青魚の夏だな。マアジ、マサバ、ゴマサバ、カツオにホソトビウオ、ツクシトビウオにサワラ、それぞれ価格も安定してきたし、脂ものってきた。
5キロ判のマアジ5000円を前にスーパーの一角で魚屋を営業する人が悩んでいる。
「こりゃいいな、値段もいいな。ウチは毎日大安売りだかんな。3500円だって高いよな〜」
考えながら、ついつい声に出してしまう人って意外に多いんだなと思うのは
「なんだこりゃ、マサバがいい値だなっと思ったらゴマもそんなでもない(7入り3キロ判?1700円。そんなに安くない)、じゃあ真サバに行きますか」
青魚の前にいると八王子を始め多摩地区ほとんどの魚とご対面となる。それが一箱ずつ持って帰るのだから山はどんどん寂しくなっていく。
「アジがなければ始まりません、と」
鼻歌を歌っている人がいる。
「アジよくなってきました」
「いいよー、とってもいいの。ウチは店先で焼いたの売ってるんだけどー、脂があるよ」
そうだ最近の魚屋で意外に売行きがいいのが「焼き魚」なんだという。しかも「アジ、サバが売れるね」と脇から別の魚屋が顔を出す。
そこへ相模原の寿司屋の若だんな。
「お、珍しいね。寿司屋が箱買いかい」
「そうなんすよ。つまみにアジのたたきを出してくれって、宴会なんです」
「いまどき珍しいね、宴会なんて」
「法事ばっかじゃね。派手な料理だせないでしょ。たまの宴会うれしいすね」
このオヤジ達の会話がなかなか世相を反映して面白い。マアジはまさに今が旬、マイワシ、マサバも脂がのってきている。そして気仙沼まで北上したカツオ。どれを選んでもハズレなし。
「浜田のアジ安いよ、2500円。ブランド品だよ浜田のアジは」
市場職員のかけ声も不要と思えるくらいに売れ行きは上々。これで外に出ると雨、後は梅雨明けを待つのみ。
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