0時前に我が家を出る。中央高速、首都高、常磐自動車道と高速を走り、早朝4時半過ぎに相馬市松川浦漁港に到着。高速代はETCなので4160円。氷を売る建物にいた方に聞き、建物の裏の草原にクルマを止める。ほどなく5時。やや白みかけたところに船のエンジン音が聞こえてくる。
カメラなどを持ち、港に駆けつける。競り場は生け簀のある場所と90度Lの字を作るように大小2つある。生け簀は凄まじく多い。見ていると化学工場の配管のように思える。何隻か入港して水揚げするが活けものを見せてもらうわけにもいかない。このとき大きな競り場にリヤカーを押す数人の女性達を見つけた。聞くと、底引き網が帰ってくるのだ。
これが5時15分。あたりはすっかり明るくなってきた。港を高速で走ってくる船。そのオッタートロールの大型船から降ろされるのは大きな青いバケツ。まず活けをおろし、そして荒い選別をした獲物がバケツに入れられておろされる。
これを競り場に持ってきて本格的に選別するのだ。マアナゴ、ミギガレイ、マガレイ、ババガレイ、ヒレグロ、ヤナギムシガレイ、ムシガレイ、アカガレイ、メイタガレイ、マダラ、スケトウダラ、エゾイソアイナメ、ニシン、マイワシ、サケ、マアジ、ケムシカジカ、サブロウ、ユメカサゴ、キチジ、ホウボウ、アイナメ、エゾクサウオなど種を上げるときりがない。またその量たるや膨大である。7時過ぎに約束して置いた「ヤ印・八巻水産」の従業員が見えた。
生け簀の前を見るといつの間にかサケの水揚げも始まっている。いなだ(ブリの幼魚)、サワラ、クロダイもある。
甲殻類ではケガニ、ヒラツメガニ、タイワンガザミ、テラオボタン、ヒゴロモエビ、サルエビ、クルマエビ。ケガニが思ったよりも大きい。軟体類はウバガイ(ほっき)、ホタテガイ、ヒメエゾボラ、チヂミエゾボラ、ネジボラ、ナガバイ、ミズダコにあまだこ(チヒロダコ?)。
ここであまだこのワタをとり脚の間の水かきを切っている女性に会う。これから茹でるのだという。茹でるのを見る約束をして、工場のある場所を老人が案内してくれる。すでに時刻は11時半である。
工場からとって帰って八巻水産の社長である八巻正人さんに会う。市場を回ってきたというその方は退院したばかりだという。また作業場は驚くほど忙しい。また日を改めてお会いすることとする。
お腹がすいたぞ、と思ったらもうすぐ正午。朝からなにも食べていないのだ。相馬大橋をくぐると旅館民宿食堂などが並んでいる。水産物直売センターというのに入ると、「さっき競り場で見かけたよ」と声をかけられる。金子水産という店のおかみさん。競り場ではたくさんのマダラを水揚げしていた。この方に近くの食堂を教えてもらうが行くと満杯。
焼き魚はうまそうだが、やはり観光地値段かな?
仕方なく外れにある「おいかわ食堂」に入る。この店、刺身や魚の塩焼きもあるが、本来はカレーとラーメンの店。店内の客すべてがそのどちらかを頼んでいる。しかも総て漁師さんや地元の客ばかり。考えた末にアサリカレー840円。これが驚いたことに殻付きのアサリ入り。
次回は松川浦のヒトエグサ養殖を見たい
食後、松川浦を右に見てタコ茹でを見に行く。残念ながら茹で上がっていて、2はい購入。
1時を過ぎてどっと疲労感が湧いてきて、気分が悪く、冷や汗をかく。相馬大橋から見る沖合はあれていて、明日まで福島にいても無駄であるように思えたので、相馬市街に入る。
相馬市からは地図を送ってもらっている。それを頼りに市街地を自転車で散策しようと思ったがかるくクルマから見た相馬はあまりにも味わいに欠ける。入った和菓子屋さんで聞いても街で見て面白いところも、昔ながらの商店街も存在しないという。あえて教えてもらった相馬駒焼きの店に入ったがその焼き物はもっとも嫌いなタイプのもの。古めいたほんのわずかの家並みで見つけた相馬味噌、しょうゆを買って、国道6号を南下する。
原町市などいくつかの町をすぎて3時過ぎに浪江町。請戸漁港に入る。港までのそこここに鮭の幟がひるがえる。
この値段、安いと思うか高いと思うか? 請戸で
水揚げの終わった港を見て、鈴木酒造という日本一海に近い酒蔵で酒を買い。浪江市街にはいる。この町は面白そうだ。役場で地図をいただいて自転車で散策(役場の方はとても親切だった。感謝)。河合精肉店で肉ならぬ天然キノコ、大室屋でビールと天ぷらとラーメンという不思議な夕食。そして役場の駐車場で仮眠。なんだかうるさくて眠れないので、また6号を南下。道の駅楢葉というのに入るとこれが温泉。入浴料500円、タオル代300円でゆったり入浴。そこで1時間ほど仮眠。四ツ倉から高速にのり帰途に着く。途中、友部近くで眠くなり、また眠ると、こんどは熟睡して目覚めると2時半。せっかく入ったのだから水戸納豆を買って、帰宅は5時半。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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