2007年2月25日アーカイブ

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 サケの王者であったベニザケのサケ界での凋落は養殖サケの台頭によるのだ、というのを何度か書いてきた。その昔はもっとも味のいい、またもっとも高価なサケ科の魚であったわけで、戦後北洋でのスターといえばまさに本種をさしていたのである。

 それが今ではときに標準和名のサケとあまり変わらず、またときに養殖ギンザケよりも価格的に低いという現象が起きてきているのだ。
 例えば2006年度の冷凍輸入ベニザケの平均は481円、ギンザケ461円、サーモントラウト519円である。ここでは養殖のサーモントラウトより低く、またギンザケとの差がほとんどない。ちなみに2005年度はベニザケ524円、ギンザケ411円だった。このギンザケ、サーモントラウトとの価格差はベニザケの好漁不漁によっては、まや変わってくるだろう。またますます脂嗜好が進むと、天然物で脂ののりにバラツキがあると、価格がもっと下がる可能性もある。
 そのベニザケには釣りもの、刺し網、巻き網など天然であるゆえの3種類のランクが存在する。釣りものが最上級であるのは当然であるが、刺し網は未成熟のもの、巻き網は成熟しつつある・産卵を控えたものである。塩鮭を専門に扱う業者や魚屋にとってはベニザケというのは良し悪しがあって扱いにくい。それに反してギンザケのほうが品質が一定でいいのだという。
「それではベニザケも養殖すればいいのに」、と素朴な疑問を大都魚類のサケの専門家に聞くと、なかなか難しいのだという。ということで今回のam/pm「紅鮭」の原材料「紅鮭」も間違いなく天然なのである。すなわち天然を差す原材料名は「鮭」「鱒」「紅鮭」となる。ここで間違って欲しくないのは「ますの寿司」にある「鱒類」、「鮭類」という非常にいかがわしい曖昧な原材料をのぞくということ。

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 この「紅鮭」という商品名の“たっぷりしっかり具がおいしい手巻きおにぎり”。なかなか原材料もたまたまベニザケだったのでわかりやすい。しかもご飯、海苔などが香ばしく美味である。とくに中に入っていたベニザケがフレークではなくほぐし身だったのもいい感じだ。この味わいからするとなかなかベニザケも厳選されている。
 ここで原材料表記をもう一歩すすめて原産国を入れてはいかがだろう? おにぎりの価格も138円と高めであるし、ベニザケもなかなかいいものだと思われる。それなら胸をはって「ロシアなのか、アメリカなのか、カナダなのか?」明記してほしいな!

am/pm
http://www.ampm.co.jp/home.html
シノブフーズ
http://www.shinobufoods.co.jp/
●参考/日刊シーフーズ・ニュース


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こはだ食べたいぞ

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 最近、思うに「こはだ」とは、なんとうまいものなのだろう。毎日、毎日、食べても、食べても、また、食べたくなる。

「こはだ」とは、江戸に置いてのコノシロの幼魚、10センチ前後のものを言う方言である。でも最近、「新子=4、5センチ」「こはだ=7、8、10センチ前後」「なかずみ=12〜13センチ」「このしろ=15センチ以上」という厳密な区分の内、「なかずみ」を知らない、もしくは省いてしまう傾向を見受ける。ということで「こはだ」の区分が広がって来ている。これには古い職人たち、寿司通と言われる人たちは大いに嘆かれているようだ。でもボクのようにいつも懐寂しいオヤジは、そんな「嘆き」とは無縁である。「こはだ」と出されたものが「なかずみ」であっても全然気にならない。冬の時期なら脂ののった「なかずみ」大歓迎である。それよりむしろ“こはだ”サイズが少ない時期に法外な仕入れをする寿司屋の方が怖い。

「冬になると、脂がのってくるのはいいんだけど“こはだ”サイズは少なくなるね。ちょっと骨が気になってきた。でも味からすると“なかずみ”はいいよ」
 たかさんがネタケースに「こはだ(厳密にはなかずみ)」を仕舞いながら呟く。確かにその通りなので、やや脂が落ちてきたとは言え、この「なかずみ」がすこぶるつきにうまい。
「でも、最近の客は“しめもの”を頼まないよ。だからさ、知ってる顔だけにすすめるだろ。これが嫌なんだよ。すすめなくちゃいけない」
 だから『市場寿司 たか』でもあんまり仕込みすぎても無駄になるそうである。もったいない話である。また“光りもの““しめもの”が嫌いというヤツは愚か者であり、寿司屋での楽しみの大半を知らぬものたちである。

 たかさんの作る「こはだ」は酢も塩もしっかり、適度に利いている。ちょうどすし飯と合わさっても、その酢は感じられないほどで、塩加減から「こはだ」の味わいが浮き上がってくる。ボクは昼の営業前に出来上がったばかりの「こはだ」をつまむのが最上級の楽しみである。

 天気予報では、九州には黄砂が見られたという。とすると今年は「新子」が出るのも早かろう。反面、「なかずみ」すら少なくなって、たかさんが市場を右往左往探し回るようになってしまうのも早いのだろうか。この暖冬傾向が気がかりでしかたない。

市場寿司 たか
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八王子の市場に関しては
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