サケの考現学01 セブン-イレブン「押し寿司 ます」165円、原料はサーモントラウト

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 面白いことに富山で有名だと思われる「マスの押し寿司」というものがコンビニでは定番なのである。どうして定番になったののだろうだれか教えて欲しい)。もともと富山市を流れる神通川の「マス」、サクラマスは有名で、この「ますの寿司」の原型は1717年(享保2年 大岡越前が江戸町奉行になった)に富山藩士吉村新八が藩主に献上するために作ったもの。『日本山海名産図会』1799(寛政11)年にも神通川のマスはある。これを富山市での鉄道開通とともに駅弁として売り出したのが明治の終わりで大正の始まりというややこしい1912年(受験の時に、この年のこと覚えておけよ、と言われた人おおいだろうね)のこと。
 名物となってデパートなどでも売られているので「富山に行ったら“鱒寿司”買わなければ」と思っている名物恐怖症の人も多いはずだ。この駅弁の「ますの寿司」も手軽に都内で買える。そしていつの間にか「ますの寿司」は総てのコンビニの定番と成り上がった(成り下がった? どっちだろう)ようなのだ。

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 そしてまず最初に買ってきたのがセブンイレブンのもの。ボクなんて学生の頃にはコンビニなんてなかった世代であり、やっと姿を見せたのがセブンイレブンだった。と言うことはセブンイレブンはコンビニ貝の老舗である。
 コンビニでよく見かけるのは丸い形のもの、でもセブンイレブンのは四角形であった、作っているのは富山県ではなく東京都武蔵村山で作られたもの。武蔵村山と言えば志村けんしか思い浮かばないかもしれないが、都区内への通勤圏にある中堅都市である。そこにある「わらべや日洋」が生産、セブンイレブンに卸しているようである。(この「わらべや日洋」面白そう。一度工場見学させてくれないかな?)
 さて、この押し寿司の原料は「トラウトサーモン(サーモントラウト)」でも原産国の表示がない。たぶん原産国表示は寿司に加工した時点で不必要になるのだろう。でも「サーモントラウト」は国産はまずなく、ノルウェーかチリからの輸入だろう。すなわちセブンイレブンでの「マス」は「サーモントラウト」ニジマスということになる。
 あとは甘酢に使う調味料や多少の添加物でなかなか身体には優しそう。
 この「押し寿司 ます」の特徴は表面に貼り付けた「サーモントラウト」そしてすし飯、いちばん下にもすし飯となり真ん中にコンブの佃煮が挟まっていること。この味わいはなかなか侮れぬもの。出来るだけ早く富山県産の「鱒の押し寿司」を食べてみたいと思っているが、高速のサービスエリアなんかで買い求めたものよりもセブンイレブンのほうが旨いかも知れない。また原料が「サーモントラウト」ならわざわざ富山で作る必要はないのである。

わらべや日洋
http://www.warabeya.co.jp/
セブン-イレブン
http://www.sej.co.jp/index.html
参考文献/『ふるさとの味と技 いきいき富山特産品ガイド』富山県貿易物産振興会
市場魚貝類図鑑のサーモントラウトへ
http://www.zukan-bouz.com/sake/sarmont.html


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たび☆めし☆うま BLOG - ます昆布じめ押し寿司 (2007年6月 6日 01:17)

おっ!期待していなかったけど、意外にイケる。 続きを読む

コメント(4)

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サンクスで売っているマス寿司はたしか「サケ類」との表示だったと思います。樺太マスが使われているなどの噂も聞きますが実際はどうなんでしょうね。

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うなたろう君、明日にでもサンクスに行ってみます。どうも「サケ類」というのと「鱒類」「マス類」というのがあるようです。これらは材料をぼかしているようで嫌ですね。これなどなんとか材料を突き止めたい。
また今日東京駅で富山のますの寿司を探しましたがありませんでした。富山の物産展などやりませんかね?

本題とはずれますが、わらべや弁当部門でバイトしてことあります。
ショッピングモールのすぐそばにあります。
弁当部門はイランの方が大勢いましたよ。
深夜に黙々とハンバーグの上にセロファン置いたり、チャーハンを固めたり…ふしぎな世界です。

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yamakiさんは生粋の埼玉っ子なんですね。
最近、埼玉に遠ざかっている、ぼうずコンニャクです。yamakiさん、ボクはここ数年埼玉が気になって仕方がないんです。そんなときコンビニのお握りを買うと、「わらべや」もそうですが埼玉が多い。明らかに近郊都市としての産業があまたあり、その分野分野が面白そうです。
また、そろそろ寒シジミでもとりに埼玉の野を目差します。

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このページは、管理人が2007年1月22日 08:26に書いたブログ記事です。

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