「サケの考現学」を始める。その序

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 サケとマスの違いはなにか? これに関しては一般的な辞書を数々当たってみたが思った以上に辞書制作者の混乱があり、意味不明の説明がたくさん見られた。
『言林』1986年では「サケ/サケ科サケのことで、語源はアイヌ語の“しゃけんべ”から」「マス/サケ科で“マス”とつくもの」
『大辞林』1995年では「サケ/サケ科サケのこと。別名“シロザケ”・サケ科の海水魚の総称」「マス/サケ科で“マス”とつくもの」
『広辞林』では「サケ/サケ科のサケ。しゃけ、あきあじ」「マス/サケ科の海水魚。茶色の斑紋がある」
『広辞苑』第二版1976年「サケ/アイヌ語の“さくいべ(夏の食物)”、“さっとか(乾魚)”からともいう。ニシン目の海魚。別名シャケ、アキアジ」「マス/ニシン目の海魚。北日本に多産するが陸封型は南部にも分布。サケに似、背は淡褐色で、側線下は銀白色、夏、川に遡って産卵。古称腹赤。ヤマメ(東京)、エノハ(九州)。地方によっては川に遡る海魚の大部分をマスという」
 以上を見てみるにサケは明らかに標準和名のサケだが、マスに関してはあまりにも曖昧である。比較的詳しい説明のある広辞苑の場合、マスの説明は明らかにサクラマスとカラフトマスの混乱が見られる。そこで少々詳しく、サケマスについて説明する。また大西洋や北太平洋からのサケ科の魚によって「サケ」「マス」の用途は広がっている。このあたりもここで詳しく述べる。


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このページは、管理人が2007年1月21日 21:16に書いたブログ記事です。

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