4月10日(月曜)の市場便り

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 月曜日の市場であるが、活況を呈しているか? と言えば否である。どうしてこのように停滞しているかと言えば明らかに流通が大型スーパー、コンビニに取って代わられているためである。ともにあまりにも人間味に欠ける上、魚貝類でも食品でも文化を喪失させる原因となっている。ここに新しく参入する個人商店や飲食店があらわれないと市場の基盤自体が危うくなりそうだ。

 その落ち着き払った八王子魚市場、特種に佐世保「丸伊水産」からコモンハタ【南日本の岩礁地帯に棲息する。市場で見かけるのは圧倒的に九州物である。ハタとしては小型であるが値は高い】、ヤリイカ【北海道南部から九州の対馬海峡付近まで棲息する。スルメイカが夏に多いのに対して秋から初夏にかけてとれる。値の高いイカ】、スルメイカは下氷【箱の下に氷を敷きで数を決めて並べたもの】、マダイ、アカガレイ【日本海と宮城県以北に棲息する。味のいいカレイで定評がある。裏側が血液で赤く染まっていて、鮮度のいいものほど赤い。値は安定してやや高値】、根室からマガレイ【日本海、茨城県以北に棲息する。やや高値の味のいいカレイ】。
 能登半島西岸羽咋郡志賀町平野剛志さんがとったイワガキ【日本海側、陸奥湾から九州までの外洋の岩礁やテトラポットにつく。一昔前までは産地は少なかったが、今では全国各地から入荷してきている。そのため値段が落ちてきている】が特種に。

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市場魚貝類図鑑のイワガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/iwakaki.html

『海老辰』には愛知県常滑市「肥田商店」からアサリ【北海道から九州、朝鮮半島、中国の干潟に棲息している。干潟の減少が著しく、早晩食べられなくなる】。
『源七』には青森県下北「川内水産」からワカサギ【北海道から東京、島根以北の湖、ダム、河口に棲息。山上湖などは人口移植したもの】。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』からは、ぼたんえび【トヤマエビ 日本海福井以北、北海道からオホーツク海、ベーリング海に棲息。値段は高値安定。ロシア、アラスカ、カナダなどからの輸入も多い】。イボダイ【松島湾、男鹿半島以南に生息。「えぼだい」というのは東京周辺で疣のことを「えぼ」と発音していたところからくる。関西では「しず」と呼ぶ】、ハタハタ【日本海、北海道からアラスカまで棲息。鮮魚が入荷してくるのは秋から初夏。値段は安い】。

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丸幸水産の店頭。やはり値段は全般に安い

 八王子綜合卸売センター『高野水産』にもハタハタ、ヒオウギガイ【イタヤガイ科の美しい貝。房総半島から沖縄までの岩礁域に棲息する。養殖されていて観光地などで食べられたり、貝殻が売られていたりする。値段は安定しない】。
 市場の八百屋にはグリーンピース、そらまめ、竹の子などが目立ってきている。ギョウジャニンニクも安くなってきていて、そろそろ買えそうだ。

『市場寿司 たか』でザルガイ、シリヤケイカの握りを撮影。ともにどえりゃうめー。


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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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このページは、管理人が2006年4月11日 08:33に書いたブログ記事です。

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