酢鰺と酢締めの鰺は違うようだ

0

 街歩きをして、魚屋を見つけたら「締め鯖」を買うことにしている。これなら帰宅時間が長くても安心して持ち帰れる。そして江東区三好であるが、季節は初夏。下町の雰囲気のいい魚屋を見つけて「締め鯖(関西での生ずし)」でも買って帰ろうかと思い立ち、これまた気さくなオヤジさんに声をかけようとして……、「マサバのいちばん悪い時期」であるのを思い出した。それで「酢で締めた鰺はないでしょうか?」と聞くと
「酢鰺ならあるけどね。締め鯖がいいよ」
 これがなかなかいい声だ。
 そんなことを言われても、なおかつ買ってきたのが酢鰺である。
 これがてっきり酢締めの鰺だろうと思ったら、違っていた。酢締めというのは、マアジを三枚に卸して、強い塩をして置き、それを洗い流して酢をくぐらせる。もしくは一定時間酢に漬けたもの。でも10枚500円の酢鰺はまったくそんなものではなく、どっぷりと酢に漬け込み、骨まで軟らかくしてある。酢締めの鰺が生ものだとしたら、こちらは保存性のある加工食品といった感がある。
 この酢鰺であるがとにかく軟らかい、薄皮をひっぺかして血合い骨もそのままで舌の上でなんなくつぶれてしまう。そして鰺のうまみのある身と酢の味が口中に広がり、そこに適度な塩気がくる。粉ワサビもたっぷり添えてもらったから。ちょんちょんと乗せて、軽くワンカップを半分だけ。腸のポリープさえ取らなければ3杯はいけたかも、残念至極。
 酢鰺を作っている。食べているという方がいたら教えて欲しいな。我ながら、下町でこんな新たな発見があるなんて思いも寄らなかった。

miyosisakanaya001.jpg
miyosisakanayaaa002.jpg

●江東区三好にあった魚屋、屋号を聞かないで帰ってきてしまった。また画像を見ても屋号が判明しない。残念である


このエントリーをはてなブックマークに追加

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan-bouz.com/mt-app/mt/mt-tb.cgi/486

コメント(5)

そういう時はgoogleマップです。(しつこいかな?(^^;)

http://maps.google.co.jp/maps
で、「江東区三好 魚屋」と入れると地図上に
ずらっと魚屋が表示されますので、大体の場所が
わかっていれば、屋号も電話番号もわかります。

こんばんは
今日は完全に寝れずにいます
完璧な不眠症ですか・・

いいなぁ
東京は
こんな魚屋さんがのこっているんですから
地方はもう量販店の独壇場に近づいています
今度自分で酢鯵作ってみます

user-pic

酢締めの鯵、といったら大船駅の駅弁「鯵寿司」くらいしか知りません。
酢締めの魚、千葉にはけっこう並んでいますが鯵はありませんね〜

user-pic

酢締めで鯵ときたら、こちらも鯵寿司なんですがね。
鯵はやはり塩をしてから酢に漬けます。といってもワタだけ出して1ヶ月ほど漬けるので、骨までかなり柔らかくなるんですがね。祭りの時期だけ手に入る代物ですが、なかなかうまかった記憶があります。

user-pic

鮟鱇さん、田向さん、たにぐちさん、うなたろう君までコメントありがとうございます。さて酢で締めるというのと「殺す」というのがあり、また保存性
から酢に漬けるというのもある。この多様性に目がいってなかったですね。
うなたろう君の1か月漬けるというのは非常に興味がありますね。中骨も頭もぜんぶ柔らかくなって丸ごと食べるんですね。徳島にも1ヶ月ほどではないのですが、同様の料理があるんです。マアジを使った姿寿司に使うものがあるのを忘れていました。

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、管理人が2006年5月26日 11:38に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ページ削除など」です。

次のブログ記事は「灯台つぶ クビレバイ つぶ学07」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。