すり身にパン粉をつけて揚げたもの。徳島県生まれのボクにとってはじめじめしっとりした「かつ」がお馴染み。これを「魚かつ」としておこう。日本全国に「魚かつ」はあるが、今回のものは福井県にある『安田蒲鉾』のもの。
まずは商品名の「みんち」がいい。福井県は「メンチカツ」言語圏ではなく「ミンチカツ」言語圏なのだというのがわかる。
すり身ににんじんなどを加えて、ちょっとスパイシーな味になっている。このスパイシーな部分が「魚かつ」の基本、これを外していないことにも好感が持てる。徳島県人が愛す、じめじめ感がなく現代的な味。これうまいでしょ、って感じだ。
安田蒲鉾の創業は江戸時代後期、江戸文化の完成期である文化4年だというから古い。ただしこの「魚かつ」が戦後どれくらいまでたどれるかは不明。福井中央市場関連棟で売っていた男性は「私が入社したときからありました」というが、お年からしてそれで想像することはできない。いったいどれくらい前から作っているのだろうね。
安田蒲鉾
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