1990年代半ばに国内(東京湾)で発見されたアメリカ原産のホンビノスガイが、このところ急速に増えている、らしい。
なぜ、そう思うかというに市場で毎日のように見ているからだ。
アサリがない日はあっても、ホンビノスガイを見かけない日はまずない。
キロ当たり600円ほどだから、安いと思って買うと、非常に歩留まりが悪いので、バカガイなどと比べて、単価を二倍にして、まだ割高感がある。
例を取ると、ホンビノスガイがキロあたり600円なら、実質的な価格はこの2倍半くらいを考えていい。
すなわちキロ当たり1500円くらい。
貝殻が厚くて、歩留まりが悪いというとウチムラサキを思うが、それ以上にこちらの方が貝殻が厚い。
最近わかってきたことだが、ホンビノスに限ってはあまり大きいものはよくない。
特に酒蒸しとか焼くとかするなら、手の平にのせて、4つ、5つというのを探す。
手の平に2つ、3つで持てあますほどだと、身が硬くなり安く、料理しづらい。
今回のものは5つほどで1キロを超える。出来たら買いたくない代物。
小振りのウバガイ(ホッキガイ)くらいある。
貝をむき身を取り出すのがちょっと大変。
貝棒で割りながら、なんとか剥き、足の部分を半割にして、ワタはそぎ取り、捨てる。
ヒモや貝柱と軽くゆで、水分を拭き取り、まな板の上でトントンとたたく。
無駄な水分が抜けるとともに柔らかくなる。
カルパッチョソースはトマトのコンカッセ、白ワイン、ワインビネガー、レモン、ハッサク、ニンニク、タバスコ少々、塩コショウ。
まずはヒモと貝柱をトマトと和える。
ニンニクの香りをつけた皿にホンビノスの身を並べ、中央にヒモと貝柱。
適当にソースをかけ回し、冷蔵庫で冷やす。
彩りのピーマンを置き出来上がりだ。
これが予想以上にうまい。
酸っぱいソースに、あまり旨味の感じられないホンビノスが素直に同調している。
シコっとした食感もいい感じだ。
もしもあったら、ここにエシャレットとかフレンチソレルがあると豪華な感じになりそうでもある。
お父さんのために作った料理なのに、なぜか家族一同うれしそうに食べてしまった、意外な一品であった。
2009年6月7日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ホンビノスへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/marusudaregai/honbinosu.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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