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初詣の人々を待ち受ける。大國玉神社参道
俳句の季語などを考えてみると、春夏秋冬というのは難しい。厳密に4つに区分けできないのだ。冬にも春があり、春にも夏があり、冬がある。これが自然だ。当たり前のことをいうようだが、我々の生きている世界はデジタルではなくアナログだなと思う。永遠に割り切れないのだ。
現在、正月に使う言語である「初春」は例えば「初夏(はつなつ)」、「初秋(はつあき)」とはまったく意味が違っている。その昔、旧暦(今年は2月初めかな?)では「初春」とは間違いなく寒ゆるむの意味合いがあり。「初」という意味合い「兆し」が感じられたのだ。その言語を太陽暦の現在の正月にも使うというのは、非常に無理がある。
現在の正月である太陽暦の1月1日は江戸時代には阿蘭陀正月と呼ばれていて、長崎出島で暮らす異人達だけの風習であった。これが明治になり、この国も太陽暦に変わる。それでも太陰暦の正月文化を捨てないで、平気で継承してきたがために「初春」なんていう言葉を使うが、厳寒の初日の出を迎えると、まことにおかしなものだ。太陽暦の正月はまさに冬本番といえるだろう。
こんな曖昧なことを受け入れるそんな懐の広さが、この国に生きる人たちの良さでもあるし、悪徳を生む元凶かもしれない。その悪徳が吹き出したのが、昨年であるかのようにいわれるが、ボクからするとかなり昔からむき出しになっていたように思える。水俣病しかり、諫早湾干拓、各新幹線(これは地方都市の破壊だ。地方文化の破壊は自然破壊と同義)、自然破壊、道路公団、国土交通省、厚生省、防衛(省)この国の支配者の悪徳を挙げたら切りがない。
新年2008年にもこの悪徳は続きそうに思える。例えば、市場魚貝類図鑑の世界でいえば、その基本的な魚貝類をとっている水域、漁業が瀕死の状況にある。漁港に若い人がほとんどいない。漁業で暮らしていけない。釣り漁がますます衰退し網漁だけになりつつある、とる漁業から自然に負荷の大きい養殖業に替わりつつある。また海辺では無駄な護岸や、役人や企業の利権だけのために破壊された内湾のためにどんどん魚種が減り、また絶滅の危険にさらされている。
これを止めることが出来るのは、ボク達しかいないのだけど、可能だろうか? 難しい? 例えばボクが好きな言葉「リベラル」からすると自分自身も平静に、現実的に素直に物事をみるのが好きだ。そのまっすぐな状態をボク自信が通していきたい。でも他人のそんな素直さを束縛する気にもなれない。やはりボクがやれるのは緩やかな活動だけだと思うのだ。
だから食べ物を通して自然保護に繋げるしかない。食べ物(食料)を地球規模で鑑みる。アフリカなどで飢えている子供達の映像に切なくて切なくて息苦しいほどの憤りを感じる。自分自身の「普段」を変えなくてはと思う。
養殖、遺伝子組み換え、有機農法など、まっすぐな目でとらえていく。今年から「食べる」にエネルギー消費の概念を組み込みたい。なぜ、水豊かな国にあって、水を輸入する必要があるのか? これは我々の不徳だろう。官僚が行いつつある自然破壊、町殺しを見逃さないで、しっかり反対していく。
ボクは、この国の政治・行政に翻弄される一市民だ。その一市民としてのボクが、今年政治に望むのは土木業からの脱却だろう。地方を旅していると、大きな家に住み豊かな人々は間違いなく土木業に従事している。そこから見ると、生産業、商工業(地方の商店街)のなんとみすぼらしいことか。地方に生きる豊かな人々が、地方にお金を落とすかというと、まったくそんな可能性はない。いち早く土木業から流通、生産業に国の予算配分を移していかないと、この国は破綻する。道路特定財源は今すぐ廃止しないといけない。政府・地方公共団体が持っている無駄(独立行政法人・天下り)も今すぐ総て廃止・禁止にするべきだ。もっと国自体が効率化を図る必要がある。
それから、それから、ボクの国に対する強い要望は環境省・林野庁・国土交通省を廃止すること。そして新たに自然環境省と通産省を設立することだ。自然環境省には山、川、海すべてを監視し、土木、工事などの必要性を調査させる。動物学(者)や生物学(者)の科学的な目を省に取り込む。そして自然全体の管理をさせる。また省自体には絶対に土木などの事業には関わらせず、土木庁がそれを行う。例えば河川の護岸が高く、そして自然破壊に繋がっているのは、本当は安全のためではない。山が荒廃しているためである。山谷の自然を食い物にして森を荒廃させている悪徳なヤカラを排除するのだ。また自然破壊だけで生きている人々を別の業種に移行させる。
大きな、ため息に近い文章でとりとめがなくなったので、これぐらいで溜まっているデータ整理を始めるとしよう。さて本当の「初春」は来るのだろうか?
とりあえず、明けましておめでとうなのだ。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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