2007年3月アーカイブ

タラバエビ科モロトゲアカエビ属、タラバエビ属を改訂

ベニスジエビのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/benisujiebi.html

掲載種 1889


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

今、市場魚貝類図鑑のページ体裁を変えようかと思っています。より自由なレイアウトが出来ないかとマークなどを排除しました。
またこのトヤマエビでは簡単目次というのを作りました。より流通や生活の場でわかりやすくなるとおもいます。

市場魚貝類図鑑のトヤマエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/toyamaebi.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 我が家でいちばん食べている魚、それは平凡であるがマアジ、マサバである。鮮魚でも干物でも一週間になんども食卓に上る。いわゆる背の青い魚といわれるもので、回遊し、群を作る習性を持つ。多くは巻き網、定置網などで大量に漁獲される。当然、まとまって獲れる物だから価格も安く、口の悪いヤカラからは「下魚」なんて言葉が冠せられた時代もあったはずだ。
 このマアジの価値を一躍高らしめたのは相模湾沿岸で食べられていた「アジのたたき」という料理である。それまではマアジと言えば「塩焼きか干物」と言う既成概念を「生でも食べられる」と変えてしまった。これは1960年代から東京などの居酒屋料理店にも登場し、ボクが魚のことを調べ始めた1980年代の後半にも市場では「アジの値段が騰がったのは、たたきが流行ってから」という声が聞かれた。ちなみにこのときはブランド魚というものこそなかったが「小田原のアジ」などが名品とされていた。そして1990年代に「関アジ」「関サバ」が登場すると、マアジの値はより跳ね上がり、それまで明らかに下魚扱いのマサバは、高級魚を通り越して超高級魚になってしまう。
 大分県佐賀関では、他の地方で主に巻き網、定置網などでとり雑に扱われていたアジサバを、古くから釣りでとっていた。その良質の魚をより価値を高らしめるために、一定期間活かして、締める。まるで明石鯛などでなされていた出荷法をマアジ、マサバに取り入れたのである。これによってアジサバの鮮度の劣化が飛躍的に抑えられた。当然、九州大分から東京まで出荷しても「生で食べられる。しかも飛びきりの鮮度で」という付加価値がつく。
 その「関アジ」「関サバ」に続け、とばかりに各地からたくさんのブランド魚が登場してきている。鹿児島県阿久根の「華アジ」、愛媛県三崎町佐多岬での「岬アジ」「岬サバ」などなど。どれも取り方や出荷方法を工夫して一定以上の品質を確保している。そして当然美味だ。
 このブランド魚の持つ意味は大きい。例えば明らかに下魚扱いだったマサバは値の高い安いはあるものの一般の意識としては低いままだった。「うまくて安い」が当然だったのだ。それが「マサバもいいものは高い」と言う方向性を導き出したのは、まさに「関サバ」の功名である。また佐賀関漁協のブランド魚開発にともなって、大分県各地の魚貝類の出荷が際だってよくなってきたように思われる。この「ブランド魚のもつ相乗効果」が他県にも飛び火すればいい。
 このブランド魚の持つ意味は大きい。例えば明らかに下魚扱いだったマサバは値の高い安いはあるものの一般の意識としては低いままだった。「うまくて安い」が当然だったのだ。それが「マサバもいいものは高い」と言う方向性を導き出したのは、まさに「関サバ」の功名である。また佐賀関漁協のブランド魚開発にともなって、大分県各地の魚貝類の出荷が際だってよくなってきたように思われる。この「ブランド魚のもつ相乗効果」が他県にも飛び火すればいい。
 今、魚は安すぎると思う。多くの労働、また危険を伴う漁をへて得た自然からの恵みは、今や全世界的な食の多様性や商品流通の波に不当に揺さぶられ、そして、買いたたかれてしまっている。このままでは漁業をやっても普通に生きていくことすら難しくなってきているのだ。そこに漁獲物の値段を高く安定させる「ブランド魚」という取り組みは、今いちばん必要とされるものではないだろうか。なぜなら魚貝類の産地ならどこでも明日にでも取り組めるものなのだから。


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春の子持ちサバ

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 春になるとサバの味わいが途端に落ちる。これが魚屋の悩みの種なのである。どうして味が落ちるのかというとマサバの多くが臨月を迎えるためである。じゃあオスはいいだろう? というと残念ながら夫婦ともども身質が悪くなる。
 だから魚屋は「春のサバは腹をさぐって仕入れる」。ちょうど魚屋が首を振って諦めた大きな腹をしたサバを買い込んできた。見た目は太りじしの見事なもの。腹を触ると真子の形がわかる。でも成熟度が低いようで身には脂がのっているのが明確にみてとれる。
 さて、脂があるのだから半身はしめさばにする。そして半身だが、なんとか真子を生かした料理にできないだろうか? 例えば煮つけ、みそ煮。ともにダメだろう。マサバの卵巣の味はよくて、その真味を壊してしまう。出来るなら焼きたい。焼いて夕食の一品としたい。
 考えていても仕方がない。半身の血合い骨を切り取り、そこに袋状のくぼみを作る。卵巣を埋め込んで振り塩をする。しばし時間を置いてじんわりと焼き上げてみた。産卵前のマサバの身はもろく、なんだか形が整わなかった。卵巣が飛び出てしまうか、と不安を感じながらやっと焼き上げる。
 その焼き上がりを、熱い内に口に放り込む。やはり脂がのって、それが甘味となって感じられる。卵巣はほっくりと、こちらも甘味と旨味があって、身の濃厚な味わいにアクセントをつけている。絶品ではないか、この親子焼きというやつは。
 春サバはまだまだ脂がのっている。いちばん悪い時期にはいたっていないのである。そして、春ならではの真子の味わいを今こそ堪能すべきだろう。

市場魚貝類図鑑のマサバへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/saba.html


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シャコがうまい

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 最近、活けのシャコがどんどん入荷してくる。今年は思ったより値段は安く2000円弱(キロ当たり)といったところ。安いところでは1500円というのもある。これを蝋びきの袋に放り込み。量ってから袋自体を海水で濡らす。それを持ち帰り、夕食直前にゆでる。家族が席に着くのと茹で上がりが「一二の三という呼吸」が望ましい。
 これを我が家にある3本の調理ばさみで縁を切り取り、とにかくむさぼるように食う。手のツメの身を無造作に放り出している太郎にはパンチ一発。「ツメの肉を食ってから次のにかかるんだぞ」というのも毎年のことだな。
 しかし、甲殻類数あれど、シャコほど文句なしにうまいもんはありはしない。しかも自宅で、食べる直前にゆでたシャコ、これは彼の有名な寿司屋だって及びもつかぬ至味といえるだろう。これを1キロ1500円で味わえるのだから、こまったもんである。

市場魚貝類図鑑のシャコ
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 和歌山県有田市辰ヶ浜からの魚々ちゃん便に見事な活け締めのコチ(まごち)が入っていた。これは寿司ネタにしてみたいものだ、と『市場寿司 たか』に持ち込む。
「そうだ。そろそろコイツがうまくなる時期だね」
 たかさん、大急ぎでネタの切り付けをして、小振りの握りに仕立て上げた。
「コチっていやー夏って思っていたけど、よく考えてみると春から初夏までの魚なんだね。身に脂って言うんじゃなくて旨味があるよね。それにうまく締めているから透明感も残ってる。これはたまらん旨さだね」
「そうだね。今まさに真ゴチの旬ということだね。そう言えばこのあたりの寿司屋とか料理屋はあまり、コチ使わないね」
「高いからね。例えば2000円(キロあたり)したとするだろ。ヒラメの2000円と、真ゴチの2000円じゃ、歩留まりからして真ゴチの方が割高だろ。それにヒラメが悪い時期だってお客は、真ゴチを選んでくれないからね」

 こまったことに二人で1本のコチを平らげてしまうくらいにうまい。
「たかさん、オレ達の味見はこの辺にして、お客にも出してあげよう」

魚々ちゃんさかなや仮店舗へ
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問い合わせは
cfdbt706@jtw.zaq.ne.jp
『市場寿司 たか』
http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/rink/gest.html
市場魚貝類図鑑のコチへ
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 ホタルジャコは浅い磯場などに棲息する小魚である。名の「蛍」とは腹側に発光器をもって光るからである。ダイビングはしないが、磯場などに潜り、このパールピンクの魚が発光している様はさぞ美しいだろう。それだけでも海に潜る人がうらやましい。

 このホタルジャコは四国愛媛県などでは「ぶり網」でもって漁獲対象となっている。この「ぶり」というのは網につく「ぶり木」という浮木のことであって、当たり前だが魚のブリではない。他には底引き網でもホタルジャコをとっている。その水揚げされた総てのホタルジャコと草草の小魚が、愛媛名物じゃこ天となる。
「どうしてじゃこ天の材料はホタルジャコがいいんでしょう」宇和島の薬師神かまぼこさんに聞くと、「潰して(すり身にして)いちばん旨味の出る魚だから」なのだという。

 これはだいたい伊豆半島以南に生息していて、漁獲対象となっているのは愛媛県八幡浜から愛南町まで、他の地域では明らかに雑魚である。でもどの地域でも漁師さんなどに言わせると、「小魚のなかじゃいちばんうまいんです」と定評がある。驚いたのはそろそろ500種になろうかという我が「寿司図鑑」のなかでも出色の寿司ネタのひとつであった。

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ホタルジャコの下ごしらえはいたって簡単。鰓と胸びれを人差し指と親指でつまみとるだけ。小アジなども同じ要領でいい

 それを和歌山県有田市辰ヶ浜からの魚々ちゃん便に見つけて久しぶりに「小魚の唐揚げ」を作る。このホタルジャコの唐揚げがうまいのだ。
 水洗いしてウロコや汚れを取り去る。鰓ぶたを開いて鰓と胸びれを指で挟んでちぎり取る。こうするとズルズルと内臓もとれてしまう。これで唐揚げ用の下ごしらえはお仕舞いだ。1匹あたり2,3秒しかかからない。あとは片栗粉をまぶして揚げるだけ。弱火から中火でゆっくり、そして最後に強火で揚げる。
 また我が家は子だくさんなので、家族のためにポテトを一緒に揚げることがある。言うなればフィッシュアンドチップスである。今回はジャガイモをかいていたので小魚だけとなっているが我が家の定番料理である。
 揚がったら紙の上などにのせて塩コショウして出来上がりだ。
 これから暖かくなってくると夕べに小魚の唐揚げとビールがいちばんいい。

薬師神かまぼこ
http://www.yakushijin.jp/
魚々ちゃんさかなやは近日開店
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市場魚貝類図鑑のホタルジャコ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/suzukika/hotarujako.html


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 毎朝、出合う人なんです。
 ついつい
「飯塚さん」
 と声をかけたくなって仕方ありません。まだ前に回ってお顔を拝見していないんです。

飯塚さんの海の世界
http://www.numazu.to/sea/


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 ニジマス(サーモントラウト)の海での養殖は1980年代初頭に始まり、とくにチリでは顕著に増大している。そして今や市場や小売りの場で見かけない日はないくらいである。このサーモントラウト(トラウトサーモン)というのは「自然界に存在するニジマスそのもの」ではなく、作られた一世代だけの交配種、すなわち成熟しない「食用だけのために作り出されたもの」だ。言うなれば鶏で言うなら成長の早いハクショクレグホンをブロイラーとした以上に、人口的である。
 サケというのは成熟すると味が落ちる。例えば標準和名のサケが未成熟の白サケ、時サケ、鮭児を珍重し、成熟がすすんだ「ぶな」が安いのを見てもわかるだろう。だから養殖する家畜としてのサケはギンザケのように成熟するものよりもサーモントラウトのように成熟しない一世代交配種が優れてるのだ。

 サケ科の魚は種により用途を違えている。まず天然のサケは原則的に生食は出来ない。養殖ものだけが生食として公に流通できるのだ。その養殖サケで例えばタイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)は値段が高くほぼ総てが鮮魚として流通している。輸入ギンザケはほとんどが加工されたものでの輸入。そして多くが冷凍輸入、それを解凍して塩鮭やムニエル用の切り身に加工される。すなわちタイセイヨウサケは刺身、スモークサーモン、そして高級な切り身になる。ギンザケは主に熱を通す食材になるのだ。ここにサーモントラウトがあって、これは生食、塩鮭などの加工品にも使える。これは身自体の味がいいということと、また原材料の値段が安いからだろう。とするとサーモントラウトは万能のサケと言える。

 さて、この画像の説明を始めよう。これは我が家からクルマで十数分のところにある大型のスーパーにあったもの。加工品の種類としては「塩鮭」である。「塩鮭」とは言っても昔ながらの塩に漬け込むというのではなく、塩水に漬けたもの。最近は市場で見る限り、「山漬け」とか「ふり塩」とかよりも、塩水で立て塩にしたものの方が多い。またパッケージに「脂がのっておいしい」とある。これなど現代の嗜好を顕著に表している。塩鮭を選ぶ場合も「脂が少ないがアミノ酸による発酵がすすみ、風味旨味の増した昔ながらの天然サケ」よりも「風味も熟成による旨味もないけれど脂ののった養殖サケ」の方が好まれているのだ。
 この製品の表示としては「トラウトサーモン・養殖・チリ」とあって消費者が最低限知りたいことを明確に伝えている。この点で三和というスーパーは合格だ。最近思うことだが、大型のスーパーやデパートの方が小さな魚屋や小型スーパーよりも表示はしっかりしている。このあたり個人商店も負けないようにして欲しい。そうしないと消費者の信頼は大型小売店に持って行かれてしまう。
 そして当日、同店舗で目立つ場に置かれていたサケが、このトラウトサーモン(サーモントラウト)、タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)、ギンザケという輸入養殖サケ。そして特売のコーナーにベニザケ、標準和名のサケが置かれていた。
 また100グラムあたりの値段は158円。これは東京近郊での塩鮭の一般的なプライムゾーンだ。八王子、築地など市場の卸値で見ると100円前後、大型の流通業だったらもっと大きなロットでの仕入れとなり、卸値はより低いだろう。まるで工業製品のように生み出されていく養殖サケ、価格も安定しているだろうから「出来るだけまとまった量を取り扱う小売店ほど有利な商品」と言える。とすると、養殖サケは街の魚屋よりも大型小売店(スーパー)で買う方がいいということになる。
●サケの考現学はまだまだ書き進む

市場魚貝類図鑑のサーモントラウトへ
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 さて、和歌山県、魚々ちゃんの通販専門魚屋「魚々ちゃんさかなや」の開店も近い。どんどんホームページの作成は進み。「来週にでも開店の運びとしたいなー!」と勝手に協力者となっている、ぼうずコンニャクは意気込んでいるのだ。
 そこで今回は“ネット上仮想競り”を行います。春に日の紀州和歌山「魚々ちゃん地魚便」あなたなら幾らで買う。(あくまで仮想なので実際にはお魚を送ることはありません)
●中身のご紹介
マトウダイ これは刺身。ムニエル(フレンチではサンピエールと呼ばれる)、煮つけに鍋物
アイブリ  アジ科の魚。身質はメダイに近い。刺身、フライ、煮魚
マゴチ   これからどんどんうまくなる。刺身、洗い
クルマダイ ちょっと小さいのだけれど刺身は絶品。ウロコを取らないままひいた皮の唐揚げもうまいんじょ!
アカエイ  煮つけにしてうまいぞ。コラーゲンたっぷり肌によし
ホタルジャコ これは唐揚げ
キントキダイ 刺身がいいんです
テナガダコ 我が家ではゆでタコ、桜煮
コウイカ(はりいか) 当然、刺身、げそなどは茹でる。天ぷらもうまい
スルメイカ 卵を持ってます。刺身、煮つけ、一夜干し

さあ、これ丸でいくら。私思うに寿司屋さんなどには持ってこい。また団塊の世代のこれから新鮮な魚貝類を極めたいという向きにも最高だ!
また内臓を取って欲しい。もしくは頭もいらないなど意見を聞かせてね。

魚々ちゃんさかなや仮店舗へ
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問い合わせは
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 水産加工の世界は広く深く、なかなかとらえどころがない。早くその筋の文献をあさって調べていきたいと思うのだが、とても時間がないという状況にある。
 その水産加工用語のなかでも特に意味がわからないのが「ロイン」という言葉。

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 要するに「カツオなどを四つ割にして急速冷凍超低温で保存したもの」というのはわかるが、それでなぜ「ロイン」なのか。例えば英語でLoinと言うと腰をさす。例えば牛肉の「サーロイン」がそうだ。まさか魚に「腰」はないだろうし、加工法から生まれてきた新語だろうか? どなたか教えていただきたいものだ。

 さて、市場などに氾濫する「ロイン」、その多くがカツオである。今回の気仙沼ほてい「カツオロイン(皮つき)」というのは気仙沼沖でとれた戻りガツオ(?)を港まで運んで4つ割、即急速冷凍したもの。ボクはこの市場で「とろがつお(トロガツオ)」と呼ばれるものがあると便利なのでついつい買い求めてしまう。「とろがつお(トロガツオ)」というのはその土地土地でいちばん脂がのっている時期にとったもの。もしくは「単に脂ののったカツオの冷凍もの」という意味らしい。これは一般家庭の冷凍庫でも1週間くらいなら味が落ちないもので買い置いてとても重宝である。

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これでキロ当たり1000円ほど。腹側で300円と少しの値段。頭もはらわたもないのだから超お得

 驚くことに、この冷凍ガツオは質の悪い生鮮のものよりも遙かにうまい。例えば食べるとシコっとした食感すらあるし、脂ものって旨味も上々である。冷凍でも低い温度で急速に氷らせるためか自然解凍してもまったくドリップが発生しない。だから黙って出されたら、だれも冷凍物だと思わないかも知れない。

 市場を歩いていて、思うのだけれど冷凍など加工品が急速に増えてきている。また割合は明らかに生鮮品を上回っているように見受けられる。例えばサケ科の魚などはほとんど総てが加工品となる。それにマグロ、カツオ、ホタテ、イカ、タコ、干物全般など冷凍加工されるものを挙げていったら切りがない。この加工品は多種多様で、膨大なのである。すなわち養殖されたものでも天然ものでも、その多くが在庫化できるものとなっている。ボクのような魚貝類を動物としても食材としても捉えている人間には、これはちょっと寂しい。でも漁港を訪ねる旅を続けていると、この冷凍や干物などの加工業の存在がいかに漁業を支えているかが明確にわかる。これは鮮魚の大きな値崩れを防ぐとともに、食物の廃棄を避けることができる。

 閑話休題。
 さて、カツオは足の速い食材である。「だからなかなか仕入れられないよ」と市場ではよく聞かれるのだ。もちろん生の旨さには及ばないが、保存性の優れた冷凍ガツオは寿司屋、料理屋にとっても便利極まりないものだろう。だからカツオをどんどん冷凍加工していいという気はしない。それではただでさえ、失われつつある季節感が、より食材に感じられなくなってしまう。このあたりのほど良さが市場にあるのだろうか? 「トロガツオ」を食べていて思うのだ。
 

気仙沼ほてい
http://www.kesennumahotei.co.jp/
市場魚貝類図鑑のカツオへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/katuo.html


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 和歌山の魚々ちゃんからいろんな魚貝類が届いた。なかにはジンドウイカ、ヤリイカ、スルメイカと3種類のイカが入っていた。なかでもいちばん多いのがジンドウイカである。これは大きくなっても外套長(胴の部分の長さ)が10センチほど。いわゆる「小いか」と言われるものだ。身はやや柔らかいのだが、とても味がいい。
 それを出盛りのアサツキと酢みそで和える。
 げそ、アサツキは茹でて、水分をしっかり切っておく。酢みそは本来、西京みそ、酢、煮きりみりん、からしですっきり辛口にしあげるのがいい。でも、我が家の日常は慌ただしく、また味は子供の好みを無視できない。そこで西京みそ、酢(ミツカンの山吹)、砂糖で田舎風に作り方を崩している。子供が小さいと、すっきりした「からし酢みそ」で和えるというのは無理。我が家の子供達も早く「からし」の辛さをうまいと思うようになって欲しい。
 この酢みそ和えが、まことに日本酒に合う。和歌山からの魚貝類で塩焼き、刺身、フライなどを作って、その合いの手に酢みそ和えがある。これは「まるで料理と日本酒が交響曲を奏でているかのようだ」。当然、「春のテーマは酢みそ和え」である。そして最終楽章が終わるとへべれけだったりする。

市場魚貝類図鑑のジンドウイカへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/tutuika/jindouika.html


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ページを追加

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輸入魚にオオツマリヤセムツ(カージナルフィッシュ)を追加
http://www.zukan-bouz.com/yunyu/suzuki/cardinal.html
コンブ目コンブ科ツルアラメのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/kaisou/kassou/konbu/turuarame.html

掲載種 1888

青森のアネック
http://anec-2004.ftw.jp/
田向商店
http://www.tamukaisyoten.co.jp/

ともに感謝致します


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 ボクが学生の頃、なぜか知らないが、とあるおんぼろアパート全部が同じ学部、同じ学年で占められていた。すなわち、まるで山賊砦のようであったのだ。当然どの部屋も汚く、そしていつもいつも金欠にあえいでいた。そんなところに毎週ある男のママ(本当にこう呼んでいたのだ)がやってくる。コヤツ、実家が横浜の食料品店をやっている。そのママの愛車が三菱ギャランのいちばん高いヤツであって、その座席にスーパーのカゴが4つ、5つ。中にはインスタントラーメンに缶詰、漬物にお米などなどが、ごっそり大量に入っている。
 さてその大部分が缶詰だった。その多彩な缶詰にはいつの間にか人気のあるなしでのランキングが生まれてきた。ダントツ一位は野崎のコンビーフ、二位はマグロのフレーク、そして堂々の三位というのが「さんまの蒲焼き」であった。ほかにもサケの水煮、シーチキン、桃の缶詰などもあったと記憶するが、貧しい腹減り学生に必要とされていたのは「開けてすぐ食べられる」というもの。そう言えば僕たちは野崎のコンビーフのことを「肉」と呼んでいた。そうだ「肉」に飢えていたのだ。

 三位に位置するのが「さんまの蒲焼き」。角のない長方形の平たい缶に入っていて、「蒲焼き」とあるのに煮つけたような味わい。このしょうゆの味わいを炊きたてのご飯にいきなり2缶、3缶、放り込む。それをしゃもじでグシャグシャに混ぜて混ぜて、それが僕たちの定番朝飯であった。なんと飯を炊くという行為をのぞくと、調理時間1分以下という、飢えている男たちには「素敵なタイミング」料理だった。あとは群馬県出身優等生の持ち込んだ辛い大根のみそ漬け。あの「さんまの蒲焼きまぜこぜ飯」がなぜにあんなにうまかったんだろう。その理由は簡単、腹が減っていたからだ。

 それでは、腹減り度の下降した現在では「さんまの蒲焼き缶詰」を食べていないかというと、ときどきついつい買ってしまうのだ。そして改めてどこのメーカーなんだろうと見てみると、ぜんぜん知らないところなのでビックリした。長年買っていて、お馴染みの缶で、模様で、改めて「ちょうした」という文字に行き当たったのだ。
 この「ちょうした」はロゴマークの菱形の一辺一辺が「丁」の字になっている。そこにカタカナの「タ」で「ちょうした」となる。でもなぜ「丁にタ」なのかはまったくわからない。
 まあとにかく、ボクがときどき買っていたのが「ちょうしたのかばやき さんま」という商品名だったのだ。たぶん八王子綜合卸売センター『三恵包装』が毎回仕入れるのが、たまたま田原缶詰だというだけだろう、と思っていた。それで念のために我が家にある食に関するスクラップを見てみると、ちゃんと田原缶詰のことが載っていたのだ。

 小学館「サライ 1993年11月号」にさんまの蒲焼きの元祖として登場している。これが出来たのが昭和30年代。この平べったい缶を採用したのも田原缶詰の3代目社長、田原久次郎だという。ここに驚くべき事実が載っている。この「ちょうしたのかばやき」の場合、サンマを天日乾燥して間違いなく「焼いていた」のである。今でもそうなんだろうか? またこの缶というのは「二重巻締缶」というものだとある。これはなんだ。
 ここで変なことを思い出した。この四角く平たい缶だけ、山などに行くと「鍋変わりに使っていい」ということだ。これはボク達昆虫少年だけのやり方だろうか? コッフェルで飯を炊き、缶詰を開けてバーナーにのせる。「丸い缶詰は火にかけるな」と言われていたのだ。これと「二重巻締缶」ということにも何か関連がありそうだ。

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 さて、ときどきなぜか買ってしまう。「ちょうしたのかばやき」であるが、いかなるときに食べているのかというと、「中途半端な時間に帰宅したときの酒のアテ」なのである。だいたい10時前後、どこにも引っかからないで帰宅、その中途半端さを持てあますとともにコップ酒でもあおろうかとなる。そこにしょうゆ味の濃厚な「さんまの蒲焼き」がぴったりなのである。こんなときにへたにイカの塩辛など出したものなら取り返しがつかなくなる。だから「さんまの蒲焼き」となる。他の缶詰では「ダメ」なのだけれど、それはインパクトの大小に関わると思う。「優しい穏やかな味」よりも「ちょっと個性的」濃厚でややコクのある味でなければならないのだ。

 ちなみにボクは貧乏極まるお父さんなので立ち飲み屋愛好者である。ときどき立ち飲み屋を見つけると入ってしまう。それでも絶対に入らないのが「酒屋系」というヤツ。関西の「酒屋系」はとても見事なもので、ちゃんとうまい酒のアテがある。ところが東京の「酒屋系」はだめなんだよな。肴がこの「さんまの蒲焼き」、缶詰とか乾きものとか、それをいちいち買い求めて店の隅っこで酒を飲む。それなら帰宅して「さんまの蒲焼き」で一杯の方がよしなのだ。

田原缶詰 千葉市銚子市橋本町1982-1 
遠藤哲夫さんの田原缶詰関連
http://homepage2.nifty.com/entetsu/sabakan.htm


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 いきなり自慢するのもおかしいがボクには和歌山に愛人がいる。とても魅力的で可愛らしい。しかも魚屋さんなのである。その和歌山から便りが来た。
 まあ言うなれば「ラブレター フロム 和歌山」ってヤツですな。そこにはまったく艶めいたものは入っていないけど、いっぱい魚貝類が詰め込まれている。アイブリ、マエソ、ソコイトヨリ、カワハギにジンドウイカなどなど。その上、さすが我が愛人である。サメの湯引きまで入っている。
「これで今晩はいっぱいやっておくんなましね」
 そんな粋な心配りだ。
 いい魚があってうまい夕食をとりながら、ボクは魚々ちゃんの「魚々ちゃんさかなや」の開店準備を始めるのだ。

がんばるぞ!

●以上は、魚貝類が送られてきたということと、魚々ちゃんが可愛いという事実以外はあくまで総てフィクションです。こんなこと書かないでもみんなウソだってバレバレかな?


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掲載種を追加

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輸入魚貝類に
オキメダイ
http://www.zukan-bouz.com/yunyu/IBODAI/wwaref.html
ギンワレフ
http://www.zukan-bouz.com/yunyu/IBODAI/silver.html
を追加

アジ科
ヨロイアジのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/aji/yoroiaji/yoroiaji.html

掲載種 1886


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輸入魚貝類はフィレでもページを作成することにした。
非常に情報が不足しているので多くの方にご協力願いたい。

輸入魚貝類図鑑・フィレ図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/yunyu/0001.html


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 ボクにとっては倉敷市児島高洲で貝を取る人である武内立爾さん、本来は陶芸を生業(なりわい)にされている。瀬戸内海で白みる(ナミガイ)やタイラギをとっているというのと、陶芸、なぜか知らないがその人となりを自然児だろうと想像していた。

「一度会ってみたいな」と思っていたところに今回の銀座での昨陶展である。
 地下鉄を西銀座デパートそばの出口から地上に出た。松屋デパートに向かう“松屋通り”をファッションメーカービームスのあるビルの角で右に曲がる。そこからほどなく、やや背高のっぽのビルの地階に「銀座ギャラリーおかりや」を見つけた。
 エレベーターを地下二階でおりるとアプローチもなくすぐそこがギャラリー。そしてぽつねんと立っている精悍な男性が間違いなく武内さんであった。

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 挨拶をしても初めてあったような気がしない。まずは作品を見せてもらう。驚いたことに非常に欲しい皿がある。鉢がある。その作品はボクがまだ若いとき、器というものに対する思い入れに「狭い空間しか持ち得ないでいた」なら受け入れられないものである。なにしろ器から様々な野生というか、武内さんの個性が見えてくる。その根源は色であるようだ。
 あるネットのページを見ると武内さんといえば「辰砂」で有名だという。だから当然鮮紅色に目が奪われるかと思っていたら意外なことに、その青と銀を含んだような黒に強い磁力を感じる。またその黒を浸食する緑。そして武内さん自身に赤と青の話を聞いてから、やっとその色合いの強さを知ったのだ。実を言うと武内さんの器はじっくり目を凝らして見ないと、その真価がわからない。そして手にとって、大振りの魚などを盛りつけるとより魅力的に違いない。

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 武内さんとは倉敷市児島のこと、また魚のことなどいろいろおしゃべりをした。仕事の受け渡し、打合せがなければもっともっと、とりとめのない話を続けていたかも知れない。でも話をするほどにどこか憂鬱なかたまりがボクの中で出来てしまう。これは初めて信楽のガーリー・モーラという人の昨陶展を見たときにも感じたこと。そのときも懐が寂しすぎた。そしてその魅力的な器を手に入れられないで諦めた。今も同じような状況にいる。八方ふさがりの生活にこの器があったらいいな。話を切り上げてお別れするときに、驚いたことに初めてあったボクに板皿を持たせてくれた。

「寿司図鑑にでも使ってください」

 うれしいな。ありがたいな。ちょっと感激である。いい年してちゃっかりし過ぎだろう、と思われてもいい。ボクの中では「この器に合う寿司ネタはなんだろう?」という楽しい問題の回答を探し始めていたのだ。
 さて、この器が「寿司図鑑」に登場するのも遠くないぞ。できればビックリするほどの珍魚にしたい、でも平凡でもこの器が言い画像を作り出してくれるかも知れない。やっぱり新しい器を持っての帰宅は、まだ仕事を残していてもウキウキするのだ。

●武内立爾作陶展は19日月曜日まで。銀座ギャラリーおかりやは朝11〜午後7時、最終日は終了5時
このような個展の時には買う買わないは別にしても必ず作者の声をかけて欲しい。

銀座ギャラリーおかりや 東京都中央区銀座4の3の5 銀座AHビルB2F
武内立爾 岡山県倉敷市酒津1678


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 何度も書いて申し訳ないが、「築地グルメ」とか「築地は食の聖地」なんていうのを信じて場内の寿司屋なんかに一生懸命並んでいるのが不思議で仕方ない。築地の飲食店が他を圧倒してうまいなんて一度も思ったことがない。それは明らかに幻想である。

 築地場内を見て回るべく、朝方7時前には海幸橋を渡るのだが、この時点でやっておくべきなのが腹ごしらえである。いつもはこの時間から9時前までぶっ通しで狭苦しい場内を見て回る。空腹ではとても体力がもたないのだ。そんなとき入るのは晴海通り近くの立ち食いそばの「ゆで太郎」とか場内の「ふぢの」で中華そば。もっともっと時間が迫っているなら大物競り場前の売店で焼きそばパンと牛乳というので済ましてしまう。
 そして場内歩きで疲労困憊して「豊ちゃん」でも「大和寿司」でも並んでまで食う気になれると思う? 絶対になれないだろう。最近は場内歩きの後は思い切って勝鬨橋を渡って「月よし」というのがいちばんいい。もしくは場外「きつねや」の肉豆腐、煮込みでどんぶり飯かな? と残念ながらこの場外「きつねや」は「築地グルメ」なんてバカなことを言っているヤツラのせいで並ばなくてはならなくなった。

 ちょっと蛇足だが場内で働く人でマスコミに取り上げられるような店で食べている人を知らない。もちろん場内にも築地人御用達の店はあるが、一般人の群れ集う時刻にはけっしてそんなところには足を運ばない。むしろ場内の店舗脇でお弁当やてんでに賄い飯を食べているのが関の山だ。すなわち「築地でグルメを気取っている」のは部外者ばかりなのだ。

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 さて、そんな築地人のための食堂といった雰囲気なのが「東都グリル」である。築地人の尻高鰤さんによると築地市場は24時間営業であるという。すると時間帯はバラバラに仕事を終えてくる人たちがいる。そんな人たちがほっと一時を過ごせる場所、それが「東都グリル」であるのが今回わかったのだ。
 海幸橋から晴海通りに抜ける、その左手のビルの地階。あまりにも素っ気ない「東都グリル」のカンバンがある。そして食堂ならではの食品サンプルのケース、そこから階段を下ると、そこはいきなり1970年代そのものの食堂がある。中に入ると思った以上に広い。そして客のほとんどは市場で働く人たち。
 驚くのはそこで働くお姉さんもコック(シェフではない)さんも、タイムトリップしたかのように昭和そのもの。顔つきまでレトロだ。
 実は築地に初めて足を踏み入れてから30年くらいになる。それでいつも前を通りながら気になっていたのに一度もこの店には入っていなかったのだ。いつも一人なので、地階に下りる勇気が湧いてこなかったというのもある。それを鮟鱇さんがいたので敢行できたというわけだ。でも注文した定食はいたって平凡なもの。鶏肉のムニエル、カキのソテー、そしてサラダという取り合わせもよくないし、うまくもない。AだったかBだったかの定食に小ジョッキ生をつけて950円なりで、これまた決して安くない。

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 まあ、うまいもんを食いに来る店ではないというのが判明したわけだが、今回の土曜会の打ち上げはここで執り行った。そして初めてこの店のすごさを感じたのが大ジョッキ生の巨大きさと800円という値段の安さにである。しかも鶏の唐揚げや煮込みなどで散々粘ってもなんの文句も言われない。

 深夜から激務に追われてきた築地人、きっと求めているのは、こんなのんきな食堂でのひとときであるのだろう。けっして「うまいもん食いたい」なんて思っているわけがない。ボクもそんな築地人と求めるものは変わらないな。
 
東都グリル 東京都中央区築地6丁目22-4


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 駿河湾沼津、戸田は底引き網の基地である。しかも深い場所を曳くものと浅場のものがともにある。それで珍しい生き物がドッチャリ上がってくるわけだけど、「うまいのもあれば、まずいのもある」。
 その底引き網があるために沼津は暖海にもかかわらず、水揚げで見られる甲殻類の種類も非常に多い。エビは有名だがタラバガニ科やカニの種類も他に類を見ないほど多い。エゾイバラガニ、イバラガニ、イバラガニモドキ、イガグリガニのタラバガニ科、すなわちヤドカリの仲間。タカアシガニ、オオエンコウガニの短尾類、本当の意味合いでのカニ。などが食用とされている。
 なかでもあまり評判がいいとはいえないのがオオエンコウガニである。漁師さんに言わせると「ワタが臭くて油っぽい」と言う。それでなのか沼津では「あぶらがに(油がに)」なんて呼ばれている。
 それを見つけて沼津の甲殻類学者・飯塚栄一さんが1匹送ってきてくれた。これが1.3キロほどの思いのほか持ち重りのする個体。
 これをさっそく茹でて食べてみる。するとやっぱりワタが臭いのである。でも身には甘味がありうまい。これは最初から油を洗い流して、それから蒸すべきだったのだ。また送って下さいね飯塚さん。

飯塚さんの海の世界
http://www.numazu.to/sea/
市場魚貝類図鑑のオオエンコウガニ
http://www.zukan-bouz.com/kani/ooennkougani/ooenkougani.html


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 まずは裏の原材料から見てみる。それが「焼鮭」である。まったくこれは原材料表示としては最低である。こんな表示に出くわしたら法律的には正しくても消費者としては怒るべきだ。今、国会で醜さを露わに松岡農林水産大臣が「法律通りに詐欺行為をやっています」というのと同じだ。これまでにも書いてきているが「鮭」というのはあまりに中傷的な言葉でしかない。はっきりいって漢字での「鮭」というのは原材料を表示するときには使わない方がいい。提案したいのが本品の場合なら「焼鮭(宮城県産養殖ギンザケ」とすべきだ。わかってくれるかなファミリーマートさんとファーストフーズさん。
 今回のも含めてコンビニでの原材料表示は早急に改めて行くべきだというのがわかっていただけただろうか?

 国内で生産されている天然のサケ類は25万トン前後。対するに養殖されて輸入されるサケ類はそろそろ天然物に迫ろうとする勢いであるというのを書いてきた。また“脂好み”が進みすぎていて明らかに日本人の嗜好は「天然→養殖」という方向性できている。それに過剰に反応しているのが大手スーパーのバイヤーと呼ばれる人たちであり、コンビニなのである。
 その養殖サケの多くは輸入されたものであるのだが、我が国にも養殖サケは存在する。その主要な生産地が宮城県なのである。養殖サケが世界的に主流になるきっかけはノルウェーでのタイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)養殖からである。これが1980年代に始まっている。それに対するに我が国のサケ養殖は宮城県志津川において1960年代後半には研究に着手、1970年代半ばには大手水産会社の主導でギンザケの生産を開始している。国内でサケ養殖の方が歴史的には遙かに古い(養殖サケの歴史では)のである。そして一時は宮城県を中心に産業的にも大きく成長していたのだ。
 これが大きな打撃を受けたのが、チリからの養殖ギンザケの輸入によってである。皮肉なことにチリへ養殖技術を最初に持ち込んだのは我が国の大手水産会社なのである。これが1980年にギンザケ養殖を開始、後に我が国の技術より遙かに進んでいたノルウェーでの養殖技術をチリ国内に持ち込む形で飛躍的に生産量が増え、ノルウェーを上回るサケの生産国に成長する。そして世界的に養殖サケの生産量が増えるとともに価格が大きく下落してきているのだ。
 我が国の養殖技術よりもノルウェーが作り出したものが世界的に見て明らかに優れているとされる。すなわち国産の養殖ギンザケはノルウェーのタイセイヨウサケなどと比べて市場で見ても地理的な条件を加味するとランクが下なのである。その状況を打破すべく宮城県などがすすめているのが県内での養殖ギンザケの質の向上化である。優れた肉質を作り出すための資料の開発、また養殖場の環境の整備などを行っているのだ。この宮城県の養殖ギンザケは非常に美味であることを明記しておく。

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 ネット上には「伊達のぎん」に使われている質の向上化のための飼料の成分表がある。ここには魚粉、小麦粉、穀物、油かす、その他もろもろ。またビタミンや色素成分であるアスタキサンチン、硫酸鉄にコバルトなど見ているだけでクラクラする微量成分が羅列されている。この魚粉の原料はなんなんだろう。種は産地は? これなど『NOSAN』というメーカーの秘密なのだろうか? でも国産養殖とはいえこのギンザケの身体を作り出しているタンパク質や脂質は国産ではないはずである。国内ではそんなに大量に魚粉用の小魚がとれているようには思えない。この魚粉などの原産地も明記すべきだ。なにしろ「養殖魚とは飼料を間接的に食べるもの」なのだから。
 こんなことにも思いを巡らす、また不安を感じずにはいられない人も少なくないだろう。だから原材料には「養殖」か「天然」かをしっかり表示すべきなのだ。

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 つまりファミリーマート「伊達のぎん」というのは宮城県漁連が多大な努力を払って作り出した最上級の養殖ギンザケを使っているということだ。だから1個あたり平均で130円前後のコンビニお握りにあって158円という高いものとなっている。しかもいわゆるフレークではなく、骨を抜いた大きな切り身状である。具があまりに大きいのでうまく塩飯に納まらないのか、手で持つとぱっくり2つに外れてしまう。ここでわかるのがコンビニお握りというのは生産段階でサンドイッチのように二枚の薄い塩飯を作り具を挟むのだな、ということ。決して「母さんが愛情を込めて握りました」というのではないのだ。でもギンザケの味わいもいいし、またご飯もふっくらしている。やっぱりコンビニお握りはよくできている。

 でもこれを食べると言うことが自然に、または子供たちの時代に優しいのかどうかは「わっからねー」ぞ。

ファミリーマート
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ファーストフーズ
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市場魚貝類図鑑のギンザケへ
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 築地土曜会ではボクも3点買い物をした。それは青森県大間産のツルアラメと鮪の500円パック、そして氷代わりの冷凍ばち(メバチマグロ)のカマ200円なりを一本。
 このカマを帰り着くなり、みりん、酒、塩、しょうゆの地に漬け込む。後はそのまま気にしないで冷蔵庫にほったらかしておく。これを昨日、思い出したの如くとりだして晩酌のともとする。

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 作り方は出来るだけ時間をかけてじっくりと焼くだけ。けっしてオーブンなんか使わずに、魚焼き器にのせて最低限の弱火とする。表面は多少黒くなっても大丈夫。カマ一本に1時間くらいかけて四方八方、向きを変えながら全体に焦げ目をつけるのがコツ。
 この酒の肴の代金200円(税はオマケしてくれた)と調味料代だから足しても210円にもなりはしない。こんな安〜い代物が信じられぬほどにうまい。ボクの酒の肴なのに家人と娘が脇でほとんどを食い尽くす。ボクは単にそのまま食べているだけ。それに対するに家族は田舎から送られてきた八朔(みかん)をむいてそれにのせて食っているのだけど、八朔一個とカマ一本の大半がきれいになくなってしまった。

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 あんまりうまそうなので真似をしたら、これが何とも、言うにいわれぬほどの美味。でもこれが最後の一切れだったのである。残念だ!

市場魚貝類図鑑のメバチマグロへ
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サバ科を改訂

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マルソウダガツオ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/marusouda.html
ヒラソウダガツオ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/soudagatuo.html
改訂

イソマグロのページを作成
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掲載種 1843


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フグ科を改訂

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コモンフグのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/fygu/fugu/torafugu/komonfugu.html
カナフグのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/fygu/fugu/sabafugu/kanafugu.html

掲載種 1842


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 前回築地に行くたびに長崎県漁連に立ち寄ってしまうと書いたが、本当にここは面白い。また最近、市場での魚が払底気味なので余計に気になる存在となっている。
 そこで土曜日に「あれれ? これは珍しい」と思って買ったものが2種。これが美味しい魚であり満足したんですが、大失敗でした。

 実はイトヨリ科タマガシラ属の「タマガシラじゃない魚」かな? と思ったのがタマガシラ

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ハタ科マハタ属の「コモンハタじゃない魚」だと思ったのが、そのものずばりコモンハタでした。

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コモンハタは成魚と幼魚の文様が思った以上に違っているので自分でも納得出来るのですが、タマガシラはまったくの大失敗。

こんど長崎県漁連にいったら入江さんに報告しなきゃいけない。
でも両種ともうまかったんだぞ!

長崎県漁連
http://www.jf-net.ne.jp/nsgyoren/


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昨日一日かけて笠沙からの魚貝類を撮影、そして食べてみました。非常に疲れたのですが、それ以上に楽しい時間でした。
コモンフグの同定も現物を前にするとそれほど困難ではないというのがはっきりしました。


イセエビ科の幼生
シビレエイ、カタボシイワシ、ヒラ、オニオコゼ、
ヨロイアジ、ロウニンアジ、ミナミギンガメアジ、ギンガメアジ、
イソマグロ、
コモンフグ、カナフグ、
ハルシャガイ、ムラサキダコ、タカベガイ、ヤマトシジミ、
ゆでふか

わかしおさんの「お魚三昧生活」へ
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/komendago


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 鹿児島県笠沙の、わかしおさんからイソマグロやカタボシイワシが送られてきた。本日はこれと格闘する。昨日に買ってきた長崎の魚と共に体力の限界に挑戦しての撮影だ。
 魚の他にサメの湯引きやヤマトシジミらしきものも入っている。シジミは千葉の海人つづきさんに貝殻を送らねば。それにうれしいことには長年探し続けてきたコモンフグが入っている。
 いったい何時までかかるか? 朝から昼を過ぎても一向に魚は減らない。
 ありがとう! わかしおさん。

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 外に出たら思ったよりも寒い。自転車のライトの発電機をゴロオオオオコロイイイイと言わせながら駅に向かう。5時過ぎの中央線はまだ各駅停車である。この中央線旧車両内がまた予想以上に寒い。有楽町には6時15分に到着。晴海通りの都バスの始発がなんと6時36分からなのだ。大失敗。仕方なく地下鉄で築地へ。

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今回はここから築地市場に入る。人の少なさに驚く

 まずは長崎県漁連直売所。ここは鮮度はもちろんだが、珍しい魚がある上に安い。入江さんに挨拶だけしていこうとしたら、どこか気になるタマガシラの仲間を発見。これを入江さんに確保してもらってから波除神社に向かう。境内でいるとほどなく尻高鰤さんが顔を見せる。待つほどもなく、参加者が集まってくる。ひとりひとりの説明は避けるが、女性は皆美人さんばかりなのに、ボクをはじめ男性陣ははっきり言ってオヤジばかりだ。知人の息子にあたるスナオ君のみ二十歳代。そこに最年長がカメラマンの田中さん(以後チョートクさん)で還暦なのだけれど年齢分布はどちらかと言えば「チョートクさんシフト」。きんのり丸さん、鮟鱇さんと揃い踏みして場内にもぐり込む。

 3月の春めいた土曜日。驚いたことに場内は閑散としていた。またこれと言った魚が見あたらない。やはりどこにいっても目に付くのがトリガイである。
 場内はすいすいと歩きやすい。参加人員は12人となって、少々心配であったのが、じっく品物を見てもまったく支障がない。
 途中、ぶどうえび(ヒゴロモエビ)、ぼたんえび(トヤマエビ)などいいものがあるなと思っていたら、店内にいた顔なじみから声をかけられる。なんと「高梨」の店長ではないか?
「こんどこっちに移ったんだよ」
 そこで女性たちが、ぶどうえび(ヒゴロモエビ)を少量ずつ購入。なにしろキロ当たり13600円という値段である。一度は味わってもいいと思うのもの、出来るだけ少量購入するのがいい。これをあえて参加者に勧めたのは、これを都内で刺身でもにぎり寿司でも注文する。となると値段はいかばかりかと考えるに間違いなく1匹あたり千円以上、ときに2千円はとられる。それならばここで千円か2千円だして味見する方がいいに決まっているからだ。

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「虎定」の椿社長に挨拶

 後はトリガイのタテ、また剥いたトリガイなどをそれぞれに購入していただく。ボクの真後ろに着いてきているチョートクさんのお目当てはマグロの500円パック。そこに切り落としキロあたり1300円の破格のものを発見。チョートクさんいきなり2キロ全部買おうとするのを参加者4人を募って「4等分」とする。実をいうと築地内での買い物のコツのコツがこれ。何人かで回るのなら、出来るだけ大きな単位を、人数分で分けて購入する。すると売る方も助かるし、買う方も無理をしないですむ。

 いちばん後ろにいる鮟鱇さんのデカイ図体を確かめてからまた進む。
 すると、きんのり丸さんが行方不明となっている。
「まあ大人なんだから大丈夫でしょう」
 ほったらかしてどんどん場内歩きを続ける。なんとこのとき、きんのり丸さんはトイレを探して隅田川に行き着いていたのだ。あとどう致したかは想像に任せる。注/築地場内にはトイレがたくさんあるのだ。

 今回の場内巡り、場内入り口に近い通路2本をはぶいてしまっている。それでも長い長い場内の通路5本分、人をよけ、ターラーや荷物をよけながらの1時間半である。その間にお買い物をするのだから慌ただしい。
 やっと場内を抜け出して大都魚類の会議室にたどり着く。ここで鮮魚の達人 山根 博信さんも合流。座談会形式でいわゆるオフ会というのをやる。これが意外に面白い。プロの立場である。きんのり丸さん、山根さん、尻高鰤さん、ともうすでに一般人の感覚をなくしてしまったボク、ぼうずコンニャク、そして明らかに市場初体験の方達での会話はなんとも新鮮。また勉強になった。

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男ばかりの打ち上げは“美しくない”。でも楽しい。東都グリルの大ジョッキの大きさに注目。これが630円なのだ!

 会の終了は11時を過ぎてしまっていた。以後解散。
 チョートクさん、きんのり丸さん、スナオ君、ヒサマツさん、千葉の海人つづきさん、鮟鱇さん、ボクの7人で東都グリルで打ち上げ。なんだか盛り上がり、「もう帰りましょう」と時計を見ると2時を回っていた。皆さんヘベレケとなっている。ボクとつづきさんは千鳥足で銀座方面に消える。皆さん、後はどうなったんでしょうね。遭難していなければいいけど!?

田中長徳さんの「MJチョートクカメラ日記」
http://www.mjchotoku.com/index.php
鮟鱇さんの「色々だらだら」
http://blog.goo.ne.jp/lophius_2005/
きんのり丸さんの「第二きんのり丸 里海の会」
http://www.kinnori.net/
鮮魚の達人 山根 博信さんのブログ
http://www.esakana.jp/


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 我が家での煮つけは汁少な目に作る。また鮮度によって作り方を変えるのだ。
 鮮度のよい、またクセのない魚のときには、酒・みりん同量、醤油と水を合わせて煮立ててから、水洗いした大きな魚で汚れにないものはそのまま入れる。もしくはやや小魚であったり、ウロコや汚れが気になるときは湯通し、冷水にとり小さなウロコなどをとってから入れる。これを煮て、ちょうど仕上がるときに搾り生姜をたらす。
 鮮度が今イチよくないときやクセのある魚のとき。まず魚を水洗い、ときに切り分け、これに振り塩をする。20分くらい待ち、これを熱湯で湯がき冷水にとり汚れやウロコなどをきれいにとる。鍋に酒・みりん同量、醤油と砂糖、水を合わせて、そこに処理した魚も入れる。ここに生姜も加えてはじめて火をつける。
 これらを煮汁がトロっとなるくらいまで煮あげる。火加減は最初は強火、沸騰してきたら中火、そして最後にまた強火にする。この煮上がりにプロは足しみりんをする。テリが出るからなのだが、一般人は必要ない。甘味が足りないと思ったときのみ加えるように。また「みりんは硬くなる」「酒は柔らかく」と覚えておこう。柔らかくしたいものには「みりんを入れない」「煮くずれしやすいものには、みりんが必要」なのである。
 さて、今回の目的はここにネギを入れること。ネギと生姜に風味はケンカしないのだろうか? 田向商店のものはネギの風味が勝っていた。でもそれはプロであり、一度にたくさんの魚を煮ることが出来るという利点がある。だからあのような汁だくさんの穏やかな味わいが生まれるのだろう。我が家の煮魚はいつも最小限しか作らない。必ず食べきることを主眼としている。もちろん煮置きしたのは、これはこれでうまいのであるが、やはり煮立てにはかなわない。
 すけそは白身であるのに、そこに独特の風味というかクセがある。これが持ち味と言えるだろう。だから“すけそ”を好んで煮つけにする地域があるのだ。使ったのは内臓では肝だけ、あとは身を適当に切った。これを振り塩、熱湯に通して、冷水で洗い、水気を切り、合わせた調味料のなかで煮あげたもの。鮮度的なこれは致し方ない。
 考えてみると、すけその煮つけは久しぶりである。ボクはすけそ(スケトウダラ)もマダラも、少し落ちるがコマイも、煮つけにするのが大好きだ。何と言ったらいいのだろう? タラ科の魚だけが持つ、この白身の香り、そこに醤油とアルコールの旨味が加わり、なんとも言えないのだ。
 そして肝心のネギだが、「入れてよかった」のである。ネギの香りも、そしてネギ自体も素晴らしく美味。ついつい身をついばむように食い尽くし、煮汁で2杯もご飯を食った。子供にも大好評で、満足至極の朝飯となったのだ。

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市場魚貝類図鑑のスケトウダラへ
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 カツオを一本買い求める。刺身や同じように生っぽい「たたき」だけでは食べきれない。だから唐揚げ、中落ちの煮つけなども作って食卓に並べる。それでも翌日、一般家庭だとまだまだカツオは残るだろう。そんなときに作るのが「カツオの揚げたたき」である。

 これはいわゆる「たたき」よりも数倍簡単で失敗のない料理である。なにしろ強火で表面をコンガリと揚げるだけなのだから。
 まず予めタレを作っておく。基本は酒1、みりん1、ほんの少しの砂糖、しょうゆ1。まずは酒とみりんを合わせて鍋に入れる。火をつけてアルコール分が飛ぶくらいに湧かす、すぐに火を弱めて砂糖を加え、最後にしょうゆを入れて味をみる。好みの味加減ならすぐに火を止めて冷やす。
 カツオ4分の1は高温の油で表面がかりっとするほどに揚げてしまう。よく油を切ったら熱いウチにタレに漬け込む。火の通し加減は好みで。我が家は子だくさんなのでやや強く火を通す。
 切り方も適当でいい。スライスオニオンやネギなどをあしらい新しいタレをかけて出来上がり。あとはマヨネーズだろうが柑橘類だろうが、好みの食べ方で食べる。

市場魚貝類図鑑のカツオへ
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鹿児島県南さつま市笠沙の定置網漁師わかしおさんのブログをリンクに追加。

お魚三昧生活
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ゲンゲ科を改訂

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カンテンゲンゲのページを改訂
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シロゲンゲのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/gengeamoku/genge/sirogenge.html

掲載種 1840


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 テンジクタチというのをご存じだろうか? 天竺太刀魚というくらいだからどちらかというと亜熱帯の魚なのである。これ、たぶん誰も知らないのではないだろうか? 珍しい魚? と言えばそうでもない。よく市場などで見かけるのだ。見かけてもほとんど総ての人が「タチウオ」だと思って見過ごしてしまう。それほどにタチウオそっくりなのである。
 見分け方は背ビレと目、そして鋭い歯の並ぶ口の底が黄緑色であること。気にして見てみると見極めはいたって簡単である。
 ただ見分けるのが簡単であっても、タチウオと区別する必要性があるのかというと疑問が残る。なぜならテンジクタチもタチウオに負けず劣らずにうまいからである。

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よく見ると、背ビレが黄緑色である。中央の背ビレが透明なのはタチウオ

市場魚貝類図鑑のテンジクタチへ
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市場魚貝類図鑑のタチウオへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/tatiuo/tatiuo.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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東京のさかな

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「東京のさかな」についてページを作成し始めてやっと25種となった。まだ少ないページであるが、だいたい基本形ができつつある。
「東京のさかな」
http://www.zukan-bouz.com/tokyo/mokuji.html

●関東でのさかなの取り扱いに関する情報、思い出をお持ちの方、ご協力願いたい


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「毎日食べても飽きない、もっともっと食べたくなる」のがトリガイである。しかも今年は安い。ついでに菜花、コウサイタイ、小松菜などの薹(とう)も出回りが早くこれまた安いではないか。この時期郊外で暮らしていると薹立ちしてしまった十字科の菜を安いから買ってしまいがちだし、よくもらうものだ。また知り合いの農家に立ち寄って勝手に花芽をつみ取ってくるのも楽しい。この安い、そして出盛りの食材を合わせる。
 十字科の菜たちは苦みがトリガイと合わせるにもの足りない。ちなみにトリガイと合わせるのはウド、ボウフウがいちばんだとは思うがあくまでも家庭料理なのであって、通ぶり、こだわるのはむしろ野暮だ。料理というのは、そのときどきにあり合わせを使って作るからいいのである。決して買いそろえるなんて大バカ野郎なことはしてはいけない。

 トリガイを丁寧に開いて、湯通し、氷水にとって水気を切る。菜の花はゆがいて水切りをして適当に切る。これを器にてんこ盛りにする。家庭料理なので「もりもり食べるべく」盛りつける。
 酢みそは菜の花側に置き、トリガイには着かないようにする。トリガイは家族銘々、わさび醤油、ポン酢(柑橘類を落とした醤油)、酢みそなど好みで味わいたいからである。
 酢みそには子供が嫌がるのでからし抜き。めんどくさいので大人用にからし酢みそを整えたりしない。春はなにかと忙しいのだ、一般家庭のお父さんは。

市場魚貝類図鑑トリガイのページへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/zarugai/torigai.html


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 水産の世界には魚卵を主に扱う業者というのがいるそうである。その実体を知らないのであるが、標準和名でサケ、カラフトマス、ギンザケ(少ない)、スケトウダラ(たらこ)、マダラ(まだらこ 少ない)等の卵を取り扱う。まあ主な商品としてはスケトウダラの「たらこ」とサケの「イクラ」「筋子(すじこ)」ということになる。
 この「イクラ」と「筋子」の違いは本来はサケの卵の成熟度によるものである。「またあるていど成熟したものでも「イクラ」というのは丁寧にほぐすという工程があり、例えばアメリカでとれたサケなどの卵はほぐさないで「すじこ」として加工するという。そして今回の「筋子」の原料である「鱒子」であるが、まあ良識的に考えるとカラフトマスの卵だろう。この卵は卵粒が小さく、あまり商品価値の高いものではない。だから成熟が進んだものでもほぐさない。もしくは未成熟のものが漁期では多くとれるなどの理由があるのだろう。

 でもなぜに原材料が「鱒子」なのか? きっと業者としては「鱒=カラフトマス」、という常識と「鱒子」という言葉に馴染みがあるために知らず知らずにそれを消費者にも押しつけようとしているのである。そしてたぶんこれには農林水産省もあまり気にも留めていないように思える。そうでもなければ、世に出回るカラフトマスの卵商品の多くが「鱒子」となって流通している理由がわからない。
 ボクが思うに原材料名に「鮭」「鱒」という文字、最低限漢字は排除した方がいい。なぜならばこれほど曖昧な言葉はないからだ。古くは我が国において「鮭」というのは唯一標準和名のサケを差す言葉であった。だから「鱒」とあればカラフトマスに決まっているだろう、という常識が成立しえたのだ。でも今の世の中サケ科の食用魚は増えに増えている。「筋子」であってもギンザケであったり、ときにはアトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)のも流通しているのだ。「鱒」「鮭」という言葉ではとても原材料を正確に表現できない時代が来ているのだ。
 消費者がこの「醤油すじこ」を買う。原材料を見て「鱒」という魚がいるんだと思う。その「鱒」とはニジマスなのか、もしくはただ単に「マス」という魚がいるのかわからないだろう。たぶんほとんどの消費者がカラフトマスにいきつかない。例えば今回の「醤油すじこ」の加工業者、大興水産自体は水産業界の常識で「鱒子」としているのであって悪意はないのだろうが、出来れば標準和名での表示に変えてもらいたい。

 ここ数週間は旧正月前後と言うことで鮮魚が少ない。そのせいなのか「鱒子」をそこここで見かけるのだ。当然、原材料表示は総て「鱒子」、そして産地は圧倒的にロシア、ときにアメリカである。これを冷凍輸入して醤油やみりん、砂糖、塩で調味する。合成着色料、発色剤、防腐剤なども添加して、冷凍保存して在庫化できる商材である。値段は小売値で100グラム前後で300円前後となる。「だいたいアメリカなどからのサケの筋子の半額近いものでしょう」とは塩干の仲買からの話。この安さから、よく売れているという。
 それではと1パック買ってくる。そのままご飯にのせて「鱒子ごはん」でお昼とする。これが意外にうまいのだ。冷凍流通だし、苦みは確実にあるものの魚卵のもつ濃厚な旨味が感じられ、味付けも上手である。これなら出来るだけ無添加とし、パッケージを紙パックにするなど使い勝手、エコロジーのことも考慮にいれる。加えるに表示を正確にすればもっと人口に膾炙するはずである。
●今、ベニザケなどの魚卵に関する情報を探している。

大興水産
http://www.taiko-suisan.co.jp/
市場魚貝類図鑑のカラフトマスへ
http://www.zukan-bouz.com/sake/karafutomasu.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 土曜日に買ったカツオは「ちょっと小さい。でも思ったよりは脂がある」というもの。夕食は雛の日であり、子供用にあれこれ取りそろえている。そこに欲しいのはボクと妻の酒肴だけ。じゃあカツオもそんなに濃厚なうまさよりもさっぱり食べてしまおう、と考えて“塩たたき”にする。
 カツオは4つ割にする。皮目をよく焼き、熱い熱いと悲鳴を上げながら平造りに。これを大急ぎで横倒しにして塩を振る。これで出来上がりなのだ。カツオの身はまだ熱い。それにスダチをふりながら食らう。春のカツオだから脂はなく味わいは軽い。まるで梅の香りのように爽やかである。
 と、妻の方を見ると、マヨネーズたっぷりに生醤油、それをカツオの身にてんこ盛りにして桃の酒(サントリーの銀座カクテルといったもの)を飲(や)っている。これもいいのだろうか? そう言えば、もうあと2切れしかなく、よくみると子供たちの手塩皿にもマヨネーズしょうゆがある。もう一回造るしかない。

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横倒しにしてやや強めに塩を振る

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ボクは徳島県人なのでスダチ。カボスでもユズでもいい

市場魚貝類図鑑のカツオへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/katuo.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 高知市を流れる川が土佐湾に注ぎ込もうとするのが浦戸湾。もうすぐ太平洋というところで真水と海水の混じり合った汽水の豊かなところである。
 高知市の永野廣さん、昌枝さんはここで漁師をしているのである。とれますものはアサリにハモ、ヒラメ、そして高知名物えがに、トゲノコギリガザミである。"えがに"はカニの中でももっとも美味なもの。そして取り分け冬にとれるメス、その内子がなくちゃ土佐料理は語れない。毎年、永野さんにこの至味をいただき、締めくくりに作るのが贅沢なトゲノコギリガザミの内子入り蟹玉。
 ハサミの先、足の先までせせりとった身と、やや半熟の内子。これを卵に溶き込み強火で玉子焼きを作る。強火なので真ん中あたりは半熟なのだ。そこに甘酢あんをかけて、またまた上から内子を散らす。
 たぶん蟹玉としては世界一うまいんじゃないかな、これ! でもこんな美味を朝ご飯用に作ってしまうのは犯罪行為に近い。

土佐の廣丸へ
http://www.zukan-bouz.com/zkan/hiromaru/index.html
市場魚貝類図鑑のトゲノコギリガザミへ
http://www.zukan-bouz.com/detail.php?id=227


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ヤエギスのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/suzuki3/sonota/yaegisu.html

ニギス目を改訂
セキトリイワシ科を追加
セキトリイワシのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/fish/nigisu/sekitoriiwasi.html
タナカセキトリイワシのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/fish/nigisu/tanakasekitoriiwasi.html

以上3種を提供していただいた。沼津市大成丸さん、沼津魚の達人・菊地利雄さんに感謝いたします。

掲載種 1839


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 先週は疲れたな!? 目覚めたのは6時半。寝床でうつら、うつら、まどろむ。なかなか起きあがる気になれないのだ。それでも本日はお魚大好きという、出丘くんが市場に来る日であり、なんとか踏ん切りをつけて寝床を飛び出す。

 姫と渡る浅川、その空の色合いは灰色に薄ぼんやりして、クルマから下りると肌寒い。
 まずは『市場寿司 たか』に沼津から来たセキトリイワシをあずける。そして姫と市場をまわるになかなかの人出となっている。コリアンフーズでは居酒屋『稚内』の女将さんとカヤさんが朝ご飯にちらし寿司。そうか「いくつになってもひな祭りなんだ」と感心する。その年老いたお姉さんお二人と無駄話をしている最中にケータイがなる。出丘くんとは2ヶ月ぶりということになる。
「たかさんの店の前にいます」
 というので、あわてて『市場寿司 たか』に向かう。その時点で、たかさん「もうすし飯がないんです」とお客を帰している。店の前には準備中の札がかかる。

 店に入った途端に、「ねえ、アンタも食べるの」ときた。
「当たり前でしょ。すし飯ないの」
「あるよ」
 出鼻から脅してくれるではないか? そしてボクにはセキトリイワシの握り、そしてミナミマグロの八の字。出丘くんには昨日、雑誌『つり丸』が持ち込んだとびっきりのネタで“つり丸スペシャル丼”。これは『つり丸』の次回の特集記事用に使ったもの。当然、釣り雑誌が持ち込んだものなので、昨日釣り上げたばかりのそれこそ「とれとれぴちぴち」の魚である。

「マアジはどこで釣ったんだろうね」
「今なら二宮沖かな。瀬の海っていうんだけど。イサキは外房だと思うな」
 
「つり丸」の編集者小林さんが持ってきた魚の産地にあれやこれや想像を巡らしていると、ほどなく出丘くんの前に“つり丸スペシャル丼”が置かれた。こ・これがすごい。昨日釣り上げたばかりのイサキ、マアジ、ムツ、キンメダイ、ついでにミナミマグロの八の字、自家製出汁巻き卵。
「これいいですね!」
 出丘くんも驚きを隠さない。もっとも残念ながらボクは見ているだけ。
 しかし、たかさん、これは見事だね。“きっと”マアジの味わいは旨味があるものの、シコっとした食感。そこにキンメの端正なしっとりした甘味とクロムツの身の微かな酸味、それに八の字の脂が全体をまろやかにまとめてくれそうだ。

 こんなのを見せられると、確かに忙しいときは別にしても「寿司屋ではネタをいろいろ聞いてみる」べきだと思う。思わぬうまいものが目の前に現れるかも知れない。もっとも今時の街の寿司屋でそんなことをしたら幾らかかるんだろう? って考えると心配になる。
『市場寿司 たか』なら、こんな豪勢なものを食べて“豪海投げ込み丼スペシャル”と同じ値段、すなわち1000円ということだってあり得る。もしくはいいマグロとか値の張るものをのせても2000円はいかないだろう。

 さて、ようよう春めいてきた雛の日に出丘くん、満足していただけたろうか?
 
つり丸へ
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市場寿司 たか
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市場魚貝類図鑑
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