じゃこ天でジャガイモを煮る

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 愛媛県の宇和島、八幡浜などで作られる「じゃこ天」の原料というのはホタルジャコを筆頭に様々な小魚なのである。その小魚の小骨も多少のウロコもそのままにすり身にして揚げてある。ここには多量の旨味が含まれ、煮物を作るときなどはカツオ節や煮干しなどを使う必要はない。じゃこ天の旨味だけで素晴らしい煮物が出来るのだ。それで我が家では何はなくとも、この「じゃこ天」と里芋、ジャガイモ、大根などをたく(ボクは四国出身なので「たく」なのだ)。これで至極簡単に、すこぶるつきにうまい煮物が出来るのである。
 用意するものはいたって少ない。さし昆布、じゃこ天、ジャガイモか軽く下ゆでした里芋か大根だけ。水に昆布、ジャガイモ、適当に切った、じゃこ天を入れて火をつける。ことこと沸いてきたらアクをすくい。酒、砂糖、醤油で味つけする。これだけで、あとは何もしないのだ。
 そしてじっくり、じゃこ天の旨味がジャガイモに乗り移ったら、いっきに食ってしまう。我が家などではおかずとも言えず、おやつとも言えず、いつの間にか鍋はからっぽ。残っているのはややだしがら状になってしまった、じゃこ天だけなのだが、これに辛子を塗りたくって酒の肴にするのである。子供は嫌がるが、ボクには役割を終えた、じゃこ天がこれまたいい味わいなのだ。これは大人だけしかわからない味だ。
 さて、じゃこ天でたいたのはメークイン。これが里芋ならもっといいのである。それがまだ夏が終わったとはとても言えない9月初旬。なんと気温は34度まで上昇。八百屋をのぞいても里芋は高く、三多摩一野菜が安いという八王子綜合卸売センター「ビックリや」でも7、8個入って一袋600円もする。そろそろ石川早稲ぐらいは安くなってもよさそうであるが、今回は里芋を断念。10月には土垂里芋、冬になると八王子名物の石川大根でたくのもいい。困ったことにまた腹が減ってきた。

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薬師神かまぼこ
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このページは、管理人が2006年9月10日 21:09に書いたブログ記事です。

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