カゴカキダイがいかにうまい魚であるか発見したのが24年前のこと。伊豆で防波堤釣りをしていたとき地元の漁師さんから教えられた。
「こんなうめ、魚すてんなよ」
と、怒鳴られたのであるが。きっと漁師さんはいたって平穏な会話を交わしたつもりなのだろう。
そしてどう見ても熱帯魚か観賞魚にしか見えないのを刺身にして食べたのだ。そのとき釣り上げたのがトウゴロウイワシや小メジナ、伊豆で金魚と呼ばれるネンブツダイだけであったのも食べようと思った理由である。
それがすこぶるつきにうまいのであった。たった3匹、しかも大小有りを丁寧に卸しても釣り仲間とふたりではもの足りなかった。
そして11月3日、佐政水産・青木修一さんと沼津魚の達人・菊地利雄さんに集めてももらったカゴカキを握りに刺身に久しぶりに堪能した。これは寿司職人渡辺隆之さん曰く。
「やっぱ秋にはカゴカキがなくっちゃね。始まりません」
まさに寿司ネタにもっとも入荷の待ち望まれる魚なのだ。
また今回驚いたのは大きなカゴカキダイが底引きで揚がっていたことである。普通磯回りの浅い場所にいるはずのカゴカキがなぜ大トロ(深い場所を曳く底引き)に揚がっていたのか、まさに謎だね。
これは沼津魚市場、戸田トロールに入っていた大きなカゴカキダイ
市場魚貝類図鑑のカゴカキダイへ
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