2007年12月12日の沼津魚市場便り01

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 午前1時に布団からやっと抜け出す。身体がだるい。今年の体調の悪さは、生まれて初めてのもので近場の沼津行なのに不安を感じる。どこといって悪い部分があるわけでもなく、ただぼんやりとした体調不良を抱えながらクルマで南下、東名にのる。
 1時半に自宅を出て、ゆっくり走って、沼津着が3時半。競り場について菊貞・菊地利雄さんのトラックはあるものの18番の柱あたりが一段低くなって駐車スペースになってしまっている。見上げると屋根もここで切れて目が入っている。これは19番から先が将来フィッシャマンズワーフのような建物になり、18番までが陸送を扱う場所として残るから、とりあえず屋根を切った模様だ。

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 この日、西風もなく穏やかである。久しぶりの底引き網の選別を見る。太共丸、大成丸、和丸など大きな青いバケツが並ぶ。底引き競り場の地面を見ると、競り場にくる底引き網の船名がたくさん書かれていて、本日はほとんど全船が集まることがわかる。

 志下の選別を見ている間に、光徳丸、招福丸、福徳丸、滋愛丸、ぞくぞくと戸田のトラックが到着して競りのために魚を広げる場所がなくなっていく。そのとばっちりを受けたのが福徳丸さんで、バケツをおろせないまま暫し、待ちの体勢になる。

 底引き網の魚貝類を競りのために広げるとき、いちばん最初にカゴに入れていくのがエビ類である。しかも高いものから、というのがいつものごとく。その頂点にあるのがアカザエビ、サガミアカザエビとボタンエビ。以下はぐっと値段が安くなり、本えび(ヒゲナガエビ)、赤えび(ツノナガチヒロエビ)、縞えび(ヒカリチヒロエビ)、甘えび(ジンケンエビ)。

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 魚ではニギスが多く、次いでかさご(ユメカサゴ)、目光(アオメエソ)、ごそ(ハシキンメ)はなくて油ごそ(ヒウチダイ)が多い。他には、ひげだら(ヨロイイタチウオ)、アラ、マアナゴ、でんでん(ワキヤハタ、オオメハタ、ナガオオメ)、大きなカイワリにアカアマダイ、ソコアマダイにキアンコウ。ギス、げほう(トウジン)、のどくろ(チゴダラ)、一番端っこの小トロにはオキトラギス。

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 残念ながら面白い魚はいなくて、ヤマトトックリウミグモ、オオコシオリエビ、ソコエビジャコ、センジュエビ、サギフエなどが点々とあるのみ。

 福徳丸の奥さんと立ち話、ソコアマダイ、目光(アオメエソ)、赤えび(ツノナガチヒロエビ)、縞えび(ヒカリチヒロエビ)をお土産にいただく。いつもいつもお土産をいただいて感謝。

 定置網が接岸しているのは知っていたのだが、あまり選別をしている雰囲気がない。それで不安になってしまって、走っていくと、ほとんど雑魚が捨てられた後。少し残った雑魚のなかにクロヒラアジがあって、これをいただき。ギンイソイワシ、オオグチイシチビキ、キビナゴ、キタマクラなどを選別台から拾う。

 底引き網、定置網などを見て、途中、新しい沼津魚市場の建物『INO』を見に行く。こちらにはまだ活けものだけしか移転しておらず、広い空間がまっさらのままある。(これに関しては別項をたてる)
 ここで活けものを見て、また古い競り場に戻る。

 また釣りものらしい荷の中にマハタモドキ、コクチフサカサゴを見つける。これは佐政水産の青木修一さんに競り落としてもらう。

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 そう言えば、この日、菊地利雄さんがとても忙しそうだった。どうやら新しい競り場などの雑用に追われているらしい。

 柱でいうと20番近く、かなり離れているのに赤い色が目に飛び込んでくる。気になって見に行くと伊豆半島ならではの地キンメ(釣りもののキンメダイ)。この深紅のキンメダイのきれいであること。その隣にピカピカと光るタチウオとともに沼津ならではのものだ。

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 またポツンと置かれていたのが「なのり」。産地はわからないのだけれど、本来は沼津周辺でとれたカヤモノリを板状に干したもの。これはたぶん正月用ではないだろうか?

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カヤモノリのことを沼津周辺では「なのり」。三重県では「むぎわらのり」と呼ぶ。軽くあぶってご飯にかけたり、お吸い物にいれたりする

 7時前になってやっと菊地利雄さんに会うことができた。ここでいろいろ話をして、また慌ただしく競り場の方に菊地さんが消えていく。

 競り場を見るのも一段落着いたので『たか嶋』に向かい。途中沼津魚市場冷凍部の山田さんに挨拶。『やいづ屋』を覗いて、『たか嶋』の店内に入る。
「みそ汁ください」
 疲れ果ててカウンターに座ると、職人さんが
「今日はおひとりで?」
 そうなのだ。今日は甲殻類の専門家である飯塚さんは、風邪でダウンしている。ちょっと寂しいものだなー。

沼津魚市場
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このページは、管理人が2007年12月14日 16:12に書いたブログ記事です。

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