪勢な料理であったとある。
 「なぜなら昔の海老フライは伊勢海老を使っていて、ずいぶんと高いものだったからなんです」
 この「昔」というのが戦前(茂出木心護は昭和元年に修業を始めている)、もしくは戦後すぐまでの時期を差すのではないか。
 なぜエビフライの材料がイセエビだったのかは、実のところわからない。
 東京湾では、打瀬船がこの頃まだ健在で、クルマエビがまとまってとれていた。
 それに対してイセエビの産地といえば近くて三浦半島、内房だろう。
 むしろ産地的にはイセエビの方が遠いのだ。

 作り方はまず軽くゆでる。
 生もままでは殻がむけない。
 2、3分ゆでるときれいにくるりと殻がとれる。
 これを少し開いて、背わたを取り、あとはフライにするだけ。

 ほとんど市場であがった(死んでしまった)もので作るのが我が家のイセエビのエビフライ。
 これだって、かなりもったいないのだけど、茂出木心護の語るとおり、なんとも豪勢。
 香ばしく揚がったのをかぶりつくと、思った以上に中はしっとりとして、身は練り絹をほぐすように、ほぐれる。
 甘みが強く、陶然とするうまさだ。
 お父さんとしては情けないが、子供に分けるのが惜しい。

 さて、高野水産の社長が「持っていきなよ、安くするから」といったあがりイセエビ、いったいいくらなんだろう。

2008年3月16日
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 カレイ類の干物はまことにうまい。
 ただしなんだか高級な感じがする。
 でも、その高級な、というのはヤナギムシガレイ(笹がれい)なんかを思い浮かべるからだろう。
 例えば、今回のソウハチガレイには、むしろ庶民的な感じを受ける。

 さて島根県はカレイの干物で有名である。
 築地場内で見事なカレイの干物を見つけると、これがほとんど島根産なのである。
 島根県で作られるカレイの干物、その原材料は多様だ。
 思いつくままあげると、ヤナギムシガレイを筆頭に、ムシガレイ、マガレイ、ヒレグロ、そして「エテガレイ(ソウハチガレイ)」。
 酒飲みのボクが、いちばん好きなのが「エテガレイ」なのだけど、それには理由がある。
 それは独特の脂からくる風味と渋みがあって、これが好きな向きにはたまらない。
 決して万人向きの味ではないのだけど、好きとなったら、とことん好きになってしまう。
 まるで麻薬に中毒したかのごとくだ。

 春とはいえ彼岸前の日本橋界隈。
 吹きすさぶ風が強い。
 なんとなく立ち寄った、「日本橋 しまね館」でついつい買ってしまったのが『岡富商店』の「エテガレイ」。
 一仕事終えて、帰宅したら午後10時を回ってしまっている。
 寝酒に2合ほどの酒、その肴に「エテガレイ」を焼く。
 この焼きたてが堪らなくうまい。
 淡麗な酒で流しながら、微かに渋みを感じなら、それ以上に旨味の強い「エテガレイ」の白身をむしる。
 お父さん一人っきりの酒の友には、山陰島根の「エテガレイ」の干物がまさに打ってつけなのである。

岡富商店
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脊索動物門尾索亜門、頭索亜門を改訂
ミハエルボヤを削除
ナメクジウオのページを作成
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オマールのページを作成
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掲載種 2004


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 鯖しおから(塩辛)は、島根県で古くから連綿と作られてきた伝統食品である。
 島根沖でとれたマサバを、塩だけで熟成させた単純極まりないもの。
 添加物をまったく使わず、サバと塩だけで作ったなんて、とても信じられないほどに濃厚な味だ。
 
 適量取りだして、トントンと包丁でたたく。
 箸でほんの少し口に含むとなにより甘みを感じる。
 実は甘いと感じたものは、幾種類ものアミノ酸が作り出す非常に複雑な味わいなのだ。
 それが舌に長々と残る。
 後味が悪そうな表現になってしまったが、この長々しい旨さが、まことにまことに心地よく喜ばしい。
 ある意味官能的でもある。
 マルコウの「鯖しおから」がボクには迷惑な存在に思えてくる。
 本日も四合瓶が空となってしまったではないか。

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 酒の肴としての話は置くとして、このいかにも伝統的な加工品が洋食系の料理にも大活躍してくれる。
 油とレモン汁と合わせて、ドレッシングにしたら絶品だし、油ニンニクと合わせて食パンに乗せてみる。
 このままトーストしても、トーストしたパンに乗せてもいいのだけど、ビールのつまみに最高なのである。
 ああ、だめだやっぱり酒がつきまとう。
 バターに混ぜても生臭さはまったくなく、焼き上がりの白身魚のムニエルなんかに乗せると、料理の味わいが一段も二段も上がるのだから愉快。
 立川の居酒屋『太鼓』のオヤジが最近作るものに、カツオの塩辛にチーズというのがある。
 これをまねて塩辛にブルーチーズというのが定番の肴となっている。
 思いついて「鯖しおから」でやったら、これがまたものすごくうまい。

 島根県にこれほどの隠れた「うまうまもの」があるなんて、知らなかったなー、不覚であった。

マルコウ 島根県松江市鹿島町大字御津351-1
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隠岐の面白い話題などが満載。
ぼうずコンニャクが勝手にすすめる、ブログです。
隠岐の隠岐深さがわかるはずです。
隠岐日記
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 まだ深夜と言った方がいい3時過ぎ、パソコンを立ち上げる。
 2時過ぎから『すしの歴史を訪ねる』(日比野光敏 岩波新書)を読んでいるのだが、普段はこのまま眠くなってしまうはずが、眠れなくなる。
 画像の整理、海鞘類(ホヤ)の改訂。
 エボヤ、アカボヤ、マボヤの改訂を終えると、なんと6時半。
 7時過ぎに市場へ。

 八王子魚市場をとばして八王子総合卸売センターの駐車場にはいるとガラガラだった。

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土谷食品のお母さんがねじりコンニャクを炒め煮に。これがどえりゃうまい

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土谷食品の娘、ハッピー。可愛いけど怖い

 高野水産は当然着いていない。『総市』の前にもまだお客がまばらだ。
 朝ご飯は『さくら』で姫は中華そば、ボクは肉野菜炒めスペシャル。

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野菜の量が半端じゃない!

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珍しいことに7時台の『市場寿司 たか』は暇だった

 八王子綜合卸売協同組合『マル幸』をのぞいてもあんまり面白い物がない。
 清水保商店、十一屋ジャパン、やまぎしと回り、また高野水産にもどる。
 なかなかトラックが帰ってこない。

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このアルゼンチンアカエビはときどき回転寿司などで「ボタンエビ」なんて名前で回っている。でもボタンエビなどタラバエビ科ではなく、遠いクダヒゲエビ科

 フレッシュフーズ福泉に大量のアルゼンチンアカエビ、とても安いので一箱確保。
「おいおい何してるの」
 振り向くと太田さんがいる。

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 土曜日に太田さんがいるのは珍しい。
「活け締めのハマチ(ブリ)を待ってるの」
 朝から強風吹き荒れ、雨がザザーっと横殴りに降る。
「太田さん、山に帰れるのかい」
「そうだな今頃雪かな」
 太田さんは山梨県上野原の山岳地帯をトラックで行商している。
 イチロウさんがやってきて、カクレエビ夫婦も到着、トラックがうなりをあげて、これまた到着する。
 やはり魚は少ない。

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高野水産のトラックが到着するまで。到着までの静けさよ

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満杯のトラックから荷を下ろす。ここからは戦場のごとし

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どこにいたのかわっとお客が湧いてきて、高野社長が値をつけると群がってくる。この時点ではプロが多く、少し後に一般客が多くなる

 少ないながらもイサキ、ジンドウイカ、ヤリイカを買う。
 朝、たくさん食べたはずなのに、なんだか小腹が空く。
 市場を回るのはとても疲れるし、腹が空くのである。
 『市場寿司 たか』でこはだとメバチマグロの赤身、姫はイクラ。

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『市場寿司 たか』で腹の虫をなだめる

 ラジオで「永六輔の土曜ワイド」を聞きながら帰宅。
 北山修が出ていて、午前中、午後一時までラジオを聞きながらウトウト。
 午後、画像整理、改訂の続き。
 イサキを撮影。

 午後5時、姫と吉祥寺に向かう。
 高洲(岡山県倉敷市児島)での潮干狩り仲間、ダイスケさん、アカネさんの猫カフェを見に行く。
 吉祥寺駅でヒモマキバイさんと会い、マルイの方に渡ろうと思ったら、市場的雰囲気の建物を発見。
 思わず、入ってしまう。
 魚屋、惣菜屋、花屋が並ぶ。
 干物を売っている店には総菜類が並び、イカ大根、野菜サラダ(ポテトサラダ)を買ってしまう。
 この一角を文化ストアーと呼ぶらしい。

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吉祥寺に文化ストアーを見つけたのは大大大発見! これは明らかに市場だ!

 マルイから井の頭公園に向かう道、30年近く前になんども歩いているはずだが、驚くほど変わってしまっていて、なんだか異世界に飛び込んだようだ。
 その中ほどにダイスケさん、アカネさんの店「メロウカフェ」がある。

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猫カフェでああるメロウカフェ、開店準備に追われている。開店したらみんなで行こうぜ!

 店の前できんのり丸さんが手を振っている。
 この人、このような雰囲気似合わないねー。
 店のある2階にのぼると、前に郡山饅頭を送って頂いた橋本夫婦が待っていてくれた。
 猫カフェというのは開店準備が大変らしく、まだ猫もいない。

 東急イン地下の居酒屋で宴会。
 なかなか楽しい宴となる。
 みんなと分かれて姫と中央線に乗り込んだのが9時過ぎ、帰宅は10時前。
 
2008年3月14日
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 市場でときどきだがエボヤが手に入る。
 2、3個見つかったら「やったー」と手放しに喜べる。
 1個くらいなら1週間に一回くらいは見つかるかな?
 エボヤは買うのではなく見つけるのだ、というのがわかっていただけただろうか?
 さて、エボヤを探すなら、天然もののマボヤとか、イワガキの回りを見る。
 マボヤにはコベルトフネガイとかキヌマトイガイなんかが五月蠅くくっついていて、それから環形動物、小さな甲殻類とか、マボヤの赤ちゃん、シロボヤにエボヤ。
 なかでもうまいのがコベルトフネガイとエボヤ。
 エボヤのうまさは群を抜いていると思う。

 ゆでると少し赤くなるのはカニやエビと同様に赤い色素(アスタキサンチン)があるようだ。
 これを皮ごと囓る。
 プツっと皮がはじけて、濃厚なうまいエキスが飛び出してくる。
 塩気が強く、旨辛いのが舌に殷々と残る。
 次に皮を切り、中身までしゃぶるんだけど、赤いレンガ色の身はホヤそのものの味がする。

 シロボヤも同じような味がするのだけど、中身が少ない。
 エボヤ、シロボヤといえば水産の世界では有害種となっている。
 でも被害を受けているマボヤなんかよりも、こっちの方が味からして上だと思うんだけどね。

2008年3月13日
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 なんとなくやる気の失せた日。
 5時半に目覚める。
 一時間近くいろんな本をパラパラめくる。
 本当は篠田統の「すしの本」を読もうと思っているのに。
 沼津に行く予定がやっぱり仕事があり、行けなかった。
 なんだか不機嫌になっている自分がいて、この不機嫌の持っていき場所がない。

 朝食は子供だけのためにクリームコロッケ(冷凍)、炒り卵、海苔、ブロッコリー、みそ汁と具だくさんみそ汁。

 8時過ぎまで、自宅仕事。
 やたらに電話がかかってくる。
 メール多し。
 まったく返信できず。

 8時半過ぎに、八王子総合卸売センター。
 駐車場が思った以上に埋まっている。
 高野水産にホンビノス(毎日あるけど)。3個だけ買う。
 八王子綜合卸売協同組合(八王子総合卸売センターとの距離ゼロ)に回り、マル幸でオオミゾガイを見つける。

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 クマゴロウに産地を聞くと「忘れちまったい」と返事を寄こす。
 もうろくしたのかな?
 2個150円で買う。
 清水保商店で桜餅。
 保ちゃんが「おめえ貧乏人だから200円でいいよ」とオマケしてくれる。
 でも本当は幾らだったのだろう。
 八王子総合卸売センターに戻るとチョンマゲ男がミノルちゃんと花見の相談。
「早くしないと花が散るだろ、心配なのよ」
 そんなわけがない。隣(北野公園)の桜はまだつぼみ。
 でもどうせ酒飲んで、そのままオバクラ行くだけだから、桜なんて関係ないだろうな。
 『さくら』で腹減った、というとマサさんが鶏塩作るからといってうまい炒め物を作ってくれる。
 これがうますぎて、「これ以上太ったら困るだろう」と夫婦に文句を言う。
 ごちそうさま。

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 『市場寿司 たか』に顔を出すと、ここでもチョンマゲ男が花見の相談。
 カワベではコマちゃんがお勉強をすませて復帰。
 豚三枚肉を買う。

 帰宅後、仕事。
 都心にでて、すぐにトンボ帰り。

 午後から画像の整理、資料整理、撮影。
 図鑑数冊見比べながらコエゾボラモドキの画像を整理しなおす。
 これが膨大な時間を要す。

 夕食は水餃子、チャーハン、ホンビノスとオオミゾガイの刺身ウルイ添え、キビナゴの干物。

 ついつい酒を飲み過ぎて9時前にダウン。
 深夜3時前に起床。
 
2008年3月13日
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 朝目覚めたら6時。
 なんとなく鬱状態にある。
 国木田独歩の「武蔵野」を30分ほど読む。
 山口県柳井を歩いたとき、独歩の旧宅をみたため。

 朝食はハムエッグ、納豆、水掛菜の漬物、ワカメと豆腐のみそ汁。

 8時過ぎに学級閉鎖の姫を連れて市場に。
 八王子魚市場にキビナゴを見つけて買う。
 箱半分で600円。
 カワベは本日臨時休業。
 姫がわけ知り顔に「コマちゃん、悪いことしてお勉強してるんだって」という。
 なんのこっちゃ?
 『さくら』のマサさんに理由を聞いて笑ってしまう。

 八王子総合卸売センター『市場寿司 たか』でメカイアワビ煮貝の握りを撮影。

 『マル幸』で「マツブ(エゾボラ)」1個。
 『高野水産』の天ホヤ(マボヤ)からコベルトフネガイ、エボヤを採取。
 姫がどうしてもと言うので『フレッシュフーズ福泉』でマリンフーズの「いか黄金」を買う。
 そう言えば、姫が回転寿司で必ず食べるのも「いか黄金」。
 イカにカラフトシシャモの着色した卵をまぶしたものなのだけど、姫の幼稚園以来の好物となっている。
 不思議だ。

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三恵包装は平日でも混んでいるのだ
 
 10時過ぎに市場を後にする。
 途中近所の田んぼで田芹とノビルをつむ。
 姫が西洋タンポポの花を見つける。

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残念なことにセイヨウタンポポ

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芹はもっとも日本的な食用植物。万葉集にはたくさんの芹を詠んだ和歌がある

 旗野農園で小松菜の薹、ブロッコリー、春菊。

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旗野農園に様々な野菜の薹がでてきた

 近所の大型ディスカウントショップで生活必需品を買い求め、銀行へ。
 ここで非常に時間を消費する。
 帰宅はなんと12時半。
 簡単なお昼を食べて、書類を書く。
 また銀行へ。
 こんどはそれほど時間を要せず。
 それでも自宅に戻ったのは2時。

 5時半まで膨大な資料の整理、画像の整理・保存。
 コベルトフネガイ、エボヤの撮影。

 夕食はキビナゴの煮つけ、唐揚げ、「マツブ(エゾボラ)」の刺身。

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田芹はほんのひとつまみ

 小松菜と田芹のマヨネーズ酢みそ和え、
 鶏の唐揚げ、精進ちらしずし(ゴボウ、シイタケ、コンニャク、アオノリ)。

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 「マツブ(エゾボラ)」はなぜ高いのだろう。
 これを考えるために定期的に食べてみている。
 たぶん「マツブ(エゾボラ)」自体の味のせいではなく、殻が薄いこと、粘液が平均して少ないことが原因であるように思う。
 粘液が少ないのは水揚げして一定時間活けこみ(きれいな海水でエサなどを排泄してから出荷)しているためではないだろうか?
 酒は多摩自慢本醸造。

 9時過ぎに寝床に入り、いつの間にか眠ってしまい、目覚めたら2時。
 4時過ぎまで資料を読む。
 またうとうとして13日の金曜日、午前5時に目が覚める。
 
2008年3月11日
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 3月も半となった。
 日増しに温かくなってきている。
 ハクモクレン、梅の花、関東タンポポ、オオイヌノフグリ。
 ふと野辺で佇めば、春はすでに到来していると感じるのだ。
 ただし、夕方の冷え込みはまだまだ厳しい。

 とても慌ただしい時期なので、手間を惜しむ意味合いからも、まだまだ鍋の季節は去ってはいない。
 それも春を感じるものを、と考えてボクなりに「春らしい鍋」を仕立てる。
 まずは薹立ち間近の水菜の葉先、佐島の生わかめ、タイワンハマグリに主役はマダイの白子。
 豆腐は冬の名残。
 本当は生麩といきたいが、予算がゆるさない。

 これを昆布だし、酒塩でいただく。
 冬越ししたスダチに生醤油、ぽん酢でもいい。
 家族は汁ごと鍋の具をすくい取り、適当にスダチを絞り込み生醤油で味つけしながら食べる。

 澄んだ汁の中でハマグリの殻が揺れるのを見て、どれが殻を開けるのかを見極める。
 開いたら間髪入れずに食べる。
 マダイの白子はとろっととろけて甘く、その割りにさっぱりとした後味だ。
 築地場内で真子よりも白子の方が高い理由がわかってくる。
 ワカメは鍋の中でしゃぶしゃぶに。
 青く色変わりしたら、ほんの少しだけ生醤油に浸して食らう。
 ワカメの軟らかいこと、しかも磯の香り立つ。
 冬越しした水菜はそろそろ薹立ちして終わりとなり、春植のものに交代する。
 この時期葉先だけを食べてもやや硬めだが、味はいいのだ。

 最後は雑炊とやりたいところだけど、我が家の鍋の特徴はほとんど汁の残らないこと。
 それで春の鍋には、おむすびというのが付き物となっている。
 デザートは旗野農園のイチゴ。
 
タイワンハマグリへ
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マダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/taika/tai.html
ワカメへ
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 朝方4時過ぎに目覚める。
 寝床で山本周五郎。
 やっとインフルエンザ禍から脱出。
 朝ご飯は子供達はイシイのハンバーグ、シマチビキの頭の塩焼き、納豆、水菜のお浸し、ご飯にワカメと豆腐のみそ汁。
 午前中、画像の整理。

 都心に出なくていいので学級閉鎖の姫を連れて、立川へ。
 日向は暖かいのに日陰に入るとぐっと気温が下がる。
 高島屋横のシネマコンプレックスで映画ドラえもん。
 ボクは「オバケのQ太郎」世代で本当はドラえもんが懐かしい世代ではない。
 しかし、このアニメーション映画は良くできている。
 大人も子供も泣いたり笑ったりの1時間半であった。

 映画を見終わり、行列に並んで『平禄寿司(回転寿司)』でお昼ご飯。
 メダイ、赤西、など気になるものを注文してみる。
 メダイ以外は総て輸入、もしくは冷凍ものだろうけど、すし飯の温度、味加減などよくできている。
 午後1時過ぎに店を出る。
 この時点でまだ席が空くのを待つ人がいる。
 姫は立川駅で食後のジェラート(アイスじゃないんだな)。

 午後2時過ぎに中央線赤い電車で帰宅。
 来るときは青い普通列車だったので新型車両には乗らない、珍しい日となる。

 帰宅後、画像の貸出、画像整理、過去のメモの整理、資料探し。
 我が家の本棚から資料を探すのは発掘するに似ている。
 あっという間に午後6時半。

 夕食は野菜豚肉入り煮込みうどん、エビとギョウジャニンニクの酢みそ和え、アラスカメヌケのおろし煮、『十一屋ジャパン』で買い求めた水掛菜の漬物。
 食後に旗野農園のイチゴ。

 ぼんやり9時過ぎまでテレビを見ながらダウン。
 アグネス・チャンがバラエティ番組にに出ている。
 この人ボクよりも年上のはず。
 若いな、と同級生の女性達の変わり様を見ているので強く思う。
 しかもこの番組に出ているタレントではアグネス・チャン以外に知っている顔がない。
 11時半まで画像の整理とメモの整理。
 
2008年3月11日
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 シバエビもそろそろ終わりだろうな。
 梅は満開、木の芽も膨らんできている。
 コブシ、ハクモクレンも咲き始めたのだ。
 春も長けてきたらシマエビも少なくなって、そんなに気軽に手に入らなくなる。

 市場でパック詰めになったシバエビを買ってくる。
 そのまま仕事に出かけて、夕方帰ってくると、簡単至極なお総菜としてシバエビを唐揚げにする。
 要するに、天ぷらよりも簡単だからというだけで片栗を適当にまぶして油に放り込んだのだ。

 やや高めの温度で香ばしく揚げる。
 揚げたてに塩を振って、そのまま食卓に持っていく。

 さて振り向くと、もうシバエビの唐揚げがない。
 お父さんも一尾くらい食べておけばよかったのだ。

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 疲れていると、酢をとりたくなる。
 そろそろマイワシも不安定になってくるので、「塩いり」でも作りますか。
 「塩いり」は石川県金沢周辺の郷土料理。
 食べるときひたひたに酢をかけ回し、大根おろしと生醤油で食べる。

 今回の材料は15、16センチほどのマイワシ。
 産地不明ながら鮮度は抜群、まだまだ脂ものっていそうだ。
 買い求めた仲買で頭を落としてきれいに掃除する。
 水分をよくよく切って持ち帰る。

 夕食時に我が家ではテフロンフライパンに強い塩水を張り、マイワシを入れてゆでる。
 火が通ったらゆで汁を捨てて、水分を飛ばすように煎る。
 これを皿に盛り大根おろしをたっぷり添えて食卓に出しておく。

 食べる段になるや、酢をたっぷりかける。
 マイワシがやや大きめなのでほぐしながら、大根おろしと生醤油にからめながら食らう。
 なんとも爽やかで、しかもマイワシの旨味が余すところなく堪能できる料理であることか?
 月に何度作っても何度も何度も感動新たなうまさだ。

 ついでに酒がすすむ、すすむ。
 今回は加賀の「萬歳楽 剣」。
 石川の酒にしては辛口で飲みやすい。
 アンニュイな日は「塩いり」で気分をキリリと締め付ける、という意味合いでもある。
 ただそれにしては飲み過ぎか?
 
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萬歳楽
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 土曜日の築地は疲れたな。
 歩き過ぎだし、人とたくさん会いすぎたし。
 そして日曜日は撮影、画像整理、料理。
 家族が次々にインフルエンザBにかかるという状況なので家事多々。
 ということで土曜日に築地から帰り着いて休む間なし。

 月曜日も大変だった。
 インフルエンザを抱える家庭がいかに多忙か、というのを実感する。

 家事が一段落つくや市場に逃げる。
 市場にめぼしいものなし、ビックリ屋で尖ったカリフラワーに似た野菜が、ロマネスクという名であるのを確認する。

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 以前、この野菜の種を、イタリア土産で頂きながら栽培を失敗したことがある。
 それが今では八百屋で特売されている。
「海老さん、ロマネスクに間違いありません」
 野菜の名前が浮かんでこないときに、冬眠中の海老名の海老さんに教わったのである。

 『市場寿司 たか』でエゾボラモドキ、シマチビキとタイショウエビそっくりのサウジアラビア産のエビを撮影。
 急がしい時にかぎって思わぬ事が起こる。
 突然、ズームレンズのズーム機構が動かなくなる。
 ほんのねきにオリンパスの修理センターがあって、本来直接持ち込みはダメだというのを、たってお願いして預かってもらう。
 全治一週間。
 オリンパスの方はとても親切であった。
 ついでに予備レンズの候補まで挙げて頂く。
 ありがとうございました。
 修理が終わり次第、運送会社が持って来るという。
 我が家から5分とかからないのに無駄だな。

 都心へ。
 致し方なく新宿のヨドバシカメラに立ち寄りズイコー25ミリレンズを買う。
 このレンズの重さがなんと95グラム。
 故障した12-60ミリと比べるとビックリするほど軽い。

 帰宅は9時過ぎ。
 夕食は沼津の菊貞山丁菊地利雄さんにいただいた「潮かつお」を解凍してお茶漬け。
 エゾボラモドキの煮物で日本酒2杯。
 午後11時過ぎまで画像の整理、画像の貸出。
 寝床で山本周五郎の『雨のみちのく 独居のたのしみ』を読みながら眠りにつく。

 家族が満足な状態ではないということで朝寝坊。
 翌火曜日は7時前に起きる。
 朝はトーストとサラダ。
 ボクのもっとも嫌いな朝飯だ。
 8時過ぎに市場にたどり着き、『市場寿司 たか』で河童巻き、こはだ、ミナミマグロ八の身でやっと朝ご飯にありつく。

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ちょうどメカイアワビの煮貝仕込み中

 「たかさんいくら?」
 500円でいいよ、というのでお代はワンコイン。

 市場には面白いもの皆無。
 『マル幸』にアラスカメヌケがあって1本だけ購入。
 『高野水産』には今日もネジボラ、ネジヌキバイ。
 新しいレンズを試すたびに市場の面々を撮影。

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マサさん、本日愛妻行方不明? 大変だ!

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カワベの店頭。この店、最近土曜日には行列ができてしまう

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 口直しに、咲き始めのモクレンの花も撮る。
 確か戸板康二が自慢にしていた庭木。
 郷里、徳島県ではあまり見かけなかった花。

 帰宅後すぐに都心に出る。
 お昼はコンビニのサンドイッチ。

 午後7時過ぎにラッシュの中央線で帰宅。
 夕食は桃屋の「鯛みそ」、アカメバルの干物、フラワーギャング(近所のパン屋)のクルミパン、そしてウルイとスルメイカの酢みそ和え。
 これで偽ビール500ミリリットル一缶、日本酒二杯。
 なんとなく気になって、モクレンを樹木図鑑で調べてみる。
 驚いたことにボクの考えていたモクレンとは和名ハクモクレンにあたり、ただのモクレンは赤いのだ。
 夕食の合間にも画像整理と改訂は続いており、限界を感じて翌1時にダウン。
 
2008年3月10日
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 八王子綜合卸売協同組合『マル幸』の前を歩いていたら、「それなーに?」とクマゴロウ。
 なんだなんだ、とのぞき込んだらアラスカメヌケだった。
 クマゴロウに説明するに、
「アラスカメヌケっていうんだけど、一般的には赤魚(アカウオ)だね。そら、粕漬けとかになっているやつ」
「わかるわかる」
「わかってないだろ。これうまいんだぞ」
 うまそうなので1本500円で購入。
 今回のものは青森県八戸産『宇部商店』から来た荷である。

 アラスカメヌケはとても味のいい魚なのだ。
 多く脂ものっているし、身質はウスメバルにも似ている。

 宮城県以北に生息するのだけど、このところの円高で輸入水産物が多くなり、加工原料の値段も落ちてきている。
 普通、粕漬けや切り身加工されるアラスカメヌケも鮮魚出荷して、なんとか漁価を上げようとしているのだろう。
 こんなところにも世相が現れている。

2008年3月10日
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 毛虫はないだろう、可愛そうだと、この魚を見るたびに思うのだ。
 むしろ獅子ガシラとかイグアナに似ていないだろうか?
 そうだ死んでしまった俳優の関敬六にも似ている。
 ようするに毛虫ほどに嫌われているわけじゃなく愛嬌のある魚だといいたいのだ、ケムシカジカは!

 ケムシカジカは三陸福島などの刺し網でわんさかあがる。
 北海道では「トウベツカジカ」というのだけど当別とは津軽海峡に面した町の名前。
 ここでたっぷりとれたから「当別」というらしい。
 でも北海道ではどこでも揚がる。
 どの港でも揚がるのだけど、そんなに好かれている魚だとは思えないのだ。

 普通、顔は悪いが味がいい、なんて言うではないか。
 残念ながらケムシカジカには当てはまらない。
 確かに寒い冬に肝共々にみそ汁にぶち込んだら、なかなかうまいとは思う。
 でもケムシカジカでなければならないのか?
 例えばニジカジカ、いいじゃない!
 トゲカジカ(ナベコワシ)、いいじゃない!
 マダラ、もっともっといいじゃない!
 なんてことになる。
 安いのが取り得だから、これぐらいの評価でいいのだ。

 この醜い魚が活魚で入荷してきた。
 綿くずのように水槽に沈んでいる。
 手網ですくうと、ほとんど抵抗しない。
 長旅に疲れたのかもしれない。
 「ごめんね、ごめんね」といいながら成仏してもらい。
 血抜き、神経を抜いて持ち帰る。

 これを刺身にするのだけど、脇に湯がいた肝と胃袋を添えることだけはお忘れなく。
 ケムシカジカの身は繊維に欠けるためか、そんなにきれいに薄造りにならない。
 もしきれいなものを作るとしたらちゃんとして腕を必要とする。
 残念ながらボクにはそんな腕前はないのだ。
 すぐに白濁して軟らかくなってしまう水分の多い身が、さすがに活魚なので透明感を残している。
 口に入れるとちゃんとシコっとした歯触りがするのだ。
 旨味はどうか、というとややもの足りない。
 カサゴ目の旨味はしめてすぐに最高点に達するものもあるという。
 ケムシカジカの味の頂点はどこにあるのか?
 結局活魚でもわからず仕舞いとなりそうだ。

 ただ活魚でならケムシカジカの刺身もいける、これは間違いないのだ。
 
2009年2月28日
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 築地場内を歩いていたら諫早湾産と書かれたマガキを見つけた。
 小振りなためか1個100円。
 カキは小振りな方がうまい、と思っているので4個ほど買い込む。
 もっと買いたかったのは山々だが、クーラーバッグの大きさという問題がある。

 さてここで話がそれるが諫早湾干拓事業というのはこの国の最大の汚点だろう。
 もしくは金まみれ、汚れた(汚染された)政治の生み出した「汚染事業」といってもいいし、恥ずべき行為ともいえる。
 民主党の小沢代表の例でみても、この汚染された代議士、行政者がつまらない自己顕示欲や金に目が眩んでやったこと。
 この汚染されたヤカラを出来るだけ早く駆除していく必要を痛感する。
 ここにいた多くの生き物を元に戻すことはまだまだ可能だと思う。
 早く干拓をやめ、土を総て取り除き、元の状態に戻すべきだ。
 さて、2年前ならボクは日本の行政に絶望していただろう。
 それが最近変わってきていることもつけ加える。
 島根での県職員との交流、また国のお役人とのつきあいもできてきて、まだまだこの国も捨てたもんじゃない。
 役人にもいいヤツがいるんだと、ちょっと心に晴れ間を見る思いなのだ。
 だからこそ、「早く諫早湾の堰を開放しろ!」

 閑話休題。
 マガキのラベルを見るとちゃんと「有明海諫早湾」とある。
 堰の外側のどこかで養殖されたものだろう。
 この小振りのマガキが非常にうまい。
 殻の小ささをして驚きを感じるほどに身がふっくらとして大きい。
 しかも旨味が強く、ぷりっと食感がいい。

 諫早のマガキがこんなにうまいものだとは知らなかった。
 ちょっと後悔しつつ口の中に幸福感を感じるのだ。

2008年3月7日
浜口海産
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 すし屋の看板がマグロ(クロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ)であることは今や常識である。
 残念ながらボクが大好きなこはだも煮いかも、煮あなごも脇役でしかなく、とにもかくにもマグロマグロだ。
 この風潮は例えば、有名な築地場内大和寿司など「おまかせ」にマグロが三かんも出てくる。
 また築地を歩く多くの観光客の求めるもの、それもマグロではないか。
 今や東京での外国人の観光名所第一位は間違いなく築地市場内大物競り場である。
 このマグロブームは世界にまで広がりそうだ。

 残念ながら『市場寿司 たか』の売りはマグロではない。
 店の主役にマグロを持ってくると途端に単価にひびく。
 たぶん現在の「豪海投げ込み丼」600円が1000円に、おまかせ握りは1000円から1800円くらいにはなってしまう。
 当然たかさんの悩みはマグロ屋と相談しながら、いかに安くうまいマグロを手に入れるかにかかってきている。
 当然、当然、失敗もある。
 筋っぽいもの、色の悪いもの。
 そんなときに作るのが「ねぎま汁」となる。
 普段は「あらのみそ汁」もしくはワカメとか油揚げのみそ汁なんだけど、「ねぎま汁」が出てきたときには【マグロ屋がそれ用に持ってきた】という可能性よりも、【ダメなマグロを買ってしまった】場合が多いようだ。
 ダメなものでも刻んで「豪海投げ込み丼」に入れたらいいじゃないか? と思うのだけど、それをやらないところが、たかさんの魅力かな。

 この「ねぎま汁」がすこぶるつきにうまい。
 点々と脂の玉が浮き上がり、ひとすすりするとマッタリと甘みを感じる。
 ここにネギの甘みと風味がくる。
 この甘みが旨味と同意味なのかどうか、最近ボクは思案に暮れている。
 汁の味は口にあるときよりも飲み込んだ後の方が強い。
 このあたりも不思議でならない。

 朝方は近年もっとも疲れを強く感じる。
 一眠りした後だ、当然朝なんだから。
 でもすっきり積み重なり、積み重なりした疲れがとれたことがない。
 そんなとき意外に「ねぎま汁」がいい。
 この一椀で、さて市場を回ろうか、という気力が湧いてくる。

寿司は『市場寿司 たか』
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福島県原釜(相馬市)産。八王子総合卸売センター『高野水産』

 福島県相馬市は県最北の地、そこから南へいわき市までの漁港では盛んに底曳網が行われている。
 その水揚げされる魚貝類で特徴的なもの。
 これがあると福島なんだ、と思わせるのがネジヌキバイ、ネジボラだ。
 両種非常に似ている。
 知り合いのすし屋なんぞに、「どうしてこれが2種類なんだ」となんども聞かれて、なんど教えても覚えられないようだ。
 味は両種ともに同じ。
 使う側も2種類だと思っていない。
 実を言うととっている漁師さんたちだって「巻きばい」の尖ったヤツ1種類だと考えているのだ。
 さて、この2種類の違いがわかるだろうか?
 わかんねーだろうな?

ネジヌキバイへ
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ネジボラへ
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3月5日の食日記

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 朝方遅く7時半に起きる。
 まったく食欲無し。
 睡眠時間が5時間前後の日が続くと朝すぐには固形物がのどを通らない。
 画像の整理をしてから8時半に市場に向かう。
 駐車場の坂道を下ると、なんだかポカポカして温かい。

 八王子魚市場をとばして八王子総合卸売センター・八王子綜合卸売協同組合へ。

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高野水産のトラックを待つ、多摩地区の買い出し人。これも市場の名物なのだ

 高野水産に立ち寄ると、タラバガニと「イバラガニ(イバラガニモドキ)」が激安だった。
 それぞれ1ぱいずつ(合計)1500円を購入。
 福島県からネジボラ、ネジヌキバイ。
 八王子綜合卸売協同組合マル幸には山口県産オオマテガイ。
 もういちど握りにしてみたいので4、5本。
 函館産活け締めホッケを1本。
 フグの入荷もなく寂しい。

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 土谷食品では新製品の切りコンニャクの製造中。そろそろ竹輪麩の製造も一段落

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 朝ご飯は『さくら』でチャーハン小350円。
 今週は火曜日にはモツ煮込みで朝ご飯を食べているし、本日(木曜)は昼のおかずに豚の肝の揚げ物までいただく、ありがとう。

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火曜日は『さくら』でモツ煮込みでごはん

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お昼ご飯のおかず、レバの唐揚げ。これ最高にうまい!

 『市場寿司 たか』で活け締めホッケの握りを撮影していたら姫04が風邪で、学校に迎えに来いという。
 ホッケの刺身がうまくて、握りも上々ながら大急ぎで市場を後にする。

 姫04を迎えがてらプリン、ゼリーなどを買い込み帰宅。
 多摩地区で学級閉鎖があいついでいるという。
 校庭の紅梅がきれいだ。

 帰宅後、姫04を寝かしつけて、やっと画像の整理。
 お昼は姫04はプチアンパン。
 ボクは『さくら』の肝揚げ、クロサバフグの干物。

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 午後都心へ。
 夕食はいつものように弁当。

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この弁当あまり好きではない。むしろ嫌いだ!

 ヒレカツになぜかブリ照焼という信じられない取り合わせ。
 当然ブリは養殖もの。
 弁当やメニューを固定しているような店では、どうしても使う魚は養殖ものとなる。
 ボクが思うに材料などで明示すべきは産地名、種名などは当然だが、もっともっと絶対に大事なのは天然か養殖だと思う。
 コンビニでも弁当でもこの辺がとにかくおかしい。
 水産庁、厚生省あたりもちょっとピントが狂っていると思う。
 10時半帰宅。

 シャワーを浴びて、山形の『杉勇 特別純米』をコップで2杯。
 午前0時半にダウン。

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 北海道東部根室からクロメヌケの入荷が続いている。
 珍しいことではないか?
 これほどまとまって入荷してくるのを見たのは初めてだ。
 まことに薄汚い魚で、見た目が悪い。
 だから買い手がつかないのだろうか、値段は格安だ。

 でも焼いたら、色の問題は総て解決されるというのが今回の本題。
 クロメヌケはカサゴ目フサカサゴ科メバル亜属メバル属。
 メバル、メヌケ類と同じ仲間なのだ。
 色を見なければウスメバル(沖メバル)そっくりでもある。

 ボクの大好きなクロメヌケ料理は単に塩焼きにすること。
 ソテー、フライ、煮つけなんかにも向いている。
 「刺身はどうか」というと、関東にきたものでは少々無理だと思われる。
 もしもどうしても食べてみたいなら、北海道から航空便にて取り寄せるしかない。

 今回のクロメヌケは500グラム以上。
 これだと丸で焼くのは無理だから二枚に下ろす。
 振り塩して1時間ほどおき、日本酒を塗りながら焼く。

 焼きたての香りのよさは筆舌に尽くしがたい。
 香ばしい。
 身は適度に繊維質、手でむしり取りながら、ささくれだったのを皮付きのままかぶりつく。
 甘みが最初にくるのだけど、これは錯覚であり、旨味なんだろう。
 渋いでも辛いでもなく、濃厚な旨さが舌に感じられる。
 ちょっとしっとりしているのは脂があった証拠だ。

 これくらいうまいと、酒を忘れてしまう。

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 少し先週の土用、日曜日のことなど振り返る。
 土曜日は6時過ぎに我が家を出て、築地を回り、その後仕事。
 濱長の社長に『福新楼』でお昼ご飯をご馳走になり帰宅した。
 大急ぎでヨーロピアンオマールの撮影に取りかかる。
 オマールにはドライアイスをかましてあった。
 それがなぜか元気なのだ。
 手足がもげないように冷凍庫に入れて、近所まで酒を買いに行く。
 今月は貧乏なので「土佐鶴」の本醸造。
 帰ってみても、身体が凍り付いているはずなのにエビは元気なのだ。
 撮影を日曜日に持ち越す。

 夕食は場内『大作』の本マグロのづけ。
 『岩田』で買った佐島のワカメと名前をど忘れしたカリフラワーの一種のサラダ。
 宮古島の塩らっきょう、マダイの白子焼き。
 子供達にはトンカツ。
 そのまま8時になった途端にダウン。
 テレビを少し見てしまう。
 番組は初めて見るものばかりで意味不明。
 午後10時には寝てしまう。

 翌日は寝坊して8時半に起きる。
 朝ご飯はたたみいわし、メバル(アカメバル)の干物、アニワバイの煮つけ、トンカツの残りでカツ煮、芹のお浸し、ブロッコリー、ご飯と水菜のみそ汁。

 ボクは『つり丸』という雑誌に1ページコラムを書いている。
 日曜日中に書き上げようと思ったら、眠くなってくる。
 午前中は『食の万葉集』を読む。

 昼食は簡単にトースト、緑茶。
 子供達はラーメン。

 午後からタイワンハマグリ、アニワバイ、ヨーロピアンオマールを撮影する。
 たまっている画像の整理。
 メバル3種の改訂を始める。
 こんなことをやっているといつの間にか6時近いのだ。
 原稿は半分だけ。

 夕食はマダイ白子とタイワンハマグリ・水菜ワカメ豆腐の鍋、大根とハムの酢の物、鶏肉の焼き鶏風ソテー、ニセタカサゴの唐揚げ。

 新聞などを見てやっぱり定額給付金はおかしいと思い、やっぱり麻生は「アホウ太郎」だと改めて思う。
 またWBCってなんなんだ、と持ったら野球だったんだ。
 野球選手は右傾化した人が多く嫌いなのだ。
 それにこんな大会、オリンピック以上に無意味な事だなんて思ったりする。
 考えることがことごとく虚無的になる。
 結局日曜日は疲れが出て早々にダウン。


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カサゴ目フサカサゴ科メバル亜科メバル属メバル3種を分離
クロメバル
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アカメバル
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シロメバル
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掲載種 2003


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 有楽町駅を降りたら、なんだか冷え冷えとしていた。
 晴海埠頭行きのバスで築地着が8時5分。
 入り口の「ゆで太郎」でイカ天うどんをすすって場内へ。
 月末の土曜日なので買い出し組は少なく、場内すし屋などに一般客の数多し。

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 中に入るとまた見事に人がいない。
 春らしさを感じさせてくれる貝類とくにトリガイが目立つ。
 そしてマダイの真子、白子。
 マグロ屋(大物)の店頭にパック類が目立つ。
 特種の店頭にはヒラメ、マダイの4分の1カット。
 これが一般客狙いだと思ったら大間違い。
 最近ではプロの4分の1買いも珍しくないのだ。
 カワハギの魅力が落ちてきており、そこに本マス(サクラマス)。

 『岩田』でマダイの白子(キロ3500円)を300グラム、佐島(神奈川県)産生ワカメを買う。

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 『濱長』で福地さんを探すけど、見つからず。
 そういえば『濱長』は美人揃いだな、福地さんも含めて。

 そのまま進んでいくけど、やはり面白いものには出合わない。
 エボダイ(イボダイ)のいいものがあり、こはだ(コノシロ)もこの日のものはいいのだ。

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 マグロ屋『大作』で本マグロのづけを買う。
 これは最近づけのタレをあれこれ工夫しているので勉強のためだ。
 『富士恭』の前でムスシャモさん、鮟鱇さん、ヤガラさんと合流。
 史郎さんも出てきて、なかなか元気そう。
 月末とはいえ、本当に人出がなく、とても歩きやすい。

 4人で歩き始めて、すぐタカサゴを発見(帰宅後ニセタカサゴであることが判明)。
 目を上げると『大音』さんのところだった。
 キロ700円で2本買い込む。
 鮟鱇さんも買ったようだ。

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 『大音』さんは堅実な魚種のなかに、ときどき珍しい魚を織り込んでいる。
 親切なのと、ときに発見があるのがうれしい。
 淡水魚(ウナギ)を扱う店に本モロコ(モロコ)、ごり(たぶんジュズカケハゼ)。
 ボクはモロコは淡水魚でいちばんうまい魚だと思っている。

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場内の干物屋には面白い物、うまいものがてんこ盛り。まとめ買いして冷凍保存しておくというのもおすすめだ

 青森県八戸産のキタムラサキウニを各所で見る。
 イリヤマイチ斎藤にめぼしいものはなく、「また来週来るから」。
 海老の『亀福』でヨーロピアンオマールを見つける。
 キロ8000円だが、即購入。
 1尾4000円だった。

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 この本来のオマールエビ、我が家にはポジフィルムしかない。
 『亀谷』で台湾産のハマグリを買い、なんとこれが900円。
 高いな、と思ったとともに「ひな祭」の近いことを思い出す。

 この後、やっちゃ場に移動。
 『くしや』でいろいろ買い込もうと思ったらクーラーバッグがパンパンで、購入断念。
 宮古島のラッキョづけのみ買う。
 鮟鱇さん、ムスシャモさんなどが、つぼみな、あさつきなどいろいろ購入しているのをねたましく思う。

 最後に長崎県漁連。
 ここも時化ていて魚は少ない。

 帰途の中央線では熟睡。
 気がついたら立川であった。

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