魚茂のイカの塩辛は昔ながらの作り方をしている。ワタも身も強い塩で水分を抜き、これを合わせて熟成させる。この魚茂自慢の塩辛、「1年も熟成すると樽の底に色合いからして濃い塩辛がたまるだけど、これがうまいの」といつも聞かされていた、それをやっといただいた。これが凄いのだ。
凄いと言っても熟成が進んで濃厚なものを思い浮かべると思われる。それがまったく想像もしなかった味なのだ。いただいてきた日、これを肴に酒を飲んでいると、家人が横からとってご飯にのせてパクリと食べた。これを見ていた子供が真似をして、あっという間にガラス小鉢の塩辛がなくなってしまったのだ。驚くことに熟成することでイカの生臭さがまったく消えて、微かに甘味がある。これがご飯にあうのだ。
ただ、ご飯と食べられてはこまる。塩辛はあくまでお父さんのもの。この塩辛の仕込みは昨年の秋のこと。1年経たないとこの味わいは生まれないとしたら、むざむざご飯と食べられてなるものか。
八王子市並木町25-7 電話0426-61-4728
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12月17日(土曜)のこと