厳寒の北海道、凍り付く岸辺に寄せてくるのがコマイの産卵群である。冬のコマイ漁はこの産卵する群をねらうもの。
本州に暮らしているとあまりお目にかかれる魚ではなく、見つけても「姫だら」とか「こまいたら」などと商品名のついた干物の姿となっている。このコマイの干物がうまいのである。年中出回っている干物であるが、北の海を思って厳冬期に食べようではないか。
コマイは小型は主に干物などに加工され、「おおまい」と呼ばれる30〜40センチの大物は鮮魚として流通する。この大型のコマイは厳寒期に凍らせてルイベにして楽しむのだ。
さて関東に住み身には、このコマイで焼酎をあおるのがなんだかわびしいのだ。網走に近い町から来た友は、故郷から持ち帰った干物を野性的にバリバリむしくって食い散らかしている。食卓の中央には焼酎ブーム以前の臭い粕取焼酎の透明なビン。これが貧しい学生の冬休み明けの情景である。天衣無縫に食い飲む仲間を見ながら、我の野性味少なしとビールジョッキで飲む焼酎で一気にダウン。曇りガラスから天井の桟、畳の縁までがグラリグラリと回っている。どうしてだろう、この情景だけは思い出してたくない。
北国の 友の荷物に 氷下魚鱈(ぼうずコンニャク吟)
市場魚貝類図鑑のコマイへは
http://www.zukan-bouz.com/taraasiro/tara/komai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
1月3日(火曜)のこと 後の記事 »
1月4日(水曜)のこと