うまいさかなが食べられるところの最近のブログ記事

今回、ボクが食べ歩きの世界の目標としているブロガー、つきじろう風にやってみたいと思う。
常々、つきじろうさんの撮影法、もうひとりナベヒロさんの探求心に学びたいこと多々、と書いておく。

5月15日、16日と熊本県上天草市にいた。
上天草市大矢野は彼の天草四郎の生まれ故郷。
この大矢野には、ものすごく下品な天草四郎の記念館がある。
だいたい天草四郎の残したものなど皆無であるはずなのに、なぜ記念館があるのか?
こんなもの造るくらいなら、美輪明宏の写真を飾った方が数千倍増しだ。
こんなものがあること自体不思議だし、美しい天草の景色を汚しているし(景色を汚す建築物は一刻も早く破壊せよ!)、いやな気分になるが、その正面にある「さんぱーる」という道の駅がよかったのである。
(天草って、本当に美しいところなのだよ)

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道の駅評論家のボクをしても全国でトップクラスと思えるもの。
お宝どっさり、ここでいるとどんどん時間が消えていく。
だた、「さんぱーる」ってのはなんだろう?
地元の出口さんに言わせると、昔天草は真珠養殖の盛んなところであった。
そのパールに「さん(太陽)」をかぶせた模様だが、「上天草物産館」を主にして「さんぱーる」は脇の方にどけてはいかがかな。
ボクはこのような子供っぽい、言葉遊びが大嫌いなのだ。
旅人にはわけがわからん。
施設名は親切な方がいい。
いけませんね。つきじろう的ブログから逸脱している。

さて水産物を売る建物にあったのが地元産のウニ。
ムラサキウニだというが、色合いがバフンウニのようだ。
これがうまそうで、思わず買ってしまいそうになるが、天草から関東では宅急便でも中一日かかる。
落胆していたらレストランにあったのが「うに丼」。
品書きの写真を見たら、くだらない脇役を排除したウニだけ丼で、このまま写真のままならうまいに決まっている。
しかも定食で1500円というのが素晴らしい。
「うに丼」と「この四郎魚〜ざ(300円)」と、ビールの小瓶なんぞはありませんか? と聞くと地元風のオバチャンがいかにもイヤな顔で「ビールは大きいのしかない」という。
「おーい! オレは車では来てませんよ!」
最初に「この四郎魚〜ざ」。
地元で上がるコノシロをミンチにしてスパイスなどともに餃子にしたもの。
そして本命が期待通りの姿でやってきた。

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くだらない工夫がないのがいい。
ご飯の上にほどよい量のウニがのり、食う前にうまい、のがわかる。
いきなりそのまま本命を箸でひとすくいしたら、すぐにウニの甘みがどーんと来て、ウニならでは味わいが、これまたどどどーんとくる。

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ウニには九州特有の甘い醤油が合う、これも大発見だ。
味つけはこの地元の醤油だけ、いいのだよ、いちばん、これが。
ボクがお金持ちなら、3000円出してもいい、そう思えるくらいにうまい。

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「この四郎魚~ざ」もよかった。
当初の予定では、こちらを肴にして、川本流を決め込みたかったのだが、残念。
ビールをあまりたくさん飲めない、自分が腹立たしい。
さて上天草市ではコノシロを好んで食べる。
鮮度がいいものはなんと言っても刺身がうまいという。
コノシロ一尾を使った「このしろずし」は名物ともなっている。
残念ながらこの餃子、コノシロを使った意味はあまりない。
でも、間違いなく餃子として美味。
やっぱりビールが欲しいな。

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さて「うに丼」の脇に着いてきたのが「かんちょそば」。
漢字で書くと「甘藷そば」で、こっちの方がわかりやすい。
サツマイモの粉で作ったそばのこと。
少々、洗練されすぎて、本来の良さはないと思えるものの、これも名脇役としておこう。
「さんぱーる」のレストランの品々、品書きを見る限り地元の産物をよく生かしている模様。
上天草に行くなら、ぜひ立ち寄るべし。

上天草物産館 さんぱーる



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島根県浜田市でもっとも予約がとれない店なのだという、この路地裏の『海旬』は。
浜田駅から5,6分で行けそうだが、とても旅人には行き着けない。
行き着けないけれど、旅人こそ、旅費を使ってものれんをくぐっていただきたい店だ。

この日、島根県水産課の仕事で浜田市の駅に着いた。
夕方着で駅前のホテルでほっと休んでいると、地元のイッチャンが「早く行きますよ」と催促してきた。
駅前で待ち合わせて、そぞろ歩き。
着いたのはまっさらな木の香漂うがごとくの新しい店であった。
この店の構えが旅人を惑わせる。
一見チェーン店を思わせる、所謂へたくそな造り。
安っぽいのである。
都会から来ると、とてもこのような店で地元の美味を食べられるとは思えないだろう。

だが、ここを「一押し」だとする、これまた地元民のタメさんは、かなりの食通である。
「食通」というのは、多くの場合「バカ」というのに等しいが、タメさんの場合、「バカ」ではなく、実践的食通「本物」らしい。
タメさんが押すなら間違いない、だろう。

さて店内も今時のものだ。
けど、それほどケレン味があるわけではない。
掘りごたつ式のテーブルについて、そこに一皿。
こいつがイサキの真子、白子の煮つけ。

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「煮つけなのか」とやや落胆して箸をつけたら、この味つけがただものではない。
見事なのである。
この一皿でどんどん期待がふくらんでくる。
なぜなら、シイラ、アイゴなど夏魚の卵を浜田人は好んで食べるのだ。
それを素直に最初の一皿にしている。

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刺身はイサキ、ヒラメ、本マグロ。
たぶんこの総てが地物である。
みな脂がのって、うまい。
そこにアカアマダイの塩焼き。
なんとなく技巧派のボクサーのような打ち出し方だ。

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ここで一悶着。
イッチャンが「ボクのは小さい」と文句を言い始めたのだ。
そろそろイッチャンも大人になって欲しいものだと思いながら、口に運んだアマダイの一切れが口の中で一閃。
「うんんーーん」とうなるぐらいにうまい。
ここでふと勘定が心配になり、タメさんに聞くと、「大丈夫3千円ですから」。
東京では、このアカアマダイの焼きものだけで、それくらいしそうではないか。
そしてイサキの煮つけ。
塩焼きではなく、煮つけというのが海辺の町らしい。

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居合わせたダンキチさんも、カールさんも、松さんもかなり感激している様子。
ヒーフーミーヨ、4品総てがうまい。
「うまいですね」
なんて話していたら、実は最後にもっと強烈な一品がきた。

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焼いたアマダイのだしでたいた雑炊である。
味つけが絶妙。
ほどよい塩加減にアマダイの旨みが生きている。
だいたい酒を飲むと炭水化物をとらない主義のボクであるが、ついつい土鍋からお代わりをすくい取ってしまう。
まことにうまいとしかいいようがない。

浜田市は東京から遠いのだ。
石見空港を利用しても、出雲空港で松江観光のついでに寄るにしても遠い。
旅費だけでかなり懐が痛みそうだ。
けれども、その旅費を払っても、来る価値大の店なのである。

海旬 島根県浜田市田町1647 松本アパート 1F‎電話0855-23-2906


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海辺の町に出かける。
定置網などの水揚げを見る。
多種多様な魚が、まだ生きている、跳ねている。
例えば島根県だと、マダイがイサキが脂ののったマアジが、地味ではあるがクロヤ(メジナ)が、福岡ではアブッテカモ(スズメダイ)が、天然クルマエビが、選別されては競り場に並ぶ。
まことに官能的で胃袋をギュギュウ締め付けるような光景だ。
旅人はここで大いに期待をふくらませる。
この町ではさぞやうまい魚が食えるだろう?

大きくふくらんだ期待が〝どおり〟となったことは、非常に希である。
産地に行けばうまい魚が食べられるはずだ、は幻想である。
産地でうまい魚を食べることほど難しいことはない。
ましてや旅人にとっては、まさに至難。

なぜなんだろう?
せっかく地物が、こんなにたくさん水揚げされているのに、その夜の宴に出るのがアイスランドの甘エビ(ホンホッコクアカエビ)であったり、鹿児島産の養殖カンパチであったりする。
海辺の町でロシア産のズワイガニが並んでいたのには、卒倒しそうになってしまったっけなー。
ここで旅人は深い深い絶望感にさいなまれるのだ。
例えば千葉県の外房の民宿で出た甘エビに、山陰の漁港の町の宴で出てきた養殖カンパチに、たぶんそんなことはないだろうけど、究極の〝嫌がらせ〟をみてしまう。

じゃあ、どうしても旅先でうまい魚を食べたくなったら、どうすべきか?
それは地元の人の行く店に、地元の人の案内で行くしかない。
漁港の町で暮らす人は、間違いなく〝うまいさかな〟を知っている。
不思議なことに〝うまいさかな〟が食べられる店は〝それらしい〟外観ではない。
連れて行ってもらって、初めて知る、そんな名店が多い。
そして名店に出合ったら、私誰にも教えない、というのを信条としている。
ここでいう店は居酒屋、料理店、小売り店など、とにかく〝うまいさかな〟が食べられる店、買える店をいう。
この実は私が死蔵する、誰にも知られたくない情報を、少しずつ「いやだけれど」公開しようと思う。
このブログテーマを読んだ方は出来るだけ、誰にも教えないで欲しい。

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