広島県倉橋島の日美丸さんから、大きなフジツボが送られてきた。
なんと大きなフジツボであることか。
これがまさか市場で普通に見かける青森県産のミネフジツボと同種であるとは思えなかった。
いったいなんだろうと、あれこれ迷いに迷った。
そして駒井智幸先生(千葉県立中央博物館)に見て頂き、「ミネフジツボですよ」となったのだ。
●注/駒井智幸先生は甲殻類の分類ではまさにトップランナーである。
瀬戸内海はまことに不思議なところだ。
水温が低いので、マボヤやトゲクリガニがいる。
北海道道東で食用になっているスナエビがいる。
この生き物からして青森県陸奥湾に似ている。
この大きなミネフジツボがうまかった。
フジツボの石でできた噴火口を思わせる部分を周殻といい、なかに爪のようなものがあって蓋板という。
蓋板が4つに分かれているのだけど、これをつまんで軟体部分を引きずり出す。
うまく取り出せたら、この淡黄色の部分を食らう。
濃厚な甲殻類の旨味が口全体に広がってくる。
軟体を食べ終わったら、こんどは噴火口を逆さまにして、なかにたまった汁をすする。
この汁が舌を押さえつけるような旨味を含んでいる。
青森県のミネフジツボは何度も何度も食べているが、そのたびにうまいとも思い、また値段の高さも思い知る。
今回、日美丸さんから送って頂いた、ミネフジツボを築地場内で買ったなら、間違いなく5000円以上する。
そのほとんどを我が家で食べてしまったのだ。
これはなんとも贅沢だ!
蒸し上げた画像をもう一度見ながら、倉橋島にミネフジツボを取りに行きたしと思う。
広島県倉橋島 日美丸
http://ww5.enjoy.ne.jp/~kogera0401/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ミネフジツボへ
http://www.zukan-bouz.com/koukakurui/fujitubo/minefujitubo.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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2008年9月30日の改訂記
同定を有難うございます。
青森でフジツボを食べていると知り、こちらのモノも食べられるかもしれないと思いつつも、種名がわからずなかなか口にできなかった(する勇気がなかった)ので、今まで獲れても捨てていました。
青森のと同じミネフジツボだったのですね。
これからは捨てずに食べようと思います。