先週のこと。浦安で生まれて船橋で育った『源七』のあんちゃん、せっせと「こはだ(コノシロの10センチ前後)」を開いている。そして振り塩。
「こはだ、今がいちばんうまいのかな。オレなんかさ、毎日食べてもこれだけはあきないな」
その内の10枚を分けてもらってボクも好みの塩を振る。酢で洗う時間もあるし、塩加減だけは誰にも任せられない。
「ウチじゃさ、これを酢で軽く洗って甘酢で30分くらい漬けるの。すると子供もよく食べるしさ」
「オレは、酢で洗って、それだけでいいな」
「そうだね。子供や母ちゃんのこと考えなければそっちの方がうまいよな」
『源七』で塩をした「こはだ」は腹合わせにして袋に入れて持ち帰る。ちょうど40分が経過している。これを酢で洗い、ほんの少し砂糖を入れた酢に漬ける。これを30分ほどで引き上げて、また腹合わせにして冷蔵庫に仕舞い込んでおく。
そして晩酌の肴は当然のごとく「こはだ」なのだ。自家用だから背ビレを落として四等分に切っただけ。徳島県人なので酢締めにもスダチをかけてアテにするのだ。
この秋の「こはだ」に脂があって、それは微かだが甘味すら生んでくれている。そこに青魚の旨味が加わっている。「こはだ」で飲(や)る日本酒のうまいこと。沼津の「白隠正宗」がどんどんなくなっていく。
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