ブランド魚図鑑: 2007年3月アーカイブ

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 我が家でいちばん食べている魚、それは平凡であるがマアジ、マサバである。鮮魚でも干物でも一週間になんども食卓に上る。いわゆる背の青い魚といわれるもので、回遊し、群を作る習性を持つ。多くは巻き網、定置網などで大量に漁獲される。当然、まとまって獲れる物だから価格も安く、口の悪いヤカラからは「下魚」なんて言葉が冠せられた時代もあったはずだ。
 このマアジの価値を一躍高らしめたのは相模湾沿岸で食べられていた「アジのたたき」という料理である。それまではマアジと言えば「塩焼きか干物」と言う既成概念を「生でも食べられる」と変えてしまった。これは1960年代から東京などの居酒屋料理店にも登場し、ボクが魚のことを調べ始めた1980年代の後半にも市場では「アジの値段が騰がったのは、たたきが流行ってから」という声が聞かれた。ちなみにこのときはブランド魚というものこそなかったが「小田原のアジ」などが名品とされていた。そして1990年代に「関アジ」「関サバ」が登場すると、マアジの値はより跳ね上がり、それまで明らかに下魚扱いのマサバは、高級魚を通り越して超高級魚になってしまう。
 大分県佐賀関では、他の地方で主に巻き網、定置網などでとり雑に扱われていたアジサバを、古くから釣りでとっていた。その良質の魚をより価値を高らしめるために、一定期間活かして、締める。まるで明石鯛などでなされていた出荷法をマアジ、マサバに取り入れたのである。これによってアジサバの鮮度の劣化が飛躍的に抑えられた。当然、九州大分から東京まで出荷しても「生で食べられる。しかも飛びきりの鮮度で」という付加価値がつく。
 その「関アジ」「関サバ」に続け、とばかりに各地からたくさんのブランド魚が登場してきている。鹿児島県阿久根の「華アジ」、愛媛県三崎町佐多岬での「岬アジ」「岬サバ」などなど。どれも取り方や出荷方法を工夫して一定以上の品質を確保している。そして当然美味だ。
 このブランド魚の持つ意味は大きい。例えば明らかに下魚扱いだったマサバは値の高い安いはあるものの一般の意識としては低いままだった。「うまくて安い」が当然だったのだ。それが「マサバもいいものは高い」と言う方向性を導き出したのは、まさに「関サバ」の功名である。また佐賀関漁協のブランド魚開発にともなって、大分県各地の魚貝類の出荷が際だってよくなってきたように思われる。この「ブランド魚のもつ相乗効果」が他県にも飛び火すればいい。
 このブランド魚の持つ意味は大きい。例えば明らかに下魚扱いだったマサバは値の高い安いはあるものの一般の意識としては低いままだった。「うまくて安い」が当然だったのだ。それが「マサバもいいものは高い」と言う方向性を導き出したのは、まさに「関サバ」の功名である。また佐賀関漁協のブランド魚開発にともなって、大分県各地の魚貝類の出荷が際だってよくなってきたように思われる。この「ブランド魚のもつ相乗効果」が他県にも飛び火すればいい。
 今、魚は安すぎると思う。多くの労働、また危険を伴う漁をへて得た自然からの恵みは、今や全世界的な食の多様性や商品流通の波に不当に揺さぶられ、そして、買いたたかれてしまっている。このままでは漁業をやっても普通に生きていくことすら難しくなってきているのだ。そこに漁獲物の値段を高く安定させる「ブランド魚」という取り組みは、今いちばん必要とされるものではないだろうか。なぜなら魚貝類の産地ならどこでも明日にでも取り組めるものなのだから。


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