2007年4月22日アーカイブ

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 市場にある惣菜塩干の仲卸は毎日見ても「あきまへんな」というくらいに面白い。そこにはまだまだ深い深い底が見えない謎があり、それがいとつひとつ解けていくのが面白いのだ。
 その奥深い惣菜の中でも「若い可愛らしい???ユミちゃん」に教えてもらったのがこれである。名の「中華いか山菜」とはなんぞや。その答えは簡単至極、いかと山菜を中華風の甘酸っぱく味付けしたもの。じゃあ、なぜに「若い可愛らしい???ユミちゃん」の心を捉えるのだろう。その上「もう若くない、ややくたびれた肉屋のオバハン」までが、これにはまっているらしい。
 このパッケージングが凄い。どどーんと300グラム入りとはなんと強気なことだろう。ひょっとしたら業務用にも、そして大家族にも向いているということか? 分厚いビニールを破くともの凄い量の「中華いか山菜」が出てくる。
 これにまずはまってしまったのが我が妻である。「お父さん、“カロリ”に合う」なんて言っている。“カロリ”とは最近よく買う甘ったるい酒のことである。でも驚いたことに、これが開運祝酒にも合う。どうしてだろう甘くぴりっとして、すっぱく、そこにあまり旨いとも言えない食感のなくなったイカ、メンマや山菜(?)がくる。どちらかというと甘ったるいのだけれど、ついつい箸が延びる。
 でも残念なことにご飯には合わない。合わないけど、主菜のとなりに、ちょっとあるとうれしい。これでは我が家全部が『あ印水産』の罠に落ちたようである。

あ印水産
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 ボクは昔から煮つけと言うのは魚だけで作っていた。まあ加えるとしてもゴボウくらい。それが各地で野菜を一緒に煮ているというのを知り、はたまた今回は戸田滋愛丸の賄いでの玉ねぎ入りの煮つけに大感激する。
 この玉ねぎが我が国に到来したのは明治になってからだ。文明開化の波に乗り、肉食の奨励とともに日本でも作られるようになったもの。特にカレー、シチューなどには欠かせぬ材料である。明治天皇にまで肉食をさせて、西洋料理の導入をした明治政府、玉ねぎの普及も当然早いものであっただろう。面白いのは関西ではハモすきには必ず玉ねぎを入れるのである。大阪では「泉州玉ねぎが出てくると、ハモが旬(も出る)」という言葉があるそうだ。それからすると煮つけに玉ねぎとは至極当然のことである。この西洋料理の材料がいつのまにか煮つけ、魚すきなどと結びついたのだろう。それも意外に明治の早い時期からかも知れない。

 滋愛丸での煮つけは魚エビと玉ねぎが相乗効果を生んだのだろう。非常に全体の味わいが深く、そしてより一層ご飯にも合うものになっていた。
 沼津からは底引き網の魚をたっぷり持ち帰っている。これを玉ねぎと煮てみる。
 材料はイズカサゴ2匹とシロカサゴ1匹、シロサバフグ1匹である。今回はやや多めの煮汁で、酒、味醂、砂糖、しょうゆ、水。そこに玉ねぎ大を一個を大振りに櫛切りし入れる。後はただ単に煮つけるだけ。ちなみに煮つけのコツなどはないのである。うまい煮つけを作る最大のコツは頻繁に、日常的に、作ることだけだ。

 玉ねぎの甘さを考えて、今回だけは砂糖を大幅に控えた。それなのに出来上がりの汁を味見するとかなり甘味が強い。そこに魚の濃厚な旨味が加わって、最後に熱湯をそそいで飲む骨湯が楽しみに思える。
 イズカサゴとアカカサゴ、当然遙かに前者の方が美味である。しっかりした身質で、しかもほっくりとした食感。シロカサゴは煮つけると身がやせる。まあともに美味であるには違いないが、イズカサゴの値が高いわけを改めて再認識する。
 そしてシロサバフグだが、こちらはかなり味わいが落ちる。これは時期もあるだろうし、また肝を加えていないせいもある。シロサバフグの肝はたぶん無毒であるだろうが、一様、厚生省の指示通り食べないことにする。
 そしてあらかた平らげて、子供達は煮染められた玉ねぎで飯をかきくらい、最後に熱湯をそそいで骨湯となる。これはまさに至味である。

 煮つけを食い尽くして、千葉県小見川のウナギ漁師萩原さんの言葉を思い出す。
「昔はなんだって煮つけにしたもんだ。オヤジは刺身はぜいたくだって。わかるか、煮つけはそれこそ無駄がないだろ。皮も身も内臓も、食べられるところは全部食べられる」
 確かに魚を利用するに煮つけくらい無駄のでない料理はない。

市場魚貝類図鑑のシロカサゴ
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市場魚貝類図鑑のイズカサゴ
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市場魚貝類図鑑のシロサバフグ
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