キハダの「うね肉?」はうますぎる

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 八王子魚市場場内に入ったらマグロ売り場に人だかりが出来ている。それに「うまいもんの気配」があるので当然の権利だと思いながら人だかりを蹴散らし前に出る。
 そこにあったのが不思議なものである。四角い発泡にのっているのは明らかに煮付けである。でもマグロ売り場だから「マグロだよね」と聞いてもみんな薄笑いを浮かべるだけ。「さあ、なんだろうね」なんて『源七』の若だんながすーっと消えていく。

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「なんなのこれ」
 マグロ売り場担当のムッシュに聞くと、
「キハダマグロをおろすだろ、そうすっと腹のあたりにうねのようになって白い肉というか軟骨というのかついているんだよね」
「でもこれ骨じゃないだろ」
 食べてみるとぷりっとしていて柔らかく、煮方が上手なのもあってすこぶるつきにうまい。ついつい手が出る旨さだ。
「骨じゃないね。面白いのはキハダにだけついているんだよね」
 これを煮たのはムッシュなのだ。この人の料理の腕は向かうところ敵なし。プロの料理人も尻をめくって逃げていくと言われている。じゃあ料理の仕方がうまいのかというと、煮たとはいえ、これはこの白い物体自体の味であるとしかいいようがない。

 これを少し分けてもらって帰宅して焼いて食べてみた。もう一度味わってやっぱりこれは絶品である。塩コショウして油で焼いただけ。それなのにどうしてこんなに味わい深いのか不思議でならない。串に刺して焼き鳥風にするともっとうまいのではないか。

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 このような新しい素材を見つけられるのもムッシュの料理の才能のお陰であると思う。「ムッシュ、ありがとう」。


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このページは、管理人が2006年9月22日 10:53に書いたブログ記事です。

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