大阪鶴橋のとある路地にある『よあけ』には感動した。
関東出身のやがらさんと、現に東京多摩地区に住むボクが思わず「東京の飲み屋なんてろくなもんじゃねえ」なんて叫んだほどだから、その『よあけ』の素晴らしさのほどがわかってもらえるだろう。
そこの働き者の店主さんお勧めの一品が「いわしのぬた」。
ぬたとは「沼田」と漢字を当てる。
ぬかるんだ泥田のような酢みそを魚貝類と和えたもの。
そんなものを想像していたら、まったく違うものが登場してきた。
マイワシを細かく叩いたものに青ネギを散らして、白の辛子酢みそをどろりとかけたもの。
うまかったかって、あのとき、やがらさんと半分こしたのが未練に思えるほどの味だったのだ。
これを島根県美保関定置網から持ち帰ってきた(実は拾ったのだ)「小目(ホソトビウオ)」で再現してみた。
ホソトビウオは脂が薄く、旨味もマイワシには負ける。
だからたたかないで超薄切りにしてミョウガ、ネギを合わせて信州の麹みそで和え衣を作った。
薄切りのホソトビウオに辛子酢みそをどろりとかけたものは、梅雨空をはねとばすほどに爽やかな料理となった。
これまた絶品である。
我が家の姫が「からいよー」と泣きながら、それでも箸が伸びていた。
これは我が家に新料理法が伝わった歴史的瞬間とも言えよう。
しかし、“よあけ”おそるべし。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ホソトビウオへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/tobiuo/hosotobiuo.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
宮城県の漁港巡りの旅05 6月11日 石巻市「天佑丸冷凍冷蔵株式会社」 後の記事 »
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