2013年3月アーカイブ

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八王子総合卸売センターにある『土谷食品』の

やや大振りの角切り寒天がうまい!

寒天のうまさを口の中にかきこむや

たっぷりと海藻らしいうま味と風味があふれだす。

寒天とはこのような味だったのか、なんて驚きがある。

腹をへこませるために買ったのだが、

予想外の口福感が得られた。

 

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寒天の原料は近年ではテングサ科のマクサではなく

多くはオゴノリ科の海藻が主流になっている。

マクサの産地では、粉末状の寒天などもってのほかというが、

このような気取らない味わいもいいものである。

『土谷食品』の夫婦が「ちくわぶ」を作るのをやめて、

「ところてん」、「寒天」を作るようになると

春たけなわ、夏も遠からじなのだよ。

 

八王子総合卸売センターに多摩地区最大の食のワンダーランド、

不思議な物てんこ盛りの『三恵包装』も新装オープン。

市場においで!!

土谷袈裟治くんも待ってるよ!!

 

八王子総合卸売センター


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

築地でお買いもの会を行います。

早朝、築地周辺で銘々がお買いもの。

そのあと築地にほど近い中央区の会場で

簡単な懇談会を行います。

懇談会参加のみ500円をいただきますが、

会場費用等にあてます。

今回、申し込みは掲示板への投稿でお願いしています。

詳しいことは掲示板にて。

4月13日までにいろいろお知らせがありますので、

ご覧いただけると幸いです。

 

築地土曜会掲示板へ


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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ムチモの雑炊

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太平洋側の海岸などに普通に見られる紐状の海藻がムチモ。

実際に食べてみると非常に味がよく、優れた海藻である。

その上、いたってありきたりな海藻なので、

利用されていないわけはないと調べているところ。

不思議なことに今のところ利用している地域が見つからない。

今回のものは鳥羽産のもので、やはり現地では食用としていない。


いろいろ料理して、ゆでても、汁にしてもよく、雑炊にしてもよい。

特に雑炊は絶品であった。

海藻の雑炊は料理法としても基本的なもので、

ワカメ、ワカメのめかぶ、アカモクなど様々なものが利用できる。

ムチモの雑炊はシャキシャキとして食感が心地よく、香り、味がまたよい。

なぜこの海藻の利用がなされていないのか、などますます不思議に思える。


材料/ムチモ(真水でよく洗っておく)、ご飯、だし、酒、みりん、塩、薄口しょうゆ(濃口でも)、薬味(ねぎ、三つ葉など好みで)


1 ムチモは適当に切る。だしに調味料を合わせて味か加減を整えておく。

2 だしをわかし、ご飯を加えて、温まったらムチモを加えて少し煮て出来上がり。


協力

山下栄造さん(やま栄渡船) 三重県鳥羽市浦村町1229-55

岩尾豊紀さん(鳥羽市水産研究所)


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ムチモへ


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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そしてまた街歩きを再開。

懐かしい雰囲気の雑貨店を見つけて入ってみる。

店内には調理道具、農具、紐類、文房具なども置かれている。

「唐津屋」の息子だったので、店内の雰囲気が懐かしい。

奥から店番の女性が出てきた。

「少し見せてください」と断り、

念のために「半紙売ってますよね」と聞く。

「売ってますよ」と答えが返ってくる。

古くからの雑貨商で商うもので

半紙(だけだはないが)は重要な商材だったのである。

店番の女性は、この屋の嫁にあたるらしい。

栃木と言えば「麻の紐」と「鬼下ろし」なので記念に買う。


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店を出ると人出は前にも増して多い。

賑やかである。

人混みを縫うように、もう一つの酒蔵、

『渡邉佐平商店』に向かう。

酒蔵の入り口でなにやらイベントを行っている。

もう一度、人をかき分けると、

なんとも見事な日本家屋が見えてきた。


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がらりとガラス戸を開けて、いろいろ試飲だせていただく。

非常にボク好みだったので一升瓶5本購入。

ちなみに日本酒飲みが地方に行き、

好みの日本酒があったら迷わず買うことだ。

送料は驚くほど安く、ご近所で買えない日本酒が買える。

 

そしてスーパー『かましん』の食品売場をのぞく。

探すまでもなく、ちゃんと「しもつかれセット」がある。

「さがんぼ」も「もろ」もある。


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じっくり見ようと思ったのだが、

昨日来の睡眠不足のために体がついていかない。

結局、「さがんぼ」も「もろ」も買わず、

地調味料も買わずに出てしまう。

 

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できるだけ、路地を見つけて余分に歩く。

今市の街で目立つのは

呉服店(着物、和装品を売る)が多いことではないか?

日光東照宮の手前の、市の立つ場所が「今市」。

そういえば奈良県吉野の手前は「下市」。

聖域(少々変な表現に思える)の近くに

「市」のつく町があるのも意味があるのだろう。

こんなことを考えながら人混みを脱して、

JRに向かうか、東武鉄道に行くか迷い。

消極的に東武鉄道にする。

 

駅員さんに聞くと、この日の特急はすべて満席。

快速に乗るべく改札を出る。

 ホームにはちゃんと駅弁を売る老人がいる。

座席を確保して、〈駅弁売りから駅弁を買う〉ためだけに

食べたくもない駅弁を買う。

駅弁売りから駅弁を買うのは何度目だろう? 

初めてではないと思うが、ほとんど思い出せない。

鹿沼駅近くになって、「日光まるごと 味の弁当」を開ける。

これがほどよく日光らしくて、ほどほどにうまい!

 

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快速列車はほぼ各駅停車に近く、

やっと、東武動物公園、北千住を過ぎ、押上手前での

「半蔵門線直通」のアナウンスに大急ぎでホームに下りる。

どうやら我が家から日光に行くには

新宿線神保町駅から半蔵門線乗り換えて押上駅に、

ここで東武鉄道に乗り換えるのが正解であったようだ。


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タクシーで市街地まで帰ってきたら道路際に酒蔵を見つけた。

『片倉酒造』だった。


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地酒を見つけたら「買う」のが信条なので買おうと思ったら

観光バスが横付けして、傍若無人な老人達がやりたい放題。

うるさくて試飲もできない。

やっと試飲できたと思ったら、好みから外れている。

「入らなければよかった」


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酒蔵から信号をいくつか超えて右折すると、

たくさんのテキ屋の屋台が並んでいる。

なんだかいやだなと思う。

どうにもこうにもテキ屋の売っているものには興味が持てないのだ。

ようするにボクの分野ではない。


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それでも長々と続く屋台店には気になる物がある。

昔ながらと思われるはでな下げ飾り。

売っている人に何というのか聞くと

「知らないという」


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それとダルマに"煮いか"。

子供の頃、徳島県の山間部に"焼きいか"はあったけど

"煮いか"の記憶がない。

この長々と続く屋台に"煮いか"を売っているのが思った以上に多い。

これは東京でもそうなのだろうか?

それとも栃木県の特徴か?

 

この賑やかな「花市」は「六斎市」が起源だという。

年の最初の市で、「初売り」もしくは「初市」に当たるのかも知れない。

山間部で手作りしたものを街で売る、

例えば昔話の「笠地蔵」の世界のようなものだ。

驚いたのはいい大人が焼きそばや、

たこ焼きなどを歩道のベンチで食べていたこと。

個人的にはこのテキ屋さんが作ったものを、

よろこんで食べる気になれない。

途中「しもつかれコンテスト」会場を通り過ぎる。

非常に長い行列に、とても並ぶ気になれない。

 

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この今市のメインストリートの中程にある

気取らない雰囲気の『中屋食堂』で、

小腹をなだめるためにおでんと日本酒熱燗1杯。

祭気分の町で、昼酒もいいものである。

本当はそばを食べたかったのであるけど、

年内に入ると「そばをたぐる」という店ではないのが明白だったのだ。

店の真横に駄菓子屋があって、若旦那らしい男性が、

声がかかるたびに対応している。

これがなんともいいのである。

ここで「さがんぼ(さがんぼう)」のことを聞く、

タクシーの運転手さん、直売所であった方に聞き、

だいたいの答えが出ていたのだが、だめ押しの形で問う。

 

おばあちゃんが厨房から出てきて、

「"さがんぼ"は正月に食べていた」こと。

「"さがんぼ"は煮ても柔らかくておいしいが

"もろ"は煮ると硬くなるのでうまくない」。

魚のことを調べていて、

これで種名がわからないと大失格。

"さがんぼ"はアブラツノザメ、

"もろ"はモウカザメ(ネズミザメ)に違いない。

 

考えてみると、広島県三次市でネズミザメは人気があり、

フカ(サメ)のなかでも高級だった。

これはサメを生で食べるからであって、

"煮て食べる"関東の山間部ではネズミザメは安いとなる。

 

平凡な味のおでんと、熱燗で暖まって、再び町歩き。

JR今市のあたりまで歩き、またとって返し、裏路地を歩く。

なかなかいい町なのである。

朝からまともなものを食べていないので、そば屋を探す。

通りから脇道にそれたところに「ちたけそば」の

札が下がる『つちや』という店に入る。

至って気取らない、普通の食堂ぜんとした店だ。

さて「ちたけそば」とは漢字で書くと「乳茸蕎麦」である。

「乳茸」はチチタケというキノコのこと。

茎や笠を傷つけると乳のような乳白色の液体が出てくる。

「ちちたけそば」の冷たいのをお願いして、

出てきたのがよかったのだ。


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そばが冷たくほどほどに美味で、

つけ汁が温かいく鶏肉が入っている。

チチタケは小さくほかの具にまぎれてなかなか出てこないが、

しっかりキノコのうま味がして、独特の風味がある。

 

店の外観から期待しないで入ったら、

なかなかうまいそばでちょっと幸せな気分になる。

『つちや』の脇からメイン道路に平行に走る路地に入る。

路地のなかほどに神社があった。

「二宮神社」すなわち、二宮尊徳をまつる神社なのだ。

二宮尊徳は天明期に現小田原市に生まれた農政家、

というか農業経営のコンサルタントのようなものだろう。

ここが終焉の地だったわけだ。

残雪を踏みしめて神社奥に進み墓を見て、

また街にもどる。


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ちなみに江戸時代後期は譜代や旗本では行政が立ちゆかなくなり、

勘定奉行の川路聖謨をはじめ門閥や家柄を超えた人々が

実社会を動かすように変わる。

議員世襲制が国内を支配している今よりもずーっと民主的である。

 

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「しもつかれコンテスト」会場に行くと、行列が短くなっている。

並ぼうとしたら、もうダメだという。

まあコンテストなどはどうでもいいので、

会場前で「しもつかれ」と「柿餅」という棒杭のような餅を買う。


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駅からタクシーでJAかみつが今市農産物直売所へ。

直売所までは歩けなくはないが時間が惜しい。


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途中通りかかった交差点の歩道橋に屋根がある。

なぜだろう?

住宅地の道路を行くとほどなく到着。

駐車場を降りると、雨風がやっと防げる程度の簡素な建物が

農協の前の駐車場の一角にあった。


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東京からわざわざ来る、そんな場所ではなく、

ご近所さんが日々の野菜などを購うための施設であるようだ。

カメラバックをさげたボクはいささか場違いである。

 

店内は向かって左にレジ、

右手奥に総菜やそば粉などが並び、

外側に野菜がある。

ざっと見て地物が多く、

大手メーカーの加工品や菓子類がないのがいい。

まずは総菜の冷蔵ケースをのぞく。

これがおもしろい。


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今回の目的である「しもつかれ」をはじめ

手打ちそば、酢の物、みそ、漬物、

塩漬けの山菜類など多彩で

ケース内はぎゅうぎゅう詰め状態。

 

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塩漬けのウド、つわぶき(栽培用に品種改良していないフキ)、

山椒などを買い、当然「しもつかれ」に

麦まんじゅう、おこわ、赤飯、煮しめを買い込む。

野菜はさすがに少なく、珍しいものは少ない。


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唯一目にとまったのが曲がった白ねぎ。

直売所の方にきくとまっすぐよりもうまい、のだという。

考えてみると昔、これとそっくりなねぎを宮城県で見た、

そんな記憶がよみがえってくる。

この曲がった白ねぎは栃木県から宮城県にかけてある、のだろうか?

 

実はこの時点で「しもつかれ」を買うという目的は遂げている。

後はどうでもいいのだが、県が運営しているという

『日光市 日光ブランド情報発信センター』までタクシーで向かう。

これが思ったよりも遠く、その上、敷地が広くて店内までが遠い。

あえて言うが施設の配置などを考えたヤカラは愚か者である。

世間を知らず、人間的なもろもろのことをわかっていない。

大阪流に言うとアホだ。

タクシー料金の割に総菜以外に見るべき物がなくがっかり。

行政がからむと必ずダメなものしかできない。

そんな典型的な例かも。

 

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ここで「しもつかれ」について。

栃木県全域、群馬県や茨城県の一部でも作られているもの。

材料は大根、にんじん、大豆に塩鮭の頭と酒粕で作る。

新年の初午の日に稲荷神社に奉納するもので、

当然、初午の日の前後に食べるものでもある。

似たような料理は会津地方や宮城県にもあり、

味わいに共通するところがある。

宮城県ではメヌケ(オオサガ)を使い「あざら」、

会津地方では栃木県同様サケを使い「酒粕煮」という。

そしてボクのバッグのなかには

すでに2パックの「しもつかれ」がある。


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