八王子魚市場『源七』ホンビノスの佃煮

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 船橋を本拠地として八王子魚市場に店を持つ『源七』、本来は千葉県産のアサリなどを扱っている荷主でもある。だから東京湾三番瀬のアサリやサルボウ、アカニシ、千葉市蘇我のトリガイなどが季節季節に店頭を飾る。そこにここ10年くらい頻繁にやってくるのがホンビノスガイである。これは本来アメリカに棲息するもの。たぶん船のバラスト水なんかに幼生が紛れ込んで日本各地に広がったもの。本来ハマグリなどが棲息していた地域に汚染が進み、多くの二枚貝や生物が消えてしまった。そこに汚染に強い本種が進入してしまったのだろう。また、これだけのホンビノスが船橋周辺でとれるというのは、東京湾がきれいになった証拠かもしれない。
 とにかくアサリに混ざってとれてしまうホンビノス、かなり大きくなるし見た目もうまそうだ。とれているんだから食べないと言う法はない。と船橋ではいろいろ試行錯誤をしている。茹でても、青柳(バカガイ)のように半生でも、そこそこイケルが、もうひとつ味わいに個性がない。そこで『源七』社長でそれこそ貝の中で育ってきたという、吉種登さんが「佃煮にでもしてみっけ」と最近商品化に踏み切ったのである。
 これはなかなかうまいのだ。しょうゆと砂糖で「さささーと煮るんだ」とせっかちな老人は言ってくれるが、なかなか貝の佃煮は作るのが難しい。だから登老人が作り始めると煮上がるのを待っている。そしてできたてをちょいと頂いてくるのだ。やっぱり貝を扱って六十有余年になると佃煮の味もそんじょそこいらのとは違っている。うまいな『源七 ホンビノスの佃煮』は。
 そう言えば登老人、最近「白はまぐり」と呼ぼうかな? なんて言っているが出来れば販売するときにはカッコをつけて(ホンビノスガイ)とどこかに入れないとダメだよ。

市場魚貝類図鑑のホンビノスガイへ
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このページは、管理人が2007年2月 4日 08:23に書いたブログ記事です。

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