市場図鑑・市場案内の最近のブログ記事

相模湾は関東の前海である。

江戸の街に江戸湾で江戸前だとしたら、それに準じるのが相模湾だというとわかりやすそう。

水深が深く、東西を三浦半島、伊豆半島に囲まれ、流れ込む河川も多い。

季節季節に複雑な魚貝類をはぐくんで豊かな海だ。

しかも東京都心に近い。


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大田市場に正午に到着した小田原からのトラック。

 

ここで揚がった魚貝類は、その日の内に東京都大田市場に届く。

通常東京都の中央市場というのは、前日に水揚げされたものが入荷してくる。

水揚げ浜が遠い市場なのだ。

その例外が大田市場で、それを可能としているのが、小田原魚市場の存在。


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場内にある『丸集』さんなどが、さっそく荷を確認する。いいものがいっぱいで困る瞬間だ。

 

大田市場に行けば、それまで不可能だった魚貝類が生で食べられる。

定置網のゴマサバ、マサバ、ウルメイワシなど、

安いのだけど、食べるとすこぶるつきにうまい魚がわんさか入荷している。

夏のウルメイワシの味の良さを知ったのが、今年の大収穫のひとつなのだが、

この小田原→大田市場がなければわからないでいたはずだ。

 

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1尾1キロの巨大なゴマサバはていねいに、活け締めされている。


しかも大田市場には昼便がある。

朝便よりももっと新鮮で、もっと珍しい魚が来るので、

ボクなどこの大田市場の昼便は見逃せなくなる。

さて、大田市場の小田原朝便、昼便を買うなら、

場内にある『丸集』さんなど、いい店がいっぱいだ。

また八王子だと、ボクの知る辺ながら八王子総合卸売センター

『高野水産』がある。

 

ボクの個人的な考え方だが、不況期は停滞期でもある。

目新しいものが、なかなか見つからない。

だから停滞期なのだ、という悪いサイクルが出来てしまう。

このような時期だからこそ大田市場にはビジネスチャンスが転がっている、

そのように思うのだが、いかがだろう?


案内していただいた伊勢原のマルモトさん


大都魚類


案内していただいた伊勢原のマルモトさん



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 宮崎県延岡市にフグの加工で全国的に有名なミツイ水産がある。
 主にトラフグ、当然他のフグ類に、宮崎にあがるキハダマグロなども取り扱っている。

 もっとも力を入れているのが日向灘にあがるトラフグのみがき(毒を除去してある)。
 これを頂き、2008年の暮れはまことに豪勢極まりないものとなる。
 このトラフグ三昧のことは「寿司図鑑」、「お魚三昧日記」で公開予定だ。

 さて、ミツイ水産が取り組んでいるのが「みがき」ならびに「トラフグの薄造り」の海外輸出。
 宮崎と言えば東国原知事という状況にある。
 とにかく宮崎空港だけでなく、県内どこでも知事の顔だらけである。
 その東国原知事も巻き込んで、延岡で加工したフグを海外に輸出したいと思案中なのだ。

 国内でトラフグを食べるのは主に冬だ。
 トラフグは産卵後は味が落ちるものの、夏場でもいいものが上がるのだという。
 これを季節が反対の南半球に売り込むのは面白い考えである。
 またトラフグの薄造りは、かなりのベテランでなければ作れない。
 それをミツイ水産では予め加工して造りにし、急速冷凍で商品化している。
 また「みがき」の素晴らしさからしてチルドによる輸出も可能だろう。
 宮崎県で加工されたものが南半球で食べられるというのも、面白いではないか。

●輸出・またはトラフグなどの取り扱いに興味のある業者のかたはご連絡をしてみて頂きたい。

ミツイ水産
http://mitsui-suisan.co.jp/


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 山口のセトポンは頼りがいのある男の子(おのこ)である。
 まだ冬まっただ中の山陰、山口の旅で萩まで迎えに来てくれて、その上、ボクを連れて行ってくれたのが山口市にある川端市場。
 我が、「市場魚貝類図鑑」が目差すものをずばりと間違いなく捉えてくれていて、この県庁所在地のもっとも生活臭のする場所に誘ってくれたのだ。
 山口は室町時代には守護大名大内氏の本拠地であり、国宝瑠璃光寺の五重塔をはじめ芸術、建築物などに見るべきものが多い。
 ただし、観光というものはしてみたくもない、ので山口市で唯一尋ねたところが市場であるというのが、まさに最上の選択なのだ。
 かえすがえすもセトポンには感謝。

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 さて、川端市場は路地を挟んで2つの建物に分かれている。
 セトポンが「こっちがええでしょ」と入ったのが鮮魚、乾物などの入った建物。
 これがまことに懐かしい雰囲気を保っている。

 脇から市場に入り、すぐ左側に『鮮魚 松西』という店がある。
 お刺身などがいろいろ並ぶ冷蔵ケースの中にはタチウオ、タイラギ、たい(マダイ)、ひらそ(ヒラマサ)、シマアジ、ばい(エッチュウバイ)などが並ぶ。
 すでに刺身になっているもの、卸し身になって刺身になるばかりのもの。

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一見平凡に見えるがよく見ると凄い品揃えだ

 どれも鮮度がよくて魅力的だ。
 サーモン以外は地物でしかも天然物に見えるのがすごい。
 その先に『池田』というウナギ屋さん、その前の『二宮』、『石田鮮魚店(いしだ)』と並んだ魚屋さんに並ぶ刺身、魚も素晴らしい。

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注文の舟盛りを作っているらしい。その光景が庶民的でいながら、とても職人的な部分を併せ持つ。ほんまに素敵な光景だ

 その上、よく見ると値段はまことに庶民的。
 旅の途中でなければ総て買って帰りたくなる。
『重枝』に小さなアカガイと逆に大きすぎるサルボウがあったがこれは瀬戸内海産。
 ザルに無造作に入っているのは「たれくち(カタクチイワシ)」の刺身である。
 トラフグの皮が500円はものすごく安い。
 その店にも置かれていたのが「穴子の湯引き」。
 マアナゴを鱧のように湯にくぐらせているのだけど、うまそうだ。
 萩産のアカアマダイが2匹で650円というのも信じられない価格だ。
 マテガイ、たなご(ウミタナゴ)、さごし(サワラ)、めいぼ(ウマヅラハギ)、はね(スズキ)など魚種が多様なのも素晴らしい。

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 一階が市場、二階以上が団地のような不思議な建物である。
 だから見栄えはよくないし、入っている店舗も少ない。
 でも例えば鳥取県境港にある観光市場と比べると何十倍も魅力的だ。
 地元なら毎日通ってしまうだろう。
 こんなことで、セトポンがやたらにうらやましくなってきた。
 考えてみると中国地方は細長い棒のような形だが西に行くほど細い。
 山口市はその西よりにあるので瀬戸内海からも日本海からも至近距離にあるわけだ。
 だから毎日のように多彩な水産物に恵まれる。

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 その上、肉屋(長州どりというのを売っていた)がまたいいし、乾物屋、八百屋に置いてある品物もいい。
 もう一方の市場にある八百屋、パン屋などがまたまたいいのである。

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国弘商店のお母さんにはおいしい刻みワカメをいただいた。天然のものをていねいに刻んだものだという。これは優れものだった

 まことに山口市民がうらやましいし、市民の方にはこの市場をもっともっと注目して大切にして欲しい。

 旅の途中で魚を買うわけにもいかず、欲求不満となる。
 それで『松西』で見つけた、タチウオの刺身を1パック買い求めて味見してみる。
 少々行儀が悪いが、醤油と発泡トレイで市場内のテーブルに座る。
 セトポンに
「ちょっと我慢できなくてね」
 と断りの言葉を放つと、
「ボクもこんなことが大好きです」
 言ってくれるではないか、うれしいね。
 堅い職業のセトポンにボクと同族の血を感じた瞬間であった。

川端市場 山口県山口市中河原
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 12日は早朝5時過ぎには石巻魚市場にいた。
 まずは場内の圧倒的な広さに驚く。端から端まで歩いたときの行けども行けども尽きぬ感はすごい。

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「今日は魚が少なくてね」
 尾形清雄さんが済まなさそうに言うのだけど、そここに何げなく置かれている魚貝類の多彩さは国内でも屈指のものだろう。

 赤く染まっているのはキチジ(本標準和名は宮城県で使われていた言葉)、アコウ、バラメヌケ、ニシン、そして問題のギンダラ。

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これくらいの大きさになるとキチジ(きんき)は高いに違いない。

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ホラアナゴは床一面に広がっている

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イトヒキダラ、オニヒゲ、ヤリヒゲ。みなすり身になる

 床にはホラアナゴが、大きなコンテナにはイトヒキダラ、ヤリヒゲ、オニヒゲが投げ込まれている。
 これをいちいちチェックしていくのだが、メモを取る気にもなれない量である。

 ちょっと混乱した頭を沈めようと、とにかくいちばん端っこまで歩く。
 そこにあったのが宮城県ならではの養殖ギンダラ。
 殺菌冷海水、海水氷の入ったコンテナーにたくさんのギンザケが競りを待っている。

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ギンザケはこのように開いて身の色合いを見せて競りにかける

 ギンザケの競り場から、こんどは魚貝類をじっくり見て歩く。
 脇を歩く尾形清雄さんの足取りが速い。
 30代に見える息子さんも一緒で、ボク共々その速さに遅れてしまう。

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 ミズダコ、ヤナギムシガレイ、マコガレイ、ソウハチガレイ、ヒレグロ、ババガレイ、サメガレイ、ミギガレイ、ヒラメ。
 スケトウダラ、マダラ。
 シライトマキバイにエゾボラモドキ。

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灯台つぶのひとつ、シライトマキバイ

 スルメイカにヤリイカ。
 マアナゴ、アブラガレイ。
 マサバ、ゴマサバ
 ケガニ、ヒゴロモエビ(ぶどうえび)。

 市場の片隅でマボヤ(ほや)が洗浄されていた。
 こんなにたくさんの養殖マボヤを見るのも産地ならでは。

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「残念ですね。今日はまったく魚がなくて」
 見知らぬ人から声がかかる。
 どうやら昨日食堂にいた人らしい。
「いいえ、そんなことはありません」
 もしも大漁だったら、きっとヘトヘトを通り越してぶっ倒れてしまうかも知れない。

 尾形さん親子に、また秋に来ますと行って石巻を後にする。

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場内の生け簀でおよぐヤリイカ。これが買えるのだからうれしい

“市場”が大好きだ。でも改めて考えるに“市場”って何だろう? それは現在の観念でいうところの卸売市場など公設市場だけではなく、魚が水揚げされる「河岸」、それから通りの名前だったり、また単なる店舗の集合体であったりする。ようするに人々が何かを求めに来る(買いに来る)物資の集散地でもあるし、人が集まる場所自体でもある。すなわち多様な意味を持つ言語と解釈して欲しい。
 だから萩魚市場前に建っている『道の駅 萩しーまーと』も間違いなく“市場”である。新しく作られた“市場”で、これほど人の集まる場所も少ないだろう。この市場の歴史は浅く、建設されたのは2001年のこと。場内は清潔で、また、驚くのは無駄な飾り付けなどは皆無に近い。それなのにどこか有機的で暖かみがある。
 どうして、これほど親しみやすい空間なのかというと、回りにたくさんの食べ物が置かれていて、その密度が高い。また多様性があり、入るといろんなものが目に飛び込んでくる。驚くべきは、これほどの多様性のある“市場”であるのに清潔無比であることだ。場内に腐食した有機質の臭いがまったくない。

 2月のもっとも観光客の少ない金曜日に、ボクは『道の駅 萩しーまーと』をグルグルまわり、その面白さに夢中になった。今回はこの新しいのに、なぜか懐かしい、そして回ってみるだけで楽しい『道の駅 萩しーまーと』の魅力を考えてみたいと思う。
 ここだけの話であるが、萩には行ってみたい場所が数え切れないほどある。幕末の歴史は面白く、高杉晋作、吉田松陰、伊藤博文の足跡はもとより、その美しく古めかしい城下町自体に惹きつけられるだろう。
 でも萩に来て「食べたいものは」と聞かれると、ぜんぜん思い浮かばない。そん不得要領な状態で『道の駅 萩しーまーと』にくるとやっと萩が漁港であり、新鮮な日本海の幸に溢れている街であることに気づくだろう。
 それほどに『道の駅 萩しーまーと』の水産物への貢献度は高いと思う。

道の駅 萩しーまーと
http://www.axis.or.jp/~seamart/


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 水産棟に入ると、競りは終了している。残っている物が積み上げられることもなく、きれいに片づいた先に仲卸の灯りが見える。
 仲卸の数は39、これは東京足立市場に近いのではないか、どこかしら似た雰囲気がある。また足立市場は青果が分離して活気が落ちたと言われているが、こちらはまだまだ市場内に喧噪感があって賑やかだ。
 仲卸の作りは最近のものと違い、あまりはっきりした仕切がない。だから床に台を置いて、平面を作り、そこに荷が並んでいる。その平面的な一面が一店舗ということになる。

 とにかく手前から見て歩く、ウニ、むきえび、パック詰めのアサリに鮮魚も豊富である。後々わかることなのだが、場内の仲卸はみな店舗が大きく、取り扱う水産物の種類も多い。
 ヤリイカに九州のチダイ、首折れサバ、養殖マサバ。また鹿児島県産のクロホシフエダイがあるのが面白い。この一店舗目の水産会社は新潟県佐渡島に本拠地があるのだという。
 見て回るどの店舗も規模が大きく、置いてあるものは多岐に渡る。鮮魚、塩干、惣菜、冷凍物、練り製品などが雑然と(そう思える)並んでいる。すなわち一店舗でほとんどのものが揃うのだ。

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 きんき(キチジ)、ニシン、マコガレイに青森産のなめたがれい(ババガレイ)、北海道からの八角(トクビレ)。無造作に床に置かれた魚を見て歩く。

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 安達さんに案内されているとはいえ、店と店の区分がわかるようでわからない。
 細い通路を通り抜けると、いきなり目に飛び込んできたのが大きなアカムツで1キロ近くある。値段がキロ当たり13000円というのが凄い。「このアカムツすごいね」というと千葉県内房にある竹岡であがったものだという。

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 航空便のマダイ、東京湾産でも最上級のスズキ、値段もさることながら、こんな店があるというのは柏のすごいところだろう。

 千葉県は水産県でもあり、アサリ、ノリ。東京湾のスズキにメダイにマダイ、外房の「いなだ(ブリの若魚)」、イセエビにアワビ類と豊富である。年間を通すと地物とも言えそうな魚が見られるはずだ。
 また各店舗に置いてあるシジミのほとんどは茨城県涸沼産である。そこに青森県産があって、西日本の島根県産などは見られない。

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 場内を歩いていると、店頭にずらりとマガキ、イワガキが並んでいてなかに島根県隠岐のものがある。これが『柏渡力』という店。
 ボクのバッグに「ぼうずコンニャク」というのを見つけたのか、よく見てますよと声をかけてくれる。
 この店の実力など築地場内にあっても引けを取らないものと見受けられた。

 見て回ること、1時間半ほど。魚の少ない時期なのに、思った以上に荷がある。また高いもの、安いものと多彩なのもいい。
 不思議なのは鮮魚店の数に比べてマグロ屋のが少ないことだ。置いてあるマグロは本マグロを始めて、なかなか素晴らしいのだけど、この市場で目立つのは鮮魚である。
 塩干・惣菜の店を見ているとさすがに千葉県産のものが多い。ここでの主流は銚子産の干物類だ。そこに先ほど旅した島根の海産物を探すがなかなか見つからない。唯一見つけたのが浜田市の「山がれい(ヒレグロ)」の干物である。

 市場から出ると遙か向こうに高層マンションが幾棟も建設中となっている。あれは明らかにつくばエキスプレス柏の葉キャンパスあたり。この『柏市公設総合地方卸売市場』にもっとも近い駅である。
 今、見てきたあまりに有機的な市場の情景と対照的ではないか、考えてみると現代人はあのように無機的なものしか作り出せないようになってしまっている。その無機質な人間が、無機質な言語である「食育」なんて言葉を作るのだ。まったく愚か者め! せめて時代の子供達を無機質な生き物に変えないためにも市場の役割は大きい。柏市の市民よ市場をもっと大切にしろ!

 さて『柏市公設総合地方卸売市場』水産棟の実力は思った以上に高い。例えば、電車を使えば築地まで1時間足らずでたどり着けるだろうけど、そんな必要性は、この品揃えを見るとないように思える。近年地方市場が抱える問題点は丹念に市場まできて品揃えする魚屋、地元のスーパーなどの凋落に起因する。それに加えるとしたら、市場で「自分の目で見て魚を仕入れていく」優秀な板前が少なくなっている。
 市場というものが、いかに食に置いて重要な役割を担っているか、食材を知れば知るほど痛感する。食に関わる人々は、市場をもっともっと活用せねばならない。

柏市公設総合地方卸売市場
http://www.city.kashiwa.lg.jp/cityhall/sosiki/B_KEIZ/KEIZ_KOU/kashiwa_ichiba/Index.htm


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 関東周辺の市場はくまなく見て回りたいと思っている。千葉県の場合、千葉市、船橋市ときて今回は柏に行ってきた。

 我が家から柏市までは、中央線、総武線を乗り継いで秋葉原、秋葉原からは、つくばエキスプレスに乗り替えて柏の葉キャンパスで下車する。ここから歩いても10分ほどで市場到着となる。東京都の西部の我が家からだいたい1時間半でたどり着けるというのは、高速を誇るつくばエキスプレスのなせる技だろう。この新しい鉄道は清潔で快適、また北千住あたりまでは地下鉄であるが地上に出てからの景色もきれいだ。

 柏市は千葉県でも北西部にあって、人口40万人ほどの大都市である。さきほど訪れた島根県の県庁所在地松江市が20万人、我が故郷徳島県の県庁所在地徳島市の人口が26万人であるから、いかに柏市が大きいかがわかるだろう。ちなみに隣接する我孫子市、流山市と合わせると、なんと島根県の人口よりも多い。しかも、つくばエキスプレスによって柏市の北部には高層住宅が林立しつつある。これからますます人口は増えていくのではないだろうか?

 これだけの巨大な人口を抱えるのだから柏の市場はさぞや大きいのだろうと思ったら、あにはからんやこぢんまりと小さい。青果、花き、水産と合わせても8万平方メートルほどに納まる。これはちょっと大きなグランドくらいではないだろうか?
 3つの市場の中では青果が大きく、水産物、花きと続く。市場で頂いてきた資料を見ると、年々取扱量が減少しているのが残念でならない。これは流通(食品を中心に)が市場から離れていっている証拠。市場と離れるということは食べ物が文化的なものから、単に商材として無機質なものに変ぼうしているということだ。
 だいたい近年、個人営業の飲食店ですら市場に行かないなんて、ことがあるらしい。ただでさえ、チェーン店に駆逐されているのに、その大型飲食業界と同じことをしているというのも、本当に愚かしい。これから個人営業の飲食店や食料品店、魚屋が生き残るには市場が重要なポイントになるに違いない。

 さて、今回の柏市場見学は市場の管理を行っている柏市役所の安達さんに案内して頂いた。同行するのは仲良しのマジマジ君である。この方、地方の役人さんにしては勉強熱心だし、なによりも素直なところがいい。あまりにも熱心なのでぼうずコンニャクが弟子いりを許すことにあいなった。
 さて、真面目なマジマジ君との柏市場巡りの始まりなのだ。

柏市公設総合地方卸売市場
http://www.city.kashiwa.lg.jp/cityhall/sosiki/B_KEIZ/KEIZ_KOU/kashiwa_ichiba/Index.htm


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 12日の朝5時過ぎにヤマトシジミさんが駅前ホテルに向かえに来てくれた。向かったのが駅にほど近い松江魚市場である。まだ薄暗い山陰松江は思ったほど寒くなく、穏やかに思えた。
 島根の県庁所在地・松江にある市場はいかなるものだろうか? 普通、考えると青果市場と魚市場の合わさった総合卸売市場であるはずで、今時の振り分け、無味乾燥な鉄筋コンクリートの巨大施設を想像していた。ところが到着した場所はまことにこぢんまりしたもので、見た目も古めかしい。この古めかしさが、ボクの好みの市場だと言うのも明記していおきたい。
 また驚いたことに、ここにあるのは競り場のみ。一般的には仲卸店舗用の区画がないのだ。これは都市の市場としていかがなものだろう。
 クルマをとめ、事務所に入ると、トーボさん、神在月さんなどが待っていてくれた。この建物のなかが暖かく、また外を見ると市場らしい活気に満ちている。

 事務所で帽子を貸していただき、場内を見て歩く。やや荷が少ないのは、海から離れている松江では思いも寄らないことだけど、外海が荒れ始めてきているせいであった可能性大だ。
 魚市場には午前6時になってもトラックが横付けされている。この松江魚市場の特徴が松江・出雲地区を中心とする島根県各地の魚貝類集散地であるということ。
 この日、多かったのが十六島漁港(うっぷるい 平田市)、しまね定置もん(松江市/笠浦、野井、多古、加賀、御津 出雲市/塩津、湖陵、多岐)。また小伊津など釣りものも島根ならではのもの。

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この地名読めますか?

 まず目に付いたのが「沖いわし(ニギス)」これは底引き網のものだろう。さすがにビックリするほど鮮度がよく、これは刺身でいけるなと朝ご飯抜きなので思ってしまう。そしてマエソ。
 湖陵からのマフグもフグ延縄漁のさかんな島根ならではだ。「れんこ(キダイ)」も延縄で揚がったものかもしれない。後々見ていくと島根沿岸でキダイは重要な魚である。
 マアナゴがあって、ここでは「はも」、ハモは「とうへい」というらしい。「草かれい(タマガンゾウビラメ)」、メダイ。
 個人的な意見かもしれないがメダイは日本海側でとれたものの方が、太平洋側でとれたものよりも味がいい。このメダイを見て、ますます腹が空いてくる。
 入相の箱にイシダイ、「ばとう(マトウダイ)」、アイナメ、メイタガレイ、イズカサゴ、チカメキントキ。この産地ならではのたっぷりギュウギュウ詰め感がたのしい。

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「しまね定置もん」は水産物を扱う人は絶対知っておくべきだ。鮮度保持や、丁寧な出荷に日夜心砕いている。

 島根町(現松江市)の「しまね定置もん」の箱にヒラマサと「丸子(ブリの若魚)」、マダイが並んでおかれている。箱に書かれた殺菌海水というのは魚の鮮度保持や、輸送時の安全に大きな役割を果たしている。「しまね定置もん 殺菌冷海水」という文字には注目して欲しい。
 ワカメが並んでいるのは養殖ものに違いない。
 意外に多いのがババガレイだ。関東では高値をつけるものだが、松江あたりではまだまだ評価が低いのだという。そしてババガレイの箱に書かれているのが「インドガレイ」の文字。見た目の黒っぽいところからきた呼び名だろうけど、「インドカレー」とまぎらわしくないのかねー。

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ババガレイの詳しいことは
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei02/babagarei.html

 見事なサワラがあり、マハタ。島根を代表する「のどくろ(アカムツ)」もきれいだ。チダイがあって、タイ3種が揃っている。アカガレイ、「水がれい(ムシガレイ)」。

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日本海の「のどくろ(アカムツ)」は太平洋側のものと別物といっていいほど脂がのっている。また浜田であがる泥質の海底にいるものはもっと凄いらしい。参考『島根のさかな』(島根水産試験場 山陰中央新報社 この本おもしろいぞ!)

 サザエ、クロアワビがある。ミズダコがあって、マダコはいない。

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サザエも島根を代表する水産物なのだ!

 松江市鹿島町小津の鍛冶辰夫さんが加工した(ひょっとしてとったのも同人?)ウニの小木箱があるが、この時期ならムラサキウニに違いない。

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これは島根県の寒い時期の風物詩。ムラサキウニ。

 島根県でとれるウニは他にはアカウニ、バフンウニ、エゾバフンウニなど。ただし重要なのはバフンウニ。これは夏にとって瓶詰めに加工される。
「ばとう(マトウダイ)」が島根にとって重要な魚であることは後々わかってくる。もちろん水揚げが多いとか、産額が多いとかではなく、「ばとう」の刺身、煮つけなど県民に愛されている魚であるらしい。

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「ばとう(マトウダイ)」と「えてがれい(ソウハチガレイ)」。

 並ぶ「ばとう」の隣が「えてがれい(ソウハチガレイ)」である。これは島根県特産の「カレイの干物」の原料のひとつ。オヤジとしては、酒がすすんで困るという魚でもある。また同じく干物にして美味な「水がれい(ムシガレイ)」がたくさん並んでいる。
 ムシガレイ、ソウハチガレイ、マトウダイ、そしてアマダイの箱がたっぷり並んでいる、この光景も松江魚市場を特徴づけるものだろう。
●松江魚市場見学はまだまだ続く。

JFしまね
http://www.jf-shimane.or.jp/
島根県庁
http://www.pref.shimane.lg.jp/
島根県水産課
http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/suisan/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 沼津魚市場の地物競り場が生まれ変わって、不思議でわけのわからん名前「イーノ」になった。もっとまともな名前はなかったのか、この国の言語が益々好きになっているボクには理解不能だ。
 だいたい、この「イーノ」というのはギリシャ神話からとったものだというが、沼津とギリシャのどこに接点があるのか、最近、この国の政治や、このような施設を作る人の感覚が幼児化してきているのが気になるな。

 さて、午前3時過ぎに沼津に着き、ちょっと前まで底引きの競り場だった部分を通り越して、「イーノ」に入る。入るときに浅い水槽を通り、手を洗う。午前3時半近くの競り場はまだひっそりとして、いちばん端っこの活けと、底引きに人の気配がする。

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 底引き網の選別の場所に来ると、志下トロの雰囲気がちょっと変である。というかとても近寄りがたい、おっかないのである。太共丸の奥さんが「大変なのよ」と、これが朝のご挨拶。大成丸の女性達は、「邪魔だから下りてくるな」と初っぱなからけんか腰だ。仕方なく遠くから見ていると、通りかかった人が「近寄らない方がいいよ」と声をかけてくる。
 戸田の底引きが到着してくる。こちらの方もどこか動きがぎこちない。そのわけは一目見ればわかるものである。狭いのだ。
 底引きの選別している人に言わせると実質的には「前の半分だね」とのこと。
 この「イーノ」を設計した会社がどのようなコンセプトで作ったのかは、だいたい理解できる。昨今の衛生面での配慮が前面に出ているし、これは将来のことを鑑みるに仕方のないこと。でもこの会社は、現場を見ないで建物をマニュアル通りに作ってしまったのだ。明らかに、ここでどんな作業が行われている、行われるのかを一度も見ているはずがない。はっきり言っていろんなところに無理がある。この建物を設計した会社は実際に使っている人たちからは不愉快な対象になってしまっている。

 さて、志下の選別はまったく見ることが出来ない。主に戸田の船を見て歩く。
 9月、10月はそれこそ1船あたり大きなバケツが7個も8個も、ときに10個もあり、それこそ選別の手伝いまで大集合して大変な騒ぎとなる。それが今日は水揚げが少なく静かである。静かであるけど労働量は建物のせいで倍になってしまっている。選別の主体になっている人たちの年齢は若くて50歳代だが、中心としているのは60歳、70歳台だろう。そこに立ちはだかるのが高い段差だ。そして狭すぎる選別場所。たぶん何も見ないで設計した人間は充分にスペースをとっていると思っているんだろうけど、それは作業の流れをまったく見ていないためだ。もしくはよほど不漁の日に一度くらいは来ているのか?
 仲買の一人が志下の場所に来て、「9月の解禁だったら死人が出てるだら」と言って去っていった。
 作業場が狭いのは大きなシャッターを閉めているためだと思い、戸田の解放されている方の後ろに回る。ところが決して通路側にせり出せないのがすぐにわかる。
 日ノ出丸、光徳丸、清正丸、招徳丸、福徳丸ときて戸田の場所でも作業の滞りが目立つようになってきている。招徳丸の、ご夫婦は老齢のためかこの高い段差を超えられない。間違いなく上がり下りが出来ない。

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 選別を見ているとき接岸している定置の船がエンジンをかけた。すると選別の場所に大量の排気ガスが流れ込んできた。ボクは疲れがたまっているせいなのか、この濃度の排気ガスの中では気分が悪くなる。
 菊貞・山丁菊地利雄さんが通りかかったので、「排気ガス入らないように出来ないのですかね?」と聞いてみる。
「あれ見てください。(イーノの競り場とは反対側の一番高いところに)換気扇が並んでるでしょ。だからこっちからの排気ガスが全部場内に入ってくるんですよ。排気ガスが入ってきたら息を止めてください」
「そんなことしたら死にますよ」

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 底引きから巻き網の選別場にくる。こちらは比較的うまく選別が行われている。これが選別台があるからだ。選別台の落とし口を競り場に持ってくれば段差が気にならない。
 やはり新しい建物というのは落ち着かないものだ。既に並んでいる八丈島などの魚貝類を見て回る。たくさんのサヨリやタチウオはいつもの如く。明るいので撮影は楽になった。その画像がきれいである。

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 さて、「イーノ」の第一印象は決していいものではない。あえて言うと設計があまりにも計算され尽くしていて、遊びがなく、ゆとりがない。このような低級な設計は“現場を調べない、見ない出作り上げる、今時の傾向”とも言えそうだ。これが築地の移転先の豊洲にも受け継がれると思うと薄ら寒い気すらする。

 沼津魚市場便りはまだまだ続く。


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 久しぶりの築地である。しかも新年早々、築地場内巡りと「築地で“つきじろうする”」のが目的という豪華版。
 さて、場内でのここまでのことは、はしょりまして、場内食堂棟の「かとう」の前に来たら、今回の“築地で外食の案内人”つきじろうさんが店内を睨んで仁王立ちしている。そして新年の挨拶もしないまま、店内に。そこで食べたものは別の機会に書くが、恐ろしい皿数が並んだことだけは明記したい。
 ちなみにボクの場合、いつもは場内に入る前には軽く麺類とか、場内売店でパンと牛乳とかで腹を少々落ち着かせるだけにしている。

 かなり食べ過ぎの感があって、歩く足取りが思い。ただでさえ体が重いのに大丈夫だろうか?
 場内に入る前に「ドライアイスを買い込みますので、ちょっと氷屋に寄ります」と言うと、つきじろうさん「私も寄りたいところがあります」と言うやいなやかけだして、食堂棟『センリ軒』でカツサンドを買い込んでくる。

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この店でトーストとコーヒーという朝ご飯も魅力的だ。

「歩くとき何か食べないとダメなんです」
 つきじろうさん、カツサンドを食べながら茶屋を抜け、ターレ(ターレットトラック)や人をヒョイヒョイと避けていく。凄い!
 この方意外に運動神経が優れている。しかも場内に入り、振り返るとカツサンドはすっかり消えてしまっている。魔法のようだ。

 残念ながら場内は荷が少なく面白いものはほとんどなかった。ここで気になったのが、白ばいである。山口県から大量に入荷してきている。対するに島根県は皆無なのだ。
 マダラ、本あんこう(キアンコウ)は素晴らしいものがある。値段の方も、新年なのであまり高くはない。マダラのオス、キロ当たり1800円というのがあり、3キロ程度である。やや小振りなのだが、これは買ってもいい。また場内に1本だけ、バラメヌケを見つける。でも2キロほどの大きさで、キロ当たり4400円には手が出ない。

『中里』という仲卸で「山口県産」と書かれた白ばいがある。しかし中に混ざっているのはやや北方系のエゾボラモドキ、しかもツバイが混ざっている。横から見ると産地は新潟である。この間10秒も立ち止まっていない。しかも店員さんにことわっているにも関わらず、店長らしき人に「どれくらい買うの」と、不快な口調で追い払われる。

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大きいのがエゾボラモドキ、ツバイがひとつ画面下に、後はエッチュウバイもしくはカガバイの若い貝

 この店は一般客には優しくない模様だ。ちなみにそのときツバイの混ざり具合によっては「ある程度、買ってもいい」と思っていたのだ。なんだか新年から不愉快な場内巡りとなってしまった。

 この日、場内は人が少なく、やや低調だった。だいたい荷が少なすぎる。仲卸半分を見回ったところで荷受けに入り、ちょっと雑談。その雑談、つきじろうさんには退屈だったかも知れない。

 場内を大物競り場方面からはいるが、やはり面白いものが見つけられない。唯一、生け簀にセミエビを生かしている店があるが、何度見ても探しているコブセミエビはいない。

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総て大型のセミエビ

 また真冬なのに野間池(なんと鹿児島県南さつま市笠沙)からのボラ子を見る。でもそんなにモノはよくない。

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 こんなものを見ると、ヒモマキバイさん達が秋に恵洋丸さんから買い求めたのが、いかに正解であったかがわかる。

 途中、『イリヤマ斎藤』を探すが迷う。そこで鮟鱇さん(この方、場内の店舗に関しては本当に詳しい。しかもボクのように方向音痴ではない)に『富士恭』の位置を教えてもらって、なんとか史郎さんの元に辿り着く。
 相変わらず、史郎さんはリーゼントでピシっと決めている。

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「これに変わりました」

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 史郎さんがハンドルを持っているのが“エレトラック”。市場名物でもあるターレ(ターレットトラック)であるが排気ガスが健康に及ぼす影響が問題になっている。そこで電動化が進んでいるのだ。

 さて、『イリヤマ斎藤』に行くと「小笠原の魚は来ていない」という、そこで『大音』に回る。

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 店先の魚が粒ぞろい、上物が揃っていて思わず買ってしまいたくなる。残念ながら、昼から仕事なのである。『大音』さんにはお年賀のタオルをいただいて、場内を出る。

 ボクの場内巡りは、土曜会などのときは一般受けする形をとっているが、一人っきりのときには非常にマニアックなものだろう。そんな場内歩きについてきた、つきじろうさん、少々退屈ではなかったか、不安。

 場内食堂棟『大和寿司』には行列が出来ている。でもいつもよりは少ないように思える。海幸橋に向かわないで、駐車場方面から長崎県漁連直売所に。

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壁は少々すすけているが、店頭の魚は素晴らしいし、入江さん他、みなさん元気そう。「明けましておめでとうございます」。言い忘れた新年の挨拶をここに!

 新年明けましておめでたいはずではあるが、店内にはいると年末の火災跡が壁を黒くして残っている。でもケースの中は魅力的なモノがいっぱい。新年明けで荷の揃わない場内よりも、今回は明らかに長崎県漁連の方が勝っている。
 天然カンパチ、ヒラマサ、平鰺(カイワリ)、ひげだら(ヨロイイタチウオ)、アヤメカサゴ、カサゴ、ウッカリカサゴ、ウスバハギ、カワハギ、ウマヅラハギ、マハタ、コモンハタ。
 そんなとき入江さんが「オオグチイシチビキ」であると取って置いてもらった魚がハチビキであることがわかる。さて今回の築地行は魚に関しては“つき”に見放されている。気を取り直して割安であるコモンハタを2500円で購入。
 ここに今回の築地市場巡りは終わる。
 さて、時刻は11時を回っている。そろそろ「築地で“つきじろうする”」第二段といきますかね、つきじろうさん。

ターレットトラックに関しては朝霞製作所
http://www.marusen.co.jp/know/knowledge.htm
『千代田水産』のページで
http://www.marusen.co.jp/know/knowledge.htm


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