昨年の初冬である。「ぶわだら(塩蔵のマダラフィレ)」を買っていたら、八王子の魚屋、善さん(西八王子、魚善)が「『ぶわ』買うくらいなら『ぽん』買えよ」という。それに何人かの魚屋が「『ぽんだら』はうまいよ。大ざっぱにトントンとぶつ切りにして、肝とかさ、胃袋とか全部入れて鍋にするのよ、これが意外なくらいうまい」。みんなが口を揃えて買えという「ぽんだら」はマダラの30センチほどのもの。大きなマダラが市場に幅を利かす前にやってくる。これのフライはうまいのはわかっていたが、鍋、みそ汁がうまいのかな。と昨年のちょうど今頃に食べてみた。これがたまらない味わいなのだ。
鍋に1匹をそのままぶつ切りにして入れて再度沸騰したらアクをすくい、野菜と豆腐を入れる。出しにたっぷりの酒と、塩で味加減。ポン酢がいいな。しみじみいいな。だいたい野菜の栽培地域でも「八王子・日野は高冷地だと思っていいよ」とベテラン農家からアドバイスを受ける。それだけ深々と冷えるのだ武蔵野西部は。そこに「ぽんだら」の鍋。地元の高倉大根、水菜、白菜、豆腐。ふーふーと飽食しながら酒も3合3尺いけますな。
八王子綜合卸売センター、高野水産にて。仲卸で1匹250円から400円。小売りでも500円前後だろう。親切な魚屋にぶつ切りにしてもらうのだ
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八王子並木町 魚茂