千葉県立中央博物館 海の博物館に到着したのは9時過ぎ。朝市のある勝浦市街から鵜原の海の博物館まではクルマで10分とかからない。博物館の駐車場にクルマをいれて、時間があるので浜に出る。
潮が引いてきていて、ヒジキが岩の上に晒されている。その岩と岩の間の潮だまりを手網ですくう。イソスジエビ、ドロメ、クボガイ、ヒライソガニなど、小一時間磯の生き物に夢中になる。
10時半に博物館にもどり、菊地則雄先生から短く、そして楽しい海藻のレクチャーを受ける。今回は我々も含めて参加は8人。どうして、こんな楽しい観察会なのに参加者が少ないのか、ちょっと残念。この短いレクチャーを受けるだけでも磯遊びの楽しさは倍増する。
すぐに磯に出て見つけた海藻の説明を受けていく。今回は初めて海中公園のデッキ下で海藻観察は始められた。千葉県銚子市外川で「のげのり」と呼ばれるフクロフノリ、「岩のり」であるマルバアマノリ、でっかいカジメ。刺身のつまに使われるムカデノリにオゴノリ。普段入れない禁漁区の海中公園前の磯には海藻の他にも魚類、甲殻類が豊富に見受けられる。
子供達はもう海の生き物に心奪われて、菊地先生の説明どころではないようだ。今回の観察会、海藻を中心とするものであるが、甲殻類の専門家である奥野淳兒さんが補助してくれている。太郎は奥野さんにべったりくっついて離れない。磯で見つけた生き物の名がすぐにわかるということくらい楽しい物はないのだ。この時期、磯で必ず見られるアメフラシ、アマクサアメフラシなどこんなぶよぶよに子供は夢中になる。
場所を変えて浜から徐々に磯を外海まで歩いていく。まず、緑藻類であるヒトエグサ、ボウアオノリ、ヒラアオノリなど一般に青のりと呼ばれる海藻があり、ムカデノリ、サクラノリなどがタイドプールに見られる。岩に張り付いたシワノカワ、ピリヒバ、ウミトラノウ。菊地先生に教えてもらわなかったら磯の景色の中で埋没してしまったいたはず。ホンダワラ類のタマハハキモク、オオバモク、ヒジキが海一面にただようところまで来て引き返す。
潮だまりで見つけたツノマタ。これは化粧品などの材料になる
時刻は1時過ぎ。2時間を超える時間があっという間に過ぎていく。しかし海藻の世界は限りなく大きく、魚類や軟体類に海藻まで、人が関わる生物の世界のなんと膨大なことか。ツノマタ、カジメ、ワカメ、アラメ、アカモクにオバクサ、マクサ、オオクサ、ヒラクサなど今日ざっと見ただけでも工業的にまた食品として利用される海藻の多さに圧倒される。
磯での観察が終わり、また博物館にもどる。ここで採取した海藻を同定してもらって解散となる。
菊地先生の個性のためだろうか? 勉強をしているという堅苦しさはなく、磯遊びしながらいつの間にか、海藻の知識が膨らんでいる。これが2回目の海藻の回であるが、来年もきっと参加するぞ!
千葉県立中央博物館分館 海の博物館
http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/index.htm
菊地則雄先生については
http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/index.htm
奥野淳兒
http://www.chiba-muse.or.jp/UMIHAKU/index.htm
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
3月18日勝浦朝市(千葉県勝浦市) 後の記事 »
コエゾバイ(子磯つぶ)/つぶ学事始め02