4月20日(木曜)の市場便り

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 風が強い。芽吹いたばかりの雑木林をぐんぐん押さえつけるような風。そこにありとあらゆる花が咲き始めてきている。冬寒く、夏熱すぎる多摩にあってももっとも美しい季節が近づいてきている。
 そして殺風景な市場に向かう。八王子魚市場、平がい【タイラギ 福島県、日本海中部以南に生息する大型の二枚貝。貝柱を食べる】、ほっきがい【ウバガイ 千葉県九十九里、日本海北部以北に棲息する】、マガキ、アサリ。
 近海には愛媛県宇和島からゴマサバ【北海道南部以南。巻き網などで漁獲する。主にさば節や加工品にして価値があるが、高知県など一部で刺身にもする。季節によっては美味。値段は安い】。

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市場魚貝類図鑑のゴマサバへ
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 四十物【塩干、加工品などを扱う】には「男前豆腐」。

『源七』には茹で青柳【バカガイ 船橋では「ばけっかい」。オホーツク海から九州、中国大陸。干潟に棲息する二枚貝で比較的安い】。これはバカガイの最盛期に船橋に本拠を置く『源七』で作ってくるもの。これがうまい。また、これが来ると春たけなわを感じる。

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市場魚貝類図鑑のバカガイへ
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 八王子綜合卸売センター『高野水産』には三河からオニアサリ【北海道南西部から九州、朝鮮半島、中国。あまり食用にする二枚貝ではないが近年入荷が見られる。貝殻がきれいで大きいので出荷してくるのだろうが、食べると渋いというかピリピリする】。これを少しいただく。

市場魚貝類図鑑のオニアサリへ
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 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』ではクマゴロウが生の本まぐろ【クロマグロ 太平洋北半球の暖海域、大西洋の暖海域を回遊している。マグロ属の中でも漁獲量の少ないもの。非常に高価】を解体中。大きなクロマグロを卸すにクマゴロウが使うのは小さな柳刃。まったくこんな芸当をやれるのはクマゴロウひとり。ちょっと見物だ。

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市場魚貝類図鑑のクロマグロへ
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 またなぜかぽつんとイガグリガニ【房総半島から九州南部の深海に棲息するタラバガニ科の甲殻類。小型で棘だらけなので食べるのは大変だが美味。深海底引きのある産地では食べることが出来る】。同時に、ごそ【ハシキンメ 「ごそ」は沼津での方言。太平洋側の深海に棲息する。深海をひく底引きで漁獲される。美味】がきているので沼津からきたもの。

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市場魚貝類図鑑のイガグリガニへ
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 八王子総合卸売協同組合『三恵包装』で伊藤園の「お〜いお茶」を買い、八王子綜合卸売センター『ビックリ屋』でカボチャ、絹さや。

『市場寿司 たか』でオニアサリの握りを撮影。軽く茹でて握りにしたのだが、やはり少しピリピリする。


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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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このページは、管理人が2006年4月21日 07:57に書いたブログ記事です。

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