2月12日、島根県での魚貝類を見る旅の初日、雲行き怪しく「海は大荒れの予想」となっていた。それでも松江魚市場では豊富な魚貝類を見ることが出来たし、また魚市場でたくさんの人たちと出会えたこともあって、充実した一日となった。
なかでも思いも寄らぬ、収穫が現松江市内の魚屋が素晴らしかったことだ。
ここで予め書いて置くが、ここには旧島根町などの店も含まれる。
まずはヤマトシジミさんが常連となっている市内砂子町にある『シンコー』である。ここは外見的にはいたって在り来たりのスーパーでしかない。ところが店の前に並んだ魚貝類に目が点になる。なにしろ総て地物ばっかり。「泥えび(クロザコエビ)」、ツキヒガイにテングニシ、アマダイにムツ。
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シンコーにあったテングニシとツキヒガイ
店内にもムツ、ホウボウ、アマダイに中海のシジミ。今では中海のシジミは貴重だし、値段もなかなかお高い。
店の前に魚貝類を並べるのは午前中早い時間のみ。徐々に店内の冷蔵ケースに移される。魚が店先にある時間に行くことをお勧めする。
海が荒れてきていて魚が少ないというのに、この豊かな品揃えは、旅人としてもうらやましい。
次なるは恵曇漁港前の小さな魚屋さん。まさか、これが魚屋だというのは誰も気がつかないだろう。でもがらっと引き戸を開けると、ここにも見事という他はない魚が、しかも格安で並んでいる。
アカガレイ、「ちこだい(チダイ)」、「てなし(ヤリイカ)」、スルメイカにベニズワイガニ。ヤマトシジミさんは海が荒れているせいで「やっぱり魚が少ない」とがっかりしていたが、これで少ないのと逆に驚く。しかもここの値段は信じられないほどに安い。
残念ながら、12日、ほとんど港での水揚げを見ることが出来なかった。そして市内に帰り着いて立ち寄ったのが『ラパン』である。
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出雲市大社のブリ。小伊津のイトヨリ、アマダイ。宍道湖のフナにシラウオ。「のどくろ(アカムツ)」に中海のヤマトシジミ。これを見て興奮しない魚好きはいない
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フナのこつけ(フナの細切りにした刺身に、フナの卵をまぶしてある)は宍道湖・中海周辺の郷土料理
松江城からもほど近い母衣町にある外観はオシャレなスーパーだが水産物の品揃えが素晴らしい。しかも新鮮この上ない。たぶん、都内でみるどのスーパーよりも置いてある魚は数段上だと思って欲しい。
出来るだけ多くの知り合いに松江の印象、また松江市内で買いたいお土産を聞いてみた。残念ながら一人として豊富な魚貝類を挙げた人はいないのだ。まことにこれは残念でならない。
市内至る所に見事な品揃えの魚屋があるという。松江で和菓子なんて固定観念を捨てて、加うるに島根の全国有数の豊富な海産物をお土産にするのはいかがだろう。
春となって、そろそろお勧めなのが旬を向かえるマアジ、「赤みず(キジハタ)」、「真いか(ケンサキイカ)」、イサキにマアナゴ、サザエにシイラ。買って帰りたい魚貝類を挙げたらキリがない。
島根県庁
http://www.pref.shimane.lg.jp/
島根県水産課
http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/suisan/
JFしまね
http://www.jf-shimane.or.jp/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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2008年3月20日の改訂記