2007年6月16日 岡山の旅07 岡山中央卸売市場巡りのこと

0

oitiba0706.jpg

 岡山中央卸売市場巡りの反省点は多い。あまりにも膨大だった岡山ならではの魚貝類、これに初っぱなから目を惑わされてしまった。
 なにしろ競り場に入った途端にヒラと出合ってしまったのだ。そして「ままかり(サッパ)」やシャコ、「びんぐし(セトダイ)」、「ぎざみ(キュウセン)」、コチ、「おこぜ(オニオコゼ)」、「真がに(ガザミ)」、「おおぞう(ヨシエビ)」、「穴子(マアナゴ)」、「がらえび(サルエビ)」、「にし(アカニシ)」など、これがずらりと目の前に並んでいたらどうなるか? 当日のボクなど、その呼び名を聞き、量的なものを認識しと、頭がそれだけでいっぱいになってしまった。考えてみるとこの地物の搬入の情景を見ていないのである。当日は牛窓からの荷が多かった。下津井の荷もあったかも知れない。その大量の荷が競り場に並べられる時点がいちばんたくさんの情報が得られるときなのだ。
 仲卸に向かい。その雰囲気、魚貝類の置き方、取り扱い方、値段を見て、聞いて、メモする。この時点ですっかり冷静さを失っていたとも言える。もっとじっくり見ていたら、もっと目の前にある魚貝類に深く考えを巡らしていたら、得られるものは数倍となっていたはずだ。

 そしてなによりも今回の最大の失敗は、前日に岡山に到着していなかったことだ。岡山の市場は前日の11時には動き始めているという。陸送もの(各地から輸送されてきた魚貝類)の取り引きは午前2時に始まるのである。当日、もっとも知りたかった岩手からのイルカ(リクゼンイルカもしくはイシイルカ)が入荷して、ボクの到着時点ではすでに運び去られた後だった。高知からのシイラは岡山を中継点に日本海側にも行くという。すなわち岡山は太平洋側から日本海側への橋渡しの場でもあるわけだ。
 陸送されてきた魚貝類には岡山県人の現代の嗜好の一端が見えるはず。岡山ではイルカの消費量が昔から多かったといわれている(これをチリ鍋にするという情報も)。それはなぜなのか? 例えばイルカは岡山のどのあたりで食べられているのだろう? また中国地方山間部を特徴づけるサメの食文化のこと。
 岡山県にも地方地方に卸売市場が散在する。特に岡山北部には高梁市や津山市などの中堅都市があり、当然地方卸売市場がある。中央卸売市場で取り引きした荷は、早朝の陸送ものからそれぞれの地方卸売り市場に送り出され、その後、小型のトラックなどで岡山の地物が追いかける形であるようだ。その山間部の都市での魚貝類の品揃えはいかなるものなのだろう。このあたりは鳥取にも近く、当然日本海側の荷と、岡山の荷が混交する形になる。やはり鮮魚以上に塩サバなどが多いのだろうか?

 帰り着いて情報を整理しながら、あまりに見落とし、また調べ落としの多いのに驚く。それをやや補ってくれたのが当日面識を得た県水(岡山県水)の合地さんである。合地さんには感謝のしようがない。もしもう一度岡山に行けるなら、2日間は市場にとどまりたいと思う。そして出来れば、津山市、高梁市の市場にも足を運びたいものである。


このエントリーをはてなブックマークに追加

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan-bouz.com/mt-app/mt/mt-tb.cgi/867

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、管理人が2007年6月27日 10:58に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「愛知県一色町『毎味水産』のトリガイ」です。

次のブログ記事は「2007年6月16日 岡山の旅08 笠岡へ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。