『市場寿司 たか』つり丸スペシャル丼

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 先週は疲れたな!? 目覚めたのは6時半。寝床でうつら、うつら、まどろむ。なかなか起きあがる気になれないのだ。それでも本日はお魚大好きという、出丘くんが市場に来る日であり、なんとか踏ん切りをつけて寝床を飛び出す。

 姫と渡る浅川、その空の色合いは灰色に薄ぼんやりして、クルマから下りると肌寒い。
 まずは『市場寿司 たか』に沼津から来たセキトリイワシをあずける。そして姫と市場をまわるになかなかの人出となっている。コリアンフーズでは居酒屋『稚内』の女将さんとカヤさんが朝ご飯にちらし寿司。そうか「いくつになってもひな祭りなんだ」と感心する。その年老いたお姉さんお二人と無駄話をしている最中にケータイがなる。出丘くんとは2ヶ月ぶりということになる。
「たかさんの店の前にいます」
 というので、あわてて『市場寿司 たか』に向かう。その時点で、たかさん「もうすし飯がないんです」とお客を帰している。店の前には準備中の札がかかる。

 店に入った途端に、「ねえ、アンタも食べるの」ときた。
「当たり前でしょ。すし飯ないの」
「あるよ」
 出鼻から脅してくれるではないか? そしてボクにはセキトリイワシの握り、そしてミナミマグロの八の字。出丘くんには昨日、雑誌『つり丸』が持ち込んだとびっきりのネタで“つり丸スペシャル丼”。これは『つり丸』の次回の特集記事用に使ったもの。当然、釣り雑誌が持ち込んだものなので、昨日釣り上げたばかりのそれこそ「とれとれぴちぴち」の魚である。

「マアジはどこで釣ったんだろうね」
「今なら二宮沖かな。瀬の海っていうんだけど。イサキは外房だと思うな」
 
「つり丸」の編集者小林さんが持ってきた魚の産地にあれやこれや想像を巡らしていると、ほどなく出丘くんの前に“つり丸スペシャル丼”が置かれた。こ・これがすごい。昨日釣り上げたばかりのイサキ、マアジ、ムツ、キンメダイ、ついでにミナミマグロの八の字、自家製出汁巻き卵。
「これいいですね!」
 出丘くんも驚きを隠さない。もっとも残念ながらボクは見ているだけ。
 しかし、たかさん、これは見事だね。“きっと”マアジの味わいは旨味があるものの、シコっとした食感。そこにキンメの端正なしっとりした甘味とクロムツの身の微かな酸味、それに八の字の脂が全体をまろやかにまとめてくれそうだ。

 こんなのを見せられると、確かに忙しいときは別にしても「寿司屋ではネタをいろいろ聞いてみる」べきだと思う。思わぬうまいものが目の前に現れるかも知れない。もっとも今時の街の寿司屋でそんなことをしたら幾らかかるんだろう? って考えると心配になる。
『市場寿司 たか』なら、こんな豪勢なものを食べて“豪海投げ込み丼スペシャル”と同じ値段、すなわち1000円ということだってあり得る。もしくはいいマグロとか値の張るものをのせても2000円はいかないだろう。

 さて、ようよう春めいてきた雛の日に出丘くん、満足していただけたろうか?
 
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市場寿司 たか
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コメント(4)

「たか」さんは魚の美味しさを引き出すことに才能がありそうです。うらやましいですね、なじみのお店がすばらしくてかつ安いなんて・・

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田向さん、今度、寿司 たかにご一緒しましょう。平日ならアルコール抜きですがゆっくりできます。

 昨日はありがとうございました。
 あんな豪華な海鮮丼は、初めてでした。
>マアジの味わいは旨味があるもの
>の、シコっとした食感。そこにキンメの端正
>なしっとりした甘味とクロムツの身の微かな
>酸味、それに八の字の脂が全体をまろやかに
>まとめてくれそうだ。

 まるで実際に食べたみたいに的確で、特に「クロムツの身の微かな酸味」の描写には脱帽です…
 あのアジはうますぎました。舌触りからして甘いし、キメの細かさが違いました。

 セキトリイワシですが、僕はけっこう好きです。食感と風味がアオヤギに似てるってのは、面白いです。「今までこれを食べたことのある奴はおそらくいない」なんて言われると、ありがたみも増すというものです。

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出丘くん、君はなかなか包丁が使えますね。ちょっと驚いています。また寿司図鑑作成に参加してくださいね。

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このページは、管理人が2007年3月 3日 15:14に書いたブログ記事です。

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