「新いか」登場

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 今年の「新いか」登場は8月1日。昨年はどうだったか、と確かめると7月23日なのであった。残念なのは昨年の値段がわからなかったこと。それでは今年はいくらかというと1匹30グラム上でお値段は500円となる。すなわちキロ当たり15000円なのだ。たぶん八王子に来たのがこのクラスだから築地では20000円上のものもあっただろう。
 この「新いか」というのは1匹で1かんの握りになる。すなわち原価計算のやりやすいもの。すなわち1かん原価が500円とすし飯ということ。それでもきれいにネタに仕立てて職人が握ると安くて1かん1000円くらいかな? できれば1500円は欲しいよな? と寿司職人は思っているかも知れない。
 あ、いかんいかん。「新いか」とはいったいなにか? というとコウイカ(関東で墨いか)の春に生まれた新子である。これがなんとも言えずにうまい。この時期に来るのは九州は出水や不知火海などのもの。たぶん新子(コノシロの稚魚)と同じ産地である。本来の江戸前(千葉県富津など)に「新いか」がとれるようになるのは秋なので、値段を考えるとその時期まで待ちたい。
 この「新いか」だが鮮度が落ちやすい。それで冷水につけて入荷。いいものならそのまま生でもいいのだが、ボクは軽く熱湯に通した方がいい。軟らかいが噛むとプリっと少し弾力を感じて程良く噛み切れる。味わいには甘味が勝って、そこはかとなく旨味が感じられる。まあうまいのであるからボクの懐具合からいって秋が待ち遠しい。

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コメント(4)

 イカにこの値段は私等田舎漁師には信じられない値ですね、羨ましい!
 去年も9月ごろにこのイカのことが書かれていて6000円/kgとでていて驚いた記憶がありますが、今はもっと高いんですね。
 イカは真水に直接あたると身が白くなるので氷なども身にあたらないように気をつけているのですが、この冷水とは塩水なんでしょうか?
 

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日美丸さん、広島の新いかの湧き具合はどうでしょう? 昨年は遅れてしまって値段が分散したようです。今年8月早々に高値がつきたのが普通なんじゃないでしょうか? 尻高鰤さんに聞いてみなければなりません。また取り方がわからないんです。それと新いかの場合、新子(コノシロ)と同じで高いのは最初だけです。また冷水は塩水であったようです。中に氷はなく、間接的に冷やしているようです。

 こちらでコウイカはまだ孵化していないモノが多く、孵化していても1,2cmと小さくてとても商品になる大きさではありません。
 冷水は塩水を間接的に冷やしているんですね。氷水にしていると考えていて、塩分濃度の調節をどのようにするのだろうかと疑問に思っていましたが、間接冷却だとその心配はないですね。

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新いかが高いのも最初だけなんですね。去年は遅れていて秋になってもいい値段だったんですが、今年はどうなんでしょう? 過去に6月に新いかというのもあり、漁師さんにとっても高値安定ではないんでしょう。
また日美丸さんの倉橋島でも新いかの出荷はいいのではないでしょうか? 技術は築地などから逆に教えてくれるんだと思います。また稚魚を食べるというのが、決して資源保持の妨げにならないと思ってもいます。

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このページは、管理人が2006年8月 3日 08:25に書いたブログ記事です。

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