2014年1月アーカイブ

久しぶりに築地に行く。

本当は場内に張られているポスターを見に行くつもりが、

ついつい買い物に没頭する。

さて場内を歩いていて、ふと上を向く。

その湾曲した屋根を見ていると、

東京都のお金の計算と、

コンクリートと鉄骨などしか考えられない、

無機質で機械的な役人にこの歴史的な建造物は

壊されようとしているんだ、と思い悲しみがこみ上げてくる。

 

けだしオリンピックを大歓迎している

愚か者(こヤツら今の世のもっとも危険な鬼だと思う)、

オリンピックを見ない聞かない運動を起こすぞ!

文化など、見えないものを軽視して顧みない

愚か者のなんと多い世の中なのだろう。

ちなみに大地震は必ず来るのだ。

一刻も早く首都機能をどこかに移転すべきなのに政治家も愚かである。


anakokara.jpg

 

朝ご飯は久しぶりに『かとう』。

「あんこう煮」というのがあり、珍しいのでお願いする。

「煮」とあるが、汁であった。

みりんだと思われる甘さがかった味で、

「うまい」と「まずい」の境界線上にあるが

朝ご飯のおかずとしては、明らかにうまい、というもの。

そこいらの食文化を破壊してやまないチェーン店にはできない味だ。

店を出て、腹をなぜなぜ、満足、満足、満足したのであった。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

bouzzouni.jpg


2014年の、年の初めは雑煮作りから。

今年は兵庫県姫路市坊勢島のヒガレイを使った雑煮を作ってみた。

ヒガレイはタマガンゾウビラメのことで、

漁獲して必ず「干す」ので「干鰈」となったようだ。

ちなみに「左平目の右鰈」は関東でのことで、

他の地域は「平目も鰈もすべて鰈」である。

このヒガレイの、強く干し上げたものをあぶり、

骨を外したものをだしにして、

坊勢島の「島しょうゆ」である『富士大醤油』で味つけしたもの。

小豆島で作られる甘口の『富士大醤油』なくして

家島群島の食は語れない。

 

ヒガレイでとっただしは濃厚で独特の風味がある。

そこににんじん、ごぼう、大根などを入れて煮て、

だしに使ったヒガレイを戻す。

みりん、酒、『富士大醤油』で味を調え、焼かない餅を入れる。

 

『富士大醤油』を使ったせいか、

どことなく鄙びた味わいになっている。

根菜の甘みと、ほろほろと軟らかいヒガレイとが、

うま味の強いだしのなかで調和している。

 

年末年始に日本各地の雑煮を再現してみているが、

坊勢島の雑煮はなかでも抜き出でた味である。

滋味豊かな味わいに昨年お世話になった

坊勢島の方々の温かい心遣いが浮かび上がってくる。

「坊勢島の方々、昨年はお世話になりました」

再現した雑煮を二杯食べることは希なのに、

午後にもまた一椀いけそうだ。

 

さて、坊勢島の雑煮を新年の初食いとして、

今年も「日々1ミクロンでも前に!」を

モットーに生きていこうと思う。

新年あけましておめでとうございます。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

月別 アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、2014年1月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2013年12月です。

次のアーカイブは2014年2月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。