漁師料理・郷土料理の最近のブログ記事

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日本各地に旅をして、たくさんの「さかなの猛者」に出会っている。

そして学ぶことが多いのだけど、

その猛者の密集度の高さ日本一は兵庫県明石だろう。

「さかな」とは水産物全般のことなのだけど、

市内にある居酒屋などで

明石前浜(目の前の海で揚がる魚貝類)の話をし始めると

どんどん深みに落ち込み、切りも果てもなくなる。

その猛者達の頂点にいるのが山嵜清張(きよはり)さんである。

 

今回、拙著『すし図鑑』を

兵庫県の「さかなの猛者」のひとりヤマシタさんにお送りした。

お返しにもらったのが、「明石前浜ものの達人」

山嵜さんの「イカナゴセット」である。

 

あらかじめ書いておきたいのは、

山嵜さんの正確の粘っこさである。

バイクをやればレーサー級であるし、

料理をはじめると達人級。

そして明石と言えばイカナゴで、

この粘っこい性格の山嵜さんの作る

イカナゴのくぎ煮の味は書くまでもなく、

ダントツにうまいのである。

 

さて、拙著のお返しにヤマシタさんに

「山嵜イカナゴセット」をいただく、

これではエビで鯛を釣るようなものだと思う。

セットは、通常のイカナゴのくぎ煮、フルセ(古背か?)のくぎ煮、

イカナゴで作る"ごまめ"である「げんごべい」の3パック。

 

まずはフルセのくぎ煮から食べ始めているが、

これがなんともすごい味である。

通常のイカナゴのくぎ煮は関東でも売られているが、

こんなもので山嵜さんのフルセのくぎ煮を想像してはいけない。

例えばちゃんと成長したイカナゴ(フルセ)のうま味があるし、

独特の風味(くせ)も感じられ、

しかもまったくイヤミがなく、ほろほろとほどよい甘みがある。

 

静岡県焼津で買ってきた「磯自慢本醸造」が

またこれに合うから困ってしまう。

そして、お後の2パックはフルセのくぎ煮以上に

ゆっくり大切に食べていこうと思うのである。

 

ヤマシタさん、山嵜さん、ありがとうございました。

来年も待っています!


山嵜さんの味を楽しむなら「明石の魚 嵜」へ


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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暑いのだけど、毎日が充実している。
腹がよく減る。
ときどき空腹感で目が回る。
けど、おなか周りの脂肪が気になって、好きだったカツカレーにナポリタンなんてダブル糖質の食事は遙か遠くにあって、懐かしいものとなってしまっている。
でも食ったという満足感が欲しい、なーーー。

今年はダイエット中であるのと(結果は出てません)、忙しいので、日々の食事を鑑みるに、「シャバシャバ飯」がいいじゃないか?
思いついたので、イサキ、マイワシ、マアジで連日のごとく「シャバシャバ飯」を作っている。
「シャバシャバ飯」とはボクの造語で、千葉県外房では「水なます」という。
簡単にできるので、魚貝類料理の家庭での基本的なものになるはずだ、と考えている。

外房にはよく通ったものである。
クロダイ釣りに夢中になり、ショッコのカッタクリ釣りにはまり、フグのカットウ釣りにも熱中したのであった。
「水なます」を覚えたのは、船釣りを始めた20代後半のこと。
マダイ狙いで遠路、外房へ。
ところが突然の強風で船が出なくなり、凪待ちの末に諦めたこことがある。
そんな時、船宿でごちそうになったのが「水なます」。
船の生け簀で泳がしていた小イサキ、小アジを使ったもので、これが激うまだったのだ。

さて、「水なます」とは夏の香辛野菜と、魚、みそだけで作る冷たい冷たいみそ汁で、そしてとてもインスタントな食いものである。
本来、漁師が船上で食っていたものだからあらっぽく、いい加減に作らないとうまくない。

これをかき込んで酷暑の中に出かけていく。
不思議なものでみその香りと、ほどよい塩分でとても身体が清々しい。
盛りのミョウガ、青じそ、キュウリなども丼のなかで香り高くある。
激辛の青唐辛子を加えるのはボクの工夫なのだけど、こいつも夏バテに効くのである。
昔、「水なます」で焼酎を飲むのが好きだという漁師の話を聞いたことがあるが、この料理に限ってはアルコールはダメだと思う。
一日の活力源、元気を一杯出すための料理が「水なます」なのだ。

材料
イサキ中1尾、キュウリ半分、ミョウガ2個、青じそ4枚、ネギ、青唐辛子1本、冷たい水320㏄、みそ適宜

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作り方
1 イサキは三枚に下ろして皮を引き、細かく切る。香辛野菜は千切り、小口切りなど切っておく。
2 大振りの器に水を入れる。ここにみそを溶かす。味見して飲むと塩辛いと感じるくらいがいい。

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3 冷たいみそ汁に氷を入れ、キンキンに冷えたらイサキの身を入れる。

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4 香辛野菜も入れて出来上がりだ。青唐辛子は混ぜ込んでもいいし、好みで食べるときに。

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あれば白ごまを入れてもいい。


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イガイ飯の快楽

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このところ困ったことに、市場人ですら在来種のイガイをムールガイと呼ぶことが多い。
ムールガイとは地中海などが原産であるムラサキイガイのことをさすべき。
イガイはイガイもしくは「瀬戸貝」、「シウリガイ」、「シイレ」などという本来の呼び名を尊重してもらいたい。

こんなことを言っても、実際に市場ではめったにイガイを見かけない。
どうやらあまりとれないらしい。
もしくはとる人が少なくなっているのかも知れないな。

今回のものは大阪は難波近く、大黒町にある木津の市場で買ったもの。
殻長15センチほど、産地は岡山県なのだというから、間違いなく標準和名のイガイである。

貝殻から取り出し、塩水で洗って、切り、ゴボウ、ニンジン、油揚げとしょうゆ味の炊き込みご飯にする。
これを山口県では「瀬戸貝飯」、鳥取県では「イガイ飯」という。

炊きたてを、食べるに限る。
釜(今回は『おぎのや』釜飯の陶器製のもの)の蓋を開けると、甘い香りが立ち上る。
甘く感じるのはイガイの旨味なのかも知れない。
呈味成分が匂うわけがないと言われそうだけど、そう感じるのだから致し方ない。
このあっさりしていながら、旨味十二分のご飯だけど、一合炊きの釜を一人分でも足りない。
それほどうまい。

炊き込みご飯は、ムールガイ(ムラサキイガイ)で作っても美味だ。
我が家では、献立に行き詰まると、こんなものを作る、といったものだ。

1 イガイを貝殻から外す。足糸(そくし)を抜き取り、適宜にきざむ。
2 ささがきゴボウ、ニンジン、油揚げを用意。
3 といで水加減した釜に材料を入れ、しょうゆ、塩、酒で味付け。
4 火をつけて釜が吹いたら弱火、約7分ほど弱火で炊き、一瞬強火にしてとめる。
5 15分以上蒸らして出来上がる。好みでネギ、もみ海苔などをのせて食べる。

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北海道、本州、四国、九州と日本全国の浅い沿岸域に生息する、小魚である。
標準和名(図鑑などに掲載される名)、その地方での呼び名、などどれでもいいので、この魚だけは知っていなければならない。
いかにこの小魚が重要であるかといえば、生まれてすぐに人類の食べ物となり、育つごとに、いろんな加工品になり、大きくなると「イワシ七度洗えば鯛の味」なんて、刺身のうまいことを勝手にほめたたえられる。

しかも人類だけでなくあらゆる水産動物のエサとなり。
島根県島根半島辺りのマアジ、スズキなどの脂ののり具合は、本種の発生具合で決まるともいわれている。

しらす、五万米、煮干し、目刺し、頬刺し、胡麻漬けなどの加工品がある。
瀬戸内海、とくに広島では小いわしの刺身、加賀では塩炒りなどの名物料理がある。

この魚がこの国の食に与えてくれるふくらみ、豊かさは量り知れない。
カタクチイワシは最低限知っておくべき100の魚の内、もっとも重要な魚だ。

今回は石川県金沢周辺で食べられる、塩炒り。
カタクチイワシをもっとも堪能できる料理だ。

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作り方
1 カタクチイワシの頭とワタを取り、水洗い。水分をよく切る。
2 鍋にやや強めの塩水をわかし、イワシを入れてゆで、余分な湯を捨てて水分を飛ばすように炒る。
3 皿に盛り、酢を適量張り、大根おろし、柑橘類(個人的に好きなのだ)を添える。
ここにしょうゆを合わせて大根おろしにからめながら食べる。

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スズメダイを「お仙(おせん)」もしくは「お仙殺し(おせんごろし)」と呼ぶ地域がある。
今回撮影用に分けていただいた妻鹿漁港でも「おせん」だったのだ。
なぜお仙さんは死んだのか?
だいたいお仙はいつ頃の人で、どこに住んでいたのか?
生業は、結婚していたのか?
子供はいたのか?

こんなことを考えながら撮影をし、あぶってかもを作る。
背ごしにもする。
今回のスズメダイはやせている。
どうやら産卵後らしくて旬ではない模様だ。

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背ごしにしても脂がない。
まあ薄く切り、氷で締めて皿に盛る。
韓国酢みそ(コチュジャンと酢)で食べると、なかなかいける。
脂がないけれど、ちゃんと旨味があり、脊椎骨はこりとして、噛み切れないけど、この食感も悪くはないのだ。

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翌日にはできあがった「あぶってかも」を焼いて食べる。
これも決してまずくはない。
ただ初夏のようにジュウジューと脂が滴り落ちることもなく、非常にさっぱりしている。
さて、やせていたせいか、やたらに骨が気にかかる。
そしてついに鋭い痛みが舌に走る。
思ったよりも太くて先の鋭い骨が、舌に刺さっている。

確かにこれだけ硬い骨なら、お仙さんの喉に刺さって、死に至らしめてもおかしくはないな。
舌に一度刺さってもひるむことなく、あぶってかもを食べ尽くしてしまった。
そしてお仙殺しの意味を深く理解できたのだ。

背ごし作り方
1 鱗を取り去り、頭を落し、ワタを抜き、鰭を切り取り、軽く水洗い。
2 頭の方から横方向に薄くスライスしていく。
3 これを氷水に冷やして、水気を切る。
4 コチュジャンに酢を合わせる。好みでごま油を加える。

あぶってかもの作り方
1 鱗を取り、ワタを抜く。鱗もワタもそのままでもいい。
2 振り塩をする。(好みで)
3 半日以上寝かせる。
4 乾かしても、そのままでもよく。焼いて食べる。

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金欠に泣いている日々なので、お昼ご飯を外食というのは避けたいな、と思う。
しかも時間に追われていて、例えば、残りご飯も、買い置きの麺類もない。
じゃあどうするか? というとボクはお好み焼きを作る。

ごそごそと冷蔵庫を探す。
スルメイカのゲソ、エンペラが出てくる。
キャベツはあるし、卵もある。
小麦粉もあるので、完璧だ。

作ろうと思ってから、フライパンに生地を流し込むのに3分とかからない。
ゆっくりふっくら焼き上げたいので、生地を流し込んで、1分足らず(数十秒かも)で返す。
返してから出かける準備をする。

焼き上がるまで、だいたい15分くらい。
オヤジにも出かける準備は煩わしいくらいにある。
だいたい服だって着替えるわけで、食べる時間も節約節約。

焼き上がったら、ウスターソースをかけ、注濃ソースをかけ、青のり、イワシの粉を振る。
ウスターソースと、中濃ソースをかけるのは我が家ではボクだけ。
家族は徳島の地お好み焼きソース『加賀屋』の甘口だ。
しかも驚くことに太郎などはこの上からマヨネーズをどばっとやる。
ボクはお好み焼きにマヨネーズは嫌だね。
基本的にソースが大好きなのだ。
そういえば四国ではソースを多用する。
幼なじみで漬け物にソースというヤツがいる。
でも不思議だとは思わなかった。
天ぷらにもソースだ。
四国って変かな?

青のりはボクが子供の頃からある円錐形の不思議な瓶に入っているもの。
記憶は定かではないが、たぶん40年くらい前から、この瓶を見ているように思える。
「青のり」というとこの瓶が浮かんでくる。
瓶の赤いキャップが今はプラスティックなのだけど、昔はゴムだった気がする。
改めて裏側を見ると江東区猿江の「カメセ水産」のものだ。
四国で見たのも同じ会社のものなのだろうか?
それとも青のりは、この瓶に入れる別の理由があるのだろうか?

イワシ粉は正式には「削りぶし粉末」というらしい。
静岡市清水の「まるげん」という会社。
最近有名になった静岡県のおでんに欠かせないのがこの粉末。
静岡市内かまぼこ屋さんで目について買ったもの。

さくっとしたお好み焼きを一気に食べる。
ちなみにお好み焼きを食べるときには、お茶ではなく、水でなければいけない。
これは徳島県では常識だ。
お好み焼きは適度に腹持ちがよく、しかも多種類の食品が一度期に食べられる。
健康にもいいのだよ、食べ過ぎなければ。

作り方
1 薄力粉を水でとく。このときマヨネーズを加えるとさくっとする。この生地はよくかき回しておく。
2 キャベツは細かくざく切り、ネギ少々、スルメイカは小さく切る。
3 生地の上に、具、卵をのせて、焼く直前にかき回す。かき回してから焼くまでが最短時間でなければならない。またかき回し方は空気を入れ込むように同じ方向から、できるだけ回数少なくかき回す。
4 フライパンに油をしき、生地を入れたら、やや強火。フライパンの面に接している部分が微かに凝固したら、エイヤっと返す。この時間はできうる限り短い方がいい。
5 弱火にして、じっくり焼き上げる。
●注/これはフライパンでのやり方。鉄板や電気調理器の場合は焼き方だけが違ってくる。

まるげん 静岡県静岡市 清水区蒲原 中 302-7
カメセ水産
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日美丸さんに送っていただいた、麦みそが香ばしい香りで、味もいい。
麦みそがくると作りたくなるのが、なめろう。
千葉県の郷土料理だが、魚とみそと香辛野菜を合わせて、包丁でとんとんとたたいたもの。
ついでに、これをハンバーグのようにまとめて焼くと、さんが焼きとなる。
あっさりした麦みそで作るとうまいのだ。

タチウオを三枚に下ろして、細かく切り。
トントントン。
後で、さんが焼きを作るので多めに作った。

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麦みそで作ったので、みその香りが高く、タチウオなのでアジよりもあっさりしている。
ミョウガをたっぷり使ったもので、独特の渋みがあるのもいい。

久しぶりにウイスキーのハイボールで、食後のいっぱい。
そのアテがタチウオのなめろうなのだ。

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翌日の朝ご飯に作ったのが、さんが焼き。
この二度楽しめるのが、なめろうのいいところだ。
さて、今度はマアジに倉橋島のみそを合わせてみよう。

河尾成明 広島県呉市倉橋島室尾
日美丸
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お盆を前にして魚が少ない。
八王子総合卸売組合『マルコウ』に立ち寄ったら、クマゴロウが
「おい、面白い入り合いあるぞ」
千葉県館山からきた入合いでヒラソウダガツオ、ヤマトカマス、ウミタナゴ、シマイサキなど内湾性の魚が入っていた。
鮮度的にも買いだな、と思ったのでヒラソウダガツオ、シマイサキを買ってくる。
1キロあたり500円なので300円と少々しかしない。

シマイサキは単に刺身にしても、そんなにうまいもんじゃない。
徳島の実家から送ってきたタマネギを使ってみそたたきにする。
「みそたたき」は東北太平洋側での料理名、千葉県にくると「なめろう」となる。
日本全国にある料理で、それぞれ地域によって料理名も変わるのだろう。
面白いのは宮城県、岩手県などではありとあらゆる魚を「みそたたき」にする。
海に下るオオガイ(ウグイもしくはマルタ)、ウミタナゴ、オキタナゴ、スズキなど。
千葉県ではなんといってもマアジ、そしてイサキ。
本当に材料となる魚を選ばない重宝な料理だ。

さて材料の香辛野菜はなんでもいい。
青じそ、ミョウガ、タマネギ、白ネギ、青ネギ、エシャレット(若いラッキョ)、ノビル、サンショの葉をたたき込んでもいいのだ。
みそはできたら麦みそがいい。
今回は九州大分県のフンドーキンを使ったが、広島県府中みその麦麹なんかもいいのだ。

全部細かく切って、よく研いだ包丁でトントンとたたく。
酒のアテで作るものだが、ご飯にも非常に合う。
なにもないお昼ご飯なら、小魚二三本を買って、トントン作って即席のおかずというのも乙なものだ。

8月のシマイサキは思った以上に脂がのっていた。
箸でつまむ、その表面に脂が浮いている。
当然まったりと甘みがあり、みそと香辛野菜の風味が浮き立ってくる。
ここで問題となるのは酒がついついすすむことくらいだ。

みそたたき(なめろう)の作り方
1 三枚に下ろし、皮を引き、腹骨をすきとる。血合い骨はそのまま。

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2 タマネギを刻み、ミョウガも刻む、おろしショウガ、おろしニンニク、麦みそを用意。

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3 とにかくできるだけ切れる包丁でとんとんとたたく。

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三平汁は北海道を代表する郷土料理だ。
その昔、魚を保存のために塩漬けにした、そこから染みでてきた汁で野菜などを具に汁にしたものだった。
塩漬けの魚からしみ出してくるのは魚醤(ぎょしょう)なわけで、東南アジアのナンプラー、秋田の塩汁(しょっつる)なんかと同じもので作った汁だったわけだ。
これがニシンの糠漬け(すしにしん)を使うようになり、現在では塩ニシンや塩鮭類など塩蔵、塩干しにしたものを、だし兼用具材として利用するようになった。

「三平」とはいかなる意味なのか?
ニシンで栄えた松前地方にはじまり、藩のまかない方、斎藤三平が考案したから。
おいしいので三杯もお代わりした、三杯汁が語源。
などなど諸説ある。

使う魚によって名前が変わって、ニシン三平、サケ三平などとなるらしい。
今回のものは塩カラフトマスを使ったので、鱒三平となる。
用意するものは季節の野菜、昆布(長昆布でいい)、少量の酒、塩鱒(塩鮭でもいい)。
作り方は簡単しごくで、水から材料をアクを救いながらことこと煮だすだけ。

この汁が夏向きで非常にうまい。
嫌みがなくさっぱりした塩味で、野菜の甘みがこのましく浮き立ってくる。
三平汁の語源が「三杯おかわりする汁」というのもうなずける。
それにだしがいらないので、手間入らずで朝寝坊したときなんか、まことに便利だ。
さて、本日も三平汁。
ようするに朝寝坊してしまったわけだ。

三平汁の作り方
材料/野菜あるものならなんでもいい。本日はドジョウインゲン、タマネギ、ニンジン、大根。塩鱒(カラフトマス)の切り身、ナガコンブ、酒少々。
1 ナガコンブと塩鱒を鍋に入れ、水を入れて弱火で旨味を煮だす。
2 アクをすくい取りながら、旨味が出てきたら酒を入れ、ほんの少し間をあけて、野菜を適宜に切り放り込む。
3 野菜が煮えたら出来上がり。
 
 塩鮭でも簡単にできる。
 ぶわたら(マダラの塩蔵品)も使えるな。
 野菜たっぷりで作りたい。
 薬味にはコショウが合うのだ。

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白ミルは焼くのだ

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漁師だという人から匿名のメールをいただいた。
我がサイトは原則としてメールは受け付けない(原則的に掲示板)のだけど、内容が面白かった。
なぜ匿名なのか、もしくは名前を書き忘れただけなのか、本人にお聞きしたいな。
メールの内容は「白ミルはゆでるんじゃなくて焼いた方がええよ」というもの。

[白ミル(ナミガイ)]は、まず貝を外し、ワタを取り、原則的に水管のみ湯引きして、冷水に落として、皮をむいて刺身とする。
この湯引きする、というのをやめて焼いてみろ、という意味合いだろうか。

[白ミル(ナミガイ オオノガイ目キヌマトイガイ科)]は[ミルクイ(ミルクイ マルスダレガイ目バカガイ科)]の代用品と見なされている。
これは身(足、水管)に含まれる旨味成分の少なさが原因とされて、一段下手のものと見なされているわけだ。
ゆでると、少ない旨味成分をわずかだが失うのではないか? だから焼いた方がいいといっているように思える。

ここで[白ミル(ナミガイ)]を焼くとは、本当に塩焼きにするという意味かもしれない。
もしくは我が家でときどき作る[白ミル(ナミガイ)]の干物だって、焼くことでは変わらない。
「おおい、漁師さんで匿名さん、もっと詳しく説明してくれ」

とりあえず貝殻から外した水管とその周辺部を、直火であぶる。
急速に炎のなかで熱を通して、冷水にとり皮をむく。
水分をよくよく拭き取って、さて刺身に造る。

味はよくなったのか、久しぶりに本わさびをすって、うやうやしく食べていると、確かに確かに旨味・甘みが強く感じられる。
しかも食感すらもよくなっているのだ。
冷やした一ノ蔵特別純米がうまい。
これからはゆでるのではなく、焼くのだな、得心する。

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