近海(鮮魚を扱う)のダイちゃんに「築地にもないのかな」と場内に入ってすぐに聞く。長崎県からのマアジが小山になっているほか養殖やパック入りのアサリ、解凍ばかりだ。
「まったくないんすよ。こっちも荷が欲しいんすけどね」
しかも困ったことに値段は安いまま。これでは漁師さんも市場も大変だ。
『海老辰』に北海道噴火湾からバフン(エゾバフンウニ)。『源七』で八王子の魚屋善さん(『魚善』)と立ち話。そのまま八王子綜合卸売センターに向かう。
八王子綜合卸売センター入り口の『ケン水産』に当別かじか(ケムシカジカ)。函館からの荷で箱にしっかり「当別カジカ」と見える。この魚も身質からして売るに難しい魚である。活けなら刺身にもなるだろうけど、野締だろ身がポロポロして煩わしい。『高野水産』には連日クリガニ(トゲクリガニ)が入荷している。八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には釧路産ベニズワイ。
『平成食品』(最近八王子綜合卸売センターに出来た肉屋)でたかさんと立ち話。結局この日ネタは見つからないので握りの撮影は断念。
帰途、『旗野農園』でトマトの状況を見る。まだツルは1メートルくらい。初収穫は来月になる。
千葉でも埼玉でもハウスのトマト収穫が始まっている。これは加温ハウスで栽培されたもの。暖房をいれてハウスを温めるのはやはり産地、もしくはトマトを中心に経営している農家だ。今、盛んに栽培されているファーストにしても桃太郎にしても加温、無加温にかかわらずハウス専用種。ハウスに適した品種なのだから露地栽培よりもうまいトマトが出来る。またトマトに禁物なのが雨に打たれること、確かに明治に入ってきたポンテローザ種など路地用の品種はともかく桃太郎など雨に打たれると実の味も落ちるし病気になってしまう。
またよく「昔の路地のトマトはうまかったな」なんてオヤジがいるが、あえて露地物を作り真夏に完熟させたトマト、そんなにうまいもんじゃない。あれは郷愁というか過去の美化である。そんなオヤジに限って子供の頃トマトが食べられなかったなんてのが真実だろう。今栽培されているトマトの旬は関東では4月から5月下旬。そして雨に当てないで育てたハウスものだと思っている。夏にうまいのはミニトマト。
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