2013年6月アーカイブ

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魚を単に切り身にするだけと書いたが、

実際に見てみないとその技のすごみはわからない。

現在の「切り身屋」が扱うものの多くが

塩漬け(塩鮭)、冷凍品であるが一般人が

この半身を見ると呆然とするはず。

適当に切ればいいと思って切ってみると、

はじめの一刀からもてあますだろう。

意外に丸のままの魚は始末が悪い。

 

例えば『興実水産』で秋鮭の塩物(塩鮭)を1本買ってみる。

「切り身屋」で半身は夕食用に、半身はお弁当用にとお願いする。

「切り身屋」はやにわに1本の塩鮭を取り出すや、

きれいな水にドボンとつけ、

表面の汚れや油(脂というよりも)を落として、

後は5〜6分で頭、かまをオマケに

合計34枚の切り身にしてくれる。


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最近、思うのだけど、実は特売などで

「わけあり」の塩鮭を買うくらいなら1本丸ごと

「切り身屋」で買った方が安いくらいなのだ。

 

家庭内での食事用は1切れ85グラム前後、

お弁当用には60グラム前後で、きれいに並ぶ。

これぞ職人技というもので、年期がものをいう。

実は近年、これができる人は急激に減少している。

機械化したマクロの流通は大手スーパーに任せるとして、

零細、中小の流通の世界としては

この手業が生きる業界に目を向けて

初めて明日があると思うのだが。


八王子綜合卸売市場


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市場には「鮮魚仲卸」を基本として

「乾物商」、「総菜・塩乾」、「冷凍食品」など

重要な脇役的業種が多々ある。

そのひとつに「切り身屋」がある。

「切り身屋」というくらいだから仕事の基本は、

三枚に下ろした魚を一定の大きさに切ることで、

至って単純だが、調べてみると実に奥が深い。

 

東京都の西方、多摩地区にある八王子には

個人営業、共同体で運営している市場が二つある。

(二つは隣接していて、まさか別の市場だとは思えないし、

また思う必要もない)

今回はそのひとつ八王子綜合卸売協同組合という

長ったらしい市場内の『興実水産』という

「切り身屋」をフィールドにいろいろ調べることにする。

八王子綜合卸売市場


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セトダイを関東で知る人は少ないだろう。

漢字で「瀬戸鯛」、すなわち瀬戸内海に多い魚で、

タイの仲間ではなくイサキ科である。

加うるに明記しておきたいのが、

明石など瀬戸内海周辺ではタモリと呼ばれている。

この魚、産地では目立たない存在である。

水揚げ後の見た目が良くないので人気もイマイチであるらしい。

これがなんと八王子を中心とした多摩地区で大大ブレークしている。

 

多摩地区では主に

八王子総合卸売センター『フィッシュディーラー タカノ』で

取り扱われている明石もの。

明石ダイにツバス、ハモ、などなど明石ものは多彩だが、

一番人気がセトダイなのは不思議すぎる。

明石人もビックリである。

 

なぜ明石ものが八王子? と思われそうだが、

そのわけは都内にある大田市場にあり。

兵庫県明石市にある『明石浦漁協』が大田市場に出荷。

ここを仕入れ元にしている『タカノ』が

わんさかと明石ものを八王子に運んできているのだ。

 

さて、朝方、運ばれてきたセトダイは『タカノ』の店頭に並ばない。

並ぶ前にハゲタカのようにこれを奪い合い、

仕入れていく魚の達人達がいるからだ。

刺身によし、煮てよし、焼いてよし。

見た目とは裏腹に日本全国のブランド魚あたりが、

ぶっ飛ぶほどのうまさである。

見た目ではなく味で魚を選ぶ、

この達人の店で一度食べてみて欲しい。

 

明石浦漁協へ

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、セトダイへ

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築地土曜会は、いつもハードな築地場内歩きをしていますが、

6月はお気軽で楽しいバーベキュー大会を築地そばで行います。

参加資格などはありませんので、

どしどし参加申し込みしてください。

 

参加申し込みは

築地でお買い物掲示板へ


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