2009年12月アーカイブ

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魚と調味料だけでつくる、ボクが勝手に塩煮と呼んでいる料理がある。
沖縄での「まーす煮」に似てるが、実はかなり違う。
むしろ割烹料理のスッポン仕立てに近いかも知れない。
味つけを塩だけでする。

材料は魚と酒、塩のみ。
使う魚でいちばんというのがカナガシラだ。
今回のものは八王子総合卸売センター『高野水産』にいただいたもの。
千葉県内房で上がったもので、鮮度抜群、しかも脂がのっている。

抱卵していて、真子、浮き袋に肝、胃袋など一尾丸ごと使ってみた。
調理時間はほんの15分くらいだろう。
下ごしらえを終わらせていたなら、酒の肴がさびしいな、と思ったらすぐにでもできる。

この濃厚な汁と、硬く締まった白身、そして美味の極致ではないかと思われる肝と浮き袋を酒とともにやる、これはたまりませんな。
酒は広島県の『本州一 本醸造』。
ちょっと騒がしい味わいながら辛口でうまい。

作り方
材料
カナガシラ20センチほどのを1尾、酒、塩、水。
薬味はコショウ。
1 カナガシラは丁寧に鱗を取り、適当に着る。真子、肝は丁寧に取り出しておく。
2 ボウルにぜんぶ入れて、熱湯をかけ回し、一度冷水に取り、水の中で鱗、汚れなどをとる。

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3 鍋に水2に対して酒1を入れてカナガシラを入れ、火をつける。

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4 沸き立ってきたら丁寧にアクをすくい、ことこと煮る。
5 火が通り、煮汁が3分の2くらいになったらできあがり。
 ネギ、ショウガなどは無用。
 コショウだけをお好みで振り食べる。




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徳島中央卸売市場榎本兵でナガニシだと思って買ったものをじっくり同定すると、別種のハシナガニシだった。
ハシナガニシのきれいな画像がないので、かなりうれしい。
これを刺身で堪能しながら、ハシナガニシも夜泣き貝だろうか? なんてふと思った。

さて、この話は「夜泣き貝とはなんぞや」から始める必要がある。
誰でも知っているものから、誰も知らないものまで、貝の仲間はあまたある。
しかも一般的に知られている貝は、貝の仲間の中ではほんのわずかばかりで、実際に国内で食用となっているものでもよくよく調べると、非常にローカルなものであることが多い。

例えばマガキガイとかナガニシとか。
マガキガイは高知県ではチャンバラ貝といい、黒潮の洗う地域に転々と食べている地域が並び、沖縄まで南下して初めて一般的な貝になる。
夜泣き貝と広島県広島市周辺で呼ばれるナガニシはもっと複雑だ。

ボクの知る限り、広島県以外でこの巻き貝を好む地域を知らない。
すごいのは広島県でナガニシがあまりとれなくなったためだろうか?
ナガニシに近縁の巻き貝、コナガニシを島根県、鳥取県などから陸送している。
島根の市場人など、「なんでこの貝が広島で売れるのか、不思議じゃのー」なんて言っているくらいだ。

日本海でたくさん揚がるのがコナガニシなら、四国の太平洋側で主にとれるのはハシナガニシであろう?
これがまたボクの課題なんだけど、こいつも広島県に送られると夜泣き貝になるのではないか。
それで文頭の「ハシナガニシも夜泣き貝だろうか?」が浮かんだわけだ。

さて、ナガニシの仲間は内臓(ワタ)が苦くえぐみがある。
それで「煙草螺」なんて呼ばれているのだが、筋肉(足)は甘みが強くて非常にうまい。
ナガニシ、コナガニシ、ハシナガニシを食べ比べて、味の違いがわからない、というほどに差がない。
ハシナガニシはナガニシ族の中では大型の部類。
身も他のナガニシよりも大きい。
じゃあ、徳島県で雑多な巻き貝として足蹴にされているハシナガニシも広島に送ったらさぞや高値を呼ぶんだろう。
やってみなければわからないけれど、面白そうだ。

榎本兵
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ハシナガニシへ



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西京漬けの季節なので、白味噌のあらみそ(つぶみそ)を買い求めた。
八王子総合卸売組合『マルコウ』のクマゴロウの横に、タイラギの貝柱が5つ、6つ。
「いくらだい」
「200円でいいや」
明るいナショナル君が「今日はあんまり魚がありませーん」と言う。
本当に定番的なものしかなく、致し方なくカイバシラ1個だけ。

帰宅して半分に切り、振り塩。
半時間ほどおき、水洗いして、合わせ味噌に夕方まで漬ける。
夕食はシチューなので、これはボクの酒の肴。

タイラギは焼くと硬くなる。
だから端っこから少しずつかじりつく。
西京味噌の風味にタイラギの苦みと強い甘みが浮き立ってくる。
口の中で噛みほぐしていると、どんどんタイラギの旨みで満たされてくる。

これを洗い流すのが、赤霧島。
立川の居酒屋『太鼓』さんにもらった絶品焼酎なのである。
そうだ、最近『太鼓』にぜんぜんいってない。
まさに師走なのである。

作り方
1 タイラギの貝柱を厚み半分に切る。塩焼き程度に振り塩。
2 半時間弱おいて塩を洗い流す。水分をよく拭き取っておく。
3 みりん、酒、砂糖、西京味噌(白味噌)を合わせて練る。おかず用なら砂糖多めにする。
4 貝柱を5〜6時間つけ込む。
5 漬けみそから取り出し、みそをを取り除き(水洗いはしない)、遠火でじんわり焼き上げる。

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大阪梅田の阪神百貨店は、食と言うことでは関東の百貨店が束になってもかなわない、安くて、うまいものがあって、プラスアルファ大阪らしさがある。
この大阪らしさは随所に見られるが、そのひとつがクジラ売り場の充実振り。
関東のようにせいぜいミンククジラの赤身でお茶を濁すと言うことがない。

マッコウクジラの煎皮、イワシクジラの尾の身、鹿の子、さえずり、本皮。
常設のコーナーもあり、臨時にできるクジラ売り場もある。
ボクにとって阪神デパートでちょっとずつクジラを買ってくるのが、とてもゴージャスな気分に、しかもお手軽にさせてくれる。
なんだか矛盾だらけだけど正直に文字を並べると、こうなりますな。

鬚鯨の尾の身はまことに高い。
多少難ありでも、キロあたり1万円以上はする。
それは当たり前で、鬚鯨からだけとれるもので、しかもいちばんたくさんとっているミンククジラにはない。
捕獲数の少ないイワシクジラかニタリクジラのものを手に入れるしかないのだから、値段は天井知らずといってもいい。

さてゴージャスに買い求めた尾の身だけど、半分は刺身に、半分は寒いので鍋にする。
かつお昆布だしに醤油味で水菜とたく「はりはり鍋」である。

「はりはり鍋」の材料は、ようするに水菜の「ハリハリっとした」食感さえあれば、動物質のものはなんでもいい、という定義なのだけど、やはりクジラがいちばんであろう。

鍋のなかで煮え頃のクジラの肉と水菜を汁ごとすくい取り、ハリハリと食べる。
これがまったりした味わいで、ごっつううまい。
クジラは熱を通すと、微かだが獣めいた臭みが出てしまう。
これもボクとしては結構毛だらけなのである。

作り方
1 水菜は洗って適当に切る。クジラの尾の身はこれも適当に切る。
2 かつお昆布だしにみりん、酒、塩、醤油で味付け。
3 まずは水菜を入れ、そこに尾の身を乗せていく。レアでもウェルダムでも好きな火の通し加減で汁ごとすくいながら食べる。



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buri1.jpg

市場でブリが四分の一切り身で売られていた。
これで700円なのだから、いい値段だろう。
買うべきか悩む。
この仲卸の困った点があって、魚に無関心なのだろうか? 産地表示がいい加減なのだ。
「どこの?」
「外房産だったね」
曖昧ながら、気張って買い込む。

この刺身がうまかった。
脂ののりは、太平洋側でとれたブリらしく、今イチ。
実は脂ののり具合は、このやや控えめがいちばんうまい。
ときどき日本海側の、これぞ旬というのにぶつかるが、三切れ食べると、もういけない。
脂っこいのがイヤじゃないボクでもとても手が出ない。

ほどよい脂ののり加減に、ブリ本来のうまさが感じられる。
食感ほどよし、また脂ののりもほどよく、だから甘みも十二分に感じられる。
ちなみに相模湾や千葉で取れるブリ、日本海のに負けない、うまいと思うね。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ブリへ


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「ころ」とは、大阪で見る限り、マッコウクジラの皮の部分にあたる。
表面の黒い部分と下の脂肪層から良質の油がとれる。
例えば江戸時代に起こった開港問題は、アメリカの捕鯨船の薪水食料の補給問題に端を発している。
アメリカは油を取るために太平洋にいるマッコウクジラを盛んにとっていたわけで、その頃、無尽蔵だったと思われるマッコウクジラの資源を最初に脅かしたのは、まさに今、捕鯨禁止を盛んに主張する国なのだから皮肉だ。
アメリカは単に捕鯨禁止をいうのではなく、油をとるだけのためにクジラをとり、あとは「ほかして」いた歴史を反省するべきだ。

さて、ボクの知識の範囲ではマッコウクジラといえば「ころ」でしかない。
大阪の鶴橋、木津、東部の市場でよくみかける、「煎皮」、これをもどした「ころ」には総てマッコウクジラの文字を見る。
せっかく関東だき(関西風おでんですね)を作るとしたら、できれば「さえずり(クジラの舌)」と「ころ」のどちらかが欲しい。
「ころ」を買い求めたら、関東だきを作るしかない、ともいえる。

大阪東部市場で「ころ」を買ったので、羅臼昆布と血合いありの鰹節で濃いめのだしをとる。
味つけは簡単にみりん、酒、醤油、塩。
ここに串にさした「ころ」を入れて、ときどき柔らかさ加減を見る。
思った以上にすぐにだしがしみるし、あまり煮すぎると柔らかくなりすぎる。

「ころ」の味は脂の味かもしれない。
非常にぶよぶよと柔らかく、ゆるやかに噛み切ることをこばんでいるかのようだが、そのうち脂分が口の中で溶け出してくる。
そこに微かにクジラの臭みが残るが、これくらいなら気にならない。
おでんのなかでまったく異質な存在で、強い存在感といった方がいいだろうな。
確かにこれを食べると、「ころのない関東だき」は寂しいだろう。

関東だきの作り方
1 いちばんだしをとる。羅臼昆布を1時間以上水につける。火にかけて沸騰の気配がみえたら取り出し、血合いありの鰹節を放り込む。
2 二番だしを取る。だしをこし、残った昆布、カツオ節を水につけて火にかける。わいてきたら、少量のカツオ節を加えて、ほんの少しわかして火を止める。
3 いちばんだしと二番だしを合わせる。三分の一量残して醤油、みりん、酒、塩で味つけ。やや濃いめでいい。
4 練り物、ゆで卵、里芋(海老芋)、下ごしらえした牛すじをたく。頃合いを見て「ころ」を加えてほどよく煮上がったらできあがり。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マッコウクジラ


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三重県などが作っているホームページ「みえのうみ」面白い。
海の生き物、漁業、また地理的なことなど多彩だし、また正確な情報が得られる。
もっとコンテンツが増えるとありがたいけど、ときどきのぞいては楽しんでいる。

ちなみに「みえのうみ」から横綱「三重の海」を思い出すのはボクだけだろうか?

みえのうみ
http://www.sea.pref.mie.jp/mirainet/index.htm
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松江には不昧公以来という老舗がいくつもある。
青山蒲鉾店もそのひとつだけど、実は不昧公(松平治郷)よりも古い。
この店のすごいところは現代風の味付けをしないところだ。
だからここの蒲鉾は子供が食べると物足りない、もしくは今時の味の強い蒲鉾を食べている向きにもちょっとねと思われそう。

実は、野焼き蒲鉾ほか、この店で作り出すものすべてが、じっくりと一切れずつ味わわないと良さがわからないのだ。
するとそこにあるのは原料魚の旨みであり、青山蒲鉾の製品にはそれ以外の不純物がない。
今回の「ゆずかまぼこ」はそこに+季節の味わいがある。

驚くべき厚みのゆずが、やや沈んだ色をして混ざっている。
厚みのあるゆずの皮を練り込んで蒸してあるので、色合いがくすんでいるのだけど、そのゆずの香りの高いこと。
ここにあるのは松江の四季だ。

このような歳時記を感じられるような製品がいっぱいありそうで、また松江に行ったら青山蒲鉾店のひっそりしたお店を訪ねたいものだと強く思うのだ。

島根県松江市『青山蒲鉾店』
http://www.umaimono-japan.com/aoyama/u-aoyama-top.html
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明日から徳島です

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明日12月11日から徳島に行きます。
ほとんど時間がないのですが、沖の州市場だけは見てきたいと思います。
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新年会のお知らせ

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1月30日に新年会を高輪で行いたいと思います。
参加資格はまったくありません。
ただし掲示板に参加表明、また参加申し込みを行っておいてください。
正式な参加フォームは先になりますので掲示板をときどき見ていただけるとありがたいと思います。
沼津の面白い魚など、魚貝類も集めてみたいと思っています。
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明日から徳島です

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明日12月11日から徳島に行きます。
ほとんど時間がないのですが、沖の州市場だけは見てきたいと思います。
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京都中央卸売市場が面白い。
水産棟も面白いが関連棟のあやしい暗さが、京の奥深さにつながっているように思える。
そこに淡水魚を扱う店があって店の名前を聞かないままに、暗い店の片隅にいたフナを買い求める。
そんなに高いものではない。
キロあたり1000円くらいのもので、1尾300円ほど。
帰宅して確かめたらゲンゴロウブナだった。

「これどこからきたものです?」
「うん、大阪ですな」
「大阪のどこです」
「そんなことわからんな」

締めて血抜きして、クール宅急便で翌日に来たものを真子をいり上げて「子まぶり」に、鮒こくにしてみる。
「子まぶり」というのはへぎ造りにして、糸状に切り、真子をゆで、卵粒をほぐしてから煎り、ぱらぱらにしてまぶしたもの。
造った後で、家庭でやるもんじゃないななんて反省する。
フナの刺身はなかなかうまいもので、卵(子)で作り込む必要はない。
さて、この養殖されたであろう、ゲンゴロウブナうまい。
刺身のシコっとして旨みの強いこと見事だ。

「子まぶり」はほんの少し。
残った粗、半身は適当にぶつ切りにして、鮒こくを造ってみる。
えらい簡単な料理ながら、フナの味わいコイに勝るとはっきり思うに足りる酒肴となる。

汁の強い旨みが一瞬甘く感じられて、しかも酒に合う。
あつあつの汁に日本酒のぬる燗というのが、まさに麗しなのだ。
粗、身の味わいも海魚よりも淡泊に思える。

そう言えば川魚(淡水魚)は生臭いという人はたぶん実際にフナ、コイのたぐいを食べていないのだろう?
ボクにはそう思えてならない。

鮒こくの作り方
1 フナの粗などは一度湯引き。(熱湯にくぐらせて、冷水に取り、ザルなどに上げておく)
2 鍋にフナを入れ、味噌半量、酒100㏄、水をフナが完全に沈むぐらいに入れて、火をつける。
3 あくをすくいながら、コトコトと30分ほど煮る。
4 味見して味噌を加えて、一煮立ち。火を止める。
5 碗に移す直前に振り生姜(ショウガの絞り汁を数滴落とす)、白ネギを加えて出来上がる。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ゲンゴロウブナへ
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月並みすぎて作らないというのが、鱈ちり。
使うのはマダラ。
漢字で書くと「真の鱈」となる。
スケトウダラでもいいのだけど、やっぱりマダラがいちばん。

体長50センチほど、重さは1キロ弱。
まあぎりぎりタラと言ってもいいのだけど、市場でこれを選んでいたら「ポンダラ買うなら、別に白子持って行きなよ」と声が飛ぶ。
そうなのだ。
マダラは白子がなくちゃね。
「ポンダラ=小振りのタラ」という意味合いで、白子も真子も抱えていないだろう。
だから「(パック詰めの)白子持ってかないと鍋が寂しいぞ」とでもいいたかったんだろう。

実は今回作りたかったのはリエットであって、鱈ちりではない。
でもリエットだけでは1尾のマダラは使い切れないので、白子抜きの鱈ちりとなった。
マダラ半身、肝に胃袋に粗。
野菜はあるものだけですます。

この白子を欠く鱈ちりがうまかったのだ。
マダラのなんのクセもない白身に、ポン酢。
じわりじわりと汁の味もよくなって、この汁がまた酒の肴となる。
多摩地区は農作物からすると準寒冷地だそうだ。
寒いのである。
窓の外においた一升瓶がきりきりに冷えている。
多摩地区には鱈ちりがよく似合う。

作り方
1 タラは細かい鱗があるのでよくよく丁寧にひく。三枚に下ろして適当にぶつ切り。
2 でかいボウルにタラの身を放り込み、塩ひとつかみをまぶす。
3 小一時間おき、水分が出てきたら、熱湯に少しずつくぐらせて冷水に落とす。
4 水分をよく切って、マダラの仕込みは終わり。野菜、豆腐などを用意する。
5 鍋に昆布だし、酒2合ほどに塩。ここで材料を煮ながら食べる。ポン酢、生醤油つけるものはなんでもいい。
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桂小金治を知っているだろうか?
ボクが子供の頃はテレビで大活躍していた。
特に「のりたま」のコマーシャルは、今でも今でもはっきり覚えている。
小学生の頃、「面舵いっぱい のりたまで三杯」のコマーシャルを見て、桂小金治のファンになった。
なんだか不思議な出だしとなったが、実は小さなキンキ(キチジ)を見ると、ついつい「桂こきんき(小金治)」なんてしゃれのめすのだ。
このしゃれが市場ではきく。
大笑い間違いなし。
いかに市場に来ているヤカラの平均年齢が高いか、わかろうというものだ。

いかん閑話休題。
小振りのキンキがどばっと入荷してきた。
福島県相馬市原釜のもので、キロあたり700円は安いな。
これをたった3匹買ってくる。
深夜帰宅したときのアテにするためだ。

買い求めた八王子総合卸売センター『高野水産』でまずは開きにする。
肝は大切にとっておいて、振り塩して紙にくるんで持ち帰る。
これで半日干す。

深夜0時に帰宅、シャワーを浴びている間じわじわと焼いて、『多摩自慢 無濾過』をいっぱい。
キンキの素晴らしいところは小さくても味がいいこと。
香ばしい皮ごとほおばると、途端に脂がじわりと甘みになって感じられて、しかも身のほぐれ具合に、うううーとうなってしまう。
それに、このご近所の酒がよろしいな。
安いしうまい。
度重なる帰郷で懐具合寂しく、青息吐息なので、余計に歯にしみ通る初冬なのである。

作り方
1 キンキは背開きにする。肝は大切にとっておく。

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2 キンキと肝に振り塩。
3 2時間ほどおいて肝を腹に貼り付けて日陰干しにする。

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4 約半日置き、皮目から焼き、肝を落とさないように腹側も焼く。

市場魚貝類図鑑
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実にどれを食べてみても味がいい。
優等生だなと思うのが松江市にある『田村マルエ食品』の松江近海産魚を使った総菜。
気に入ったのは山陰島根県松江が持つ、洗練されていない部分をちゃんと残していることだろう。
マサバ、マイワシ、小アジと酢を使ったもの、めんたい風味、伝統的な生姜煮など、どれをとってもよろしい。
できれば近年の核家族化、個食を考えてより小分けにしてもらえたらな、と思う。

本日は「焼あじ黒酢漬」で赤霧島をいっぱい。
これがなんとも佳肴なのである。

田村マルエ食品
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寿司図鑑は下記に移動、再開しました。
これからはできるだけ一日一かんをめざして精進努力をいたしまする。
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