2007年1月31日アーカイブ

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 桑名から来た荷で「国産ハマグリを台湾で養殖」というのを見つけた。これはいったいなんだろう? 見たところハマグリであるかどうかはわからない。だいたい我が国に標準和名のハマグリが台湾で養殖するほどにとれるのだろうか? 長良川河口堰という非常に破廉恥な公共事業を行ってから伊勢湾の海はかなり生産力を失っているはずである。
 また他の産地のものも本当にハマグリなのかが疑われているのだ。その疑惑の中心にあるのがタイワンハマグリとシナハマグリである。ひょっとしたらハマグリは我が国でももっとも絶滅を危惧しなければならない種である可能性が大である。
 桑名と言えば貝を扱う業者も数知れずあったのが廃業が相次いでいるとも聞く? その原因が伊勢湾でのハマグリや貝の激減のはず。やっぱりこのラベル、どう考えていいのか理解が出来ない。
 この桑名のハマグリには国産ハマグリと言われているもののように明確な斑紋がなく、我がデータベースで見る限り台湾産養殖ハマグリそのものに見える。これを本当に標準和名ハマグリだとしていいのだろうか?

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これは一昨年「シーフードショー」で見た台湾産のハマグリ

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 横川町『鮨忠』さんは市内現役寿司職人の最長老。70歳を超えても毎日のように市場通いをしている。まことにおだやかで、下町風の親しみやすさを感じさせる。会うたびに八王子での寿司屋の歴史や戦後の「委託加工業」のときのことなど、教えてもらっている。

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 戦後食糧難のときに「飲食店営業緊急措置令」というのが出て飲食店の営業が止められた。そのときに寿司屋にお米を持参すると加工料金(手間賃)を取り、握り寿司と交換していたのだ。地域差や店での多少の違いはあるものの握り10個分を基本にしていた。それが『鮨忠』さんによると握り六かんから八かんに細巻き半分だったのだという。これが今で言うところの並寿司の基本。

「だいたい昭和40年代半ばくらいまでかな。本来“特上”とか“上”とかはなかった。寿司下さいって言うと、今で言う“並”だね。出前でも店でもこれをひたすら握ったもんだ」
 毎日のように握りを食べるようになって、50代はじめの『市場寿司 たか』と寿司談義を繰り返している。すると寿司屋の本来の形が見えてくるのだけれど、その本質は昭和45年から50年くらいにくずれていったようだ。

 忠さん(『鮨忠』)によると
「基本的に並がよくないとダメだね。玉子焼き、〆ものなんてのがいちばん難しいわけだろ。それに料金内で隠れたところで仕事をするわけよ。だからなオレはさ、並寿司を丁寧に作るわけ」
 また当時を振り返りながら。
「だいたいね、イクラなんて昭和40年前後かな、初めて見たのは。ウニもなかったな。サーモン、カニ、冗談じゃないよあるわけない」
 ということだから本当に今で言う“上”は作れないことになる。

 そこで実際に押し掛けていって作ってもらった“並寿司1365円”がこれだ。握ったのは忠さんの義弟さん。

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1/マグロ赤身 2/メダイの昆布締め 3/茹でだこ 4/こはだ 5/茹でえび 6/薄焼き玉子 7/胡瓜の細切り入り鉄火
 現在の並はもっと寿司の数が多いのだろうけど基本的なものだけにしてもらった。それと本来は「鉄火」が「かんぴょう巻き」なのだろうけど、「薄焼き玉子」や「白身の昆布締め」「こはだ」に昔の並握りの面影を残す。

「最近の並っていやー、河岸玉(玉子焼き専門店のもの)、こはだだって冷凍ってとこもあるわな」
 基本的に『鮨忠』ではそれがない。
 この握りの特徴はすし飯の比較的酸味の柔らかいところだろう。だから薄焼き玉子や昆布締めの香りがしっかり感じられる。薄焼き玉子に香ばしさが感じられる。これはまさに玉子焼きの香ばしさ。またメダイの昆布締めは絶品なのであり、ここまですし飯と相性のあったネタによくぞ仕上がったというもの。すし飯も昼時なのでやや大きく、満足感も高い。

 今時、なかなか自家製のネタにこだわった寿司屋というのが少なくなってしまっている。その希な寿司屋なのである『鮨忠』は。店は陣馬街道沿い、八王子のやや郊外とも言える横川にある。非常に落ち着いた空間で昔ながらの手業と吟味されたネタを味わいうのは至福のときである。ボクなど陣馬高原に野の草や生き物を見に行った折には、帰り道には必ず『鮨忠』と決めてしまっている。一人前の握りに手作りのデザートで小一時間。疲れは自然ととれてくる。

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鮨忠第二支店 東京都八王子市横川町477


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